【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】 (968レス)
【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/
上
下
前
次
1-
新
通常表示
512バイト分割
レス栞
抽出解除
必死チェッカー(簡易版)
レス栞
あぼーん
941: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:30:47.46 ID:MAX3x8VTo >940 いま読み直すと、辻褄の合わない場所が多くて 恥ずかしさのあまり顔が赤くなります。 見直しって大事ね……。 続きです。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/941
942: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:31:31.49 ID:MAX3x8VTo * 昼過ぎ * * 鎮守府本館から埠頭への通路 * キャロライン「ふええ……ダーリン、ごめんネー……」グスグス 提督「別にお前が悪いわけじゃねえだろ。それとこれとは話が別だし、そもそもありゃあ事故だ」ナデナデ 如月「あら? 司令官、こんなところに……どうしたの? メディウムの子を泣かせるなんて」 提督「ん、如月か。なんつうか、キャロラインがニコたちの会話を聞いたらしいんだけどよ……」 提督「深海棲艦の連中が俺の心配をしてるらしくて、メ
ディウムにクレームいれたんだと」 如月「クレーム?」 提督「ああ。俺をこれ以上、作り変えるな、ってよ」 如月「……」 提督「俺が一番最初に魔力槽に入ったときに、俺の体が溶けて消えて、一から作り直されたって話は覚えてるよな?」 如月「え、ええ……」 提督「その時に一緒にいたのがキャロラインだったんだが、その出来事が結構ショックだったらしくてな」 キャロライン「ダーリンが消えちゃったトキは、本当にビックリしたノー……」グスグス 提督「それが忘れられなくて、また同じことが起こったらどうしよう、ってことで、俺のところ
に相談しに来たんだ」 キャロライン「ダーリンが、まだホントの魔神のチカラに目覚めてない、って、ニコちゃん言ってたノ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/942
943: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:32:16.08 ID:MAX3x8VTo キャロライン「ワタシ、ダーリンが強くなったり、ワタシたちと仲良くなるのは嬉しいケド……」 キャロライン「今の優しいダーリンが消えちゃうのもイヤなノ……!」グスッ 如月「……そういうことだったのね」 提督「まあ、人間じゃなくなるのは俺としては嬉しい話だったんだが……」 提督「この島を守るためには、少し人間の部分が残ってねえと、ちょっと都合が悪いかも……って考えてる」 如月「それって、外交的な意味で?」 提督「ああ。どうせ人間どもは自分たち
とは違う連中に『権利』を持たせる気がねえはずだ」 提督「人に近しい艦娘に人権を持たせてねえのが、その証左だ。だから、この島の支配を『権利』として主張するためには……」 提督「俺に人間である要素がちょっとでも残ってねえと、連中との話し合いに不利になりそうな気がしてんだよな」 如月「うーん……」 提督「まあ、なるようにしかならねえけどな、こういうもんは。結局は、自分に都合のいい屁理屈の押し付け合いだ」 提督「そこで折り合いがつかないから戦争が起こる。自分の言うことを聞かせたくて、屈服させるために、武器を振りかざ
して命を脅かす」 提督「そもそも、人間どもが俺たちにそういう譲歩をするつもりがあるか、ってのも疑わしいが……」 提督「そういうのが面倒臭いから、引き籠るっつってんのによぉ……本っ当に面倒臭え」 キャロライン「ダーリン……?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/943
944: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:33:00.79 ID:MAX3x8VTo 提督「まあ、話が脱線したが、俺も俺が俺以外の誰かの意志で変えられちまうのは御免だ」 提督「できればこのまま、いまのままで過ごせりゃあいいんだけどな」 キャロライン「? なら、そうすればいいんじゃないノ?」 提督「そのつもりだけどよ。どうしても長く生きると、考え方とかが知らないうちに偏っちまう」 提督「これからメディウムや深海棲艦と一緒に過ごすわけだが、俺の考え方がいつの間にかそいつらに染まったりするかもしれないし」 提督「俺がジジイに
