[過去ログ] 前世の願いと今世の宿命 (38レス)
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1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)00:54 ID:Twdko/5W0(1/37) AAS
オリジナルです

〜序章〜

―宿命とは過去の行いが現在のありようを決めてしまうもののことをいう―

21世紀を迎えて、幾年かの時が過ぎた、2003年3月
今日は合格発表の日
午前10時丁度に玄関前の設置された大きな掲示板に受験番号が張り出される
期待と不安を胸に抱いて、まだ雪がちらつく北海道の寒空の下、俺は道立龍鳳高校の校門の前に立っていた
多くの受験生が俺の横を通り抜けて行き、その中で俺だけがそこで止まり、苛立ちながら彼女を待っていた

俺「あいつ、遅いんだよ…もうすぐに10時になるだろうが」
省17
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:22 ID:Twdko/5W0(19/37) AAS
「はじめまして、裕也って言います。俺遠くから来てるんで、知り合いいないんですよ。名前聞いてもいいですか?」

いきなり話しかけられ、すこし戸惑うものの、すぐに笑顔になる

俺「翔です。結構近くから登校してきてるので、裕也君の地域とは遠いんだな」
裕「翔君か!カッコイイ名前で羨ましい」
俺「そんなことないよ」
裕「裕也なんて在り来たり過ぎて…」
俺「そんなことないさ。俺なんか名前負けしてるよ」
裕「ははは」

俺は入学早々、友達が出来た
裕也との関係はこの先も続いていくことになる
省9
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:23 ID:Twdko/5W0(20/37) AAS
教室に戻り、担任の挨拶、そして土日を挟んで次の月曜日から二泊三日の研修旅行の説明が行われた
龍鳳高校ではこの研修は恒例で、どういう学校でどういう部活があるのか、
そして、どのような授業が行われるかなどといったオリエンテーションを主として行われるものだ

その日すべてが終わり、教室から出るが、母親はもういない
でも、これが俺の家庭では普通だった

E組の前に行くと、桜の母親がいた
中学の時、桜の家に遊びに行ったときに会っているので面識があった
若いし、仕事上見た目は派手なのですぐに分かる

俺「桜のお母さん」
桜母「あ、翔君。元気にしてた?」
省8
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:25 ID:Twdko/5W0(21/37) AAS
月曜日
俺達新入生一同は研修へと向かった
泊まるのは他の高校もよく利用する閉校となった研修専用の宿泊施設
主にオリエンテーションは体育館で行われ、その後は遊ぶだけで、夜に軽く授業があるだけだった
部屋は出席番号で区切られていて、同じ部屋になった人と親睦を深める
もちろん男女の部屋の行き来は禁止で、階を挟んで分けられていた
なので、桜と話せたのはオリエンテーションの合間だけだった

俺「桜」
桜「あ、翔。どう?楽しい?新しい友達出来た?」
俺「楽しいし、友達も出来たよ。桜は?」
省13
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:27 ID:Twdko/5W0(22/37) AAS
ここで、裕也が桜に挨拶をした

裕「はじめまして、俺裕也って言います」
桜「あ、桜です。はじめまして」
裕「クラスは?」
桜「Eですよ」
裕「Eか!覚えたぞ」
俺「何興奮してるんだよ」

三人で話し終わった後、裕也に聞かれて当然のこと聞かれる

裕「桜ちゃんと翔はどういう関係なの?」
俺「付き合ってるよ」
省11
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:28 ID:Twdko/5W0(23/37) AAS
5月になると、桜は予言通り見事に花を咲かせ、美しく、風にのって舞い散っていた
それを桜と二人でゆっくりと眺めながら登下校していたんだ

夏になれば虫が出てきて、暑くなればなるほど蝉はうるさく鳴く
桜と二人でいった海で、水平線に沈んでいく太陽を眺めながら、浜風に当たっていた
そして、夏休みに入ると裕也と桜の友達を含めた4人でキャンプを行った
必ず焼く側と食べる側に分かれるバーベキュー
それが終わってからの花火は皆がはしゃいでいて、この時、裕也の今までにないくらいの楽しそうな顔をみた
いつもどこかお茶らけていて、お調子者の裕也だが、情に厚い最高の親友だった
寝むれずに川のそばで座っていると、テントから桜が出てきて俺の隣に腰を下ろした

