[過去ログ] 男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
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214: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)20:59 ID:PBCZ+kY20(5/13) AAS
男「おまえが知らないのか失念しているのかは分からないが、竜闘士の女は『状態異常耐性』ってスキルを持ってるんだ」

男「俺の絶対的な魅了スキルの効果でさえ、中途半端にする強力なスキルがな」

男「女と傭兵の力はほとんど一緒だから傭兵も同じスキルを持っていると考えられる」

男「つまりそんな毒なんて状態異常が効くとは思えない」

気弱「それは……」
省10
215: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:00 ID:PBCZ+kY20(6/13) AAS
男「勝ったから強いんじゃねえよ。逆に強いから勝つわけでもねえ」

男「勝ち負けは時の運で、それによって強さが変わったりはしない」

男「ましてや借り物の力で勝ったことで、その人が強くなったってことになるはずねえだろ。そんなことも分かんねえのか」

気弱「でも……強い男じゃないと、姉御さんは見向きも……」

男「はん、じゃあ万が一にもおまえが傭兵に勝ってその強さに惚れた姉御と付き合ったとするか」
省9
216: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:00 ID:PBCZ+kY20(7/13) AAS
気弱「僕は……元の世界では病弱だったんです」

男「……そうか」

男(だから今度は俺が話に付き合う番だろう)

気弱「定期的に病院に行くのが日常で激しい運動するなんてもってのほか」

気弱「だから僕のことが女子みたいだといじられることも良くあることでした」
省7
217: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:01 ID:PBCZ+kY20(8/13) AAS
男「そうして命の恩人だから好きになったってわけか?」

気弱「それも少しはあるかもしれません。でもそれだけじゃないです」

気弱「咄嗟の瞬間に僕と子供二人を抱えて逃げられるだけ鍛えている……その強さに僕は憧れたんです」

気弱「病気を言い訳に弱いことを僕は受け入れていましたから」

男「なるほどな」
省9
218: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:02 ID:PBCZ+kY20(9/13) AAS
気弱「ありがとうございます、男さん。僕を諭してもらって、そして話に付き合ってもらってスッキリしました」

男「そんなことない。俺はただ暴言吐いてただけだしな」

気弱「この剣を使ったところで強くなるではない。それは分かりましたが僕は準決勝でこの剣を使おうと思います」

男「強さに取り付かれてたさっきまでとは違うみたいだが……どうしてだ?」

気弱「確かに傭兵さんに毒は効かないかもしれません。ですが効くかもしれないですよね」
省5
219: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:02 ID:PBCZ+kY20(10/13) AAS
男「その剣はおまえの本来の得物じゃない。刀身も今まで使っていたのより細いし、重量も違うはずだ」

男「そんな付け焼き刃が通用すると思うか?」

気弱「で、でも……一発当てさえすればどうにかなるかもしれないじゃないですか」

男「だとしても無駄だ。見ただけで毒だと分かるその剣、百戦錬磨の傭兵が当たってやると思うか?」

男「一発当てさえすればといっても、その一発すら当てられないレベルの差があるだろ」
省5
220: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:02 ID:PBCZ+kY20(11/13) AAS
男「ちょっとその剣貸してみろ」

気弱「え、その……」

男(俺は気弱から剣を奪い取る)

男「意外と重い……。よく軽々しく取り回せるな」

男「俺も魅了スキルだけじゃなくてちょっとくらい力が授かってれば良かったのに」
省5
221: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:03 ID:PBCZ+kY20(12/13) AAS
気弱「そんなの無茶ですよ!」

男(重さのせいか剣を水平に構えると腕がプルプル振るえる俺を見て気弱が叫ぶ)

男「じゃあおまえがやろうとしていたことも無茶だな」

気弱「っ……!」

男「準決勝直前だから一発で動けなくなる毒を食らったら『状態異常耐性』のスキルも持ってないようだしそのまま不戦敗か?」
省7
222: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/05(火)21:05 ID:PBCZ+kY20(13/13) AAS
続く。
223: 2019/03/06(水)05:43 ID:EDNRvIqAO携(1) AAS
乙!
224: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:45 ID:+eoDm6550(1/11) AAS
乙、ありがとうございます。