なったら、いろいろボケて馬鹿なこと言い出すかもしれねえし……そういう人間もたくさん見てきたからなあ」ウーン 如月「そういうことなら大丈夫よ、きっと。私たちが、お傍にいますから、ね?」 キャロライン「ワタシモ、ダーリンとずっと一緒にいるヨ!」ダキツキー 提督「……まあ、そうだな。キャロラインも俺のことが心配で話しに来てくれたんだろうし」 提督「如月も、俺が変なら何かしら言ってくれるだろうしな。そこは頼りにさせてもらうぜ」ナデ 如月「うふふっ、任せてちょうだい」ニコニコ キャロライン「ダーリン、優しくてダイスキー!」スリスリ
キャロライン「ニコちゃんが言ってた魔神って、ワタシたちが失敗したら消しちゃうかも、って言ってたカラ、ちょっと怖かったノ!」 提督「……」 如月「なんだか、他人事とは思えないわね……」 提督「気を抜かないように、って考えてのブラフなのかもしれねえが……もしかしたら、どこの組織も、似たようなもんなのかねえ」 如月「ニコちゃんもああ見えて責任感っていうか使命感が強いし、誰にも容赦しないタイプなのかもしれないわね?」 提督「そうだなあ……適度に肩の力が抜けるようにしてやるか」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/n
ews4ssnip/1515056068/944
945: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:33:46.43 ID:MAX3x8VTo * 午後 * * 医療船内 大会議室 * 与少将「まさか本当に深海棲艦と話ができるとはのう……」 仁金剛「緊張しましたケド、意外とフレンドリーでしたネー」 X大佐「今日はお土産のコーヒーがあったおかげかな? 前回よりいくらかフランクに話せましたね」 提督「ガンビアベイには礼を言っとかねえとな。それにしても、仁提督はビビりすぎだろ」 仁提督「仕方ないだろう! 俺は昔、あいつらに砲撃されてるんだからな!?」 仁提督「個人的な恨みがないわ
けでもないし……艦娘を使って間接的に恨みをぶつけてきた自覚もある」 提督「だったら島に行かなきゃ良かったじゃねえか」 仁提督「そんな真似ができるか! 少将だけ行かせて何かあったらどうする!」 提督「ぶっちゃけ護衛のために金剛だけ行かせても良かったろ。一番後ろで青い顔してたくせに」 仁提督「ほっとけ!」 与少将「そがいにからかってやるな。聞けば、あの島に漂着した艦娘の艤装も、みな焼失したんじゃろう?」 与少将「仁提督からは、演習と、沈んだ艦娘に手を合わせるために島へ行くと、何度か報告を受けちょったからのう」
提督「……ふーん」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/945
946: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:34:32.27 ID:MAX3x8VTo 仁提督「まあ……自分が雪風たちを連れてこの島へ来るための口実に使ったところもあったが……」 仁提督「事情はともかく戦って沈んだことに変わりはない。最後に手を合わせておきたいと思うくらいはいいだろう?」 仁提督「俺がこの島に来る機会も、もうないと思っているからな」 仁金剛「ン−? そこは黒潮次第ではありまセンカ?」 仁提督「……」 仁金剛「ヘーイ、テイトクー? まーだ魔神提督に苦手意識持ってマスカー?」ズイ 提督「別に苦手でいいぞ? 俺自
身、人間と関わる機会は減らしてもらったほうがいいと思ってる」 提督「普通の人間なら深海棲艦を恐れるだろうし、深海棲艦に生活圏を脅かされたなら憎いと思うのも当然だ」 提督「うちに来た深海棲艦にも、人間と関わりたくない、艦娘に攻撃されたくない、って奴がいるからな」 提督「そういう時ゃあ、お互い無理にお近づきになる必要はねえ。距離取って関わらないようにすりゃいいんだよ、こういうのは」 与少将「まさしく大人の対応じゃな……」 提督「普通だろ? 犬嫌いに犬を押し付けても、ろくなことにならねえのと一緒だ」 仁提督「確か
にな。下手をすると、犬が怪我させられかねん」ウンウン 仁金剛「なんだか実感こもってますネー……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/946
947: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:35:17.45 ID:MAX3x8VTo 与少将「魔王と言うからもっと好戦的かと思っちょったが、思いのほか話せる男じゃな……」 仁金剛「イエース。ついでに少将ー? 魔王じゃなくて魔神デス、マジン提督デース」 与少将「んむ……ま、まあとりあえずじゃ、わしはこれから神戸に向かう。L少佐がどんな鉄火場を迎えちょるんか、見とかんとな」スマホトリダシ 与少将「それから部下にも事の次第を伝えにゃあならんし……時間だけ決めとくかのう」シャシャシャッ 提督「電話機でできるのか?」 仁提督「電話機……お前は
