梨子「5年目の悲劇」 (315レス)
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78: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:44 ID:SnVGEAuwO携(16/33) AAS
曜「外も凄かったけど……」
ルビィ「中も綺麗……」
大理石の床、待合い用の大きなソファ、ガラス張りのテーブル、煌びやかなシャンデリア。
天窓からは、フロストガラスである程度緩和された太陽光が差し込むのだろう。
今は生憎の雨で、明かりの主役はシャンデリアなのだが。
79: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:45 ID:SnVGEAuwO携(17/33) AAS
高森「……いないわね、小原さん」
千歌「善子ちゃんもどこ行ったんだろう」
こういう時、「Ciao〜♪」とハイテンションで出迎えるのが鞠莉だった筈なのに。
従業員との打ち合わせ……にしては、私たち以外誰もいないように感じられる。
80: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:46 ID:SnVGEAuwO携(18/33) AAS
果南「ねえ、気になったんだけど」
梨子「これは……ルームキー?」
ロビーの中央、一番大きなテーブル。
そこに、8つの鍵が置かれていた。
高海様、渡辺様、桜内様……
省2
81: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:46 ID:SnVGEAuwO携(19/33) AAS
そして、一緒に置かれていた一枚の手紙。
『Aqoursの皆様、正午になりましたら再度ロビーにお集まりください』
梨子「何だか、かなり凝ったことするのね」
果南「そういうことだったら、大人しく待ってあげよっか」
82: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:47 ID:SnVGEAuwO携(20/33) AAS
ダイヤ「……ところで。私とルビィ、どちらがどちらの鍵か分かりかねるのですが」
ルビィ「どっちも『黒澤様』って書いてる……」
果南「んー……部屋番号を見た感じ、片方は私の隣でもう片方はマルの隣みたいだし」
花丸「じゃあ、こっちがルビィちゃんの鍵ずら」
ダイヤ「では、私はこちらを」
83: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:48 ID:SnVGEAuwO携(21/33) AAS
千歌「とりあえず、お部屋に荷物置いて来ようよ」
梨子「そうね。癪だけど鞠莉さんと善子ちゃんの企みに乗ってあげましょう」
私たちは皆、バス停からそこそこ距離のあったロープウェイ乗り場まで雨の中歩かされているのだ。
それに、仕事の関係などで荷物の量が他より多い人もいる。
千歌と私の提案に、反対する者は誰もいなかった。
84: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:50 ID:SnVGEAuwO携(22/33) AAS
◆
ガシャリ、グシャリ。
誰にも気づかれないようロープウェイ乗り場へ行き、ハンマーで制御装置を力任せに破壊する。
これで、このリゾートは陸の孤島と化した。
この作業が終わったら、次はあれをロビーに置かねば。
85: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:51 ID:SnVGEAuwO携(23/33) AAS
◆
外装やフロントが豪華なら、部屋も当然ながら豪華だ。
ベージュのカーペットに、優に3人分の幅はあるベッド。
テラスの向こうは、依然として雨。
こういうテラスで日光を浴びながら優雅に紅茶、と洒落こみたいところだが、今日は出来そうにない。
86: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:52 ID:SnVGEAuwO携(24/33) AAS
時間まですることもないので、備え付けのテレビを見ながら色々考える。
何故鞠莉と善子は揃って音信不通なのか。
破天荒な2人のことだ。もしかしたら、壮大なドッキリでも仕掛けているのかも知れない。
ドッキリでなくとも、ここまで姿を見せないからには何かがある。
二人揃って電話にも返事がないのはいささか不自然だ。
87: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:54 ID:SnVGEAuwO携(25/33) AAS
梨子「…………」
気づけば、約束の正午まであと5分。
学生時代に習った5分前行動の精神とやらは身体からそう簡単に抜け出ないもので。
着替えようかとも思ったが、結局そのまま部屋を出た。
88: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:54 ID:SnVGEAuwO携(26/33) AAS
────正午、ロビー。
再び集合した8人。
けれど、やはり2人の姿はなかった。
ダイヤ「あの2人は一体何をしているんですの……」
果南「まあまあ落ち着いて」
省1
89: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:55 ID:SnVGEAuwO携(27/33) AAS
高森「でも、本当にどうしたのかしら」
ルビィ「んー……あれ、またテーブルに何か……」
大テーブルのど真ん中。
何かが置かれているが、身を乗り出さないと取れないだろう。
90: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:56 ID:SnVGEAuwO携(28/33) AAS
千歌「とうっ!」
行儀が悪い、を我先にと実行した千歌が、それを手に取った。
千歌「鍵と紙だね。小原CEO……え?」
鞠莉の部屋の鍵と、それを示す紙……らしいのだが。
91: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:57 ID:SnVGEAuwO携(29/33) AAS
千歌「きゃぁぁっ!?」
何かに驚いたように、千歌はその2つを放り投げた。
梨子「どうしたの?」
千歌「だって、あの紙……」
曜「これ……血じゃないの!?」
92: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:58 ID:SnVGEAuwO携(30/33) AAS
梨子「っ!?」
曜が拾ったその紙には、血痕らしき真っ赤な染みが付着していた。
まさか。嫌な予感が一瞬にして湧き上がる。
「「…………」」
誰も言葉を交わさぬまま、鍵が示す部屋へと一斉に駆け出した。
93: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:59 ID:SnVGEAuwO携(31/33) AAS
────鞠莉の部屋。
果南「嘘……」
ダイヤ「鞠莉、さん……?」
2人の声を切っ掛けに、悲鳴が廊下に反響する。
94: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)03:01 ID:SnVGEAuwO携(32/33) AAS
小原鞠莉は、そこにいた。
いや、あった、という方が正しいだろうか。
床に横たわる身体。
備え付けの小さなテーブルに掛けられた、魔法陣らしきものが描かれた黒い布。
その上に、小原鞠莉の首が乗せられていたのだ。
95: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)03:02 ID:SnVGEAuwO携(33/33) AAS
今回はここまで。
アキバレポーターは本名が設定されていないようなので、ここでは中の人から取って高森で行きます。
96: 2017/06/11(日)09:56 ID:YN5aS/jw0(1) AAS
元ネタ的にやはり何人か死んでしまうのか…
97: 2017/06/11(日)12:03 ID:ZQnLeseDO携(1) AAS
一見すると善子がやったように見えるけど中二卒業してるしなあ
本人の姿が見えないのが気になる
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