投下します。
225: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:46 ID:+eoDm6550(2/11) AAS
女友「男さん! どこに行ってたんですか……って、どうしたんですか、その傷は!?」

男(VIP席に戻った俺を出迎えた女友は、傷だらけの俺を見て思わず叫んだ)

男「あー……ちょっとな。すまん女友、回復魔法かけてくれないか?」

女友「分かっています! 『妖精の歌(フェアリーコーラス)』!」

男(女友の手元から発せられた光が俺の身を包む)
省4
226: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:46 ID:+eoDm6550(3/11) AAS
男「ふう、痛みが引いていくな……助かった……」

女友「回復完了です。それでやっぱり誰かが襲ってきたんですか!? すいません側を離れてしまって……」

男「いや、これは少しでも宝玉を手に入れる確率を上げるためにやったことだ。俺のせいだから気にするな」

女友「宝玉って、一体何を……?」

男(女友が訝しんでいるが説明するつもりは無かった。あんな柄にもないことをしたなんて説明するのは恥ずかしい)
省10
227: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:47 ID:+eoDm6550(4/11) AAS
男(チャラ男……あいつの行動には疑問ばかり残っている)

男(明らかに気弱が力に取り付かれるように唆して、本来の力を発揮できない毒の剣に手を出させようとしていた)

男(まるで気弱がこの準決勝で負けるように誘導しているかのようだ)

男(宝玉を手に入れるという俺たちの目的から遠ざかる行動……あいつはやっぱり……)

男「…………」
省4
228: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:47 ID:+eoDm6550(5/11) AAS
観客1「勝てよー、傭兵!!」

観客2「伝説を証明してくれー!!」

観客3「油断するなよー」

男(観客から傭兵を応援が飛ぶ)
省5
229: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:48 ID:+eoDm6550(6/11) AAS
男「この雰囲気は……」

女友「マズいですね」

男(考えてみればそうだ。観客の一番の関心は決勝において竜闘士が一騎打ちすることだ)

男(こんなところで傭兵が負けることは望んでいない……いや、思ってもいない)

男(気弱が勝つことを誰も信じない状況を作り上げられている)
省12
230: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:48 ID:+eoDm6550(7/11) AAS
姉御「アイツは……気弱は強いんだ」

姉御「アンタらは知ってるか分からないけど、気弱は元の世界では病弱でな。満足に運動できないようなやつだったんだ」

姉御「いくら鍛えても女の癖にって言われることに辟易していたアタイは、そんなアイツを男の癖に弱いって正直見下していたもんだよ」

姉御「そんなある日……アタイと気弱は子供が車に轢かれそうになる場面に遭遇した」

姉御「といってもそれなりに余裕があってね。アタイならひょいと子供を抱えて安全圏に連れて行ける……はずだった」
省6
231: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:48 ID:+eoDm6550(8/11) AAS
男(先ほども聞いた話だが……そうか、姉御の視点からはそう映っていたのか)

姉御「アタイは本当は臆病なんだ」

姉御「口では威勢の良いことを言っておきながら、予選の時もギリギリまで傭兵の前に立つ決断を下せなかっただろう?」

姉御「だから気弱の強さに憧れているんだ。やるときはやる。恐怖に屈しない。そんな精神的な強さに」

男(気弱は姉御の肉体的強さに憧れて)
省3
232: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:49 ID:+eoDm6550(9/11) AAS
実況「さあ、両選手位置に付きました! それでは準決勝第一試合――」

解説「試合開始です!!」

男(そのとき実況と解説が開始を宣言した。話し込んでいる間に準備が整っていたようだ)

男(ゴングが鳴り、伝説の傭兵の勝利を信じた観客の声がうねりにもなりリングに流れ込む中)
省4
233: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/07(木)23:51 ID:+eoDm6550(10/11) AAS
姉御「おっと、もう始まったのかい。まあでも大丈夫だよ。この程度で屈するアイツじゃない」

男(四面楚歌の状況……ここに一人だけ応援してくれる少女がいるが圧倒的不利な状況には変わらず、それでも相対する少年は落ち着いていて)

気弱「はぁっ!!」

男(気弱は盾を体の正面に構えて衝撃波を受けきった)
省8
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