[過去ログ] 【スーパーダンガンロンパ2】天倉「俺はいったい何者なんだ?」【安価】【オリキャラ中心】 (1002レス)
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994: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/21(木)09:57 ID:3alGzjRB0(26/32) AAS
 ここは、エリアB-2。住宅街や公園から遠く離れたこのエリアに住宅らしきものはほとんどなく、代わりにとても広い田園地帯が目の前に広がっている。そのエリアにある小屋というべきところにいる宮崎亮介(男子15番)は、身体を横にして休息をとっていた。ここまで連れてきてくれた澤部淳一(男子6番)は、少し離れたところで見張りをしてくれている。

 学校から離れた後、みんなが行きそうな住宅街を敢えて避け、このエリアまで移動してきた。誰が乗っているのか分からないこの状態では、なるべく人に会わない方が安全だという淳一の提案からだ。必要な食糧は淳一がある程度確保してあったので、住宅街に行く目的もない。武器が探知機と鉄串(バーべキューに使うような奴だ。といっても、亮介はバーベキューになど行ったことはないが)ということもあり、亮介も特に異論はなかった。

 今はとりあえず、交代で休憩しようということになっている。人間の睡眠時間は六時間ほどが望ましいということで、まずは淳一が最初の放送まで眠り、今は亮介が休憩しているという状態だ。といっても、この緊迫した状況でまともな睡眠が取れるはずもなく、結果的にはただ身体を休めているだけ。それだけでも随分違うだろうが、これが続くとさすがに身体に支障をきたしそうだ。

 

 そうしてぼんやりとしていると、突然連続した銃声らしきものが聞こえた。それは、まだ眠りの世界へ誘われていなかった亮介の緊張した糸を張りつめさせるには、あまりに十分すぎるものだった。

 

「い、今のって……」

 

 あまりにはっきりしない音だったせいか、それが本当に銃声であったかどうか分からない。けれど、ただの気のせいとも思えない。ここから大分離れたところで、もしかして何かあったのだろうか。

 

「どうした?」

 

 亮介の言葉に反応したのか。淳一が、静かにそう聞いてきた。視線は淳一自身の手元にある探知機に落とされたままだが、それはおそらく、亮介の口調から何かあったと察知し、警戒心を強めているためなのだろう。

 

「今……銃声らしきものが聞こえた気がしたんだけど……」
「……俺には聞こえなかったな。となると、ここから大分離れたところか。探知機にも、俺たち以外の反応はない」

 

 どうやら淳一には、あの銃声らしきものは聞こえなかったようだ。けれど、それを亮介の気のせいだと聞き流すこともなく、それが本当であることを前提として話を進めている。亮介の言うことを、微塵も疑うことなく。

 

「少なくとも、俺らに危険が及んでいるわけでもないだろう。もう少し様子を見るってことでいいか?」
「あ、ああ……」

 

 ただ同意を求められただけなのに、じんわりと気持ちが温かくなる。誰かに同意を求められることも、誰かに意見を求められることも、亮介にとっては決して当たり前のことではなかった。家に帰れば、言っていること何もかもが、誰にも聞きいれてもらえない世界になるのだから。反対意見を持つことなど許されるわけもなく、賛成を問われたことも、同意を求められたこともなかったのだから。何もかも一方的に決めつけられて、自分の意見を持つことなど許されなかったのだから。
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