【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】 (968レス)
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912: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:10 ID:HHe/6brVo(1/28) AAS
>911
日進みたいな子を連想していただければと。

続きです。
913: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:11 ID:HHe/6brVo(2/28) AAS
 * 同時刻 *

 * 鹿屋 W大佐鎮守府 *

最上「へーえ、僕にも第二改装がくるのか〜」

W熊野「ええ、計画されていると、本営からのお達しがありましてよ」

W鈴谷「いつ来るかってのはわかんないんだけどね〜」
省9
914: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:12 ID:HHe/6brVo(3/28) AAS
W熊野「あの方は、瑞雲の素晴らしさを広めたいだけですわ。三隈さんにも日向さんからのアプローチがあったのではなくって?」

三隈「ええ、まあ……でも、熱心だったのは最上さんに対してですわ」

最上「多分だけど、僕が瑞雲をもっと使うようになれば、三隈もそうしてくれるって思ってるんじゃない?」

W鈴谷「そこまで深く考えてないんじゃないかなあ? フツーに見どころあったんじゃない? 艦載機の搭載機数が多いからとか」

最上「ああ、なるほどー」
省9
915: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:13 ID:HHe/6brVo(4/28) AAS
最上「それじゃ、僕の代わりはどうするつもりだったの?」

W球磨「北上に『モ』って書いた上着を着せてやるクマ」

最上「あはは、それだと『もかみ』だね!」

W熊野「言っておきますけど冗談ですわよ? そもそもこの鎮守府に雷巡は不在ですわ」

三隈「球磨さんも航空攻撃はできませんわよね?」
省9
916: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:13 ID:HHe/6brVo(5/28) AAS
W球磨「ということは、提督も戻ってきてるクマ?」

W大佐「ああ、最上たちはここにいたのか」ヌッ

最上「どうしたの? 僕たちに何か用?」

W大佐「ちょっとまずい状況になった。俺と同じくH大将の部下だった曽大佐が、H大将のもとを離れたことは聞いているか?」

W熊野「まあ……あのリベンジャー提督が?」
省10
917: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:14 ID:HHe/6brVo(6/28) AAS
W球磨「それ、まずくないクマ? 海軍と曽大佐の意思が乖離してたら、曽大佐の行いを海軍が止めないといろいろ厄介になるクマ」

W熊野「そもそも、あの方の気質からして、深海棲艦と話し合う気は毛頭ありませんわよね? 曽大佐はこれからどうするつもりなのかしら」

W大佐「曽大佐は、自分と考えを同じくする他の将官に、自分を売り込もうとしているらしい」

W大佐「ただ、その将官たちも、さすがに今は慎重になるべきと考えているようで、曽大佐はなかなか新しい後ろ盾を見つけられずにいる」

W熊野「そうなりますわよね」
省10
918: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:15 ID:HHe/6brVo(7/28) AAS
W伊勢「うーん、例えば、あの島は海流の影響で、行ったらなかなか戻ってこれない場所だったんだって。かつては流刑地同然だったとか?」

三隈「ああ……」

最上「流刑地かあ。ある意味、僕たちもそんな感じだったよね?」

三隈「最上さん!?」

W熊野「……そ、そういう自覚がおありだったんですの?」ドンビキ
省9
919: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:16 ID:HHe/6brVo(8/28) AAS
最上「住んではいなかったけど、僕が来た時には戦艦ル級が普通に遊びに来てたよ?」

W伊勢「は?」

W熊野「マジですの?」

W鈴谷「あはは、熊野が『マジ』だって! ウケるー!」

W球磨「そこ笑うところクマ!?」
省10
920: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:16 ID:HHe/6brVo(9/28) AAS
W鈴谷「あそこの鎮守府の艦娘、あたし苦手なんだよねー。みーんな曽大佐に感化されてて、すっごいピリピリしまくっててさぁ」

W球磨「わかるクマ。全然余裕がなさそうで息苦しい鎮守府クマ」ウンウン

W伊勢「とにかくそういうわけだから、最上と三隈はしばらくあの島には戻らないほうが良さそうだ、って伝えたかったの」

三隈「……とりあえず、わかりました」

最上「あーあ、提督も大変だね。曽大佐がどんな恨みを持ってるのかしらないけど、提督にしてみればとばっちりだよ」
省10
921: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:17 ID:HHe/6brVo(10/28) AAS
最上「そうだね。島の住人が増えたとしても、提督自身は人の世界に関わろうとはしないんじゃないかな?」

三隈「その島の住人が、提督に黙って勝手にどこかへ攻め込むことはあるかもしれませんね」

最上「……そうなったら、提督はどうするかなあ」ウーン

W大佐「なるほど。提督が、自分の意志で外へ攻め込む可能性は低いとみていいのか?」

最上「だと思うけど、そこまで突っ込んだ話だと、僕たちに訊くより比叡さんのほうが詳しいんじゃないかな?」
省8
922: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:18 ID:HHe/6brVo(11/28) AAS
W熊野「……うーん、仮に比叡さんが深海棲艦になったとしても、話が通じれば良いのではなくて?」

W球磨「ちょっと何を言ってるかわからないクマ」

W熊野「艦娘が深海棲艦になったとしても、人を襲わないのなら問題視しなくても良い、と思ったのだけれど……そうではないのかしら」

W熊野「話が通じなくて、かつ、分別なく人を襲うからこそ危険なのは、なにも深海棲艦に限った話ではなくてよ?」

W伊勢「あぁ……まあ、そうなるかな?」
省10
923: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:19 ID:HHe/6brVo(12/28) AAS
 *

