男「元奴隷が居候する事になった」【安価有】 (597レス)
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523(1): 2020/01/27(月)08:33 ID:TeAvOi/SO携(1) AAS
サンディ視点で
524: 2020/03/04(水)10:48 ID:KaEFgGcH0(1) AAS
保守
のんびりとお待ちしております
525: 2020/04/04(土)21:00 ID:oQRrTn2I0(1) AAS
保守
526: 2020/04/11(土)07:13 ID:Y25hWkHhO携(1) AAS
引き込まれますね
続き楽しみです
保守
527: 2020/04/11(土)10:29 ID:awJL6YJno(1) AAS
読み返したくなる名作
そして毎回クリスマスで死ぬ
528: 2020/05/05(火)05:56 ID:reK9YqafO携(1) AAS
保守
529: 2020/05/12(火)14:20 ID:GSr3VfmPO携(1) AAS
保守
530: 2020/06/03(水)08:19 ID:uokk9BjHO携(1) AAS
保守
531: 2020/06/24(水)00:32 ID:5DmSTfA6O携(1) AAS
保守
532: 2020/07/02(木)19:58 ID:xBNddiV40(1/18) AAS
【二人のエピソード】 ※連れて行きたい場所、日常の一コマ、未来の話など
たまには仕事帰りのお兄さんを
【視点:男 or サンディ or その他】
サンディ視点
533: 2020/07/02(木)20:00 ID:xBNddiV40(2/18) AAS
六月中旬。夕刻の頃。
どんよりとした空模様から、しとしとと降っている生温い雫がアスファルトを濡らす。
天気予報の週間予想は、一昨日からずっと傘マークを示していた。
これほどまでに雨が続くと、恵みの雨と表するには少々供給が過ぎているようにも感じる。
夏が始まる前の日本の空のカーテンは、グレイの色合いをしていた。
省5
534: 2020/07/02(木)20:03 ID:xBNddiV40(3/18) AAS
街並みを探偵事務所から見下ろしながら、私は一人の影を探す。
探し人は、居候先でお世話になっているお兄さんだ。
今日はお仕事で午前中から外出していて、帰宅が夕方頃になるとの事。
お兄さんを玄関で「おかえりなさい」と迎えたいので、
帰路の姿を見つけられるよう、こうしてチラチラと外を気にしてしまう。
省4
535: 2020/07/02(木)20:04 ID:xBNddiV40(4/18) AAS
既に家事は粗方片付いており、強いて言えば夕飯をどうするか悩んでいるくらい。
いつも夕方の時間帯はテレビを見ているか、読書、勉強をしているけれど、
今日はそんな気分ではない。
窓の外に映る景色が気分を落ち着かせてくれているのか、
もしくは昔の景色が瞼の裏に映って気分が落ち着かないのか。
省11
536: 2020/07/02(木)20:05 ID:xBNddiV40(5/18) AAS
Someday I want to run away
(いつか私は 逃げ出したい)
To the World of Midnight
(真夜中の世界へ)
曲自体は二分となく、短いものだった。
でも、その歌がずっと頭の中をリフレインしている。
省2
537: 2020/07/02(木)20:06 ID:xBNddiV40(6/18) AAS
「さーむでぃ……あい、うぉんと…とぅ、らなうぇい……」
いつか私は 逃げ出したい。
「とぅ……ざ、わーると…おぶ、みっどないと……」
真夜中の世界へ。
538: 2020/07/02(木)20:08 ID:xBNddiV40(7/18) AAS
私が、ずっと、ずっと考えていた事。
逃げ出して、どこかに行きたかった事。
あの時に居た暗がりよりも、暗いところに行きたかった事。
539: 2020/07/02(木)20:08 ID:xBNddiV40(8/18) AAS
堅い木材で頭を殴られた事を思い出すような衝撃だった。
不意に前に居た場所を思い出し、呼吸が少し荒くなる。
苦しさを顔に出すと更に折檻を受けた事を体が覚えていて、もっと息が辛くなる。
いきているのが、つらくなる。
お兄さんから渡されている青い錠剤を、ポケットから取り出し、
省2
540: 2020/07/02(木)20:09 ID:xBNddiV40(9/18) AAS
ぜぇぜぇ、と肩で息をしながら、ふっと深呼吸をする。
深く息を吸い、ゆっくりと吐く事を数度。
心拍数はやや乱れているものの、先ほどよりも幾分か気分が楽になった。
それでも、あの美しい歌声が、頭の中で優しく響いてくるのは変わりなく。
悲しい曲。けれど、とても美しい曲だな、と感じたから。
省7
541: 2020/07/02(木)20:10 ID:xBNddiV40(10/18) AAS
私はバタバタと慌てて玄関まで走り、お兄さんを出迎える準備をする。
お兄さんが濡れているかも知れないから、タオルを片手に持ち、ドアのチェーンを外した。
金属を擦る無機質な音が聞こえてから一拍、ドアがきぃ、と開いた。
「ただいま、サンディ」
「おかえりなさい、お兄さん」
省3
542: 2020/07/02(木)20:11 ID:xBNddiV40(11/18) AAS
「いやー、外は思ったより降っていたけれど、大きめの傘だったから殆ど濡れなかったね。
出かける前に一緒に見ていたテレビの天気予報さまさまだよ」
「ふふ、それは良かったです」
「だからね、サンディ。気になる所は一つだけ」
お兄さんは手に取ったタオルを、優しく、優しく私の顔に添えてくれる。
「君の頬の方が濡れてる」
省9
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