【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】 (968レス)
【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/
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794: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:22:38.88 ID:AXFSIrLto >793 声帯の妖精さんネタとしては、もはや鉄板ですねw では続きです。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/794
795: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:23:20.11 ID:AXFSIrLto * 1週間後 * * 墓場島 新埠頭倉庫内 仮設休憩スペース * 提督「順調だな」ペラリ 大和「はい。順調ですね」ニコニコ 提督「タチアナから渡されたダイヤの原石はとんでもねえ値段で売れた」 大和「木材購入や技師を雇うのに、十分な資金になりましたね」 提督「広い工廠、最新の入渠ドック3基、綺麗で大きな風呂、その電力を賄える深海謹製の地熱発電施設に、海軍の変電設備」 大和「海軍の紹介で島に来た技師たちが、地熱発電施設を調べさせてほしいと目を輝かせていましたね」 提督「どういう仕組みか知らないが、相当画期的だったらしいな?」 大和「応用できたら国内でも展開したいと言ってました。そのおかげか変電施設も短納期ながら不備のないよう相当入念にチェックしてましたね」 提督「食堂もきれいになったし、厨房は保冷庫も完備。外には新しいビニールハウスも新設して新しい土も入れたと」 大和「飲用水の確保は、島への来訪者に対しても必要です。水の濾過施設と浄化槽は深海棲艦たちが驚いていましたね」 提督「演劇もできそうなステージ付きのホールも、食堂とは別の棟に作ってもらったから、騒音の問題もなくなった」 大和「那珂さんが大喜びで駆け回ってましたよ。まるで体操選手の床の演技みたいに」 提督「ステージ上でバク宙決めてたもんな。あいつのアイドルの方向性、まるで一昔前の男性アイドルだぞ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/795
796: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:24:04.15 ID:AXFSIrLto 大和「なのに歌で特にお上手なのはバラード系ですから……微妙に?み合わないのが残念ですね」 提督「まったくだ……あとは、手ごろな広さの執務室と通信室と資料室。会議室と客間と休憩室も揃えられたし……」 大和「人型ではない深海棲艦が行き来できるよう、水路も新たに敷設。館内の適度な広さと複雑さは、メディウムたちからの評判も上々です」 提督「集積地棲姫は北の洞窟があった岩場に居を構えるらしいな?」 大和「正確には洞窟があった場所から少し鎮守府寄りの場所になりますね。彼女以外にも戦禍を逃れたい深海棲艦がそこに集まるようです」 提督「西の林も燃えてなくなったことで、鎮守府の近くの住居スペースも十二分に確保できたと。近く植林もするって話だな?」 大和「はい。そして離れに、一回り大きくなった特注のベッドが鎮座する提督のお屋敷も……」ポ 提督「そこはどうしてそうなった」アタマカカエ 大和「それはもちろん、提督と同衾できる機会が増えるようにと。バスルームも完備しましたし」ニコニコ 提督「お前ら毎日泊まる前提かよ」 大和「宿泊日程に関しては鋭意調整中です。ちゃんと調整しませんと、ほら」ユビサシ 軽巡棲姫「……提督……」ギュゥ… 大和「軽巡棲姫さんも提督の腰に抱き着いたまま離れませんので、どこかで彼女の不安も払拭してあげないといけませんよ?」 提督「ったく……しゃあねえな」ナデナデ 軽巡棲姫「アゥ……」ウットリ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/796
797: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:24:50.47 ID:AXFSIrLto 大和「ところで提督? 先日、またメディウムの魔力槽に入ったと伺ったんですが……」 提督「ああ。今回はルミナに見てもらいながら入ったんだが……」 大和(見てもらいながら!?) 提督「なんとなく、感覚が鋭くなったような気がするっちゃあするんだよな。身体そのものはなんともねえんだが」 大和「感覚が、ですか……どのような感じなんですか?」 提督「ん−、人の気配? ……を感じるのが、なんとなく敏感になったっていうか……なんて表現したらいいんだ?」 ルミナ「やあやあ、魔神君! こんなところにいたんだね!」 提督「よう、何かわかったのか」 ルミナ「えーとねえ、この文献の……おそらくこれとこれだと思うんだけど。ちょっと実験したくてね?」 提督「実験?」 ルミナ「そう。魔神君は魔神として覚醒してそれなりに経つわけだけど、魂に関わる部分はまだ未覚醒でね」 ルミナ「おそらく今回、魔力槽に入ったおかげで、魔神としての感覚が戻りつつあると思うんだ」 提督「そういうもんか?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/797
