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初春「私は守護神<ゴールキーパー>」 (111レス)
初春「私は守護神<ゴールキーパー>」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/
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1: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:23:07.21 ID:NpXxZUPIo 初春「IDとーパスワード入れてーログインー♪」 初春「……」 初春「最近は帰ってきたらすぐにデーターベースいじってるだけですね……」 初春「……にしても今日は疲れたなぁ」 初春(子供に絡まれるわ、固法先輩は変な人捕まえるわ……) 初春(変に疲れた日だったなぁ……) 初春「……そういえば最近遊んでない気がする」 初春(家でも支部でも、パソコンばっか見てますし、一端覧祭関係で無茶苦茶だし……) 初春「一端覧祭かぁ……そういえば全然参加してない気がする」 初春(風紀委員だし仕方ないんだけど) 初春「……」 カタカタ ピンッ 初春「ん?SNSの通知……」 ―――御坂美琴、食蜂操祈と仲良く追いかけっこ 初春(なんですか、これ……明らかに御坂さん迷惑そうにしてる) 初春「食蜂操祈……思えばいろんなことあった……ような気がします」 初春「記憶が曖昧……」 ―――学園都市第一位、学園都市第二位、学園都市第四位、戦闘。 初春「は?なんですか、これ……私の知っている情報だと、第二位ってもう……」 初春「……?」 初春「……でも学園都市だし、ありえるのかな。所詮ネットの情報だし、あんまり鵜呑みにしちゃダメか」 初春「……ふぁぁ、もう寝ようっと」 SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364732587 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/1
2: ◆o4dBq9AmceVA [] 2013/03/31(日) 21:25:46.21 ID:NpXxZUPIo 佐天「おはよう、初春」 初春「おふぁひょうふぉふぁいふぁふ……」 佐天「どうしたの?眠そうだね」 初春「はひ……寝ようと思ったら寝付けなくて、データーベースいじってたら嵌っちゃって……」 佐天「もー、お寝坊さんは育つ所も育たないよ?」 初春「え、そうなんですか?」 佐天「そうだよー、ぼんぼーんの、ばいーんには程遠いよ!」 初春「……ちなみに佐天さんは何時に寝ているんですか?」 佐天「9時」 初春「早っ!」 佐天「昨日は宿題しないで寝ちゃってさー、だから、初春」 初春「嫌です」 佐天「そこをなんとかぁー!」 初春「ダメです!私は眠いながらもちゃんとやりました!」 佐天「だってー、この時期はついつい……」 初春「もー……半分だけですよ?」 佐天「やった!流石初春ー!」 You got mail...You got mail... 初春「……PDAのほう?」 佐天「なになに?メール?」 初春「あ、いえ、PDAのほうなので多分メルマガですよ!それより遅刻しちゃいますよ!」 佐天「え、本当!行こ!初春!」 初春「はい!」 初春(You got mailが2回……守護神アカウントのメールだから、誰も居ない所で見ないと) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/2
3: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:27:59.06 ID:NpXxZUPIo 一限休み時間女子トイレ 初春「えっと……」 From:xxx@27xxxx.com Title:守護神への依頼 Main: 初めまして、私は第七学区二七番研究所所属の者です。 早速、要件ですが貴女の技術が必要なので、依頼をさせて頂きました。依頼内容は下記の通りです。 -依頼内容- 自立型コンピュータの暴走を食い止める事。本来ならば、最新鋭のAIは暴走が起きた際に制御が施されますが、今回の場合その制御すらも上回るAIになってしまいました。 私共の技術では、そのAIを止めることは難しく、今は『施設内で』暴走をさせています。今よりも知識が増えれば外部に漏れる可能性も無きにしもあらずです。 この研究自体が機密事項であり、外部に漏れた際には沢山の人・情報に影響を及ぼすでしょう。 そうなる前に、貴女にそのAIを封じ込めてほしいのです。 尚、このメールアドレスには返信が出来ないので、11月24日に、添付された位置情報の所で待っています。 