【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】 (968レス)
【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/
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520: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 21:55:02.58 ID:IsSLY4A+o それでは続きです。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/520
521: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 21:56:01.70 ID:IsSLY4A+o * 医療船 甲板上 * 「提督ー!!」キャー! 「司令官!」キャー! 「魔神様ー!」キャー! 「マスター!!」キャー! 提督「……なるほど。こんだけギャラリーがいたんじゃ、艦内の一部屋には収まりきらねえか」 ニコ「ここからさらに深海棲艦たちも来るんでしょ?」 提督「だと猶更艦内には入れられねえか。それで、あの四角いテーブルに全員座らせるのか? どう見ても席が足りねえぞ」 不知火「いえ、全員ではありません。あれは今回特別に用意した席です」 提督「?」 大将「よう、待たせたな!」 提督「!」 H大将「全員揃っているのか?」 大将「深海の奴らはまだ来ていないようだな」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/521
522: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 21:56:47.84 ID:IsSLY4A+o X中佐「あ、少尉! 目を覚ましたんだね、良かった!」ニコ 提督「……」 H大将「なんだその顔は。貴様の無事を喜んでいるというのに」 提督「あんな目に遭わされてすぐへらへらできる人間がいるかよ。もとはと言えばお前らがこの状況を作ったんじゃねえか」 H大将「確かにあんなことはあったが、ここにいる俺たちくらいは信用してほしいものだな?」 大将「むしろ俺たちも被害者だったんだぞ!」 提督「そんな理屈が通用するかよ、くそが。しかも5日ぶりに目ぇ覚ましてすぐ会議だ? お前ら俺をなんだと思ってんだ」 赤城「相変わらずのようですね、少尉。安心しましたよ」 提督「赤城……! お前まで来たのか? 大袈裟だな」 赤城「私が来るのが大袈裟でしょうか? そこまで他人事ではないと思っていますが?」 提督「十分に大袈裟だよ。面倒臭え話になりそうだ」ハァ 赤城「面倒という意味ではそうかもしれませんね。あなたのこれからを左右する重要な話を始めるのですから」 深海艦載機< ゴォォォ… 提督「!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/522
523: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 21:57:32.75 ID:IsSLY4A+o 不知火「あれは、あちらの偵察機のようですね」 赤城「深海勢の到着ね……!」 不知火「案内に向かいます」 赤城「はい。お願いしますね」 * 不知火「お連れしました」 ル級「……! 提督! 目ヲ覚マシタノカ!」パァ 提督「おう、なんか、いろいろ迷惑かけたみたいで悪かったな」 大将「俺たちと応対が違うな……」 提督「当たり前だ。ル級とお前らを一緒にするな」 大将「普通逆だろうが!」ビキビキ 泊地棲姫「マッタク……アマリ待タセテクレルナ」 軽巡棲姫「早ク彼ヲ、コチラニ渡シナサイ……!」ギロリ 提督「おいおい、もう臨戦態勢なのかよ。少し落ち着け」 軽巡棲姫「!! ア、アナタガ、ソウ言ウナラ……」モジモジ 泊地棲姫「……」イラッ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/523