798: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:25:35.14 ID:AXFSIrLto ルミナ「少なくとも、感覚が鋭敏になったと聞いたから、この辺の能力が使えるかを試したいわけだよ……まずはこれがいいかな?」ペラリ 提督「何をするといいんだ?」 ルミナ「そうだねえ……それじゃあ、大和君をじっと見てごらん?」 大和「!?」 提督「? 見るだけでいいのか?」 ルミナ「そうそう」 提督「お前みたいに目からレーザー出したりしないだろうな?」 ルミナ「今はそこまでできないだろうから大丈夫だよ」 提督「今は、ってお前……」 ルミナ「私をむしゃむしゃと食べるなりして魔神君と一体化すれば、できると思っているよ?」 提督「そういう意味かよ……」 ルミナ「一体化する方法としてはもっと別の方法でもいいけどね」ニヒヒ 提督「とりあえず、大和を見ていればいいのか?」ジッ 大和「……」ドキドキ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/798
799: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:26:20.73 ID:AXFSIrLto ルミナ「そうそう。それで、見る位置というか眼の焦点を、大和君の『奥』というか『底』に合わせるような感じで、意識を集中させてごらん?」 提督「なんだそりゃ……んん?」 大和「て、提督? どうなさったんですか?」 提督「なんか、文字とか記号が見えてきた……なんか、上からの矢印にバツ印がついてる絵というか、マーク? が見えるぞ」 大和「えええ?」 ルミナ「お、見えてきたかい? その能力が『魔神の目』だね。見た相手の名前や能力、通用しない罠の種類を見抜く力だよ」 ルミナ「今の話を聞く限り、多分、大和君には上から降ってくるタイプの罠が通用しないということだね」 大和「た、確かに、ナンシーさんのフォールニードルを傘で受けたことはありますが……」 提督(なんか、プロフィールみたいな文章まで読めちまうぞ……人の秘密を覗き見しているみたいで、なんか嫌だな) ルミナ「ほら魔神君、大和君だけじゃなく、私も見てくれたまえ」 提督「ん……お前は矢みたいなマークにバツ印がついてるな」 ルミナ「私の場合は飛んでくるタイプの罠が通用しないってことだね」 提督「体力っぽい数字も見えるな。大和と比べると低いのは、まあ、しょうがねえのか」 ルミナ「おやおや、そこまで見えるのか。うん、これなら問題なさそうだ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/799
800: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:27:05.65 ID:AXFSIrLto ルミナ「ちなみにニコ君もその能力を備えていて、射程も長いんだよ。意識すればこの島に入った瞬間に見えるくらいにね」 提督「マジか……まるで千里眼だな?」 ルミナ「慣れれば魔神君も同じくらいの能力を備えられるはずさ。ここまでできるんならもう一つ試してみようか」 ルミナ「そこの軽巡棲姫君から『黒い気配』を『手から吸いだして』ごらんよ?」 軽巡棲姫「?」 大和「は?」 提督「なんだそりゃ……?」 ルミナ「魂を視ることができたから、第二段階として今度は触れる練習だ。軽巡棲姫君の頭に手を置いたまま、意識を集中させてごらん?」 提督「このままでか……?」ナデ 軽巡棲姫「アァ……」ウットリ ルミナ「うん。目を閉じて、集中して……」 提督「……」 大和「……」 提督「黒い気配……これか?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/800