大変恐縮ですが、その位置情報は暗号化されており、本当に守護神かどうかを試すテストになっていますので、何卒よろしくお願いします。 初春(……なんか凄い依頼かも) 初春(今まで、嫌いな人への情報的暴力とかはあったけど、こんなまともな、しかも……自立型コンピュータのAI……) 初春(やらなければ、沢山の人に影響が出る……) 初春(私にしか出来ないなら、やるしか無い、かな) 佐天「初春ー!」 初春「ひゃぁぁああ!!」 佐天「居るのー?授業始まるよー?」 初春「は、はい!待ってくださーい!」 佐天「お腹痛いのー?大丈夫ー!?」 初春「ち、違いますー!もう!!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/3
4: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:29:37.45 ID:NpXxZUPIo 放課後 佐天「今日は風紀委員なんだっけ?一端覧祭も終わり頃だから無いんだっけ?」 初春「はい、今日は休みです……だけど、ちょっと用事があって」 佐天「んー?風紀委員以外の?」 初春「はい、すみません……」 佐天「なーんで謝ってんの!用事なら仕方ないじゃん!あ、そうだ、御坂さんもこの前帰ってきたみたいだし、今度まだ4人でどっか行こうよ」 初春「良いですね!最近御坂さん学園都市に居ませんでしたから……」 佐天「帰ってきた時は白井さんも泣いて喜んでたよねー……だけど、一端覧祭であったアレが……」 初春「食蜂操祈さんですよね……私達もいろいろありましたけど。絶対に御坂さんと関係は良くならない気がします」 佐天「だよねー……うんうん」 初春「行く所はセブンスミストにしましょうか」 佐天「良いねー、最近行ってなかったし、服も冬物買いたいしー」 初春「それ私もです!冬物買わないと……小学校の頃のは流石に着たくないですから!」 佐天「ちびちび初春も可愛いと思うよー?」 初春「思いません!それじゃあ、また明日です」 佐天「うん、私も買い物して帰るから、また明日!」 初春「はーい」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/4
5: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:31:49.33 ID:NpXxZUPIo 学生寮初春宅 初春「さてと……」 初春(まずはこの位置情報の暗号を解かないと……) 初春(……とりあえず暗号解析ソフトに入れてみよう) 初春(これも更新しないとなぁ、マシンスペックも上がったから、もうちょっと負荷かかっても良いはずだし、そうすれば時間も早めに終わるし……) ピー 初春「やっぱりダメかぁ、そう簡単にはいかない……」 初春(しょうがないから、解析解凍ツールで、解凍してソースの中身をこじ開けるしかないかな……) 初春(……うーん、特殊言語なのかな。見たこと無いプログラム言語かも。それで生成されているなら?) 初春(待って、『私が見たこと無い?』って、あれ……おかしいかも) 初春「……だったら、開発段階中の言語を調べれば良いのかな」 初春(調べてみよう、見つからなかったら……しょうがないからハッキングかな。あっちも了承した上だから) 初春「……流石にソースを検索にかけたら見つかりそうですから、ダミーをして、もう4つくらいダミーを……よし、これでいいかな」 カチッ 初春「……ダメだ、見つからない。うーん、なんでだろう」 初春(この世界に無い言語だとすると、そのルールを数少ないソースコードから見出さないといけない……) 初春(……面倒臭くなってきたかな) 初春「いやいやいや、ダメだ。私は守護神<ゴールキーパー>なんだから」 初春(中学生の初春飾利、じゃなくて、守護神としての初春飾利だから……) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/5
6: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:34:04.73 ID:NpXxZUPIo 初春「……あ」 初春(何かに似ている……この感じ既視感がある) ピーポーピーポーピーポー 初春「!? って救急車かぁ……ん?」 初春(……音?) 初春(そうだ、この数字を、こうすると……グラフになって、このグラフは……正弦波?) 初春(うぅ……こんなの女子中学生レベルじゃ解けませんよ。音が関係する、音……) 初春(いや、音がヒントなのかもって考えるべき……?このソースコードはダミー?) 初春(でも位置情報って……) 初春(……第八学区は美術系の学区、音楽系の学校もあったはず。第八学区なのかなぁ) 初春「頭痛くなって来た……」 初春「まだ時間もあるから、とりあえずここまででいっか……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/6
