男「元奴隷が居候する事になった」【安価有】 (597ﾚｽ)
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269: 2017/12/14(木)01:09 ID:DwkAWVf50(1/8) AAS
【番外編〜秘密の探偵物語〜】
ここは喫茶店、リーブル・ド・イマージュ。
フランス語で絵本という意味らしい。
僕は今この店のカウンター席に座り、モカマタリを堪能している。
省6
270: [saga] 2017/12/14(木)01:11 ID:DwkAWVf50(2/8) AAS
人は沈黙を恐れる生き物だ。
しかして、僕とマスターは言葉を交わさずとも互いの心情を理解する仲だ。
彼はいま背中を向けて食器の手入れをしているようだが、
その後ろ姿の哀愁から察するに、さも人生の何某を僕に向けて語りかけているのだろう。
省8
271: [saga] 2017/12/14(木)01:12 ID:DwkAWVf50(3/8) AAS
さて、そもそもどうしてコーヒーをこんなに時間かけて飲んでいるのか。
理由は二つある。
「そういや、今更だけれど例のお嬢さんは一緒じゃねぇのか」
「ああ、彼女は事務所でDVDを見ているよ」
省11
272: [saga] 2017/12/14(木)01:14 ID:DwkAWVf50(4/8) AAS
もはやコーヒーから醸し出されていた湯気すらも飲み切っているような気がする。
ここは正直に言ってしまうか。
「マスター、申し訳ない。財布を忘れたから今回だけツケといてもらえないかな」
「はぁ？ 仕方ねぇ奴だな、この赤貧ポンコツ探偵は」
省7
273: [saga] 2017/12/14(木)01:15 ID:DwkAWVf50(5/8) AAS
それから僕とマスターは時間を縫い合わせるかのように会話に興じる。
最近の景気、前所長の話、春先に店に置く植物の話、などなど。
その中で、二人の癖について話題が飛んだ。
「マスターって何だかんだ承諾してくれるときって頭掻く癖ありますよね」
省13
274: [saga] 2017/12/14(木)01:18 ID:DwkAWVf50(6/8) AAS
嫌な予感が確信に変わる前に喫茶店から出て、急いで事務所兼自宅へと戻ってきた。
「……た、ただいまー」
何故だか小声で帰宅を告げてしまう。
やましい事は無い筈なのに。たぶん、おそらく、きっと。
省6
275: [saga] 2017/12/14(木)01:20 ID:DwkAWVf50(7/8) AAS
さて、弁明を考えよう。
こういう時だって狼狽しない。あくまでクールに。
冷静沈着、頭脳明晰、奇想天外、四捨五入だ。いけない混乱している。
もしかしたら例の案件を見ていないかも、という一縷の可能性に賭けて
目の前の可愛い同居人の第一声を伺うことに。
省6
276: [saga] 2017/12/14(木)01:21 ID:DwkAWVf50(8/8) AAS
スレが落ちる前のエクストラとして小話を。
もし続編があるなら、こういう感じのゆるい話も増やして行きたいなと思います。
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