[過去ログ] 【艦これ】梅雨祥鳳【短編集】 (113レス)
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86: 2015/06/06(土)17:54 ID:WjyKln5JO携(1) AAS
乙
叢雲は頼りになるかわいい
87: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:36 ID:bU39jzdLo(23/42) AAS
行きます
88: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:37 ID:bU39jzdLo(24/42) AAS
どんどん山を片付けていく提督を尻目に、肝心の私の方はさっぱり仕事に手がつかない。
頭の中はもうぐるぐると同じ悩みが繰り返し渦巻いているのだ。
コイツはどこまで私に求めてくるのだろうか。
二人で任務がてら小旅行して、時間が許せばちょっと寄り道でもして帰って来る・・・そんなささやかな求めならいい。
二つ返事で・・・とはいかないけれど、照れ隠しに渋りながら承諾することは出来る。
省3
89: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:38 ID:bU39jzdLo(25/42) AAS
「叢雲」
「ひゃい!」
「真面目にやろうな?」
突然声がかけられて、私は間の抜けた返事をすることになった。
さっき叱られたお返しとばかりに、ニヤついた嫌味な笑顔でそう言われて。
省1
90: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:40 ID:bU39jzdLo(26/42) AAS
雨の日は、物音がよく通る。カチ、コチ、コチと、執務室に置かれた置時計の呟きだけが執務室を支配していた。
お互いがお互いの執務に戻って、数十分。そういえば、コイツがさっき見に行った今日の演習の参加者は・・・。
「げっ、第六駆逐」
「はは、そろそろだな」
提督の言葉が終わらないうちに、さっきまで静かだった執務室の外が騒がしくなってきた。
省2
91: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:41 ID:bU39jzdLo(27/42) AAS
「雷が一番乗りよ!」
「ちょっと、何であなたが先頭なのよ!」
「はわわ、執務室では静かに、なのです!」
「電、私たちも走って来たのだから同罪だよ」
「アンタらねえ」
省4
92: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:43 ID:bU39jzdLo(28/42) AAS
「でねでね、今日は雷さまの主砲が決まったの!」
「ちょっと、それを言うなら旗艦の私の指示が良かったからでしょう!?」
「・・・MVPを取ったのは私」
「響はいつもイイトコ取りしちゃうんだから、ずるいわ!」
「喧嘩はだめなのです、あと最初に敵をやっつけたのは電なのです」
省3
93: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:44 ID:bU39jzdLo(29/42) AAS
「コホン。それでね司令官!」
「あ、ずっるーい!なんで暁が教えちゃうのよ!」
「ん、なんだなんだ。何かあったのか?」
「もう、少しは落ち着いて報告なさい」
ぎゃあぎゃあと、どちらが提督に報告するのか争う暁と雷。いつものことだ。
省3
94: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:45 ID:bU39jzdLo(30/42) AAS
「あのあの、司令官さん・・・。それであの、電たちはお願いに来たのです」
「ん、お願いってなんだ?」
「あ、司令官ったら約束のこと忘れてるー、信じらんない!」
「も、もちろん覚えてるさ。ええと」
あ、この顔は覚えて無い顔ね。
省4
95: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:47 ID:bU39jzdLo(31/42) AAS
それはねー、と雷が根拠もなく偉そうに胸を張る。
大人ぶりたいのは暁だけれど、お姉さんぶりたいのはこの娘なのよね。
「みんなが練度70になったら、司令官が何でもお願いを一つ聞いてくれるの!」
「あ、アンタねえ!?」
「どーしてそういう話しちゃったのかなー?俺不思議だなー?」
省3
96: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:49 ID:bU39jzdLo(32/42) AAS
「あのね、あのね!」
暁や雷はともかくとして、大人しい響と電までも瞳を輝かせて迫る。
余程叶えて欲しい願いがあるのだろう。【間宮】の無料食べ放題券とかかしら?