8: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:35:09.29 ID:NpXxZUPIo 翌日。 佐天「おはよ、初春!……ってまた寝不足〜?」 初春「ふぁい……」 佐天「もー、ダメだよ!初春!」 初春「ごめんなはい……すみません、佐天さん今日私宿題やっていなくて……」 佐天「え、え!?初春が!?」 初春「その、見せてもらっていいですか……昨日ハマりにハマってしまったものがあって」 初春(調べに調べてしまったんだけど) 佐天「しょうがないなぁー、良いけど」 初春「本当ですか!?」 佐天「半分だけ、ね?」 初春「仕返し!?」 2限目。 初春(……やっぱりいろいろと解析してみたけど、一番最初の音に関連するっていうのが一番引っかかる) 初春(音の関連の能力者っていっぱい居るけど、能力者は関係あるのかな……) 初春(正弦波……音、波……波……?) 初春(……そういえば第八学区のあそこの道路って波みたいだった気がする……) 「じゃあ、ここを初春に読んでもらおう」 初春(どこだったかな……うーん、駅前ロータリーから伸びた所……?あんまり行かないから覚えてない) 「初春居ないのか?」 佐天『ういはるー、ういはるー?』 初春(うう、今すぐPDAで見て見たい……) 「おい、初春!」 初春「ふぁ!?」 「何をボーっとしている、さっさとここの構文を読むんだ」 初春「す、すみません……」 佐天(……変な初春) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/8
9: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:36:22.18 ID:NpXxZUPIo 放課後。 佐天「初春ー!今日も用事あるのー?」 初春「すみません、今日もちょっと……」 佐天「そ、そうなんだ。ねぇ初春、無理しないようにね?」 初春「え?」 佐天「さっきの授業でもそうだったけど、あんまり生活に支障になるようなことはしちゃダメだよ?」 初春「……はい、佐天さんも宿題忘れないでくださいね」 佐天「今日忘れた人に言われたくないなぁー?」 初春「あうぅ……」 佐天「宿題してから!やるよーに!」 初春「いつもと立場が逆転です!」 佐天「そうそう!初春はそうでなくっちゃ!」 初春「えへへ……」 佐天「じゃあね、初春!また明日」 初春「はい!また明日!」 初春(佐天さんにはああ言ったけど……指定された日付まであと数日しか無いから、やらないと……) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/9
10: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:38:01.62 ID:NpXxZUPIo 学生寮初春宅 初春「あった、ここだ……ここなのかなぁ、だとしても道が多すぎて座標を出すことは出来ない……まだコードに何かあるって考えないと」 初春「……え、何、これ」 初春(拡大、拡大……) 初春「誰かが手を振ってる?」 初春「……ストリートビューに手を振るって、そのストリートビューに何か関係なかったりしないとダメなはず……撮った日時が分かってないとだし」 初春(あ、あれ……) 初春(このストリートビューを、作ったのは……) 初春「二六番研究所……隣の研究所だ」 初春「……じゃあ、ここでいいのかな。メモらないと」 ピ、ピガ、ガガガガ 初春「え?」 ガガ、ガー 初春「ノイズ……?なんでだろ、スピーカーの故障……?」 『よぉ』 初春「誰!?」 初春「違う、スピーカーから!?」 『テメェか、俺を消そうとしている奴は』 初春「ま、まさか……」 『そうだよ、俺だよ。自立型コンピュータに搭載されたAI……コードネームは……』 『Dark Matter』 初春「だ、Dark Matter!?それって……」 『説明すると長くなるんだけどな、まぁテメェの無い頭でも分かるだろう。俺はアレの副産物だ』 初春「そんな……そんなのを相手にしないといけないんですか」 『はっ、テメェがどうやって俺に勝つのか知らねぇが、そこそこの腕を持っているみてぇだしな、ババァ共の相手にも飽きた』 初春「あなたは一体何をしようとしているんですか」 『さぁな、俺はただありのままにことを進めているだけだ』 初春「……、」 『動機なんて必要ねぇ、お前が意味のないことをする時に動機なんてねぇだろ。それと同じだ、意味が無いとわかりつつも、ありのままにやっている』 『産まれたからには、とことんやる。上り詰める、それだけだ』 初春「……そんなことで、人を苦しめるんですか」 『元々のオリジナルがそういう奴だったからな、仕方がない』 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/10