桜「寝れないの?」
省7
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:29 ID:Twdko/5W0(24/37) AAS
二学期の秋

秋と言えば文化祭

その文化祭で裕也に桜をボーカルとして、一緒に有志でバンドを組まないかと話を持ちかけられた
俺は休み時間の間に桜を呼びだして全てを話すと、やってみたいと意欲を見せたので、そのことを裕也に報告
ボーカル桜、ギター裕也、ベースはG組の男子で、ドラムは俺
曲は桜が好きだったJUDY AND MARYの『Over Drive』を演奏することに決まった
少ない練習でやれることはやり、万全とはいかないないものの、それなりの形にしあげて俺達は体育館の舞台に立った

舞台上を強く照りつける灼熱のライトが温度を異常に上げていた
演奏が始まり、今までにみたことがないくらい全力で、そして、大声で桜は歌っていた

終わると、みんなで手を取り合い、上にあげ、観衆からは温かい喝采が送られた
省3
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:29 ID:Twdko/5W0(25/37) AAS
気温も氷点下となり、雪が降っていた12月24日

この日は桜と6時からデートだった
俺はこの日の為に貯めていた貯金を下ろし、予め頼んでおいた商品を受け取るために6時になる1時間前にジュエリーショップへと向かった
そこで商品を受け取り、待ち合わせ場所に直行する
到着すると、すでに桜が待っていた

俺「あれ?今日は早いね。6時前なのに」
桜「いつも待たせているから、早めにきたの。今日はどこ連れて行ってくれるのかな?」
俺「ついてくれば分かるさ」
桜「じゃあ、手繋ごうよ。寒い」
俺「良いよ」
省3
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:30 ID:Twdko/5W0(26/37) AAS
俺「はい。到着」
桜「ここ?」
俺「そう。初めてだろ?来るの」
桜「うん。でも名前だけは聞いたことあるかな。有名だよね」
俺「らしいね。おいしいからさ」
桜「じゃあ、中に入ろう」
俺「うん」

中に入ると、クリスマスイヴなのか男女の二人組が目立っていた
若い女性のウェイトレスが出てきて、席に案内してくれた
厨房には店長の思われる白髭を生やした恰幅のいい中年が立っていた
省5
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:31 ID:Twdko/5W0(27/37) AAS
俺「桜」
桜「うん?どうしたの?翔」
俺「渡したいものがあるんだよ」
桜「渡したいもの?何?」

俺は紙袋からリングの入った黒い箱を取り出して、桜に渡した
桜はゆっくりと蓋をあけて、中身を確認する
すると、すぐに驚きの表情に変わった

桜「え?これ何?」
俺「シルバーリングだけど」
桜「これ高かったんじゃないの?」
省9
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:32 ID:Twdko/5W0(28/37) AAS
俺は桜の持っている箱を取り、中からリングを出した

俺「左手出して」
桜「はめてくれるの?」
俺「ああ」

俺は白く細い薬指にそれをはめた

桜「次あたし」

桜も同様に俺の左手の薬指にそれをはめた
省10
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:33 ID:Twdko/5W0(29/37) AAS
4月
俺も桜も裕也も、なんの問題もなく、進級して2年生になった
しかし、5月の初めにそれは突如としてやってきた

〜二人を繋ぐもの〜

『完』
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:34 ID:Twdko/5W0(30/37) AAS
〜夜の涙〜

2年になり、文系と理系でクラスが分かれた
事前に1年の終わりに自分で希望を出して、クラス分けされるのだ
AからDまでが文系クラスで、残りのEからHが理系クラスとなった
俺は理系でF、桜は文系でB、裕也も俺と同じく理系だった
だが、理科の選択が違った為、裕也はEでクラスが分かれてしまった

