【艦これSS】不器用を、あなたに。 (624レス)
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586: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)01:54 ID:iboqIv40O携(6/14) AAS
また当初は作戦にギリギリ間に合うかどうかくらいに見積もられた満潮も、ここ数日での練度の上がり方を見るに、あと1週間程で改二要求練度に到達しそうである。

これ程の過酷な訓練をしているのだから当然であると思う一方で、山城が言うだけの成果を出してみせた点については認めないわけにはいかなかった。

くわえて意外にも山城は、訓練中は扶桑に対して1番容赦なかった。

もちろん扶桑にだけ態度や言動が特別な点は変わらないのだが、訓練の内容で言えば逆に扶桑を徹底的に砲撃し1日に何度も5人で彼女をいじめ抜いている。

それは言うまでもなく、着任が大きく遅れメンバー内で1番練度が低い彼女を大規模作戦レベルに引き上げるためであろう。
587: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)01:56 ID:iboqIv40O携(7/14) AAS
山城は私情に左右されず、あくまで練度と戦力の向上という目的に忠実なようだ。

そうなるといよいよ、指導理論においては山城に逆らう妥当性が見つからないのである。

これこそが5人が溢れんばかりの憎しみや怒りを抑えながらも山城の指示を聞く理由に他ならない。

陽炎「でもやっぱりストレスが尋常じゃなさそうね...。訓練内容もそうだけど、アイツに指揮されるってのが。」

夕立「そう!ほんとに嫌過ぎて吐き気がするの!」
省4
588: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)01:58 ID:iboqIv40O携(8/14) AAS
不知火「一段とクズ...。それは精神衛生に良くないですね...」

扶桑「あまり相手にしちゃ駄目よ?やり返すだけ無駄なんだから」

夕立「そうは言ってもやられっぱなしはムカつくっぽい...!あのクズ、また時雨を...!」

時雨「...まぁ別にアイツが僕にどうこう言うのは気にしてないさ」

興奮している夕立を制するように時雨が口を開く。
省8
589: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)02:00 ID:iboqIv40O携(9/14) AAS
最上「...みんな、せっかくのお昼が不味くなるよ」

扶桑「とにかく落ち着きなさい。私だって腹は立つけど...せっかくの5人の団欒を壊したくないわ」

危険な雰囲気を2人がひとまず抑えた。

扶桑「他の人にも迷惑だから、ね?」

そう言いながら扶桑は隣を見遣る。
省6
590: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)02:02 ID:iboqIv40O携(10/14) AAS
扶桑「最上の言う通りよ。この間食堂で言った事が守られないのは腹立たしいけど...。わざわざ相手して余計なエネルギーを使うことはないわ」

扶桑「ムカつくのは元からでしょう。だからいつも以上に暴言を吐いてきても、憎むだけに留めて無視しておきなさい」

夕立「むぅぅ...分かったっぽい...」

満潮「扶桑がそう言うならそうするわよ...」

扶桑と最上のおかげで何とか楽しい昼休みの時間を取り戻せそうだ。
省7
591: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)02:04 ID:iboqIv40O携(11/14) AAS
−−−

守らなきゃ・・・
また自分が残ったんだから・・・

傍には空母が居る。

絶対に、護らなきゃ・・・
そう強く思いながら海を走る。
省6
592: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)02:05 ID:iboqIv40O携(12/14) AAS
どうして・・・!

どうしてこんな目に遭わなければならないの・・・?

こんなの理不尽じゃないか・・・!

涙がひたすらに流れる。

これこそが・・・不幸じゃないか・・・!
省5
593: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)02:06 ID:iboqIv40O携(13/14) AAS
そうか、コイツのせいなのか・・・

コイツは許してはいけない奴だった・・・!

コイツは仲間なんかじゃないんだった・・・!

何の疑問を持つ事なく、憎しみが瞬く間に湧き起こった。

その憎しみはどこか心地よいものだった。
省1
594: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/05/19(日)02:08 ID:iboqIv40O携(14/14) AAS
今回はここまでです

昨日が時雨の進水日!

当初の予定ではそもそもとっくに完結してる予定でしたが、終わらないと分かってからはこの日をデッドラインにしてました

そしたら・・・余裕で間に合いませんでした

ほんとに遅筆ですみません
エタる事はしないので気長にお付き合い頂ければと思います
595: 2019/05/19(日)06:31 ID:vjG60Nv9o(1) AAS
お疲れ様
596: 2019/05/19(日)07:22 ID:QyAMeh0RO携(1) AAS
乙!
597: 2019/05/19(日)11:17 ID:gXD3UMnpO携(1) AAS

598: 2019/05/19(日)12:41 ID:GhXqpNM/o(1) AAS
おっつおっつ
599: ◆eZLHgmSox6/X 2019/06/14(金)23:10 ID:tBNlJVQdO携(1) AAS
長らく更新が出来てなくて申し訳ない次第です
月曜日くらいに続きを投下出来れば...と思ってます
600: 2019/06/15(土)00:18 ID:L7oPqam9o(1) AAS
待ってた
601: 2019/06/25(火)12:27 ID:9ckhR7ysO携(1) AAS
待ってるぞ
頑張ってくれ
602: ◆eZLHgmSox6/X 2019/06/26(水)11:02 ID:YtYgWYHzO携(1/15) AAS
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−−


やはりそうだ・・・

眠っている彼女は雨に濡れていた。

・・・きっと私は雨を止ませる事は出来ない。
濡れた彼女の顔を拭いてやるくらいしか出来ないのだ。

それでも彼女ならきっと大丈夫だと思いたい。
省5
603: ◆eZLHgmSox6/X 2019/06/26(水)11:03 ID:YtYgWYHzO携(2/15) AAS
目を開いた直後も暫し夢現としていた時雨だったが、やがてにこやかに挨拶を返した。

時雨といえば、この笑顔なのである。

山城「...よく眠れた?」

時雨「...うん、ぐっすりさ!今日も訓練頑張れそうだよ」

時雨は明るい表情でそう言うのだった。
省5
604: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/06/26(水)11:05 ID:YtYgWYHzO携(3/15) AAS


時雨「今日は山城の予定はどんな感じなんだい?」

時雨「僕の午前の訓練には付き添ってくれるみたいだけど...」

身支度を済ませた2人は朝食を取りに、食堂を目指して廊下を並んで歩いていた。

山城のすぐ隣の場所は、すっかり時雨の定位置になりつつある。
省6
605: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/06/26(水)11:06 ID:YtYgWYHzO携(4/15) AAS
山城「ねぇ、時雨...」

時雨「何だい?」

山城「鎮守府生活にはそろそろ慣れたかしら?」

山城はすぐ隣を歩く少女に尋ねた。

時雨「うん、みんな優しくしてくれるからね」
省6
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