11: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:38:43.74 ID:NpXxZUPIo 初春「オリジナル……垣根帝督ですか」 『答える必要は無い。アレはもうダメだ』 初春「……?」 『とりあえず、その座標で正解だよ。その座標を見る人間を片っ端から調べたが、お前が一番っぽいからな。メールだって来たみたいだし』 初春「……バレてたんですね」 『俺はネットワーク上に存在するからな。当然だ』 初春「ネットワーク上に存在するなら……私でも戦えます」 『……ふん』 初春「私は―――守護神ですから」 11月24日某所 初春(ターゲットにバレてるけど、一応待ってないと……) 「……えっと、貴女かしら」 初春「? あ、はい」 「そちらに私達の物が行ったみたいだし、一応コードネーム分かるかしら」 初春「……Dark Matterですか?」 「……貴女なのね。守護神が中学生だなんて思わなかったわ」 初春「えへへ……仲間からもよく言われます」 「そう、それじゃあ研究所に行きましょう。話しはそれからよ」 初春「はい」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/11
12: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:39:25.84 ID:NpXxZUPIo 二七番研究所 初春「凄い施設……」 「ええ、そりゃ研究費はいくらでもあるようなものだし。はい、コーヒーは飲めるかしら?」 初春「お、お砂糖多めなら!」 「そう、じゃあ3つくらい入れておくわね」 初春「は、はい……」 「さてと……まず最初に暗号はどうやって解いたのかしら?」 初春「はい、最初は添付されている暗号化されたソースコードを見る所からでした。私の持っている暗号解析ソフトだと通らなかったので、そのコードにはヒントが載っているんだなと思いました」 「ふむふむ」 初春「それは正解でした。実際にそのソースコードにはある数値が入っていて、その数値をグラフ化すると正弦波になります……そして、その正弦波は音を表す正弦波だった。元々正弦波と言うのは音を表す物ですけど、最近の研究では能力を踏まえたものもありますから、ちょっと悩みました」 初春「それで、第八学区にこの道があると思いだしたんです……そうなれば、ストリートビューで見ればと思って拡大したら、手を振っている人が居る。そのストリートビューを作ったのは二六番目の研究所なので、確実だなと思いました」 「そこでアレが来たのね」 初春「はい……正直怖かったです。聞き覚えのある声、でしたから」 「……?聞き覚えのある?」 初春「……あれ、学園都市第二位垣根帝督さんの声ですよね」 「そうね、そこから説明するとなると、このAIが出来た所からなんだけど」 初春「あの、私の予想なんですけど。私が少し前に見た論文に未元物質の論文があったんです。あの論文は読み解くのに凄い苦労したんですけど……」 「へぇ……勉強熱心なのね」 初春「ただの興味本位です。それで、未元物質はこの世に存在するものなら、演算次第で代替出来るってあった、それでもしかしてそのAIは脳そのものを作り上げたんじゃないかな、って」 「鋭いわね。脳そのものを作り上げることはまずいことくらいは分かるわね?」 初春「はい……事実上クローンを生み出すことと同じです。この国ではクローンを生み出すことは禁止されていますから」 「だから、機密事項なのよ」 初春「と、とりあえず、外部には漏らさないようにはしています。データも完全消去を施しましたから」 「ありがとう、そうして貰えると、こちらも動きやすいわ」 初春「はい……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/12
13: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:40:36.01 ID:NpXxZUPIo 「それで、貴女には何か策があるのかしら。貴女の所へ行ったと言うのなら、もうその自立AIは外部に漏れ始めているのよ、早急に手を打たなければいけないのよね」 初春「一応考えはあります……けど、ここでは言いたくありません」 「……?何故かしら」 初春「だって、そのAIがここを見張っているかもしれませんから……」 「ッ!?」 初春「……、」 『へぇ、やるじゃねぇか』 「……垣根帝督」 『その名前で呼ぶんじゃねぇよ、殺すぞ』 初春「でも貴女のオリジナルは垣根さんですよね?」 『それは否定しねぇよ。だからなんだって話だけどな。