801: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:27:50.07 ID:AXFSIrLto ルミナ「それを掴んで、引っ張り出すことはできるかい?」 提督「……」 ズ… 軽巡棲姫「ア……ゥ!?」ビクッ 提督「……これ、吸えてるのか?」 ルミナ「大和君、軽巡棲姫君から黒い感じが抜けてきてないかな?」 大和「え? ええ、なんというか、少し血色が良くなったというか、雰囲気が神通さんに近く……あ、あら?」 提督「どうした?」 大和「あ、あの、少し透けて見えるんですけど……?」 ルミナ「え!? ま、魔神君、吸いすぎ!! 吸いすぎだよ!! そのまま吸いすぎたら軽巡棲姫君が消えてしまうよ!?」 提督「なに!? それを早く言え!!」 ルミナ「ほら、早く戻して! 今吸った分を吐き出すように!」 提督「わかったから焦らせんな!」 軽巡棲姫「アヒ……ハウ……!」ビクッビクッ 大和「だ、大丈夫なの……?」タラリ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/801
802: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:28:35.49 ID:AXFSIrLto * (眠っている軽巡棲姫を提督が膝枕している) 軽巡棲姫「……」スヤァ… 提督「……一時はどうなることかと思ったぜ」ナデナデ ルミナ「そうか、軽巡棲姫君は、思ったよりも深海棲艦の成分が濃かったというわけだね……ふむふむ」 提督「つうか、なんで吸い出せなんて言ったんだよ」 ルミナ「軽巡棲姫君は神通君だったかな? 彼女の面影を強く残していたから、深海棲艦の成分を吸い出しても形が残るかと思ったんだよ」 ルミナ「うまくすれば神通君に変化しないかを期待していたんだけどね……なかなかうまくいかないね」 大和「……彼女の中に、深海棲艦ではない部分があると?」 ルミナ「うん、魔神君と一緒に過ごしていれば、真っ黒ではないと思ったんだ」 提督「俺と一緒だと真っ黒じゃなくなるのか?」 ルミナ「私が黒い魂と呼んでいるのは、憎悪や悲嘆などの負の感情を抱えた魂のことさ。深海棲艦はそういう負の感情が強くてね」 ルミナ「その一方で、嬉しかったり楽しかったりすると、魂の色合いが明るくなるんだよ」 ルミナ「軽巡棲姫君は君と一緒だと本当に嬉しそうだから、いけるかと思ったんだけど……まあ、彼女が深海棲艦である以上、仕方ないかな?」 提督「軽巡棲姫は、人間に取っ捕まって弾丸なんかにされちまったからな。そういう意味じゃあ真っ黒でも仕方ねえさ」ナデ 大和「そう……ですね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/802
803: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:29:20.61 ID:AXFSIrLto ルミナ「とにかく、これで魔神君も、先日ニコ君が余所の鎮守府の拷問部屋でやってみせた魂の回収ができるようになってるはずだね」 提督「……いいんだか悪いんだか。これじゃ迂闊にお前らに触れなくなるんじゃねえか?」 ルミナ「いやいや、そこまで尻込みすることはないと思うよ? ニコ君だってそれなりに集中しないと回収できないんだから」 提督「ならいいけどよ……」 大和「あの、提督? お体のほうは大丈夫ですか?」 提督「ん?」 大和「良く見知っている相手とはいえ、仮にも深海棲艦の魂を取り込むなんて、お体の負担になっていないか心配です」 提督「言われてみれば……今んとこなんともねえな? もともと俺の魂の半分が深海棲艦だから無事だってのもあると思うんだが」 ルミナ「そこは私の見つけたこの文献によるとだね」ペラリ ルミナ「魔神君は、魂を蓄えて置ける巨大な貯蔵庫……タンクを持っているようなものなんだ。今ここにある肉体とは別の器としてね」 ルミナ「軽巡棲姫の魂もそちらへ入ったからこそ、魔神君の体に負担がかかっていない、と考えられる」 大和「そうなんですか……?」 ルミナ「うん。ニコ君も同じように魂のタンクを持っていて、自由に出し入れできるんだ。君もその力に目覚めたってことになるね」 提督「何に使うんだ、その力は」 ルミナ「私たちがメディウムとして力を使ったり、体を修復するためには魔力が必要なんだ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/803
804: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:30:06.99 ID:AXFSIrLto ルミナ「その魔力は、私たちが仕留めた死者の魂から作られる。これまでは、ニコ君が管理していたわけだけども……」 提督「……今度は俺がそれをやる番だと?」 ルミナ「嫌だというなら、私たちへの魔力の供給はこれまでと同じくニコ君に一任となるだろうね」 ルミナ「ただ、罠の運用に関しては、魔神君の使い方がなかなか面白いと私個人としては感じていてね?」 ルミナ「次の機会にはぜひ、君の指示と力の下で働いてみたいと思っているよ」ニマー 提督「んー……」 ルミナ「ちなみにだけど、ニコ君は、魔神君の能力をサポートできる力も持っているはずなんだ」 ルミナ「例えば、いま君がどのくらい魂を保有しているかを可視化できるようにしたり」 ルミナ「その魂を、君の代わりに私たちの能力を発動させる魔力に変換することができたりするはずだよ」 提督「へえ……」 ルミナ「もちろん、それらの力を魔神君自身でコントロールできれば、それが一番いいんだけれど」 ルミナ「コントロールが危ういうちは、ニコ君に管理してもらいながら練習したほうがいいね」 提督「なるほど……ただまあ、今みたいに身内の魂を吸い取る能力なんて、そうそう使う必要がなさそうだな」 ルミナ「今は、こういうことができる、という知識だけ備えていればいいよ。必要になれば、いつでも使ってくれて構わないからね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/804
