【艦これ】ex.彼女 (902ﾚｽ)
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1: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)01:58 ID:RoopFMMpO携(1/17) AAS
・独自設定あり
・主に憲兵さんがメイン
・息抜きにコメディを書きたくなって始めた、オムニバス形式のお話。なので更新は不定期です。
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2: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)01:59 ID:RoopFMMpO携(2/17) AAS
「そんな……。」
ひどい雨の日の事だった。
あの時の彼女の震えた声は、今でも時折思い出す。
馴染みの公園で、別れ話をした時の事。
あれ以上に女の子を泣かせた事は、未だに無いな。
赤い傘に、彼女の長い髪。
でもその髪が頬に張り付いていたのは、雨で濡れたからじゃなくて……。
3: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:00 ID:RoopFMMpO携(3/17) AAS
第一話・邂逅
4: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:01 ID:RoopFMMpO携(4/17) AAS
「…………ひっでえ目覚めだな。」
なんつー夢だ。よりにもよって、異動初日にこれか。
あんまり思い出したくない元カノの夢。
何年前だっけなぁ…まあいいや。
寝覚めの悪さを振り払い、景気付けに豪快に顔を洗う。
ついでにヒゲ剃って歯も磨いて、そんで勝手知ったるカーキ色に袖を通せば、見慣れた姿の完成だ。
でも今日からは、2週間前までとは違う場所。
省3
5: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:02 ID:RoopFMMpO携(5/17) AAS
「憲兵長殿！おはようございます！」
「ああ、おはよう。今日からよろしく頼むよ。」
「はい！どうぞよろしくお願い致します！」
意気揚々と詰所に入り、まずはここの長への挨拶だ。
着任の挨拶は引越しの時に済ませてるが、やっぱこの人怖そうだな…。
切れ長の目に銀縁眼鏡…ぱっと見イケメンだが、それ以上にインテリヤクザって印象なのが正直なところだ。
省9
6: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:03 ID:RoopFMMpO携(6/17) AAS
「君は女性の部位なら、どこに惹かれる？」
………………。
はい？
7: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:04 ID:RoopFMMpO携(7/17) AAS
「ほう、なるほどな…今の話を分析するに、君はどちらかと言えば柔らかな雰囲気の女性が好み…。
髪はロング派…手の綺麗な人に弱い……要は可愛いよりは美人派と言う事か……。」
え？ゑ？ヱ？
一人でブツブツ言い始めたぞ。何でさっきより眼鏡が光ってんだよ…。
だんだん声が小さくなって、それに比例してボソボソと何か言ってる音は目立つ。
怖えよ…一体何考えてんだこの人…。
「君、どうして憲兵になった？」
「え？はい！所属志望を決める際、深海棲艦討伐に関わる皆様を、裏からお守りしたいと考えまして…。」
省10
8: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:05 ID:RoopFMMpO携(8/17) AAS
「憲兵長殿、早速ですが出動事案です。」
「一体どうしたと言うのかね？通報も無く、窓から見える中庭も至って平和ではないか。」
「憲兵詰所にて変質者出没！確保だ！軍法会議に掛けてやる！」
「離せ！何故私を逮捕しようとするのだ！
私はただこうしてお花さん達を視か…じゃなかった！艦娘達を見守っているだけではないか！」
「てめえ今視姦つったろ！大人しくしやがれエロ眼鏡！」
省2
9: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:07 ID:RoopFMMpO携(9/17) AAS
「………で、何か言う事は？」
「も、もうひわけごらいまへんでひた……。」
俺ね、一応空手三段。
な、何故こんなひ弱そうな眼鏡にボコられたんだろう…嘘だろおい。
ちっ、腐っても憲兵長って事か…まあいい、癖のある上司に当たる事もあるだろ。
こんにゃろう、絶対いつか告発からの更迭コースにしてやるからな。
省20