スマホを知らんのか」 提督「ほぼ触ったことねえな」 X大佐「提督にもスマホを持ってもらったほうがいいかな?」 与少将「いや、まお……魔神提督が個人のスマホを持つのはもう少し先でいいと思うがのう?」 仁提督「便利だと思いますが……」 与少将「うんにゃ、この大事な時期に、魔神提督がスマホの説明書とにらめっこしちょる暇はないじゃろ」 与少将「使えるようになったらなったで、スマホいじりに夢中になってもらっても困るけえ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/947
948: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:36:01.07 ID:MAX3x8VTo 与少将「それに万が一、海軍内で魔神提督の連絡先が流出でもしたら、そこに電話が殺到するはずじゃ」 X大佐「……なるほど。L少佐の事務所と同じことになる、と」 与少将「じゃけえ、スマホでもガラケーでもピッチでも、持たせるにはもちっと余裕ができてからのほうが良えと思っちょる」 与少将「大淀あたりに持たせるんならええかもしれんが、それよか今は海軍の中に正式な窓口を設けたほうが良えじゃろ」 与少将「X大佐たちにとっても、魔神提督に接触を図りたい者が
誰なのか、把握も管理もしやすくなるけえの」 X大佐「それが良いですね、承知しました。そのように取り計らいましょう」 与少将「魔神提督も、ひとまずそれで良いな?」 提督「ああ、その方が助かる」 仁提督「むしろ当分持たないほうがいいだろうな……」 仁提督「お前の場合、ただでさえ対応が面倒だと言いそうだし、電話口でどんな暴言をひり出すかわからん」ハァ… 提督「おう。よくわかってんじゃねえか」ニタァ 仁金剛「相変わらず悪い笑顔デース……」ヒキッ 与少将「……ほんに大丈夫なんじゃろな、この男」ヒキッ X大佐「え、ええ、まあ、大丈
夫ですよ。多分……」タラリ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/948
949: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:36:46.20 ID:MAX3x8VTo * 本営 中将の執務室 * H大将「結論から言えば、あの島は深海棲艦へ割譲する扱いになった」 H大将「提督は中佐として海軍を退役。戸籍や国籍の問題は残るが、そのまま島に残り、その島に住む深海棲艦をまとめてもらう運びとなる」 中将「不知火と赤城には、海軍の代表として、引き続き提督の応対とX大佐の補佐を頼みたい」 不知火「承知しました」 赤城「お任せください」 H大将「大井、俺たちはひとまずこの件から離れることになる。もし何か問題が発生すれ
ば、まず北上に対応してもらうことになるだろう」 H大井「そうですか……わかりました」 中将「それから早速だが、政府から提督と面会したいとの申し出があった」 不知火「……!」 H大将「海軍を離れる提督たちとは、現在X大佐が主体となって対応してくれているわけだが……」 H大将「深海棲艦との話し合いができると聞いた各省庁が、我々に任せてほしいと口を挟んできたらしい」 赤城「それでは、提督少尉は今後、政府と対話を持つということになるのですか」 H大将「どうだろうな。まず、あの男が素直に政府との面会に応じてくれるかどうか
がわからん」 H大将「それに俺たちと話した時ですらあの態度だ。国家間交渉の場でどんな物言いをするか……俺は落ち着いて見ていられる自信はないぞ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/949
950: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:37:31.31 ID:MAX3x8VTo 赤城「そうですか? 私は楽しみですよ。政府の要人が彼と話して、いったいどんな顔をするか……ふふふっ」ニヤリ H大井「赤城さん!?」 中将「赤城は、彼らの話が友好的に終わるとは思っていないのだな?」 赤城「はい。正直に申し上げて、彼らの道理が深海棲艦に通用するかどうかがわかりかねます。私たちがそうなのですから」 H大井「……そう、そうなんですよね。私も心配なのはそこです」 H大井「これまでさんざん戦ってきた私たちだって、深海棲艦と話すとなった
ら、どう接したらいいかわからないっていうのに……」 H大井「政府は深海棲艦と話をして、なんらかの成果を得られる目算があるんでしょうか……?」 中将「儂はむしろ期待している。仮にも国家の外交のプロが赴くのだ、何らかの成果を出してくれると良いと思っているが」 H大井「そうだと良いんですが……なぜこのタイミングで政府が出てくるんでしょう」 H大将「それは、これ以上、制海権のことで海軍に大きな顔をさせたくないからだろうな」 H大将「深海棲艦の対応に関しては、政府どころかどこの国も、艦娘を統括する海軍に頼りっぱなしだ。そ