そもそも、そういう思考を生み出したのは、そこにいるババァだろうが。未元物質である以上、オリジナルである垣根帝督から切り離すことはほぼ不可能。それを可能にしたのはどいつだよ?』 初春「……そんなことを」 「……、」 『はっ、どうした、戦意喪失をしたか?俺を閉じ込めるんだろう?だったらやってみろ』 初春「……外部に影響を及ぼすならいくらでも策を出します」 『何度でも相手してやる、お前が壊れるまでな』 初春「……、」 初春(正直言うと、怖い。見えない相手とひたすら戦うというのは……) 『じゃあ、俺は消える。ここから居なくなる、だから作戦会議でもなんでもするんだな』 初春「……は?」 「どういうことだ!」 『うるせぇな、ババァは黙ってろ。俺は守護神と話してるんだよ』 「くっ……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/13
14: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:42:56.03 ID:NpXxZUPIo 初春「貴方の考えはわかりません……」 『お互いにな、じゃあな』 初春「……、」 「……すまない、私が間違っていたんだ。こんな暴走を起こすのも、私のせいで」 初春「大丈夫ですよ、私もなんとかします……あの、一つ聞いてもいいですか?」 「なんだ?」 初春「垣根帝督さんはどうなったんですか?」 「……それについては、言えない」 初春「ちょっと待ってください、オリジナルである垣根さんの情報がないと厳しいですよ」 「……だとしたら、すまない言い方を変えよう。私の口からは言えないんだ」 初春「ッ……そういうことですか」 「君なら分かるだろう」 初春「……はい、分かりました。でしたら、機材を貰えませんか」 「ああ、いくらでも用意しよう」 初春「ダミー用のパソコンを20台、ダミー用サーバーを40台……あと、この施設内にある、言語に関する書籍もくれると嬉しいです」 「分かった、伝えておこう。ああ、そうだ、君だけの研究室を設けた。鍵はこれだから自由に出入りしてくれ」 初春「カードキーと、鍵……?」 「今時は二重ロックじゃないと、容易く入られる時代だからね」 初春「はい、ありがとうございます」 「こっちだ、案内しよう」 初春「はい」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/14
16: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:44:35.55 ID:NpXxZUPIo 初春専用研究室 初春「凄い部屋……」 「ここにあるものはとりあえずなんでも使っていいわよ。そこにある自動販売機もカードキーかざせば無料で出てくる仕組みになってるし。あとパソコンもカードキー、あとは自分でセキュリティ組んでね」 初春「分かりました。学校は行きたいんですけども」 「それに関しては平気よ。土日だけここを使えばいいわ。なんならここから登校してもいいくらいね」 初春「そうですね、考えておきます。だとしたら自宅の機材も運んでくればいいのかなぁ……」 「人材派遣なら平気よ。あとこれを渡しておくわ」 初春「携帯電話ですか?」 「ここの機関にしか通じないけどね。私に連絡する時はそれに電話してくれれば出るようになっているわ。登録されているNo.1が私、No.2が機材運んだりしてくれる便利屋、No.3は電話しなくていいわ。一応私の上司なんだけど、私経由で話した方がいいし」 初春「は、はい……No.4は?」 「うーん、多分かけても繋がらないわ。存在しないと思うし」 初春「誰だったんですか?」 「―――垣根帝督よ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/16
17: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:46:14.59 ID:NpXxZUPIo 初春「ふーこんなもんかな」 初春(まさか、こんな施設までくれるなんて……私自身の研究にも役に立ちそうな機材だらけ。スペックも頭おかしいレベルだし。すごいなぁ、大人の力って) 初春(設定終わったし、今日はとりあえず帰って寝ようかな……疲れた) 初春「そういえば、この部屋にあのAIは入ってこないのかなぁ……」 『入れないと思ったのか?』 初春「うひゃぅう!?ルール違反ですよ、潜んでるなんて!!まさかパスワードとか、その他諸々も意味無いんじゃ……」 『そうだな』 初春「やり直し……はぁ、意味ないし……」 『またやればいいだろうが、それくらいで根をあげてんじゃねぇよ』 初春「大体なんなんですか、あなた……垣根さんではないんですよね?」 『そんなこと教えると思うか?』 