10: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:09 ID:RoopFMMpO携(10/17) AAS
「はぁ〜〜〜………。」
お昼休み……の、喫煙所。
しかし昼メシなんて食う気も起きやしねえ。
結局あの後眼鏡に延々性癖についての話をされ続け、場所覚えついでの初警邏も何とも足取りが重かった。
あの野郎、話の節々でニヤニヤしやがって…人の性癖聞いて何が楽しいんだ？
溜息が止まらず、思わず2本目のタバコに手を付ける。
やべえな、こりゃ相当イライラしてる証拠だ。
そんな時、ガチャリと喫煙室の扉が開いた。
入ってきたのは白い制服……ああ、粗相が無いようにしないと。
省15
11: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:11 ID:RoopFMMpO携(11/17) AAS
「時に貴様、現在交際相手はいるのか？」
またかよ……。
現在時刻1730、今日の任務は粗方終わり。
夕暮れ時でも腹は減らず、もうカップメンでいいやと考えていた時だった。
「はぁ……いやぁ、今は彼女はいないすねぇ……。」
省8
12: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:13 ID:RoopFMMpO携(12/17) AAS
「高校の同級生でしたね…。」
「ほう、青春じゃないか。どう言った経緯で？」
「告白されてですね…そこから卒業前まで付き合ってました。」
「という事は、卒業を機に別れてしまったという事か？」
「……いえ、卒業の少し前です。俺から振りました。」
省16
13: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:13 ID:RoopFMMpO携(13/17) AAS
「そうか……性交渉はあったのか？」
「そりゃありましたよ…今日び相手がいてなお純潔貫く10代なんていないでしょうに。
まあ、俺が喰われる側だったんですけど…。」
「………成る程な。その様な性質でそこまで行ったのならば、その子はきっと貴様の事を忘れずにいるだろう。
もしかしたら……今も尚、貴様の事を想い続けているのかもな。」
「………やめてください。切実に。」
「…さて、そろそろ良い時間だな。挨拶がある、食堂に行こうか。」
省6
14: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:15 ID:RoopFMMpO携(14/17) AAS
「えー、では紹介しよう。本日より新たに配属された憲兵さんだ。
みんな、彼の世話になる事が無いよう頼むぞ。」
挨拶そのものは滞りなく終わった。
今日は新任組の歓迎会という事で、ここの面子が勢揃いだ。
しかしこうして見ると、ここは前いた所より大きな艦隊だ。
一人一人顔と名前を覚えなきゃだが、果たして覚えきれるのやら。
挨拶も終わったし座らなきゃな…空いている席は…と考えていた時、ある場所から声が掛かった。
「憲兵さーん、よかったらこっちに座りませんか？」
「良いんですか？ありがとうございます。」
省3
15: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:16 ID:RoopFMMpO携(15/17) AAS
「あら…素敵な方ですね。
『初めまして』、正規空母・翔鶴と申します。」
16: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:17 ID:RoopFMMpO携(16/17) AAS
そこにいたのは……まさに数分前に眼鏡との会話に出ていた噂の元カノ。
そしてその瞬間、ここにいた全員の目がこう笑ったのを俺は見逃さなかった。
「かかったなアホめが！」と。
これより始まるのは、艦娘になってたなんて想像もしてなかった元カノとの、再会以降の日々。
並びに、俺とこいつのヨリを戻させようとしてくる、ここのメンバー全員との攻防戦の日々である。
この時俺は、眼鏡や提督の笑顔の真意を知った。
こいつら……全員グルじゃねえかあああああああっ！！！！！！
17: ◆FlW2v5zETA [saga] 2018/03/11(日)02:18 ID:RoopFMMpO携(17/17) AAS
今回はここまで。
こんな感じで、気晴らしにポツポツと書いて行こうかと思います。
18: 2018/03/11(日)03:02 ID:Nj72GiUDo(1) AAS
おつ
19: 2018/03/11(日)11:37 ID:XO8Cy2sY0(1) AAS
おつきたいはよ
20: 2018/03/11(日)22:42 ID:bBSEfadA0(1) AAS
期待待機
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