「今度余所の鎮守府に行くんでしょ、暁たちも連れて行って欲しいの!」
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
省1
97: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:50 ID:bU39jzdLo(33/42) AAS
なんですってという大声は、続く提督の言葉のおかげでかろうじて上げなくてすんだ。
「ふむ、その事は叢雲以外にはまだ話していなかったのだが」
そうだ。提督が他所の鎮守府に出向くというのは、秘書艦の私ですら今知らされたというのに。
この娘たちの情報の速さはいったい・・・ん、情報?
「お前たち、いったいどこからその話を聞いた?」
省3
98: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:52 ID:bU39jzdLo(34/42) AAS
さて、今解決すべき問題はこの娘たちをどうするかよね。
別に余所の鎮守府に遊びに行く訳じゃない。そのことは窘めないといけない。
任務だからといって断るのが筋なのでしょうけれど。
でも、こういう機会でもないと普段忙しい艦娘たちが外の世界に出れる機会はない。
だから・・・この子達の期待に目を輝かせた様子を見ていると、あまり水をさせない自分もいるのだ。
省3
99: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:53 ID:bU39jzdLo(35/42) AAS
いいのかって、確かに二人きりになれないのは残念だけれど。
ヒソヒソと相談をする私と提督に、6駆の子たちは疑いのない眼差しを向けている。
「アンタ、あれを裏切れるの?」
「うっ、それは確かに」
「ねえ、司令官!」
省4
100: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:54 ID:bU39jzdLo(36/42) AAS
「あっ、お前ら遊びに行く訳じゃないからな!」
「先輩として演習戦で向こうのルーキーに教えてやるんだぞ!」
まあそういう名目がないと連れていけないだろう。
はーい、という声はすでに廊下から。あれじゃあもう明日には覚えていまい。
鎮守府を出る前にもう一度、遊びではなく任務だということを教えないといけないわね。
省1
101: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:55 ID:bU39jzdLo(37/42) AAS
あーあ。
これで二人きりの・・・その、”シンコン旅行”はお流れになっちゃったか。
だけど、仕方ない。あの娘たちにあんなキラキラした目をされたら断れないもの。
それに、みんなでワイワイ遠出する任務というのも楽しそうだ。
役目はキッチリこなして、そして楽しんで帰ってこよう。
省3
102: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:56 ID:bU39jzdLo(38/42) AAS
何よ、似合わないわねなんて、何時になく殊勝な謝り方をするコイツの表情がなんだかおかしくって。
だから私はついついしゃべりすぎてしまったのだ。
「ま、いいんじゃない?」
「これから二人きりになるチャンスなんていくらでもあるし」
「は?」
省4
103: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:57 ID:bU39jzdLo(39/42) AAS
「な、何よ・・・?」
「いや、ちょっと会話がかみ合わないなと思ったら」
これはいつも私を追い詰めるときにする、ニヤニヤとしたいやらしい表情だ。
さっきすまないなと言った意味はな、ともったいぶった前置きをして、俺はなと提督。
「六駆の娘たちの世話までさせてすまないなと言ったつもりだったんだ」
省2
104: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)20:59 ID:bU39jzdLo(40/42) AAS
完全な、私の早とちり。
二人きりの小旅行というのが私の中で決まりきっていたための勘違い。
カアっと、またしても顔が赤くなる。
「お前も大概、素直じゃないよなあ?」
「な、何よ」
省5
105: ◆VmgLZocIfs [saga] 2015/06/06(土)21:02 ID:bU39jzdLo(41/42) AAS
お前がさっきああ言ったのは、こう思っていたからだろうと続けて。
「俺と二人きりがいい、ってさ」
「バカ、アホ!アンタなんかもう知らないから!」
事実の指摘が、どんな盾をも貫く矛となって私の心を撃ち抜いた。
恥ずかしくって提督の顔を見られなくて、私は捨て台詞を残して机へと戻る。
省5
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