初春「そうですね、聞いた私がバカでした」 『今の俺は気分がいいから教えてやろう』 初春「は?もう本当意味わからないですね……」 『俺は垣根帝督であり、垣根帝督ではない。意味がわからないだろうな』 初春「意味が分かりません」 『お前にもあるだろう、自分だけの現実<パーソナルリアリティ>が。本来垣根帝督の自分だけの現実から離れることは出来ない。俺が垣根帝督から離れたら、俺という存在に矛盾が産まれるからな』 初春「それじゃあ貴方は誰なんですか?」 『垣根帝督だったもの、だ』 初春「……ふーん」 『もっと驚けよ』 初春「だって、やっぱり意味が分かりません。自分だけの現実から新しい自分だけの現実が産まれるなんて話し聞いたことありませんから」 『俺の能力だからできることだ。他のやつには出来ない、そもそも未元物質っていうのは創造を司るものだからな』 初春「ふーん……」 『……、』 初春「驚いた方が良かったですか?」 『危機感がねぇな、テメェ』 初春「だってこれから戦う相手なのに、自分のことペラペラ話しちゃう人なんですもん。気も抜けちゃいます」 『……、』 初春「まぁ、でも貴方が生まれてはいけない存在だったってことは分かりました、それに……きっと性格は垣根さんそのものですね」 『何?…………待てよ、そういえばテメェはどこかで……』 初春「アホ毛ちゃんを助けた時に会いましたから」 『……そうか、最終信号の時か』 初春「記憶はあるんですね」 『曖昧だがな。脳みそは完全復元されているはずだが、所々が抜けている。オリジナルはヘマをしたらしい』 初春「へぇ……案外おっちょこちょいなのかもしれませんね」 『どうだかな』 初春「……オリジナルである垣根さんはどうなったんですか?」 『それを調べるのはテメェの最初の仕事だろうが』 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/17
18: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:46:58.03 ID:NpXxZUPIo 初春「ちぇー、ここで答えてくれたらもう終わりでしたのに」 『もう一度言う、危機感がねぇよな……ここで俺が外から電子ロックかけたらテメェはどうなるんだろうな』 初春「困りますね、でも良いんですか?私戦えなくなりますけど」 『……、』 初春「話しを聞いていると、私は貴方が私と戦いたくて仕方ないように見えます」 『……洞察力は良いみたいだな』 初春「昔から言われます!!」 『つまんねぇハッタリかますもんじゃねぇな。中学生相手だから、泣き始めたりしたらそれはそれで面白かったんだが』 初春「……怖いですよ、正直。でも怖がっている暇なんてありませんから」 『そうかよ』 初春「……さてと、そろそろ私は帰ります。貴方は寝ないんですか?」 『寝るに決まってるだろう、脳みそは睡眠することにより、脳内の情報を整理する。たとえ身体が存在しなくても、人間の構造と変わらないならば、睡眠を取らなければいけねぇんだよ』 初春「ふーん……」 『……口癖かなんかか、それ』 初春「いえいえ、そんなことないですよ?」 『つまんねぇやつ……』 初春「垣根さんの相手している暇ないですって」 『……垣根さんだぁ?』 初春「呼び名無いと不便じゃないですか?いいじゃないですか、垣根さんで」 『それじゃあ俺もウイハルって呼ぶぞ』 初春「別に良いですよ?」 『良いのかよ』 初春「はい!」 『チッ……垣根と呼ばれる立場にねぇんだが、不便なら仕方ねぇよな、そうだな……』 初春「??」 『なんでもいい、俺は寝る』 初春「あ、はい、おやすみなさい」 『……、』 初春(……変なの。帰ろっと) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/18
19: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:47:50.28 ID:NpXxZUPIo 学生寮初春宅 初春「ふぅ、やっと家ですね」 初春「念のためネットワーク切っておこうかなぁ……でも寝てるって言ってたし、うーん」 初春「いっか、私もお風呂入って寝よう……っと」 翌朝 『起きろ』 初春「んぅ……」 『オイ、コラ。クソガキ』 初春「あと5ふ……」 『しょうがねぇ……音量最大にして』 キィーーーーーーーーン 初春「あぅ!?」 初春「な、何ですか!?」 『おはよう、ウイハル』 初春「え、この声……」 『そうだよ、俺だよ』 初春「えー、やっぱりネットワーク切っておくべきでしたね」 『そうだな、防衛本能が足りない』 初春「はぁ……着替えるんで、出て行ってください」 『ガキの身体に興味なんてねぇよ』 初春「いいから!」 『めんどい』 初春「……、」 ブチィ 『おい、何をしている』 初春「何って、ネットワーク回線切ってるんですよ?」 『ちょっと待て、オイ。やめろ』 初春「この仕事も終わりですね、私の部屋に閉じ込めておけば問題無いです」 『分かった出て行く、出て行くからちゃんとテメェと戦わせろ』 初春「……、」 『……、』 初春「私も大概だなぁ、本当……はい、出て行ってください」 『お、おう……』 初春「バカだなぁ、私。せっかくのチャンスだったのに。でも……」 初春「ずっと家にいられるのは流石に嫌だし……」 初春「……学校行かないと」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/19