524: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 21:58:16.66 ID:IsSLY4A+o 提督「俺も面倒ごとは嫌いなんだ。とにかく、話があるならとっとと済まそうじゃねえか」 大将「……貴様、最初の時より随分と態度がでかくなったな」 提督「今更取り繕う必要もねえからな。少し前からお節介焼きにきてたX中佐はともかく、お前らだって信用できるかどうかわかったもんじゃねえ」 大将「貴様、せっかく俺が取り立ててやろうと言うのを……!」 H大将「よせ。奴の言い分も当然と言えば当然だ」 大将「それは俺の責任じゃないだろう。お前たち……いや、J少将が勝手にやったことだ!」 H大将「そうかもしれんが、この場では迂闊なことを言うなよ。下手をすれば、ここにいる艦娘たちでさえも黙ってないだろうからな」 X中佐「そうですよ。ここは彼に協力を取り次いでもらわなければいけない場面なんですから。友好的に行きましょう」 H大将「だいだいお前はいつもワンマンでゴリ押しが過ぎる。なんでもかんでもお前の力で思う通りになると思うな」 大将「ぐぅ……」 提督「そういや、中将は来てねえのか?」 X中佐「うん、中将閣下には本営に戻っていただいたよ。その際に、今回の件は僕たちに一任する、とお言葉をいただいてる」 提督「この手の話なら顔を出すかと思ったんだが……まあ、齢も齢だしな。おとなしくしてもらったほうがいいか」 X中佐「足のこともあるからね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/524
525: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 21:59:01.59 ID:IsSLY4A+o H大将「とにかく、全員揃ったようだな。少尉は我々の正面、そこにかけたまえ」 H大将「深海棲艦は右手に。それからメディウム? 君たちは左手だ」 ニコ「魔神様の隣じゃないんだ……」ムスッ H大将「それを言い出すと深海棲艦たちも隣の席を欲しがるだろう。不服だろうが揉めないよう平和的に頼む」 ニコ「……」 提督「まあ、一理あるか。ニコ、悪いがそこに座ってくれ」 ニコ「……魔神様がそう言うなら」ムスッ ニーナ「あら? 不知火さんは向こうに座るんですか?」 提督「あいつは一応、中将の部下だからな」 ニーナ「そうだったんですか……」 タチアナ「ニコさん、私たちをお呼びでしょうか」 ノイルース「話し合いにはニーナとナンシーが出ると思っていましたが、何か問題でも?」 ニコ「ああ、残虐系メディウムだけだと意見が少し偏りそうだからね。それにタチアナは、泊地棲姫と一緒にいたんだよね?」 タチアナ「はい、島の再開発についての今後の見解をまとめています」 提督「島の再開発……? 泊地棲姫が関わったってやつか?」 タチアナ「はい。本案件に関しては私にお任せを」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/525
526: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 21:59:46.72 ID:IsSLY4A+o 如月「それじゃ、司令官、私たちはこっちで……」 提督「ん? おい待て、お前らは同席しないのか?」 大和「申し訳ありません……」 提督「……俺が話せってことか。くそ面倒臭え……」 ナンシー「マスター頑張ってね〜!」フリフリ X中佐「メディウムはそこにいる4名でいいのかな?」 タチアナ「ええ、始めてください」 X中佐「深海棲艦からは3名で」 ル級「泊地棲姫、軽巡棲姫、ソレカラ私。アト2人ハ後カラ出サセテモラウ」 X中佐「後から? ……とりあえず、承知したよ」 H大将「こちらは海軍大将のTとH、それから中佐のX。艦娘からは提督と親しい中将麾下の赤城と不知火に出てもらう」 大将「うむ、では始めようか!!」 大将「議題は、提督少尉の処遇についてだ!!」 全員「「……!」」ザワ… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/526
527: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:00:36.70 ID:IsSLY4A+o ニコ「気に入らないなあ。ぼくたちの魔神様を人間の所有物扱いするなんて……!」イラッ ニーナ「所詮は人間ですから。人間の物差しでしか推し量れない哀れな生き物……!」ユラッ 軽巡棲姫「提督ハ渡サナイワ……!」ヌラッ 泊地棲姫「アア、ドウセ奴ラニ飼イ殺シサレルニ決マッテイル……!」ギラッ 不知火「開会早々から殺気立っているのですが」 H大将「お前、もう喋らんほうがいいな?」 大将「なぜだ!? こんな人材を捨て置けというのか!?」 X中佐「退席させましょうか」 大将「おい!?」 赤城「話を戻しましょう。最初に、海軍が所有していた××国××島の鎮守府が焼失した件について!」 赤城「本件については自然災害とし、提督少尉の過失はないものと認めました」 赤城「この災害で被災した海軍の人員および設備の被害については、本会では割愛させていただきます」 赤城「問題は、提督少尉の今後について」 赤城「海軍は、今回被災した少尉には、引き続き海軍に所属する『提督』として、艦隊の指揮を執って欲しいと考えています」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/527
