【艦これSS】不器用を、あなたに。 (624レス)
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487: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)13:52 ID:Xg6j+0MOO携(29/38) AAS
提督「しかしあくまで山城の判断に従った編成にする。君が反対と言ったなら、西村艦隊はバラバラにして編成に入れる」

提督「もちろんリスクがあるそれ以外の艦についても考慮する。まぁ、それでも君のおかげでだいぶ編成に苦労はしなくなったがな」

山城「...それは何よりね」

提督「それと一番の要因だった山城は...逆に一緒にした方が安心だな」

提督は苦笑いする。
そしてまた、気まずそうに沈黙した。
省5
488: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)13:53 ID:Xg6j+0MOO携(30/38) AAS
山城「提督は...客観的に見てこの作戦が上手くいくと思うかしら」

ふと山城は尋ねる。

提督は想定外の質問をされ少し戸惑った様子だが、すぐに答えた。

提督「この戦力なら大丈夫だと思っている。もちろん余裕は一切ないが...」

提督「大本営だって各鎮守府の戦力や練度を把握した上で作戦要綱を作成している。この海域を割り当てたのも、私達で攻略できると判断したからだ」
省3
489: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)13:57 ID:Xg6j+0MOO携(31/38) AAS
提督「空母がろくに足りてなかったレイテとは全く違う。今回はミッドウェー組が健在だ」

提督「同時突入だって...今度は指揮体系が一つにまとまっている。私達が普段通りの連携を発揮して部隊の歩調を合わせられれば、必ず上手くいくさ」

提督「少なくとも...一部隊が単独突入をして集中砲火で壊滅するなんて事は...絶対にさせない」

しっかりと断言した提督の顔は、少しだけ自信を取り戻していたように思えた。

提督「...私もだいぶ昔の事に詳しくなったもんだな」
省1
490: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)13:58 ID:Xg6j+0MOO携(32/38) AAS
・・・彼の提案は正しい。
それは自分でもいつかは必要と感じていたことでさえある。

それでも、どうしても不安が先行してしまうのだった。
だから避け続けてきた。進みすぎないようにした。

だが・・・
問題の早期解決のために身勝手に動いていた自分が、よりにもよってそのチャンスを不安を理由に拒むなど、そもそもおかしな話ではないか。

きっとこの作戦は、彼の言うように絶好のチャンスなのだ。

・・・私のあの日の決断は、この日のためじゃないか。
省2
491: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)13:58 ID:Xg6j+0MOO携(33/38) AAS
山城「...受けるわ」

提督「...えっ?」

山城「だから、提督の提案を受けるわ。私を旗艦にして、西村艦隊を編成してちょうだい」

提督「自分で言っておいては何だが...本当にいいのか?」

山城「提督の言う通りだもの。私の存在が無くても大丈夫になって、初めて解決と言えるのだから」
省4
492: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)14:04 ID:Xg6j+0MOO携(34/38) AAS
山城「...ところで、一つだけお願いがあるのだけど」

提督「...なんだ?」

山城「作戦の実行は1ヶ月後からでしょ?それなら準備期間は私の部隊については、私に完全指導権を与えてほしいの」

提督「...また「口を挟むな」かい?」

山城「...特に憎まれてる相手達だから...強い権限が必要になると思っただけよ」
省6
493: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)14:05 ID:Xg6j+0MOO携(35/38) AAS
山城「...理解してくれるなら...提督には最初から全部説明しとけば良かったかしら」

提督「そんなことはないな。あの時私がこの話を聞いていても、やはり山城の言う通り断固反対してただろうな」

提督「そこすらも、読まれていたわけだ」

山城「そう...」

提督「今こうして納得できているのだって、もう一方が未だにあの頃から大きく改善してないのを知ってるからな」
省2
494: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)14:07 ID:Xg6j+0MOO携(36/38) AAS
山城「改善しないのも仕方ないわ...こればっかは本人次第だもの」

山城「かといって簡単に切り替えられるものじゃないから...」

提督「あぁ、まったくだ」

提督「あっちはいつになるか分からない...まさに君の予想通りだ...」

提督「本当、君の分析能力には恐れ入るばかりだよ...」
省3
495: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)14:14 ID:Xg6j+0MOO携(37/38) AAS
それでも、レイテとは全く背景が違う事は大きい。
スリガオの要素など、この鎮守府の総力を以て事前に取り除いてしまえば良い。
単純な戦力も、指揮系統も、レーダーでの備えも、連携も・・・全てがかつてよりも優れているのだ。

・・・何より今の私は・・・ネガティブな忌まわしさではなくポジティブなもののはずだ。

山城は自身に言い聞かせて決心した。

山城「...作戦は必ず成功させるわ」

山城「あとは...目論見通りにそれが本当の幸運をもたらしてくれる事を祈るばかりね」
省5
496: ◆eZLHgmSox6/X [saga] 2019/04/07(日)14:15 ID:Xg6j+0MOO携(38/38) AAS
とりあえずここまでです
いやぁ、ほんとペースを上げたいです
497: 2019/04/07(日)14:22 ID:2bwKg2aZO携(1) AAS
おっつおっつ
498: 2019/04/07(日)14:28 ID:DvzvxC+QO携(1) AAS
なんか壮大な話になってきてワクワクしてきたぞ
499: 2019/04/08(月)00:34 ID:WcwtS8/Zo(1) AAS

この世界の山城が報われて欲しい
500: 2019/04/08(月)23:26 ID:Zv5jYZZso(1) AAS
乗るな山城鬼より恐いが見れるのか
501: ◆eZLHgmSox6/X 2019/04/27(土)13:18 ID:BuxhNj0mO携(1) AAS
気付いたら3週間が経とうとしてましたね...
一向に進まなくて申し訳ないです
今日の夕方頃に続き投下します
502: 2019/04/27(土)13:38 ID:DtsITkBno(1) AAS
了解
503: 2019/04/27(土)16:39 ID:0iTtYljTO携(1) AAS
まってる
504: ◆eZLHgmSox6/X 2019/04/27(土)22:19 ID:FvzkVLeNo(1/32) AAS
22時は個人的にまだ夕方です(毎度ほんとに申し訳ないです)

それでは投下します
505: ◆eZLHgmSox6/X 2019/04/27(土)22:20 ID:FvzkVLeNo(2/32) AAS
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那珂「...だから山城さんは...むしろ時雨ちゃんの事は大事に思ってるんじゃないかな」

雷「そんなことが...全く気づかなかったわ...」

Верный「私も...これは驚いたな」

暁「やっぱり、山城さんもほんとは優しい人なのよ!」
省3
506: ◆eZLHgmSox6/X 2019/04/27(土)22:21 ID:FvzkVLeNo(3/32) AAS
普段、このメンバーだけで揃うというのは難しい。
このメンバーに限定したい理由はもちろん、目的が目的なだけに事情を知る組に悟られないようにするためだ。

ストレートに聞いてもある程度は話してくれるが、肝心の点については決して教えてくれない。
だからまずは何とか直接聞く事無しに情報を集め推測し、それに確信を得てから彼女らに −少し怖いが山城本人でも良いのだ− 確かめる方針なのである。

せっかく掴みかけている真実を諦めたくはない。

しかし残念な事に彼女らはそれぞれ、まさにその事情を知る組の姉妹艦(青葉は厳密には違うが似たようなものである)なわけである。

・・・逆に言えばそんな背景が、彼女らに山城が隠す何か重要そうな真実の存在に気づかせたわけであるが。
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