[過去ログ] 鳴護アリサ「アルテミスに矢を放て」 〜胎魔のオラトリオ〜 (917レス)
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12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)07:58 ID:A5mSZxOG0(12/38) AAS
オルソラ「皆様、お茶が入ったので御座いますよー」

神裂「ありがとうございます、オルソラ――さて、ではやってしまいますか」

アンジェレネ「……うへぇ。またこれは相当な量で」

ルチア「弱音を吐いてはいけませんよ。神は常に私達をご覧になっていますから」

アンジェレネ「い、いやいやいやっ!これってわたし達の仕事じゃあなくないですかっ?」
省17
13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:00 ID:A5mSZxOG0(13/38) AAS
神裂「ではオルソラ、私達も始めましょうか」

オルソラ「それで神裂さんは、あの方に恋文などは渡されたのでしょうか?」

神裂「どうしてこのタイミングでそれが出るんですかっ?!その話題は終わった筈でしょうに!?」

オルソラ「女性から男性の方へ想いを伝えるのには、やはり手書きの文が一番だと思うのですが」

神裂「そ、そうですかね?オルソラもやっぱりそう思いますか?」
省18
14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:01 ID:A5mSZxOG0(14/38) AAS
アンジェレネ「か、神裂裂さぁん。これこれ、見て下さいよ−」

神裂「裂が一つ多くなって必殺技みたいですが……はい、承りますよ。えっと」

神裂「『世界はユダヤによって動かされている……!』……はい?」

アニェーゼ「あっちゃー、また痛々しい話が」

神裂「『その証拠に世界の政経財界には多くの――』……あぁ、すいません。これよくあるユダヤ陰謀説じゃないですか」
省19
15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:03 ID:A5mSZxOG0(15/38) AAS
シェリー「……ま、チビッ子の言ってる事も間違いじゃなくてだな。確かに事実上の寡占企業ってぇのはあるんだわな」

シェリー「ただそいつぁ大航海時代から築き上げた重商主義のなれの果て、って感じなんだけどよ」

オルソラ「おはよう御座いますのですよ、シェリーさん」

神裂「そろそろお昼なんですが……」

シェリー「悪ぃオルソラ。朝メシ貰えねぇか?」
省17
16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:03 ID:A5mSZxOG0(16/38) AAS
アニェーゼ「まぁ悪の道に入りそうな方をオシオキをするのも、ある意味私らの仕事っちゃ仕事だと思わなくもねぇですけど」

神裂「……いやいや、いけませんいけません。平和なのは良い事ではないですか」

神裂「安寧を貴びこそすれ、まるで危険を呼び込むような真似はなりません。私も未熟――おや?」

アニェーゼ「そういえばシスター・アンジェレネの躾役兼ツッコミのシスター・ルチアが静かなような……どうかしましたんで?」

ルチア「……えぇ、この手紙がちょっと」
省15
17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:05 ID:A5mSZxOG0(17/38) AAS
――某音楽番組 学園都市より生中継

タモ「はい、次は初登場ARISAちゃんです」

タモ「えっと、ライブ会場のARISAちゃーん?繋がってますかー?」

鳴護『はい、こんばんはー……じゃなかった、おはようございます?』

タモ「髪切った?」
省16
18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:06 ID:A5mSZxOG0(18/38) AAS
――XX学区 多目的ホール

チャンチャンチャンチャンチャンチャンチャンチャンッ

鳴護『――世界が一つであった時代、私達は何を考えただろう?』

鳴護『世界が二つ出会った時代、私達は何を求めるのだろう?』

鳴護『神様が意地悪をして、私とあなたを引き離したけれど――問題はない』
省14
19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:07 ID:A5mSZxOG0(19/38) AAS
鳴護『――みんなーーっ、あたしのライブに来てくれてありがとーーーーーーーっ!』

鳴護『「お休みの日ぐらい大事な人といようぜ」、ってあたしの大先輩は言ってたけど』

鳴護『あたしも大切なファンのみんなと一緒で幸せだよーーっ!』

ファン『おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』

浜面「あっりっさ!あっりっさ!」あっりっさ!」
省16
20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火)08:07 ID:ksqURGeSO携(1) AAS
たなかわいばーん
21: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:09 ID:A5mSZxOG0(20/38) AAS
――あるファミレス

滝壺 ガクガクガク

絹旗「なにやってんですか、超何やってんですか浜面。滝壺さん置いて一人でライブなんて超有り得ないでしょう」

麦野「ま、常識的に考えりゃペアチケット取る筈が一枚しか当たらなくてさ。それでコッソリ行ったとかじゃないの?」

絹旗「……むぅ。合同ライブとは言え、ARISAのコンサートは超プレミアですけど」
省16
22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:10 ID:A5mSZxOG0(21/38) AAS
――同時刻 XX学区 コンサート会場 来賓用駐車場

 完全防音を謳うコンサートホールにして野外音楽堂でもあるライブ会場。
 しかし鳴護アリサの歌声は人工的に調整された音の流れを無視し、僅かながら会場周辺にも漏れ聞こえていた。
 時として多数のクレームで回線がパンクする程、ホールの苦情係は激務であるのだが、今日に限っては楽なものだった。