んな状況を打開したいんだろう」 H大将「残念ながら今の元帥も権威主義的なところがあるからな。間違っても『今の状況が続くと良い』なんて考えていなければいいんだが」 H大井「それで提督を政府サイドに引き込もうと……?」 H大将「深海棲艦と話し合うきっかけを作った人間が海軍から出ていくんだ。これ以上ないヘッドハントのチャンスだと考えているんだろう」 赤城「十分考えられますね。提督が応じるかどうかは甚だ疑問ですが」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/950
951: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:38:15.89 ID:MAX3x8VTo 中将「不知火はどう思うかね」 不知火「……政府の話が、島にいる艦娘や深海棲艦にとって有益なもの、安全を確保できるものであるならば、司令は応じると思います」 不知火「しかし、皆さんが仰る通り、司令が政府の人間に対しどのような態度をとるかは、不知火も保証できません」 不知火「これまでも、ご自身や艦娘を意のままに操ろうとしたり抑圧しようとしたりする相手を、司令は様々な手段で返り討ちにしてきました」 不知火「いくら政府の人間と言えど、対応を誤
れば、最悪の事態になるのではないかと推測します」 中将「ふむ……」 不知火「深海棲艦たちも、おそらくは司令と同じか、それ以上に気難しいと思っています」 不知火「あの島の深海棲艦は、自分たちから人間や艦娘に攻撃しないことを決めただけです」 不知火「彼女たちが認めた人間もおそらく司令だけで、司令以外の人間は敵であるという認識は変わっていないはず」 不知火「そして、彼女たちが人間を殺すことも躊躇しないでしょう。仮にそこに司令が同席していたとしても……」 不知火「話の内容によっては、制止することもしないでしょうし、
最悪、司令自ら手を下すかもしれません」 中将「そこまでかね」 不知火「はい」 中将「うむ、よくわかった。となると、先方には慎重になるよう断りを入れるべきだな」ウナヅキ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/951
952: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:39:01.18 ID:MAX3x8VTo 赤城「この話は、まだ提督には伝えていませんよね?」 H大将「ああ、まだだ。しかし、確認するまでもなく断りを入れるべきだろう」 中将「結論は出てしまったが、もうひとつ君たちに伝えておきたい情報がある」 中将「政府は、提督と交渉にあたる代表団のメンバーに、彼の弟を参加させるつもりでいるそうだ」 赤城「本当ですか……!?」 中将「うむ。兄と再会の喜びを分かち合いたい、ということだ」 不知火「それは……最悪ですね」 H大井「あの、恐れながら……
中将閣下には、あの提督が家族とは絶縁したとご報告していたと思うのですが……」 中将「聞いているとも。日本にいる提督の家族とは、引き合わせるべきではないと言う話だったな。儂もそう思う」 中将「この点についても、政府へは通達しておく。さすがに政府も、虎の尾を踏ませるような真似はさせんだろう」 H大井「……なんだか嫌なフラグが立った気がするわ」ボソッ 中将「ん? どうかしたかね」 H大井「あ、いえ! なんでもありません、ウフフ……!」 中将「そうかね……?」 H大将「……大井、思っていてもそういうことは言うんじゃない
。俺もそう思ったのは確かだが」アタマオサエ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/952
953: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:39:46.28 ID:MAX3x8VTo 中将「それから、この件に関連して、H大将に謝罪せねばならん」 H大将「? 謝罪、とは……失礼ですが、なにをです?」 中将「儂の倅……大佐が、提督の身柄を海軍に引き渡す名目で、政治家である提督の親へ金を渡していたことについてだ」 H大将「それは……!」 中将「君たちが、その金が流れを調査し、証拠を掴めずにいることも承知している。息子が、本当に申し訳ない」 赤城「中将! それは中将のせいではありません。すべてはこの私が……」 中将「赤城。その
責を負うのは君ではなく、大佐とその上官の儂でなければならん。そもそも君すら与り知らなかった件ではないか」 赤城「で、ですが、私は秘書艦です! それに、彼は父親であるあなたすら殺そうと……!」 中将「その父親が悪いから、寝首を掻かれかけたのだ。結局、儂は……あれの父親になりきれなかったということだ」 赤城「っ……!」 中将「この戦争を終わらせるには手段は問わん……そう言い訳してあれを甘やかし、影での悪事を見逃してきた結果である」 中将「妖精と話ができるという提督にも、手段を問わないという意味で、働きを期待して