20: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:48:59.93 ID:NpXxZUPIo 佐天「おはよう、初春〜」 初春「おはようございます……」 佐天「ん?なんか疲れてる?」 初春「……い、いえ疲れてないですよ!ぜんっぜん!」 佐天「そうー?本当ー?」 初春「は、はい……」 佐天「嘘つきー?」 初春「はい…………はい?」 佐天「ほらー、話し聞いてないじゃん」 初春「え、あ、ごめんなさい……」 佐天「疲れてるなら、その疲れてることを一旦辞めるのもありだよ?」 初春「ふぇ……?え、えっと、あはは」 佐天「初春!」 初春「ふぁい!」 佐天「……ちょっと目を瞑ってて」 初春「こ、こうですか?」 バサァッ 初春「……、」 佐天「あれ?初春?」 初春「もー佐天さん、もー」 佐天「あ、あれー?初春ー?おかしいなぁ、いつもの初春じゃないよー?」 初春「やっぱりちょっと疲れてるのかもしれません……」 佐天「……じゃ!今日休めば良いんだよ、遊びに行こ?ね?」 初春(どうしよう……別に後で連絡しておけばいいし。佐天さんにも気を使わせちゃうから……) 佐天「初春?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/20
21: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:51:47.40 ID:NpXxZUPIo 初春「ふぇ?あ、はい、大丈夫だと思います。後で連絡してみるので」 佐天「連絡?」 初春「はい……そ、その、言えない事なんですけども」 佐天「んー……」 初春「……、」 初春(ま、まずかったかな) 佐天「……初春?危ないことはしてないんだよね?」 初春「っ……」 佐天「うーいーはーる?」 初春「だ、大丈夫ですよ!それに私風紀委員ですよ?ごめんなさい、佐天さん。私がちょっとおかしかったです」 佐天「……そっか、まぁー私は初春の親友なので、初春を信じることにします」 初春「佐天さん……」 佐天「だけど、本当にいっぱいいっぱいになったら必ず相談すること。一人で抱え込んで勝手に自爆したら私怒るからね?」 初春「はい!」 佐天「よーし、そろそろ遅刻しそうだし、教室まで競争!」 初春「え、ちょ、待ってくださいよぉ!体力は、体力だけはぁ……!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/21
22: ◆o4dBq9AmceVA [saga] 2013/03/31(日) 21:52:26.17 ID:NpXxZUPIo 昼休み体育館裏。 初春「えっと、1っと……」 初春「……誰も居ない、よね」 prrrrrr pi 「もしもし?守護神さん?」 初春「はい。あの、今日はそちらに行けそうにないので連絡を……」 「そうなの?うーん、でもあのAIが暴走しても困るし……どうしてもダメかしら?」 初春「……はい、すみません。それに、あのAIなら平気だと思います」 「あら?どうしてそう思うの?」 初春「今朝話したんです、そしたら私と戦うのが楽しみみたいで……」 『そういうことだ』 初春「ひゃぅう!?」 「……通話回線に入るなんて奇妙なことするわね」 『簡単なことだろ。電波に乗れば良いんだからな。俺は単なる情報だからな』 初春「悪趣味ですよ!垣根さん!」 『うるせぇよ、オイババァ』 「……だから、その呼び方は」 『ウイハルの言う通りにしろ。じゃねぇと研究所潰す』 「ハッタリじゃなさそうね」 『つまんねぇハッタリはもう仕掛けないようにしたんだ』 「そう……分かったわ、ああ、でも24時間開いてるようにはしているから、いつでも利用して良いから。それと、来れなくなる連絡はもう平気よ。問題の対象がこう言ってるのだからね」 初春「は、はい……すみません、ありがとうございます」 「いえいえ、それじゃあね」 pi http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364732587/22
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