805: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:30:50.26 ID:AXFSIrLto 提督「ところで、魂の明るさの差ってのは、そのままポジティブな感情とネガティブな感情に反映されるって考えていいのか?」 ルミナ「その認識で良いと思うよ」 提督「もし、あいつらがそういうストレスから解放されて黒より白が濃くなったら、艦娘に変化するのか?」 ルミナ「仮にそうだとしたら、ル級君くらいは艦娘になってもいいと思うんだけどねえ?」クビカシゲ 大和「それはそうですね。鎮守府にいた時はいつも楽しそうににこにこしていましたし」 ルミナ「やっぱり何らかのトリガーが必要なのかな?」ウーン 提督「なんだそのやっぱりってのは」 ルミナ「泊地棲姫君から、深海棲艦が艦娘になるケースもあるらしい、と聞いていてね」 大和「え!? あるんですか!?」 ルミナ「なんでも、艦娘になった深海棲艦というのは、艦娘に撃沈されて海に消えた直後に艦娘になったと言うんだよ」 提督「は? ってことは、あいつらが死なないと変わらないってことか?」 ルミナ「状況的にはそういうことになるんだけど、どうしてそうなるのかの説明もうまくできなくて」 ルミナ「実験しようにも、どうしても轟沈が関わる実験になるからね。魔神君は、そういうのは嫌なんだろう?」 提督「まあな。これじゃ希望者募ったっていないだろうなぁ、沈んで消えてからひっくり返るなんてリスクが高すぎる」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/805
806: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:31:35.33 ID:AXFSIrLto 提督「この話が艦娘も同じだってんなら、あの訓話も最低な話になるぞ」 ルミナ「訓話? というのは?」クビカシゲ 大和「轟沈して戻ってきた艦娘が、深海棲艦になって鎮守府を壊滅させた、というお話です」 大和「それがもとで、轟沈した艦娘をそのまま復帰させてはいけないという決まりができたんですよ」 提督「泊地棲姫の話だと、沈まない限り深海棲艦が艦娘になったりしない、って見解だよな?」 提督「逆も同じだって理屈なら、その訓話のときには、まさしく艦娘をその鎮守府で沈めた、って考えるしかねえじゃねえか」 大和「……やはり、そう考えるべきでしょうか」 提督「戻ってきたときの状況にもよるだろうな。切羽詰まった戦況だったとかで、負傷者をまともに相手してられる状況じゃなかったとか」 提督「戻ってきた奴の性格が最悪だったせいで、まともに看護したくないような状況だったとか、深海で何かあって性格が変わったとか」 提督「最悪、戻ってきた奴は実際には沈んでて最初から深海棲艦が擬態していたとか。でも、そうだったら最初からそうだって説明するか?」 ルミナ「隠す方が不自然だね」 提督「あとは……病み上がりで配慮してもらったのを、贔屓だのずるいだのとぎゃーぎゃー囃し立てるガキみたいなやつにブチ切れたとか?」 大和「……軍に所属するものとしては、あるまじき行為ですね」 提督「いくら軍人でも所詮は感情を持つ生き物だからな。数あるいじめの理由なんて、きっかけそのものは些細なもんだろう」 提督「で、その訓話の場合は理由はわからないにしても、その艦娘が命を落とす事態にまで及んだ、と」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/806
