男「元奴隷が居候する事になった」【安価有】 (597レス)
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502: 2020/01/06(月)16:51 ID:lpdju8Jx0(1/12) AAS
新年あけましておめでとうございます。
今宵どこかで投下をば。
504: 2020/01/06(月)20:50 ID:lpdju8Jx0(2/12) AAS
秋の兆しよりも、夏の名残が風に乗って頬を撫でてくる。
そんな九月の半ばを迎える暦の頃。
私は探偵事務所のテーブルで、とある同年代の子と一緒に向き合って勉強をしている。
体面にいる男の子の名前は、水瀬 真生(みなせ まお)くん。
先月の夏祭りで知り合ったばかりだが、
省5
505: 2020/01/06(月)20:55 ID:lpdju8Jx0(3/12) AAS
彼は非常に中性的な顔立ちをしていて、
黙っていると女の子にも見えてしまう。
同じくらいの年の友人なんて殆どいないけれど、
テレビで見るような賑やかな子ども達とは違う、独特の雰囲気がある。
そんな彼を見つめていると、チラッとだけ目が合った。
省12
506: 2020/01/06(月)21:01 ID:lpdju8Jx0(4/12) AAS
そのまましばらく時が流れて、私は本を一冊読み終えた。
さて次は何を読もうと考えていると、体面で机に噛り付いている子が目に入る。
ふと興味が湧く。マオくんが何を一心不乱に学んでいるのか。
そっと覗いてみると、どうやら国語の四字熟語を覚えるために
何度もノートに書きなぐっていたのだ。
省13
507: [saga] 2020/01/06(月)21:07 ID:lpdju8Jx0(5/12) AAS
ただ、私がいることで彼の気を散らせてしまっているのなら申し訳ない限り。
ずっと勉強を続けているマオくんの息抜きになればと、
ほんの少し勇気を出して話しかけてみた。
「それ、何の勉強をしているんですか?」
「ん、塾。宿題とは別にテスト勉強してるだけ」
省20
508: [saga] 2020/01/06(月)21:12 ID:lpdju8Jx0(6/12) AAS
彼はきょとんとした顔で、私を見つめてくる。
次は私の鼓動が早くなる番だった。
何も考えずに零れた言葉、私の心。
言葉の裏に思い描くのは、私の神様。
あの人の横に並べる女性に成りたいから、私は大人になるまで生きていたい。
省11
509: [saga] 2020/01/06(月)21:15 ID:lpdju8Jx0(7/12) AAS
それから私とマオくんは、他愛もない話を交わしていく。
マオくんは学校の友達のこと。通っている塾のこと。
そして、お姉さんのこと。
私は基本的にお兄さんのことが話の内容として多くなってしまう。
そんな話の流れは、マオくんが勉強をしている四字熟語の事にスポットが当てられた。
省14
510: [saga] 2020/01/06(月)21:19 ID:lpdju8Jx0(8/12) AAS
「おお、マオくん。勉強いつも頑張ってるね。
お姉さんから『塾が始まるまでの一時間だけ預かってくれ』って頼まれてるし、
時間がくるまでゆっくりしていっていいよ」
お兄さんはマオくんにそう告げると、
マオくんは、「……りがとざっす」と、小さな声でお礼を返す。
そしてお兄さんは手元のコンビニ袋を私たちに差し出してくれた。
マオくんが「先にいいよ、サンディ」と気を使ってくれるので
省15
511: [saga] 2020/01/06(月)21:24 ID:lpdju8Jx0(9/12) AAS
「でもサンディのご褒美で買ったんだから、二つ食べていいんだよ?」
「あ、そ、それはですね……今日読んだ本に……」
「何か書いてあったの?」
「“愛する人には、全てを注ぐの。何も見返りを望まずに。”って……」
省7
512: [saga] 2020/01/06(月)21:29 ID:lpdju8Jx0(10/12) AAS
アイスをガリガリと齧りつつ、何やら考えていたマオくん。
「ああ……そういう事ね……」と呟きながら、
ハズレの表記が出たまま半分残っているアイスを銜えつつ、テーブルを片付け始めた。
お兄さんはそれに気づいて、事務所に置いてある時計に目を向けた。
「もう塾の時間か。自分で気づけてえらいね。
またこうしてサンディと一緒に遊んでくれたらうれしいな」
省9
513: [saga] 2020/01/06(月)21:37 ID:lpdju8Jx0(11/12) AAS
ご無沙汰しております。
またこうして、ゆっくりと綴っていけたらいいな、と。
たまには覗いてくれると嬉しい限り。
516: [saga] 2020/01/06(月)22:14 ID:lpdju8Jx0(12/12) AAS
感想を頂ける喜びを噛み締めつつ、
話を綴る楽しさを改めて思い出しています。
有難うございます。感謝。
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