勇者「彼は正しく英雄だった」 (451レス)
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1: [saga] 2018/12/24(月)00:41 ID:RoJmAbMAO携(1/30) AAS
第一話

受付嬢「いらっしゃいませ」

魔法使い「おいっす〜。契約書が出来たって聞いたけど?」

受付嬢「ええ、出来ております。大変お待たせしました」

魔法使い「いいっていいって。って言うか珍しいこともあるもんだよね。いつもなら依頼が出た時点で出来てるのにさ」
省10
2: [saga] 2018/12/24(月)00:43 ID:RoJmAbMAO携(2/30) AAS
魔法使い「依頼者の判断ってわけ?」

受付嬢「いいえ、此方の判断です」

魔法使い「なっ、ふざけないでよっ!! 報酬が減るじゃない!!」

受付嬢「貴女が死亡、または依頼失敗した場合、此方に損害が出ます。これは当然の判断です」

魔法使い「そんなに危険な依頼でもないでしょ!! 私一人で出来るってば!!」
省5
3: [saga] 2018/12/24(月)00:45 ID:RoJmAbMAO携(3/30) AAS
魔法使い「……どんな奴なのさ」

受付嬢「彼は傭兵と呼ばれています。傭兵稼業で傭兵と言うのも可笑しな話ではありますが」

魔法使い「聞いたことないよ? そいつ、実績あるの?」

受付嬢「勿論です。経験は豊富ですよ? 今のように魔物が現れる以前から傭兵として」

魔法使い「ちょ、ちょっと待ってよ。そんなの二十年は前の話じゃない!!」
省5
4: [saga] 2018/12/24(月)00:46 ID:RoJmAbMAO携(4/30) AAS
魔法使い「まあ、受けるけどさあ……」スッ

受付嬢「やけにあっさりしていますね」

魔法使い「お金がいるからね。それじゃあね、受付さん」

受付嬢「まさかとは思いますが、今から行くつもりですか? お一人で」

魔法使い「二人で行けとは書いてない。悪いけど、私一人でやる。で、報酬は全部貰う」
省4
5: [saga] 2018/12/24(月)00:48 ID:RoJmAbMAO携(5/30) AAS
受付嬢「分かりました。では、お気を付けて」

魔法使い「ありがと。受付さん、またね」スタスタ

ガチャ バタンッ

受付嬢(……こうなるとは思っていました。でもまさか、こんなにも早く単独行動を選ぶとは)

カチッ
省6
6: [saga] 2018/12/24(月)00:50 ID:RoJmAbMAO携(6/30) AAS
受付嬢「二年? いいえ、違います。二年と三ヶ月と四日です」

受付嬢「それより、また傷痕が増えたようですね相変わらず、無茶な依頼ばかり……」ポツリ

受付嬢「いえ、何でもありません。早速ではありますが、此方に拇印をお願いします」

受付嬢「ありがとうございます。依頼内容に変更はありませんが、念の為確認しますか?」

受付嬢「必要ない?」
省7
7: [saga] 2018/12/24(月)00:53 ID:RoJmAbMAO携(7/30) AAS
受付嬢「では、彼女を宜しくお願いします。彼女はまだ若く、才能のある貴重な存在です」

受付嬢「彼女を失うのは此方にとっても大きな損失。近頃は妙な失踪も相次いでいます」

受付嬢「……ええ、そうです」

受付嬢「失踪したのはいずれも魔力が特級の者。やはり、ご存知でしたか」

受付嬢「簡単な依頼内容で高い報酬。つまり今回のような依頼に釣られて、と言うものもあります」
省11
8: [saga] 2018/12/24(月)00:54 ID:RoJmAbMAO携(8/30) AAS
第一話 帰還

終わり
9: [saga] 2018/12/24(月)00:57 ID:RoJmAbMAO携(9/30) AAS
第二話 

魔法使い(この辺りでいっか。双眼鏡、双眼鏡)

ガサゴソ

魔法使い(ん〜っと? 確認出来るだけでも五匹か。なんだ、下級も下級じゃん。野犬みたいなものだけど、一応様子見とこ)

魔法使い(……変化ナシ)
省8
10: [saga] 2018/12/24(月)00:58 ID:RoJmAbMAO携(10/30) AAS
魔法使い「何で分かるかって?」

魔法使い「だって、アンタから魔力を一切感じないし。って言うか、私くらいの子は普通に出来るよ、これくらい」

魔法使い「魔術は日々進歩してんの。魔力の探知なんて今は当たり前なの」

魔法使い「まあ、アンタみたいな旧世代のオッサンには分からないだろうけどね」

魔法使い「って言うかさ、アンタの世代だって魔法使い使えて当たり前だったでしょ?」
省7
11: [saga] 2018/12/24(月)01:00 ID:RoJmAbMAO携(11/30) AAS
魔法使い「あ、そうだ」クルッ

魔法使い「受付さんには言っておいたけど、私一人でやるわけだから報酬は全部貰うよ?」

魔法使い「……しつこいな」スッ

ボゥッ!