807: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:32:35.22 ID:AXFSIrLto ルミナ「考えうる限りの最悪の事態が起こった、と言いたいわけだね」 提督「だと思うんだけどなあ。そのくらい極端なことが起こったからこそ鎮守府も壊滅したんだろうしよ」 大和「海軍が公表するにも、あまりに恥ずべき事態だからこその隠蔽、だということですか」 提督「ま、俺の憶測だけどな。これまであの島に流れ着いて誰も深海化しなかったんだから、そうなんじゃねえか、ってだけだけどなぁ」 大和「理屈としては頷けるものだと思います」 大和「艦娘も一時の感情で簡単に深海棲艦になっていたのでは、もっと各地で大事になっているはずでしょうから」 提督「ただまあ、心配は心配なんだよな。深海棲艦にならなくても、深海棲艦みたいな雰囲気漂わせてるのはよろしくねえ」 ルミナ「そんな艦娘がいるのかい?」 提督「山雲がな……あいつ、空母棲姫に衝突されてんだ」 提督「巻き添えというかとばっちりに近いが、攻撃的な深海棲艦に激突されたせいか、ちょっと穏やかじゃねえ空気出すときがあるんだ」 提督「あいつがどのくらい大丈夫なのか、この力を使って診察してみたほうがいいかもしれねえな」 ルミナ「それはいいね!」 大和「そうですね! いいと思います!」 ルミナ「そうだ、さっきの感覚を忘れないうちに、大和君でも診察の練習したらいいんじゃないかな?」 大和「は!? や、大和がですか!?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/807
808: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:33:20.49 ID:AXFSIrLto ルミナ「一般的な艦娘のいちサンプルとしても、見ておいたほうがいいと思うよ?」 提督「まあ、そうかもしれねえけど……大和、いいか?」 大和「あのっ、いえ、は、はいっ! どどど、どうぞ!」マエカガミ 提督「んじゃ、頭の上に手をのせるぞ……」メヲトジ 大和「……」ドキドキ 提督「……」 ルミナ「どんな感じかな?」 提督「……色で言うと、白系、だな。光が見える」 大和「!」 提督「光が明るくて、あたたかいっつうか……春と夏の間くらいの日差しみたいだな」 大和「……」セキメン 提督「……まあ、色彩的に黄色やピンク系の色が混ざっていたが、全体的に黒いものはないみたいだな」スッ 大和「そ、そうでしたか! ありがとうございます!」 ルミナ「なるほど……やっぱり健全な艦娘の魂は、相応に綺麗なわけだね?」 提督(奥の方にドロドロした紫色の沼みたいなのが渦巻いてたところがあったが……そこは触れないほうが良さそうだな) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/808
809: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:34:05.57 ID:AXFSIrLto ルミナ「うーん、やはりこの辺りが艦娘と深海棲艦の差なのかな?」 提督「とりあえず、この調子で山雲も診察してやりゃあいいのはわかったが……」 提督「もしその深海棲艦の成分が強いところが見つかったらどうすんだ? 診察はできても治療ができなきゃ見てもしょうがねえ」 ルミナ「やっぱり実験が必要だね!」パァッ 提督「目を輝かせんな」 大和「あの、例えばですけど、魂の暗い部分だけを提督が吸い取って、他の深海棲艦に移植する、というようなことはできるのでしょうか?」 ルミナ「魂の部分移植!? それもいいかもしれないね!」パァァッ 提督「だから目を輝かせんな」タラリ ルミナ「いやあ、アイデアとしてはなかなか画期的だよ? 可能かどうかは別としてもね!」 提督「……やる気は起きねえけどな」 ルミナ「そうかい? それは個人的にちょっと残念だなあ」 大和「提督、私も残念というわけではありませんが、できるかどうかのテストくらいは行ったほうがいいかもしれませんよ?」 大和「提督が乗り気でないのは重々承知してるつもりですが、万が一の事態のことを考えますと……」 提督「……状況次第では、嫌だ嫌だで通せる話でもねえってか。仕方ねえな……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/809
810: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:35:05.28 ID:AXFSIrLto ルミナ「とりあえず問題は、彼女たちから深海棲艦の要素の分の魂を引き?がして問題ないかどうか、だね」 ルミナ「例えば、その山雲君を構成する魂のうち、深海棲艦の要素が仮に1割だとしても、魂が欠ければ能力が低くなると思う」 ルミナ「それを補うのが、そちらでいう近代化改修だったかな? 艦娘の艤装と魂の力を、ほかの艦娘の魂の力に加えるという儀式だね」 提督「……そんなことやってたのか」 ルミナ「個人的な見解だけど、生まれたばかりの艦娘が本来の力を出せないのは、魂の欠落があるからだと推測しているんだ」 ルミナ「同じ艦娘が複数存在して性格も少し違うのも、大本の魂が分裂しているとか、魂の形が若干変わったからとか……」 提督「分霊化とは違うのか?」 ルミナ「似たようなものじゃないかな。言葉の意味をどう捉えるかだけど、それ自体にあまり違いはない気がするね」 ルミナ「いずれにせよ、なにかを生成するときに、何かが欠けたり不純物が混じったりというのは、往々にしてよくあることだよ」 ルミナ「完全完璧な生物が生まれてこないのと同じようにね」 提督「山雲から深海棲艦の要素を取り出したら、その分だけ艦娘の要素をどうにかして入れてやれ、ってことか」 ルミナ「そうだね。移植なんだから、引いたら引いた分だけ足してあげないと」 大和「欠けた魂は自然に元に戻らないんですか?」 ルミナ「実験してみないと正確なところは言えないけど、戻らないんじゃないかなあ?」 ルミナ「自然治癒とは理屈が違うし、魂が勝手に増えて補完するとは思えないね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/810
