幼女幽霊「ちょっと昔話でもしようか」 (54レス)
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11: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:19 ID:4xQZdVawo(11/45) AAS
ピーーーー
幼女幽霊「おっ?客か。まだ真昼間だってのに、珍しい」
DQN幽霊「若い男が一人、珍しいっスね。一人でこんなところに来るなんて」
DQN幽霊(一人か……何かあの女を思い出すが、まあ大丈夫だよな?眼帯もしてないし)
幼女幽霊「ふふふっ、さぁて……久しぶりにやっちゃりますか。パワーアップした私の力をとくと見るがいい!!!!」
省4
12: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:20 ID:4xQZdVawo(12/45) AAS
幼女幽霊「い、いや……でもなぁ。年齢的にはあのぐらいの年頃になってると思うし、どこか面影もあるような
DQN幽霊「え?どういうことっスか?まさか先輩の知り合いだったりするんスか?」
幼女幽霊「知り合いと言ったら知り合いだけど……もう十年近く前だぞ。私が幽霊になりたての頃の話だし」
DQN幽霊「先輩が幽霊になりたての頃の話って聞いたことないっス。どんなことがあったんスか?」
幼女幽霊「いや、話すと長くなるんだけどさ、まあいいや。ちょっと昔話でもしようか」
省1
13: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:22 ID:4xQZdVawo(13/45) AAS
▢▢▢▢ 十年前 ▢▢▢▢
幼女幽霊「ふぇぇ……」フワフワ
爺幽霊「……」
幼女幽霊「ふぇぇ……お爺ちゃん見てぇ。こんなに高く飛べるよぉ」
爺幽霊「……あぁ、そうだな」
省3
14: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:22 ID:4xQZdVawo(14/45) AAS
幼女幽霊「ねぇ、お爺ちゃん。暇ぁ」
幼女幽霊「何か遊べるおもちゃとかないの?」
爺幽霊「……将棋はどうだ、囲碁もあるぞ」
幼女幽霊「それ難しくてつまんなぁい。私、映画とか見たいよぉ。ホラー映画とか」
爺幽霊「……変わった子だ」
省3
15: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:23 ID:4xQZdVawo(15/45) AAS
爺幽霊「……どうやらそのようだな」
幼女幽霊「わーい!ちょうど退屈してた頃だったんだ!ねぇ、今日はどんな方法でびっくりさせる?」キラキラ
爺幽霊「……今日は、お前一人でやってみるか?」
幼女幽霊「えっ!?いいの!?前は危ないからダメって言ってたのに!」
爺幽霊「……あぁ、そろそろ幽霊としての心意気も分かってきたようだしな」
省4
16: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:24 ID:4xQZdVawo(16/45) AAS
スタスタ スタスタ
幼女幽霊(いたいた……あの男の子だな。年齢は私と同じくらい?)
幼女幽霊(ふふふ、子供だからって容赦しないんだから。おしっこチビらせるくらいびっくりさせてやる)
少年「……」スタスタ
幼女幽霊(何かここからだと角度が悪いな。もうちょっと怖がりやすい位置に移動しよう)
省3
17: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:26 ID:4xQZdVawo(17/45) AAS
幼女幽霊「!?」
幼女幽霊(え、今こっちを見て……ま、まさか見えてる?)
幼女幽霊(っていうか、声をかけられた?)
少年「ん?どうしたの?ジッと固まって」
幼女幽霊「あ、あわわわわわ……」
省4
18: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:26 ID:4xQZdVawo(18/45) AAS
少年「え?うん。他に誰かいるの?」
幼女幽霊「いや、いないけどさぁ……えぇ……」
少年「それより、こんなところで何をしているの?ここって、有名なおばけ病院なんだよ。そんなところを一人で探検してるなんて……幽霊に襲われちゃうよ?」
幼女幽霊「いや、それはこっちのセリフなんですけど……そっちもなんで一人でいるの?」
少年「僕?僕は……幽霊に会いたいからだよ。友達になりたいんだ、幽霊と」
省1
19: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:28 ID:4xQZdVawo(19/45) AAS
少年「あはは、やっぱり変だよね。でも、本当なんだ」
少年「ずっと……小さい頃から、本で読んでいたんだ。幽霊が出てくるお話をね」
少年「自由に空を飛んで、好きなように暮らして、人を怖がらせて、悪いように扱われていることも多いけど、僕はそんな幽霊に憧れているんだ」
少年「だから、直接会おうと思ってここに来たんだけど……出てこないんだよね。やっぱり噂は嘘だったのかな」
幼女幽霊(目の前にいるじゃん、本物の幽霊。とは言えないよなぁ)
省2
20: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:29 ID:4xQZdVawo(20/45) AAS
幼女幽霊「ひとつ、質問していい?」
幼女幽霊「あなたは霊感というか、幽霊を感じ取れる不思議な力とか……あったりする?」
少年「え?どうして?」
幼女幽霊「いや、なんとなく」
少年「うーん、どうだろ。多分ないんじゃないかな?今までに一度も見たことないし」
省3