528: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:01:47.89 ID:IsSLY4A+o 赤城「そのことについて、少尉から何か申し立てはありますか?」 提督「……もし、嫌だと言ったら?」 赤城「そうなれば、あなたは海軍を解任され、日本へ送り返されることでしょうね。あなたはそれで良いと?」 提督「良いとは言えねえな。ぶっちゃけ、妖精と艦娘がいなかったら、ここまでまともに生きてすらいなかっただろうし」 提督「人間嫌いの俺が、今更、艦娘との繋がりを断って人間社会へ復帰しろと言われても、無理に決まってんだ」 提督「それに、こうなったから言わせてもらうが、着任当初も初期艦すらつけてもらえずに人間の都合でこの島に追いやられて」 提督「さんざんこき使って疑うだけ疑って、今度は帰れだと? これだけ危険な目に遭わせておいて、ふざけてんのか」 X中佐「……」 提督「ま、お前らにしてみりゃ、大佐が悪い、としか言えないのかもしれねえけどな」 提督「それに、俺の意思を差し置いても、今は状況が変わった。仮に俺が日本行きを望んだとしても、こいつらが黙っちゃいないだろうな」 泊地棲姫「ソウダナ。ソレナラ提督ハ我々ガコノ場デ貰イ受ケルゾ、チカラヅクデナ……!」 ニコ「ぼくたちは日本とか言う場所に行ってもいいよ。魔神様のために働ければ、ぼくたちはどこへでも一緒に行くよ」 X中佐「……きみたちなら、僕たちと友好関係を結べると?」 ニコ「人間と? 思い上がらないでほしいね」フン ニーナ「本当なら、この場にいる人間すべて、刈り取って魔神様にその魂を捧げているところです。身の程を知りなさい」 X中佐「……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/528
529: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:02:31.55 ID:IsSLY4A+o 提督「メディウムと人間が仲良くするなんてのは無理だな。メディウムがどういう存在か、少しは話を聞いたろ?」 H大将「罠の化身、と言う話だったな?」 提督「ああ。生きた人間を陥れて殺すための罠の化身だ」 提督「処刑や拷問に使われた道具が元になっているメディウムもいる。どういう気性の連中か、言わずとも察しが付くだろう?」 提督「そういう面もあってか、メディウムたちはこことは別の世界で、長い間、人間たちから迫害されてきた」 提督「こいつらがこっちの世界に来たのも、俺と中将の謀殺を目論んだ連中に対する、俺の怒りと憎悪を察知したからだ」 H大将「……」 提督「仮に俺を日本へ帰そうものなら、メディウムも一緒に日本へ行くことになるだろう」 提督「その結果がどうなるか……人命を守るのがお仕事の人間なら、放っておくわけにはいかないよなあ?」 大将「ま、待て! その前に、貴様は人間でありながら、なぜその罠の化身たちの主になったんだ!」 提督「言ったろ。俺が人間を死ぬほど嫌いになったからだよ。なあ、ニコ?」 ニコ「そうだね。同じ人間として生まれ落ちたにも関わらず、生まれたときから卑下され、ありとあらゆる主張を否定されてきた」 ニコ「魔神様が生まれ出でるのに必要な要素のひとつ……人間に対する諦観と悲憤、累積された憎悪。それが僕たちをこの世界に呼び寄せた」 ニコ「他にも、あの島にたくさんの死が集まっていたことや、魔神様自身の出生も関わってはくるけれど、一番肝心なのはそこだね」 H大将「……よくそれで海軍に入ろうと思ったな」 提督「妖精が見えるってだけでスカウトされた結果さ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/529