おったのだが……」 中将「結果として彼は海軍を離れた。ひとえに、儂の力不足だ」 赤城「……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/953
954: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:40:30.49 ID:MAX3x8VTo 不知火「中将。司令は中将に感謝しているはずです」 不知火「司令が提案した、轟沈した艦娘を運用する特例を認めてくださったのは、あなたではありませんか」 不知火「それがなければ、私も、司令も、如月も、今頃どうなっていたかわかりません」 赤城「……私も、そうですね。彼に救われたことが、何度あったことか」 赤城「中将も、結果的にですが提督に助けられたではありませんか」 中将「……」 H大井「あの、H提督? ちょっと言いづらいんですけど、大佐を罠
にはめるために、提督が中将閣下を利用したという可能性は……」ヒソヒソ H大将「それはわからん。どうなんだ不知火」 不知火「……それはあったかもしれませんが、そもそも大佐の企みを利用したからそうなったと、不知火は考えています」 不知火「大佐を油断させ、慢心させてその足元をすくう……そのために司令は中将も欺いたのでしょう」 赤城「私ですらひどい目に遭いましたしね……」フフッ 中将「……」 H大将「……あの男は攻撃的な印象があるが、考えなしのバーサーカーと言うわけでもない」 H大将「お互いの思惑の合致による協力、と言う意味
では、提督と大佐の間でも成り立っていた部分はあったらしいからな」 不知火「はい。提督は、大佐が提督を他人と接触させないように離島へ隔離させたのは、結果的に都合が良かったと言っていました」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/954
955: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:41:16.17 ID:MAX3x8VTo 中将「……思惑か」 中将「提督の……彼の望みは、艦娘と深海棲艦が人間に頼らず安心して暮らせる場所、だったな?」 H大将「はい」 中将「おそらく政府は、海軍任せの現状を打開すべく、世界の混乱の原因になっている深海棲艦との条約締結を目指しているのだろう」 中将「しかし、提督にしてみれば、そんなことは知ったことではない。なぜなら彼らは、深海棲艦と言う種族の一部でしかないからだ」 中将「人間が多くの国に分かれて暮らしているのと同じだ。政府には、
それをゆめゆめ忘れぬよう、釘をさしておく必要があるな」 H大将「そうですね。話し合いの場を設けた、程度の認識が適切でしょう」 中将「では、この件については儂がX大佐と協力して対応しよう」 不知火「中将、関連して一つご報告したいことがございます」 中将「? なにかね」 不知火「中将は、与少将と、呉の和中将をご存知でしょうか」 * * * * * * http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/955
956: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:42:01.26 ID:MAX3x8VTo * 数日後 * * 墓場島鎮守府 執務室 * 提督「机、もう少しこっちに寄せてもらっていいか? あと2センチくらい」 大和「こんな感じでしょうか?」グッ 提督「……うん、いいんじゃねえかな。曲がってねえよな?」 榛名「はい、大丈夫です!」 ル級「ソファハ、コノ辺デイイノカ?」 提督「ああ、もう少し後ろに下げていいぞ。それだとテーブル近すぎて、足がぶつからねえか?」 タ級「コノクライカ!」 提督「座って確かめてみてくれよ。狭いか遠いか
、丁度いいくらいに調整してくれ」 カトリーナ「キャビネットはここでいいのか?」 提督「おう、いいぞ。思ったよりスペースが余ったな」 オリヴィア「いいんじゃないか? ここに神殿のドアを出しておくつもりなんだろう?」 吹雪「司令官! 新しい椅子を持ってきました!」 イブキ「筆記具とかも持ってきたぞ!」 提督「お、やっときたか。んじゃこっちに……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/956
957: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:42:46.46 ID:MAX3x8VTo 如月「電気ポットとティーセットも持ってきたわ!」 アマナ「タオルと布巾もお持ちしました!」 軽巡棲姫「コーヒーメーカーモ持ッテキタワ」 タ級「ココデモコーヒー飲メルノカ!?」キラーン! 提督「俺は別に水でいいんだけどな……」 扶桑「私は冷蔵庫をお持ちしました。自動製氷だそうですよ」 提督「個人的に一番うれしいのが来た」キラッ 如月「そうなの?」 提督「氷作るの地味に面倒臭えんだよ……とりあえずその茶道具は全部そっちの給湯室においてくれ」 如月