魔法使い「あのさ、私の邪魔しないでくれる? それ以上付いてきたら、次は当てるから」
省5
12: [saga] 2018/12/24(月)01:01 ID:RoJmAbMAO携(12/30) AAS
第二話 時代遅れ

終わり
13: [saga] 2018/12/24(月)01:03 ID:RoJmAbMAO携(13/30) AAS
第三話

魔法使い「五匹目っと」スッ

ボゥッ!メラメラ…

魔法使い(まだいるみたいだけど、こいつら相手なら余裕でしょ。なんか大人しいし)

魔法使い(でもまあ、こんなのが相手でも報酬が高いんだから魔物討伐はやめられないんだよね)スッ
省5
14: [saga] 2018/12/24(月)01:05 ID:RoJmAbMAO携(14/30) AAS
魔法使い「!?」クルッ

「ああ、驚かせて申し訳ありません。私は呪術師と申します」

魔法使い(コイツ、どこから……)

呪術師「いやいや、お手並み拝見しましたよ。貴方には才能があるようですね。どうです? 私と共に来ませんか?」

魔法使い「あのさ、いきなり現れた奴に付いていく奴がいると思う? 馬鹿言わないでくれない?」
省7
15: [saga] 2018/12/24(月)01:07 ID:RoJmAbMAO携(15/30) AAS
魔法使い「何それ、国盗りでもする気?」

呪術師「乱暴な言い方をすれば、そうなりますかね。だからこそ、貴方のような優れた魔術師が必要なのです」

魔法使い「アホらし、付き合ってらんない。悪いけど他を当たってくれる?」ザッ

呪術師「貴方、魔力判定は特級でしょう?」

魔法使い「……だったらなにさ?」
省7
16: [saga] 2018/12/24(月)01:08 ID:RoJmAbMAO携(16/30) AAS
魔法使い「悪いけど興味ない。もう行くから」

呪術師「もう戻ることは出来ませんよ? 貴方は罪人なのですから」

魔法使い「………はぁ。あのさ、アンタって頭おかしいんじゃないの?」

呪術師「頭がおかしいのは、罪のない子供達を殺した貴方の方ですよ」

魔法使い「何言って……!!」
省4
17: [saga] 2018/12/24(月)01:11 ID:RoJmAbMAO携(17/30) AAS
魔法使い(そんな、何で……)

呪術師「子供は容易いな」

魔法使い「しまっ」

ガツン! ドサッ…

呪術師「戦いってのは魔力の大きさじゃあないんだよ。しかしまあ、子供ってのは楽でいい……」
省7
18: [saga] 2018/12/24(月)01:18 ID:RoJmAbMAO携(18/30) AAS
呪術師「ッ!!」

すぐさま体を起こして振り返ると、朽ちかけた民家の影から男が現れた。

剣と弩、肩当て胸当て、これといって特徴のない装備、魔力を一切感じさせない、ただの男。

呪術師「……あぁ、そうですかそうですか、なるほど、貴方でしたか。状況は把握しました」

呪術師「魔力を欠片ほども持たないと言うのは話に聞いていた以上に厄介ですね……」
省8
19: [saga] 2018/12/24(月)01:20 ID:RoJmAbMAO携(19/30) AAS
その声は明らかに震えている。

痙攣が引き起こした不規則な笑み、居心地悪そうに動き回る眼球。

その様を見ても、亡霊の傭兵と呼ばれた男は呪術師に一切の関心を払うことはなかった。

傭兵はやはり無言のまま呪術師を見下ろして、肩の矢をゆっくりと引き抜く。

呪術師「ぐっ、うぅっ…」
省4
20: [saga] 2018/12/24(月)01:21 ID:RoJmAbMAO携(20/30) AAS
視界は毒によって既に奪われていた。

この様子では、首など刎ねなくとも数分の内に死亡するだろう。

呪術師「貴方は私を追っていたのですか? それとも偶然に?」

答えはない。

呪術師「もし偶然なのだとしたら、私も運が悪」
省4
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