授業が始まると、1年とは違い、進むスピードも速くなり、それなりに要領よく勉強を
進めることが要求された
1年次の成績はそこそこで、下げないように縋りついていたが、2年になってからはすこし自信を喪失していた
そんな中、桜は要領がいい
省10
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:35 ID:Twdko/5W0(31/37) AAS
家に着くと、いつも右手にある桜の自室に通られるのだが、今日はいきなり居間に通された
沢山の段ボールが積まれていて、家には大きな家具以外何もなかった

俺「引っ越しでもするの?」
桜「うん!お母さんが良い物件見つけたらしくて、そこに引っ越すの」
俺「そうなんだ」

これを嘘と見抜けなかった俺は馬鹿としか言いようがなかった

桜「ねえ、晩御飯つくるんだけど、カレー食べない?」
俺「え?作ってくれるの?」
桜「うん。初手料理を翔に振舞おうと思って」

桜は無垢な子どもの様な笑顔を浮かべていた
省6
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:38 ID:Twdko/5W0(32/37) AAS
俺は久しぶりに台所に立った
肩を並べて、話をしながら皮を剥いていく
初めてする桜との料理は予想以上に楽しかった
日も落ち始めた頃にカレーが完成して、居間に水と共に運んだ
味は桜がちゃんと味見しながら作ったから、安心だ
ただ俺が切った人参だけが、ゴロっとしていて大きく、それをスプーンで掬い、見て笑う

桜「これ大き過ぎだよ、翔」
俺「はは、男の料理って感じがしていいじゃない」
桜「でも、これは固そう」
俺「食べてみればわかるさ。大丈夫だと思うよ」
省7
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:39 ID:Twdko/5W0(33/37) AAS
日もすっかり暮れて、外は暗くなり、街灯がすでに点灯していて、その明りが歩く人々を照らしていた
夜空には満月が綺麗に顔を出していた

それを見ていると、後ろから桜が抱きついてくる

桜「ねえ、何を見ているの?」
俺「満月」
桜「どれどれ」

桜は背伸びして、俺の肩に顔を乗せ、空を見上げた

桜「あ、本当だ…」
省4
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:40 ID:Twdko/5W0(34/37) AAS
桜の部屋に移動し、俺はベッドに腰を下ろした
桜も俺と向かい合うように、椅子に座る
俺がなんとなく桜の顔を見ると、また下校する時に見せた真剣な顔で俺を見つめていた
見つめる桜の目にはすこしずつ涙が溜まっていく

俺「どうした?桜」

しかし、桜はなにも言わない

俺「おい、どうしたんだよ。本当に?」

そして、零れおちる涙
俺が涙を拭こうと、その場に立とうとすると、いきなり抱きついてきた
俺の腕の中で啜り泣く桜の声が静かな部屋の中に響く
省7
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:41 ID:Twdko/5W0(35/37) AAS
桜「ねえ」
俺「うん?」
桜「しよう?」
俺「え?」

俺は一瞬耳を疑う

俺「しようって、キスのこと?」
桜「ううん。違うよ」
俺「違うって。まさかあれ?」
桜「そう。それ」

桜は俺をベッドに押し倒して、今までないくらい、強く抱きしめてきた
省6
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:45 ID:Twdko/5W0(36/37) AAS
ゴールデンウィークが明けた日

桜とは何故かずっと連絡がつかず、結局一人で登校することとなった

ホームルームが始まり、一時間目の授業が始まった
それが終わると、眠気に襲われ、机に突っ伏した
すると、裕也が俺の下に血相を変えてやってきた

俺「どうした?そんな顔して」
裕「桜ちゃんが学校やめたらしい…」

俺は裕也が何を言っているのか理解できないでいた
省17
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)01:47 ID:Twdko/5W0(37/37) AAS
ここで〈第一章〉終わりです

次から〈第二章〉を書けます

稚拙な文ではありますが、よろしくお願いします

では、おやすみなさい
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土)06:56 ID:3wfj38Uho(1) AAS
深夜にも同じ奴立てた?
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