W大佐「最上たちの話を聞く限り、提督が島から外へ出てどこかへ攻め込むということはなさそうだな?」

W伊勢「そうみたいですね。船であちらの提督の話を聞いたときの話と、だいたい符合してますし」

W大佐「Xが作った共存への道を曽大佐が潰すのは避けたいが、深海棲艦の跋扈を許したくない曽大佐の気持ちもわかる」

W大佐「できればうまく潰しあって痛み分けになってくれればいいんだが……」
省8
924: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:19 ID:HHe/6brVo(13/28) AAS
W伊勢「艦娘を唆して人間を裏切るんじゃないかってことを懸念して、中将閣下とその息子である大佐に押し付けたって、誰かも言ってたし」

W大佐「だったら、海軍が信頼できる組織だということを、彼に示せば良かったんだ」

W大佐「妖精から不祥事を聞かれたくないというのなら、普段からそういう行動をしていればいいだけのこと……」

W大佐「裏切る要素があるからと、保身のため、責任逃れのためにたらい回しにしたのでは、不信感を持たれて当然だ……!」

W大佐「もっとも……あのとき、J少将の目論見を見抜けなかった俺が言っても、説得力がないのかもしれないがな」ハァ…
省6
925: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:20 ID:HHe/6brVo(14/28) AAS
 * 一方 *

 * 曽大佐鎮守府 *

曽大佐「なぜだ!? あれほど深海棲艦の撃滅に協力的だった仲間が、あいつらの撃滅を躊躇するんだ!!」

通信『し、仕方ありませんよ大佐! もしかしたら、この戦争を終わらせることができるかもしれないんですよ!?』

曽大佐「なにが終戦だ! 人に仇なす存在でしかない深海棲艦がいる限り、戦いが終わるわけがないだろう!」
省7
926: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:21 ID:HHe/6brVo(15/28) AAS
曽大佐「駆逐艦を見ろ! あれを人と呼べるのか!? 戦艦棲姫を思い出せ! 誰もが化け物だと言わなかったか!!」

曽大佐「人間は、深海棲艦に恐怖したんじゃなかったのか!! 陸の人間はもう忘れたのか!! 俺たちはまだ戦争中なんだぞ!!」

通信『……』

曽大佐「情けないことに、我々人間が奴らに直接対抗する術はない。未だに艦娘頼みだ……!」

曽大佐「その状況で深海棲艦と和睦だと!? 思い上がりも甚だしい!! 身の程を知れと言うんだ!!」
省9
927: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:22 ID:HHe/6brVo(16/28) AAS
 * 翌日 *

 * 墓場島 埠頭 *

提督「はぁ……こんなに早く人間を上陸させることになるとはな。ま、与少将がうまく抑止力になってくれりゃいいんだが」

ヲ級「!」

提督「ん? お前、あの打ち合わせに出てたヲ級か? お前が時雨を見つけてくれたんだったな?」
省9
928: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:22 ID:HHe/6brVo(17/28) AAS
提督「深海の駆逐艦って、改めて見るとでけえな。イルカよりでかいか? イルカの実物、見たことねえけど」

ヲ級「イ、ルカ……? アア、アイツラヨリハ大キイナ」

提督「けど、分類としては駆逐艦なんだよな。こうやって見ると、お前やル級より装甲硬そうに見えるんだが」

ヲ級「イイヤ、ソウデモナイ。ソレニ、私タチヨリ身体ガ大キイブン、被弾モ多イ」

提督「ああ、なるほど……確かに、そこはでかけりゃいいって話じゃねえか」
省11
929: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:23 ID:HHe/6brVo(18/28) AAS
提督「食事だって、まさかテーブル囲んで食べてるとは思えねえ。お前もそうだが、あの駆逐艦たちは普段は何を食ってんだ?」

ヲ級「食事? ……燃料補給ノコトカ。ソレナラ海底ノ重油ダナ」

提督「油か。まさか、自分で堀りに行ったりしてるのか?」

ヲ級「場所ガワカッテイルカラ、ソコマデ行クトキモアルシ、オマエタチガ鬼級ヤ姫級ト呼ブ艦ニ用意シテモラウトキモアル」

ヲ級「泊地棲姫ノトコロニイタトキハ、駆逐艦ガ集メタ燃料ヲ分ケテモラッテイタ」
省12
930: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:24 ID:HHe/6brVo(19/28) AAS
ヲ級「オマエト、話シテイルト、イロイロナコトヲ……忘レテイタコトヲ、思イ出スヨウデ……」

ヲ級「……私ハ……ワタシ、ハ……」

提督「おい!? しっかりしろ!」

ヲ級「……ッ!?」

提督「大丈夫か……? 何かしら思い出すのはいいのかもしれねえが、ふらふらしてたぞ?」
省11
931: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/05/14(日)13:25 ID:HHe/6brVo(20/28) AAS
提督「体を壊したら元も子もねえ。少し休んでからでもいいだろ、って思っただけだ」

提督「忘れてる、ってことは、もしかしたら思い出したくないことかもしれないからな。やばいと思ったら無理すんな」

ヲ級「……ソウカ」

提督「さてと、俺はもう少し館内を見回ってくる。お前はまた哨戒に行くのか?」

ヲ級「……」コク
省10
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