530: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:03:31.41 ID:IsSLY4A+o 提督「バイトも人間関係が原因で長続きしねえし、とりあえずの飯の種になりゃあいいなと思ってただけだ」 H大将「人が嫌いなくせに、人の言うことを聞いていたのか?」 提督「連れ添った妖精が悲しむから無駄死にしたくなかったってだけだ。はっきり言って人間はどうでもいい」 提督「これでも妖精たちと本から最低限の倫理観ってもんを教わってるつもりだぜ? 生きてる人間どもは誰一人教えてくれなかったがな」 ニコ「これまで魔神様が、人ならざる者に頼って生きざるを得なかっただけでも、その辛労辛苦は察して余りある」 ニコ「それに加えて人間どもが、いかに魔神様に対して無礼な態度をとってきたか……!」 ニコ「ぼくたちの怒りは、そいつらを10回ずつ殺しても物足りないくらいなんだよ。人間の言うことに従うなんて屈辱の極みだ」ジロリ ニコ「魔神様が控えろというから、仕方なく従っているだけだということを、肝に銘じておいてほしいね」フンッ H大将「……」 ニコ「それに、今の魔神様は人間の姿をしているけど、既に人間ではなくなっているって、お前たちも知ってると思うんだけど?」 大将「なにぃ!? それはどういうことだ!!」ガタッ 大将「俺は聞いていな……ん? 待てよ? もしかして、X中佐の言っていた、人間が人間ではなくなる、という話か……?」 X中佐「僕も少佐が言っていたことをそのまま伝えただけですので、詳しくは聞いていませんが……」 X中佐「少尉の入院中に彼の血液型などを調べたところ、血液そのものが人間のそれとは成分がまったく別物でした」 大将「では、今の少尉は、いったいなんなのだ?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/530
531: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:04:16.71 ID:IsSLY4A+o X中佐「……少尉。説明、できるかい?」 提督「そうだな……」ウーン 提督「確か、X中佐には、俺が一度死んだ、ってことも伝えたよな?」 大将たち「「!?」」 赤城「そ、それはどういう意味ですか!?」 提督「俺はあの日、大佐に撃たれて殺された。そしてその時、俺の胸を貫いた銃弾だったのが、そこにいる軽巡棲姫だ」 軽巡棲姫「……」 H大将「なんだと!?」 提督「大佐の一味が、過去に深海棲艦の艤装を使って武器を作ろうとしていたことは覚えているな?」 提督「その武器の威力を試す実験台にされていたところを逃亡して来たのが、うちの鎮守府の如月だ」 X中佐「!!」 提督「大佐一味はどうにかして深海棲艦を鹵獲し、そいつらを加工して武器にして……やがて銃弾を作るまでに至った」 提督「おそらく軽巡棲姫もどこかで鹵獲されて『生きたまま』武器に加工されたんだろう。そりゃ人間を嫌って当然さ」 大将「生きたまま!? どういうことだ!」 泊地棲姫「ワタシタチ深海棲艦ハ、死ネバ何モカモ水ノ泡ト化ス。艤装ダケガ残ルトイウコトハナイ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/531
532: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:05:02.46 ID:IsSLY4A+o 泊地棲姫「ナカニハ、艦娘ニ撃破サレルコトデ、艦娘ニ変化スルモノモイルガ……」 泊地棲姫「イズレニシロ、艤装ガ残ッテイル、トイウコトハ、生キテイル……ソコニ魂ガ残ッテイル、トイウコトダ」 大将「なんという……あいつらは、本当にろくでもないことを!!」ダンッ! H大将「まったく……狂っているな。そこまで道を外れるか、頭が痛いな」 大将「……しかし、そうだとしてもだ。なぜ少尉は銃で撃たれたのに生き返ったんだ?」 提督「俺の魂が、半分は深海棲艦だから、らしい」 ニコ「えっ」 メディウムたち「「えっ」」ドヨッ 艦娘たち「「えっ」」ドヨドヨッ 大将たち「「はあ?」」 軽巡棲姫「……ハァ、ジャナイガ」 泊地棲姫「ヤレヤレ……」 提督「ま、信じられないだろうな。見た目はほぼ人間っぽいっつうか、体そのものは人間だったんだからな」 ニコ「魔神様、それはぼくも初耳だよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/532
533: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:05:46.30 ID:IsSLY4A+o ル級「証人ヲ呼ブワネ」 X中佐「証人?」 スタスタ… ヲ級「連レテキタ」 時雨「あ、提督。久しぶり」 提督「……時雨!? 久しぶりって……お前、来たのか!? っつうか戻って来られたのか!?」ガタッ 時雨「うん、見ての通り、ドロップしたてだけどね」ニコ 提督「……夢じゃなかったのかよ」アッケ 大将「時雨じゃないか。こいつが何かしたのか」 時雨「特になにかをしたわけじゃないけど。まあ、一部始終を見てきた、って言うべきかな」 大将「見てきた?」 時雨「うん。例えば、あの日、スタンガンを使われて拘束された後、朧に見つけてもらって2階の執務室から飛び降りたこととか」 大将「!」 時雨「朧がヲ級になったり、初春がル級になったりとか」 H大将「!!」 時雨「この人が魔神になった提督に腰を抜かして一緒に逃げそうになったこととか」 大将「お、おい!?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/533