 プレミアチケットとなった招待券がないのに、微かにではあるがおこぼれにありつけた。感謝こそすれ、クレームが入る気配すらなかった。
 野球やサッカーの試合が行われているのであれば、適度に“市民の声”を捌く必要があったのに、随分と現金なものだと軽く思っていた。

 しかし、それは暫くすると一つの疑念に思い当たる――「静か“すぎる”のではないか」と。
 ホールの外を通る車の影も、出待ちかチケットを手に入れられず、未練がましくたむろしている人影も。
 普段、普通にしていれば嫌でも目にする影が、当たり前のように存在する雑踏や人の生活音が、何故かポッカリと欠けていた。

 今日はクリスマスイブ。冬至も過ぎたばかりだと言うに、得体の知れない恐怖が背筋を這い上がり、暑くないのに汗がぐっしょりシャツを濡らす。
省8
23: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:12 ID:A5mSZxOG0(22/38) AAS
 バタン。

「あっ、す、すいませんっ!」

 部屋のすぐ前に誰かが突っ立っていたらしい。思いのほか勢いよくドアを開けたせいで、相手を転倒させてしまったようだ。
 その証拠に半分開いたドアから上半身と下半身が見える。

 あぁなんだ、その制服は同じ従業員の同僚のもの。丁度帰って来ていた所に、たまたまぶつけてしまったのか。間が悪い。

「え、っと。どうし、た――」
省9
24: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:15 ID:A5mSZxOG0(23/38) AAS
「く、ぷっ……!?」

 ダメだ、まだ、ダメだ。吐くのは後からでも出来る。今は少しでも早くこの状況を伝えなければいけない!
 警備員でもアンチスキルでも良い!通報が早ければ同僚の命も助かるかも知れない!
 だから、ただ、早く……!

 慌てて部屋に駆け込み、内線用のアナログな電話を取り――音が、しない。
 カチャカチャと適当にボタンを押しても、受話器からは何の反応も返っては来なかった。

 次に私物の系帯電を取り出して、耳に当て――やはり音はしなかった。これは、どういう。

 ふと、思いつく。“そういえば”と。
 少し前に行われてたテレビ中継がぶつ切りになった。それは外部の何かが原因だと思っていた。
 けれど、それは、違う。
省5
25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:16 ID:A5mSZxOG0(24/38) AAS
 第三者の声にビクリとしながら、“そういえば”と再び思う。

 どうして同僚が殺されてる必要があったのか?
 どうして自分は殺されなかったのか?

 血溜まりが“広がりつつあった”のを察するに、同僚が部屋のドアを一枚隔てた外で殺されたのは間違いない。
 ならつまり、そこまで犯人は来ている。

 この、目の前にいる少年の所までは。
26: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:17 ID:A5mSZxOG0(25/38) AAS
上条「――聞いてんのかよ!?こっちに人が倒れてんだ!アンチスキルを呼んでくれって!」

上条(こっちの……あぁ、手遅れか。息をしてない以前に、この血溜まりじゃ)

社員「あ、う……ぁぁっ!」

上条「アンタ、おいっ!?待てよっ!」

社員「お、お前は何なんだよっ!?ソイツみたいに殺すのか、なあぁっ!?」
省10
27: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:19 ID:A5mSZxOG0(26/38) AAS
上条「取り敢えず何があったんだよ?コイツは誰に殺されたんだ!?」

社員「わ、分からない!ソイツがコーヒー買いに行って、戻ってこないから探しに行こうと思ったんだ……」

社員「そ、そうしたら、ドアの前で!」

上条「アンチスキルに通報は?」

社員「出来なかったんだよ!有線がダメ!携帯もダメ!一体何がどうなってるんだ!?」
省13
28: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:20 ID:A5mSZxOG0(27/38) AAS
上条「俺がマグライト持ってくるまで、照明なんて無かったんだぞ?今だって、ホラ」

社員「……」

上条「つーかお前、電気が完全に消えて、真っ暗闇になってんのにさ」

上条「何をどうやったら、お前の相方が死んでいたって事が分かるんだ?」

社員「見え、るだろう?ほらっ!電気なんか消えてない!」
省9
29: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:22 ID:A5mSZxOG0(28/38) AAS
 少年の指摘に息が詰まる。欠損していた記憶が甦る。
 同僚は確か気の良いヤツで、喉が渇いたと呟いたのを聞いて自販機へ向かったんだった。

 けれど自分はその行為を無碍に踏みにじり、蹂躙し、ハラワタに顔を埋め。
 香しい血の臭い。恍惚とした一時を過ごしたのではなかったのか?

 “そういえば”と三度思う。
 忘れていた大事な事。それは。

「帰らなきゃいけないんだった――海へ」
30: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:24 ID:A5mSZxOG0(29/38) AAS
上条「お前――クソッ!」

上条(皮膚が――鱗?急に緑色になりやがった!)

社員「ゲゴゴゴゴゴゴゴゴゴっ!」

上条「よく分からねぇが――ぶん殴れば!」

パキイィンッ!
省14
31: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/04/01(火)08:27 ID:A5mSZxOG0(30/38) AAS
社員「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

上条「危ない!」

上条(より優先順位の高い“敵”を見つけた男――だったモノ――が、四つん這いの体勢から獣のように跳躍し――)

少女「うん、うんっ!そうだよね、こんな時、『木原』ならこうするんだよね……ッ!」

少女「れーざーぶれーーーどぉっ!」
省13
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