「はーい」 提督「……ふう。やっと執務室が執務室らしくなってきたな」 カトリーナ「家具が入っても結構広々としてんなあ。ハンマー持ち歩いても余裕だし!」 提督「艦娘や深海棲艦の艤装がでかいからな。それを踏まえて、泊地棲姫がタチアナと相談して広めに作ったらしい」 榛名「これだけ人がいて狭く感じないなんて、すごいですよね!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/957
958: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:43:31.09 ID:MAX3x8VTo 提督「まあ、それはいいんだけどよ。なんでこんなに搬入に時間がかかったんだ?」 如月「それは、調度品をいろいろ選んでいたらすごーく悩んじゃっただけよ?」 提督「じゃあ、寝室のベッドの搬入がくそ早かったのはなんでなんだよ」 如月「それは司令官の体が大事だからじゃないかしら」 大和「最重要事項ですよ?」 榛名「榛名もそう思います!」 ル級「寝床ハ大事ダゾ?」 提督「ル級まで言うのかよ」 ル級「泊地棲姫ガ力説シテタシ、私モ経験済ミダカラネ」フフッ
軽巡棲姫「デ、イツカラ寝ルノ? 一緒ニ寝テアゲルワヨォ……?」ニヤァ 扶桑「提督との同衾は、ちゃんと順番が決まっていますから、日程は確認してくださいね?」 提督(決まってんのかよ……)シロメ カトリーナ(アニキが白目むいてる……)タラリ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/958
959: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:44:16.63 ID:MAX3x8VTo 朧「提督、海軍から預かった資料を持ってきました。これでこっちの荷物は全部です!」 陸奥「提督、終わったらこっちも手伝ってもらえるかしら」 提督「ん? ああ、わかった。資料は後で目を通す、こっちは任せて大丈夫か?」 大和「はい、お任せください! あとは搬入で出たごみをまとめるだけですから!」 アマナ「お掃除なら任せてください!」キラキラッ ル級「瞳ガ輝イテルナ……」 提督「アマナがやる気ならこの場は任せるか。どこ手伝えばいい?」 陸奥「それじ
ゃ、一緒に食堂に行ってもらえるかしら」スタスタ… カトリーナ「そんじゃあ、あたしも余所の搬入を手伝ってくるかあ」 オリヴィア「アタイもそうしようかね」ノッシノッシ タ級「……メディウムノ奴ラッテ、意外トパワータイプガ少ナインダヨナ」 イブキ「そうだなあ、純粋な腕っぷし自慢だと、さっきの二人と、コーネリアとグローディスくらいかな?」 吹雪「どうしてそのコーネリアさんたちは来てないんですか?」 イブキ「コーネリアは戦闘狂だからなあ……」 吹雪「うわー、そういう……」 タ級「戦闘以外ニ興味ガナイタイプカ」 http://ex14.vip2
ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/959
960: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/06/04(日) 22:45:01.33 ID:MAX3x8VTo アマナ「こういった家事全般を積極的に手伝うかと言われたら、グローディスさんはともかくコーネリアさんは来ないでしょうね」 イブキ「グローディスも、そのコーネリアにしょっちゅう勝負吹っ掛けられてるし。良くも悪くもいい勝負すんだよな」 扶桑「……そういえば、深海棲艦も普段は何をしているの?」 タ級「……」 ル級「ソウイエバ、私タチモ、戦ウ以外ハ、ナニモシテイナイワネ」ウフフ タ級「……アトハ、補給デキル場所ヲ確保スルクライカ? ソレガ時間ガカカ
ルノヨ」ウーン 吹雪「遠征任務みたいな感じですかね?」 大和「そうかもしれないわね」 タ級「コレマデ、『ヒト』ノヨウニ椅子ニ座ッテ、コーヒーヲ飲ムヨウナコトハ、ナカッタカラ……」 タ級「今ノ暮ラシガ、新鮮デワクワクスル、トイウノハ、アルナ」 榛名「なるほど……ずっと海中や海上だと、くつろぐこともできなかったと」 タ級「独自ノ拠点ヲ持ッテタ泊地棲姫ハ、コウイウ暮ラシニ、ソレナリニ慣レテルミタイダケド」ソファニスワリ タ級「……オォ、コノソファ、柔ラカイナ」ポヨンポヨン タ級「ル級ハ、一足先ニ、コンナ生活シテタノカ? ズルイ
ナ、オ前」ニヤッ ル級「アラ、私ガイナカッタラ、コンナ生活デキナカッタワヨ?」ニヤッ タ級「言イ方ガズルイゾ、オ前」ククッ 吹雪「……なんだか、楽しくなりそうですね!」ニコニコ 如月「そうねえ」ニコニコ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/960
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
Google検索
Wikipedia
ぬこの手
ぬこTOP
1.068s*