534: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:06:31.66 ID:IsSLY4A+o H大将「時雨はあの場にはいなかったな。なぜそこまで知っている?」 時雨「僕は、もとD提督鎮守府の時雨。かつてあの島に……墓場島に漂着して、埋葬された艦娘の一人さ」 ザワッ… 扶桑「……」 五月雨「……」 朝雲「嘘でしょ……」 山城「はぁ、やっと戻ってこれたわ」 那珂「あ、時雨ちゃんもあっちにいるんだね!」 扶桑「……山城。あそこにいる、時雨が……D提督のことを……」 山城「はい。あそこにいるのは、かつて私たちと一緒の鎮守府にいて……私たちがあの島の砂浜で看取った、あの時雨です」 扶桑「……戻って……きたと、いうの……?」ポロポロポロ 山城「はい……!」コクン 大将「つ、つまり、お前はあの島にいた幽霊だったと?」 時雨「うん。そのあと、僕は天国に行く途中まで行って、そこで提督と出会ったんだ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/534
535: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:07:16.27 ID:IsSLY4A+o H大将「……少尉は天国に行けたのか」 X中佐「そ、それはさすがに失礼では……!?」 H大将「いや、人を殺す罠の軍団の総大将だぞ?」 ニコ「そもそも魔神様が天国とか地獄とか、そういう場所に行くこと自体おかしいと思うんだけどな?」ウーン 時雨「もともと提督は人間として生まれたんだし、そこらへんはきっといろいろあるんだよ。まあ、その話は置いておくとして……」 時雨「とにかく、空の上で僕が出逢った提督は、全身真っ白で、顔にひびが入って、そのひびが橙色に発光する、深海棲艦の姿だったんだ」 ル級「姫級ヤ、鬼級ニ、ソウイウ子イタワヨネ?」 泊地棲姫「ソウダナ。例エバ、重巡棲姫トカカ」 全員「「……」」 提督「だから妖精とも話せるし、ル級たち深海棲艦に触れられても平気だったってわけらしい」 H大将「……信じがたいが、理屈としては成り立つな……」 時雨「提督のお母さんに話を聞くといいよ。その人、若いころに海難事故に遭ってて、その時に深海棲艦のようなものに襲われているはずなんだ」 赤城「……それでは、大佐に撃たれた提督が生き返ったのは、弾丸にされた軽巡棲姫のおかげだったと?」 提督「多分、な。大佐に撃たれた俺も、大佐の道具にされた軽巡棲姫も、言いようのない思いを抱いていたのは事実だったと思う」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/535
536: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:08:03.66 ID:IsSLY4A+o 提督「正直、あの場で何があったのかは、覚えちゃいないしわからないんだが……結果的には、そういうことだと思ってる」 軽巡棲姫「私ハ、アナタノオカゲダト思ッテイルケド?」 提督「そうなのか? お前も自覚ないんじゃ、ますますわかんねえな」 提督「でだ、撃たれて生き返ってから、軽巡棲姫の弾丸が生きているとわかったから、泊地棲姫に育ててくれと頼んだ結果、こうなったわけだ」 全員「「……」」 提督「あ、そうだ、泊地棲姫」 泊地棲姫「! ナンダ?」パァッ 提督「お前に大佐預けてたろ。軽巡棲姫の餌にしろって言ってた、あれ。今はどうなってんだ?」 大将「んなっ!?」 泊地棲姫「アア、アレカ? 駆逐艦用ノ巣トシテ使ッテイタガ、ソロソロ捨テナケレバナ……」 H大将「!?」 提督「なんだ、まだ生きてたのか? 随分しぶといな」 泊地棲姫「見ルカ?」 提督「いや、いい。見たら怒りが再燃して手を出しそうだ、適当に始末しておいてくれ」 泊地棲姫「デハ、ソウシヨウ」 X中佐「……この場に中将閣下がいなくて本当に良かったよ」ハァ… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/536