21: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:30 ID:4xQZdVawo(21/45) AAS
幼女幽霊「うっ……それは……」ギクッ
幼女幽霊(ど、どうしよう。ここに住んでいる、なんてとてもじゃないけど言えないし)
幼女幽霊(て、適当に話合わせとくか)
幼女幽霊「ま、まあ……そんな感じ、かな?」
少年「本当!?」キラキラ
省3
22: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:33 ID:4xQZdVawo(22/45) AAS
幼女幽霊「ってことになったんだけど」
爺幽霊「……そうか」
幼女幽霊「一体どうなってるわけぇ……なんであいつ私が見えてるの。おかげで全然怖がらせられなかったし。それどころか一緒に遊ぶことになったし」
幼女幽霊「挙げ句の果てにはまた会う約束までしちゃったしぃ……意味分かんない」
爺幽霊「……恐らく、その子が見えたのは年齢のせいだろうな」
省3
23: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:34 ID:4xQZdVawo(23/45) AAS
爺幽霊「大半は赤子の時点でその力が失われるのだがな。あの子はかなり長持ちしている方だ」
幼女幽霊「ってことは……そのうち見られなくなるってこと?」
爺幽霊「……あぁ。だが、元々彼には霊感があるのかもな。もっとも、その可能性はゼロに等しいが」
幼女幽霊「うぅ、面倒だなぁ。さっさと見えなくなればいいのに。また明日もくるって言ってたし」
爺幽霊「……本当にそう思っているのか?満更嫌じゃないようにも見えるが」
省3
24: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:36 ID:4xQZdVawo(24/45) AAS
……………………………………………………
………………………………………
幼女幽霊「はー疲れた。ガキの相手するのってダルいなぁ」
幼女幽霊「今日なんてゲームに付き合わされたし。あ、でも最近のゲームってすごいリアルなんだね。お爺ちゃん、今度携帯ゲーム機持って来てくれる?」
爺幽霊「……ずいぶんご機嫌そうだな。そんなにあの子と遊ぶのは楽しいか?」
幼女幽霊「ち、ちげーし!!!!向こうがやりたいって言ってくるから付き合ってあげてるだけだし!私は全然楽しくないし!」
省6
25: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:37 ID:4xQZdVawo(25/45) AAS
爺幽霊「あの子もいずれ……見えなくなるだろう。その時はじきにやってくる。必ずな」
爺幽霊「……覚悟はしておいた方がいい。儂ら幽霊は……もう人間ではないのだから」
幼女幽霊「……」
幼女幽霊「……分かってるよ、そんなこと」
26: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:38 ID:4xQZdVawo(26/45) AAS
▢▢▢▢ 翌日 ▢▢▢▢
幼女幽霊「なぁ、私たちって知り合ってからどんくらい経った?」
少年「どうしたの急に」
幼女幽霊「別に、気になっただけ」
少年「えーっと、四か月ぐらいじゃない?」
省5
27: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:39 ID:4xQZdVawo(27/45) AAS
少年「ど、どういう意味?それってまさか、引っ越しでもするの?」
幼女幽霊「……まあそうだね。するかもしれない」
少年「い、嫌だよ。僕……せっかく仲良くなったのに……」ウルウル
幼女幽霊「な、泣くなよ。そんなことで」
少年「うっ……うぅ……でもぉ……」ウルウル
省4
28: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:41 ID:4xQZdVawo(28/45) AAS
幼女幽霊(はぁ、こりゃ正直に言うのは無理だな。私が幽霊だって知ったらショック死でもするんじゃないの)
幼女幽霊(――もう、時間がないのに)
少年「そうだ!ねぇ、今度の日曜日に出掛けない?ちょうど家族と遊園地に行くんだけど、一緒に行こうよ!」
幼女幽霊「えっ、遊園地?」
少年「いつも遊ぶのはここの病院だし、たまにはいいでしょ?」
省4
29: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:42 ID:4xQZdVawo(29/45) AAS
少年「えっ……」ピクッ
幼女幽霊(うぐっ、さっきの流れ的に断りづらい)
幼女幽霊(ま、まあ……当日にやっぱり行けなくなったってことで、ドタキャンすればいいか。今はこいつに合わせておこう)
幼女幽霊「――予定があった気がしたけど、特に大したもんでもなかったから、別にいいよ。行っても」
少年「やったー!じゃあどこで待ち合わせする?君の家に直接車で行こうか?それとも駅前にする?」
30: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2018/05/06(日)05:42 ID:4xQZdVawo(30/45) AAS
幼女幽霊「あー……ここに迎えに来てもらうのってあり?私の家ここから近いからさ、そっちの方が分かりやすいと思う」
少年「うーん、じゃあ当日にちょっと早く僕が迎えに来るよ。そこから歩いて僕の家まで行って車で行こうか」
幼女幽霊「じゃあそれで」
少年「約束だよ!今度の日曜日!一緒に遊園地!」
幼女幽霊「……うん、約束」
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