梨子「5年目の悲劇」 (315レス)
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52: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/04(日)02:20 ID:oZ0o4GAZO携(30/35) AAS
千歌「ねえ、梨子ちゃん」

梨子「どうしたの?」

千歌「あのこと、私は忘れてないからね」

梨子「あのこと?」

千歌「……ううん、なんでもない」
省1
53: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/04(日)02:22 ID:oZ0o4GAZO携(31/35) AAS
見送ってくれる6人に手を振り、やがてその姿は見えなくなる。

ルビィ「みんな、色々変わってましたね」

梨子「そうね……」
54: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/04(日)02:23 ID:oZ0o4GAZO携(32/35) AAS
飛び込み選手を辞めたらしい曜、やけに背の伸びた花丸。

何となく昔のような元気がなくなった果南。昔のキャラを捨てた善子。

大物になっていたダイヤと鞠莉。そして、何とも言えない違和感のある千歌。

みんな、大なり小なり変化があった。

鞠莉は何かしらの形で私たちの再会をテレビに流したいと言っていたが、あの頃のように上手く行くのだろうか。
省1
55: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/04(日)02:25 ID:oZ0o4GAZO携(33/35) AAS
梨子「あ」

そういえば、公演によく来てもらっていたこともあって、両親に顔を見せるのをすっかり忘れていた。

家は十千万のすぐ隣だったのに、バカをやらかした。

来月内浦に来たときに顔を見せようと強引に結論づけ、私はこの件について考えないことにした。
56: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/04(日)02:26 ID:oZ0o4GAZO携(34/35) AAS
……この時は、誰もまだ知らなかった。

再び集まるまでの1か月。

その間に、もっと大きな変化がAqoursに影を落としていたなんて。
57: 2017/06/04(日)02:28 ID:fBN//o79O携(1) AAS
しえん面白い
58: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/04(日)02:32 ID:oZ0o4GAZO携(35/35) AAS
プロローグここまで。

次から本編です。

>>22 正解です ここまではところどころ雪影村を意識しています
59: 2017/06/04(日)09:20 ID:IzzfjFADO携(1) AAS
成功した人とそうでない人の差が...
60: 2017/06/04(日)22:31 ID:Hr+9nIq6O携(1) AAS
おつおつ
61: 2017/06/04(日)22:51 ID:JFK920Zoo(1) AAS
つまんね
62: 2017/06/05(月)13:36 ID:lTpxj9kDO携(1) AAS
期待
63
(1): ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:28 ID:SnVGEAuwO携(1/33) AAS
「が、くる、し……」

「っ…………」

ただ、”彼女“の首を無言で絞め続ける。
64: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:29 ID:SnVGEAuwO携(2/33) AAS
“彼女“は己の首に掛けられたロープを外そうと必死でもがく。

だが、酸欠状態になりつつある身体では碌な抵抗も出来ない。

こういう時、刑事ドラマなら犯人に傷をつけることで真相解明に近づけさせると言うけれど。

それはさせぬと言わんばかりに、ロープにぐぐっと力をこめる。

数分、いや数十分。どのくらいの時間が経っただろう。
省1
65: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:30 ID:SnVGEAuwO携(3/33) AAS
「ハァ、ハァ……」

ロープから手を放し、止まらない汗を拭う。

荒ぶっていた呼吸と心臓の鼓動が少しずつ整ってくる。

……殺してしまった。

後悔はない、と言えば嘘になる。
省1
66: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:31 ID:SnVGEAuwO携(4/33) AAS
「…………」

物言わぬ亡骸を担ぎ、”準備“を始める。

まだ終わっていない。もう後戻りは出来ない。

自分はこの計画を、何としてでも完遂させなければならないのだから。
67: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:32 ID:SnVGEAuwO携(5/33) AAS
────7月30日、午前11時。

梨子「集合時間だけど……揃ってないわね」

集合場所であるロープウェイ乗り場に集まっていたのは7人。

鞠莉と善子、2人の姿が見当たらないのだ。
68: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:33 ID:SnVGEAuwO携(6/33) AAS
自動運転のロープウェイは既に扉を開けて停車しており、時刻表によれば間もなく発車する。

「テレビの人たちと打ち合わせもあるだろうし、リゾートの方で先に待っているのではないか」

誰かが言ったその内容に皆が納得し、それならとロープウェイに乗車する。

ただでさえ雨が降っていて皆相応な荷物を持っているのに、屋根の外に居たくはなかった。
69: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:34 ID:SnVGEAuwO携(7/33) AAS
「おーい! 待ってー!」

扉が閉まる寸前、大きなキャリーバッグを抱えた女性が駆け込んで来た。

傘を畳むのも忘れてゼェハァと息を切らせる彼女に、皆揃って呆気に取られる。
70: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:35 ID:SnVGEAuwO携(8/33) AAS
千歌「あのー、あなたは?」

「久しぶりね、Aqoursのみんな」

呼吸を整え、高森と名乗った女性。

後ろで纏めた髪に赤ブチのメガネ、もしかして。
71: ◆8TImjtGSKs [saga] 2017/06/11(日)02:36 ID:SnVGEAuwO携(9/33) AAS
梨子「もしかして、大会でいつもいたレポーターさん?」

千歌「そういえば……!」

高森「そうよ。覚えててくれて嬉しいな」

Aqoursがまだ6人だった頃、東京スクールアイドルワールドで初めて出会った彼女。

忘れもしない『0票』の集計結果を渡されたのは、今となってはいい思い出。
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