811: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:35:50.50 ID:AXFSIrLto ルミナ「むしろ、生傷を治療せず放置したときみたいに、欠けたところからその辺の雑霊を取り込んで悪化する可能性もあるかもだよ?」 提督「……それ、見たことあるな。その辺の余計な魂取り込んで、悪霊みたいになったやつ」 大和「え」 ルミナ「だとすれば、放置しておくのは得策じゃないね。もっとも、強い思念を持つ魂は、たとえ欠けてなくても集まるものらしいけど」 提督「対策考えてやらねえと駄目か……」 ルミナ「まあ、厳密に魂の移植まで必要か、と言われれば、私は必要ないかもと思っているけどね?」 提督「ん? なんでだ?」 ルミナ「あの島の騒動で、君を庇って倒れた電君や吹雪君のことを思い出したまえよ」 提督「……?」 ルミナ「あの場に居合わせたツバキ君たちに聞いたけど、彼女たちは命を落としたにも関わらず、深海化しなかったそうだね?」 ルミナ「深海化した初春君や朧君も、深海棲艦から作られた弾丸を身に受けている間だけ深海化していたそうじゃないか」 大和「そ、そうなんですか?」 提督「あ、ああ……そういえばそうだった」 ルミナ「もし魔神君の心配が正しいとしたら、轟沈を経験している彼女たちも死んだ時点で、完全に深海化していたと思うんだけど?」 提督「……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/811
812: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:36:35.38 ID:AXFSIrLto 大和「それは……それこそ提督のおかげではないでしょうか?」 ルミナ「心当たりがあるのかな?」 大和「私たち艦娘は……戦争に赴く私たちの願いは、守ること。私たちが守りたいのは、私たちの帰りを待ってくれている、大切な人」 提督「……」 大和「これまで提督は、私たち艦娘のために……私たちの望みのために身を尽くしてくださいました」 大和「私たちは、そんな提督のもとで戦えることが嬉しかった。中には、前の鎮守府の心残りや、そこで抱いた無念を晴らせた艦娘もいます」 大和「そんなことがあったのですから、その時には、彼女たちが深海棲艦になってしまうような恨みが残っていなかったのではないでしょうか」 ルミナ「ふむ……私たちには理解しがたいけど、そういうものなのかな?」 大和「はい。それに、あの子たちは提督を庇って倒れたんですよね。ある意味では本望だったのではないか、と思っていますよ」 大和「かくいう私も、少しだけ羨ましいと思いました。提督はやめろと仰るかもしれませんけれど」フフッ 提督「ああ、やめてくれ。二度と御免だ」ハァ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/812
813: ◆EyREdFoqVQ [sage saga] 2023/02/19(日) 21:37:20.90 ID:AXFSIrLto ルミナ「ということは、やっぱり艦娘が深海棲艦になる現場か、その逆の現場を掴まないと、そのあたりは証明できなさそうだねえ」 提督「そういうことなら、泊地棲姫に詳しく話を聞きに行くか。軽巡棲姫も少しは話せるとありがたいんだけどな」ナデ 軽巡棲姫「ンフフ……」、ムニャァ… ルミナ「……寝ながら笑ってるねえ」 大和(羨ましい……) ルミナ「それにしても、その頭を撫でられる行為と言うのは、そんなに嬉しくなるものなのかな?」 大和「なりますよ?」 提督「即答かよ……」 大和「即答ですね」ニコー ルミナ「……今度は、魔神君に頭を撫でられることで得られる効能の調査でもしようかな?」 提督「やらなくていいぞ。下手にお前が効果があるなんて結論を出しちまったら、面倒臭えことになりそうだ」 大和「提督の前に行列ができてしまいそうですね」フフッ 提督「ああ。さて、泊地棲姫はどこに行ったか知ってるか?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/813
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