【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン (776レス)
【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473930004/
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617: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2019/10/06(日) 16:09:49.68 ID:nAUZyT2m0 グウィンドリン「白竜公が書庫に幽閉された日を境に、我ら月の子らへの隔離も、より深く明確なものになっていった」 グウィンドリン「我が姉上プリシラと妹のヨルシカが、当時どのような処遇にあったかも、母と話さなければ知らずにいただろう」 グウィンドリン「だが少なくとも、我が耳に入る言葉は、新たな統治者が現れるまでは処遇が定まらぬ身であった、権限の少なき者……我が母の言葉のみとなった」 グウィンドリン「この時の景色が映らぬのもそのためだ。広間の外から聞こえる母の声以外に、我が暗室に価値など無い」 コブラ「分かるぜ。つまらんCMばかりじゃテレビも消したくなる」 コブラ「だがひとついいか?アンタの記憶にはクリスタルボウイの記憶も混ざってるんだろ?この時もアイツは暗躍していたはずだ。何故ヤツの記憶が無い?」 グウィンドリン「クリスタルボウイが与えられた任をただ果たしていたからだ。これからしばらくは、あの者は動かぬ」 グウィンドリン「動く必要も無い。それほどまでに貴公の敵の謀りは完成していたのだ」 「グウィンドリン」 コブラ「!」 闇の中に鈍く響く声は、水中で聞く囁きのように微かであり、コブラは言葉を止めた。 囁きの主は月と太陽の女神であり、その調子から、決して愉快な用事があるわけではないという様子が伺えた。 月と太陽の女神「グウィンドリン…無事なのですね?」 月と太陽の女神「ならば、全てを話してもいいのでしょうね……実はしばらくの間、貴方と貴方の姉妹達に、刺客を放とうという動きがあったのです」 コブラ「フッ、飛ばすね。もう暗殺か」 月と太陽の女神「貴方の知る通り、あなた達月の子らと私には、王座へ王が座らぬ今、政を束ねる力は許されていません」 月と太陽の女神「それをいいことに、ベルカは臨時政府を発足して、このような画策を働いたのです……幸いにも、寵愛のフィナと岩のハベル、刺客達の長たる王の刃キアランの奔走により、大事には至りませんでした。太陽の第一王女たるグウィネヴィアの力添えも大きいでしょう」 月と太陽の女神「ですがヨルシカは幽閉され、プリシラは冷気を纏う身であるがゆえに、流刑の地たる冷たい絵画へと追いやられました」 古き日のグウィンドリン「……母上」 古き日のグウィンドリン「我らに政を束ねられぬと仰るのなら、何故我らは脅かされねば成らぬのですか?」 闇の中を、かつてのグウィンドリンの声が響く。 グウィンドリンの声は鈍くは無かったが、その主の姿は無く、やはり暗闇だけがコブラの眼には映っていた。 月と太陽の女神「全貌はまだ暴きようも無いでしょう……ですがグウィネヴィアの一声ですぐに動きを止めたのですから、何が起こっているにせよ、あなた達を脅かすことによって、ベルカの目的は達成されたのでしょう」 古き日のグウィンドリン「……ベルカは、我らの姉上を王に……次なる薪とするつもりなのですか?」 月と太陽の女神「それもまだ分かりません。ですがもしそうなら、アノール・ロンドは偉大なるソウルの系譜を失い、強い薪を生む力を弱め、遠く滅びます」 月と太陽の女神「かの神はそれを見ぬほど愚かではありません。グウィネヴィアを王とはしないでしょう」 月と太陽の女神「………」 月と太陽の女神「ともかくとして、私達への危機は一時にせよ去りました。我が子である貴方に、楽観せよとは言えないけれど…」 月と太陽の女神「それでも、多くの神々があなた達の影で支えとなっています。貴方の母も、そのひとつ」 月と太陽の女神「心細く感じた時は、どうかそれを思い出して」 コブラ「母の愛ってのは泣かせるね。アンタにも優しいお袋がいた時代があったわけだ」 グウィンドリン「子に優しくなければ、火に焚べる薪など育てられんさ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473930004/617
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