男「元奴隷が居候する事になった」【安価有】 (596ﾚｽ)
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7: [sage saga] 2017/11/06(月)21:26 ID:1bqYoAB70(7/13) AAS
しばらくして抱擁を解くと、少し息苦しかったのか、けほけほと咳き込んでいた。
すまないと思わず謝った。力加減が分からなかったのだ。
その黒髪の少女は一体何をされていたのだろうといった表情で呆気に取られている。
「君たちを、助けにきた」
省8
8: [sage saga] 2017/11/06(月)21:38 ID:1bqYoAB70(8/13) AAS
それから約一か月後、日射しの気持ち良い秋晴れの頃。
依頼人が自分の事務所を訊ねてきた。
「依頼達成、お疲れ様でした。請け負ってくれて有難うございます」
事務所の安革ソファに腰を下ろし、労いの言葉をかけてくる。
省11
9: [sage saga] 2017/11/06(月)21:51 ID:1bqYoAB70(9/13) AAS
「世界にはお金で狂った人が大勢います。
道徳心を亡くした小金持ちは子どもを愛玩や嗜虐の道具で欲しがる、歪んだ人々もいます。割といます。結構います」
神妙な面持ちで、スーツ姿の青年は語りかけてくる。
「あの子たちは、奴隷として飼われており、奴隷として買われるところでした。
貴方はその子どもを助け、世界を美しくする一端を担ってくれました。
本当に、本当に有難うございます」
そういって、深々と頭を下げてきた。
省9
10: [saga] 2017/11/06(月)22:15 ID:1bqYoAB70(10/13) AAS
「助けて頂いた子のうち二人はアメリカに行く事が決まりました。
ただ、もう一人の子はこの国への残留を強く望んでおりまして。
それで、この国の戸籍を準備するのが少々手間取っている現状ですね」
ほぅほぅ、難儀な事ですね。
そう言いつつも手元のコーヒーを優雅に啜ってみる。
「それでですね、こちら側が戸籍を準備するまで、その子を預かって貰えないでしょうか」
省14
11: [saga] 2017/11/06(月)22:25 ID:1bqYoAB70(11/13) AAS
……期間は、どのくらいですか。
諦めたように依頼人に告げた。
ぱぁっ、っと少女の表情が明るくなり、依頼人はネクタイを正して商談に入るような姿勢を向けてきた。
「まぁ、組織内の情報を洗う意味で少々時間を空けて、一年です。
延びるかもしれないし、短くなるかもわかりません。」
省11
12: 2017/11/06(月)22:26 ID:RfneMM/3o(1/2) AAS
ｋｓｋ
13: [saga] 2017/11/06(月)22:26 ID:vC6TSfSp0(1) AAS
リンダ
まともな名前が来ますように！
14(2): 2017/11/06(月)22:27 ID:t2BjLYsM0(1) AAS
サンディ
15: [saga] 2017/11/06(月)22:47 ID:1bqYoAB70(12/13) AAS
>>14
「私の名前は……サンディ、です……」
少女は俯いたまま、ぼそりと呟く。
可愛い名前だね。
そう率直な感想を告げると、さらに身を縮こまらせて耳を真っ赤にしていた。
省15
16: [saga] 2017/11/06(月)23:00 ID:1bqYoAB70(13/13) AAS
今日はここまで。お目通し、安価協力に感謝を。
のんびり書いているので、ゆるりとお茶でも飲みつつお待ちください。
感想やご意見などあれば是非ぜひ。
【作業用ＢＧＭより一曲】
省2
17: 2017/11/06(月)23:03 ID:c7c87bhwo(1) AAS
おつ
きたい
18: 2017/11/06(月)23:03 ID:RfneMM/3o(2/2) AAS
乙
19: 2017/11/06(月)23:16 ID:CbR4GO9cO携(1) AAS
おつ
20: [saga] 2017/11/07(火)06:41 ID:lfj9bXFJ0(1/11) AAS
仕事場でもあり居住地として使用している我が根城。
事務所兼自宅に男が一人だけ。
そこに暮らす輩が無精者だとすれば、それはまぁ見事に散らかっているもので。
顧客を招く職場としての事務所は辛うじて綺麗な環境を保ってはいるが、
省5
21: [saga] 2017/11/07(火)06:48 ID:lfj9bXFJ0(2/11) AAS
否、断じて否。
部屋の散らかりは心の散らかり。美しい場所でこそ凛とした育ての場に相応しい。
元から性根の腐っている自分ならまだしも、これは子どもを預かる環境としてはあまりに不適切。
「サンディ。もしかしなくて、今日から早速一緒に住むって事でいいのかな？」
省17
22: [saga] 2017/11/07(火)07:14 ID:lfj9bXFJ0(3/11) AAS
彼女を招いたのがお昼過ぎくらいの頃だったか。
今やすっかり日も傾いて、もう夜の帳が下りそうな時間だ。
もっとこう、時間もあれば多少は片付けて招けたのだが……などと、心の内で言い訳だけ噛み砕く。
彼女の尽力のおかげで、居住地だけではなく、トイレ、風呂、果ては事務所の隅々まで見事に綺麗になっている。
省28
23: [saga] 2017/11/07(火)07:34 ID:lfj9bXFJ0(4/11) AAS
涙を流していたサンディを事務所のソファに座らせ、手元にティッシュを添えてやる。
その対面に自分は腰をおろして、感情の起伏が治まるのを待ってみた。
「お見苦しいところを、失礼いたしました」
ずびっ、っと鼻を啜りながら彼女は謝罪を口にする。
省23
24: [saga] 2017/11/07(火)07:49 ID:lfj9bXFJ0(5/11) AAS
彼女の返答を待つまで頭を下げていたが、一向に答えが返ってこない。
嫌われてしまったか。
それも已む無しと思いつつ、ふと顔を上げると。
両手をあわあわと振りながらも、言葉に詰まって慌てふためく彼女の姿があった。
「あ、あの、あのその！ お、お気にならさず、なさらず！？
わ、私如きに頭を下げるというのは滅相もないというか何というか
そういう風にされるのは生まれて初めてだからどうすればいいのか分からないというか私はそのあのそのその…！！」
省18
25: 2017/11/07(火)07:54 ID:fV6fJm9D0(1) AAS
さつまいも
26: 2017/11/07(火)08:40 ID:d9cRRv3Uo(1/2) AAS
ピーマン
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