537: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:08:47.13 ID:IsSLY4A+o 赤城「話を戻しますが、提督が日本へ帰る、という選択肢はなくなったと考えてよろしいですね?」 X中佐「そ、そうだね……限りなく難しいと言えるだろうね」 H大将「ああ。この状況では、日本へ帰したほうがデメリットが大きいと思えるな」 大将「むぐ……!」 赤城「では……」 提督「俺がどこへ行くか、って話なんだろうが、その前に赤城。あの島は今後どういう扱いになるんだ?」 赤城「そうですね……しばらくは立ち入り禁止になるでしょう。人が出入りできる状態にはありません」 赤城「海軍はこの島の鎮守府を借りていたわけですから、その後××国へ返すことになりますね」 提督「……結局、俺が海軍に残ることを選択した場合でも、あの島に残る選択肢はないってことだな?」 ル級「提督ハ、アノ島ヲ気ニ入ッテイタノヨネ?」 提督「まあな。面倒くせえ人間もそうそう来ないし、気楽なもんだった」 泊地棲姫「ダカラ、私タチガアノ島ヲ奪ッテヤロウ。提督ヨ、一緒ニ住メ」ニヤリ 大将「お、おい! そんな勝手な真似は許さ」 X中佐「いいんじゃないでしょうか」 大将「んなっ!?」 H大将「X中佐!?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/537
538: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:09:31.68 ID:IsSLY4A+o X中佐「僕は賛成ですよ。せっかくですし、少尉の配下の艦娘も一緒に住むのはいかがでしょう」 提督「は……?」 大将「甥っ子君、正気か!?」 X中佐「正気ですよ。考えてもみてください、今や少尉は深海棲艦と友好関係を結んだ超重要人物です。ここから引き離すのは逆効果では?」 H大将「それは確かにそうだが……」 X中佐「少尉の部下の艦娘にしても、深海棲艦になる恐れがあったとはいえ、少尉とこれまで無事に過ごしてきました」 X中佐「島の殆どが燃えてしまったあの島を再び人が住めるようにするには、相当な時間と労力が必要でしょうが……」 X中佐「彼が望むのであれば、あの島に住み続けても良いのではないかと思っています」 大将「そ、それができれば苦労はしないだろうが……」 X中佐「それに、彼はかつてこう言っていたんですよ。艦娘たちが人間に干渉されることなく暮らせる場所が欲しいと」 X中佐「自分たちの、艦娘たちの『国』が欲しいと」 大将たち「「!!」」 ル級「……」フフッ ニコ「……国、か……」 提督「……お前……!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/538
539: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2022/09/09(金) 22:10:16.41 ID:IsSLY4A+o X中佐「これまで我々は、侵略者としてしか、深海棲艦を見てこなかった」 X中佐「その深海棲艦たちと、今、僕たちはここで対話ができている。僕は、できることならこの対話をもっと続けたい」 X中佐「そこに、人間と深海棲艦との共存の道があることを信じたい……!」 大将「そういうことなら……そうだな」 H大将「……」 X中佐「そのためにはまず、ここにいる深海棲艦たちに僕たちと戦わない意思があるかどうか」 X中佐「これからも戦わずにいられるか、その確約を取るのと一緒に……」 X中佐「メディウムにも心変わりしてもらう必要がありますが、それは気長に心変わりを待つか」 X中佐「あるいは、こちらも彼女たちが魔神と崇める提督と、僕たちの安全を保証するための約束事を取り付けられるか、でしょうね」チラッ ニコ「……魔神様が手を出すなと言うのなら、従わざるを得ないかな?」 ノイルース「私たちの在り方としては、あまり望ましくはありませんが」フゥ… 大将「しかしそれでは、引き換えに何を請求されるかわからんぞ……」 X中佐「今更何を仰るんですか。もともと僕たちが目指していた深海棲艦との停戦を想定したときも同じことを論じてきたでしょう」 X中佐「どんな要求が出るか予測がつかないと、これまで何度も話し合って、何度も同じ結論を出してきたじゃありませんか」 X中佐「今ここでそんな及び腰な態度を見せてどうするんです!?」 大将「それはそうだが……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/539
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