男「元奴隷が居候する事になった」【安価有】 (596ﾚｽ)
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361: [sage saga] 2018/04/21(土)22:55 ID:aP2GD9YT0(1/6) AAS
蝉の声が遠くで聞こえてくる。
本格的な時雨の音が鳴り始めるほどではない。
しかし夏の暦を捲るには充分だろう。
照りつける日射しの強さが肌を焦がしていくような錯覚を感じた。
省11
362: [sage saga] 2018/04/21(土)23:12 ID:aP2GD9YT0(2/6) AAS
とあるキッカケで一緒に住んでいる同居人のサンディ。
昔過ごしていた環境の影響からか塞ぎがちな子だったが、最近は朗らかな笑顔を見せてくれるようになった。
そんな彼女の趣味、もとい修行の一環は猫の観察。
一体どういう風に観察対象をチェックしているのか、実は前々から気になっていた。
観察ノートを見せてほしいと言ったら「恥ずかしいので……ちょっと……」と濁されたので
省10
363: [sage saga] 2018/04/21(土)23:17 ID:aP2GD9YT0(3/6) AAS
彼女が今いるのは近所の空き地。
そこに長らく放置されている土管の上に、猫が数匹ほど座っている。
人慣れしているのか逃げる様子も特に無い。
その中心にいる三毛猫の首には鈴が付いていた。飼い猫だろうか。
くしくしと手で顔を掻いたり、大きい欠伸をしていた。
省10
364: [sage saga] 2018/04/21(土)23:18 ID:aP2GD9YT0(4/6) AAS
謎の感情に心臓がキュッとなる。うっ、と思わず声が出そうになった。
それと同時に自分が隠れている電柱とは対面にそびえている電柱の陰で、
黒いスーツに身を包んだ女性が胸の中心を抑えつつ悶えている様子が見えた。
うっ、と声を上げてそうな素振りをしている。
変質者発見。いや違う、向こうから見たら僕もそんな感じだった。
省3
365: [sage saga] 2018/04/21(土)23:34 ID:aP2GD9YT0(5/6) AAS
悶えるのを耐え続ける怪しげな大人たちに囲まれている。
そんな小さな地獄絵図を露知らず、サンディは猫の観察を続けている。
猫の挙動や仕草を真似つつ、ノートに何某かをカリカリと綴っていた。
書いている内容に全く想像がつかないのがまた何とも言えない。
ふと、あの子のいる空き地が薄暗くなった。
省11
366: [sage saga] 2018/04/21(土)23:58 ID:aP2GD9YT0(6/6) AAS
「ただいま、帰りました」
おかえり、と僕は言葉を返す。少しだけ肩で息をしながら。
急いでアロハシャツから着替えて出迎えたのが要因だ。
彼女は訝しむ様子もなく、洗面所で手洗いうがいを終えて、
省13
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