[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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842: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/05(木)01:57 ID:T2P0IS85o(1/9) AAS
乙です
新生活が友人ばれする危機!
しかも若干精神の女化が進行しているせいで誤解がはかどりそうwwww
843: コドクノオリ 「学校町縦断紀行」 2013/09/05(木)20:47 ID:T2P0IS85o(2/9) AAS
 久信たちが隠れ家に辿り着いた翌日、久信はまだ日が昇らないうちから目を覚ました。
 寝ている修実を起こさないようにそっと彼女から離れ、ちゃぶ台に置かれたダンボールからカンパンの缶を取り出す。
 湯を沸かしてインスタントコーヒーを作り、カンパンを胃に流し込みながら、久信は町の地図を広げた。
「ん……」
 地図を広げる音に気付いたのか、修実が目を覚ます気配がした。
 彼女は布団の中でしばらくモゾモゾと動いた後、長い髪を揺らしながら布団から這い出て、まだ少し眠そうな顔で言葉をこぼす。
「おはよう……久くん」
「おはよう、修実姉」
「何をしているの?」
「昨日のうちに目星をつけておいたところを今日は見てみようと思って、今日のコースを確認中」
省21
844: コドクノオリ 「学校町縦断紀行」 2013/09/05(木)20:47 ID:T2P0IS85o(3/9) AAS
     @

 隠れ家から出てタクシーを呼んだ久信は、町の北の方面、人家もまばらな山の麓のあたりにまで移動する。
 車内では膝の上に抱えていた隠形のままの修実を、昨夜と同じように蛇で背中にくくりつけた。
「さて、ここから川伝いに町の方まで辿ってみようか」
「海まで行くの?」
 修実の質問に久信はいや、と首を振る。
「この町の中に郭はいるはずだから、だいたい昨日駆けずり回った駅のあたりまでを回ってみようと思ってる。
で、帰り際に食卓に彩りを添える何かを買おうと思う」
「分かったわ。駅前までね……それでも今日一日は使ってしまうわね」
省22
845: コドクノオリ 「学校町縦断紀行」 2013/09/05(木)20:48 ID:T2P0IS85o(4/9) AAS
 人々の邪魔にならないよう、そして目立たないように隅の方を歩いていくと、人間以外にも野良猫や野良犬の姿をいくらか見かけた。
 彼らを見つけるたびに、久信は手を挙げて彼らとあいさつをかわし、人目につかない所で話を持ち掛けた。
「やあ、悪いけど、ちょっと話を聞かせてくれない?」
 道中何匹めかになる犬に久信はそう話をする。別に冗談で言っているわけではない。
ある程度の知性がある生き物とは簡単な意思の疎通ができる。憑き物筋としてはそう珍しくはない特技だ。
 住処はこの数年ほどはこのあたりだという野良犬に対して、久信は問いかけた。
「この川の近くで最近、普段は見ないような大きな船や、その他にも何か変なものを見かけたりはしなかった?」
 人よりも。こういう獣の方が日常の移動範囲が狭く、また種々の誘惑も少ないため、生活の中で訪れる細々とした変化に敏感だ。
 そんな彼らの気付きに期待して、朝から地道な聞き込み活動を続けているが、なかなか芳しい答えは得られなかった。
 それは今回も同じで、野良犬は知らん。という意味の鳴き声を一つ残してさっさと久信たちの前から去ってしまった。
省17
846: コドクノオリ 「学校町縦断紀行」 2013/09/05(木)20:49 ID:T2P0IS85o(5/9) AAS
 そのため久信は郭の容姿について、修実から聞いたことを真剣に話した。
 郭は中肉中背で、普段は健康状態が悪そうな表情をしているが、たまに目付きが鋭くなるらしい。
 こんなものは主観の印象で、蛇相手に人が感じた印象を伝えたところであまり意味はない。
 しかし、
「そして、その男には右目がない。ちょうどお前と同じくらいの大きさの蛇に呑まれたらしくてな」
 郭正吾の現在の右目は、両手両足を切断された修実が痛みに狂いそうになりながら、蛇を使って抉り出したらしい。
 この特徴ならば人だろうと蛇だろうと目に付きやすい特徴だ。もし久信たちが接触するより前に郭を見ていたとしても、証言することができるだろう。
「どうだろう? 見たことある?」
 問いかけに対して、蛇は首を左右に振って応えた。
 蛇が語るには、少なくとも、中年男性で片目を失っているような人間はこの数日の間は見ていないということだった。
省15
847: コドクノオリ 「学校町縦断紀行」 2013/09/05(木)20:49 ID:T2P0IS85o(6/9) AAS
 路地いっぱいに広がって、通せんぼするようにして距離を詰めてくる。
 着の身着のままで逃げてきたからお金なんてほとんど持ってないなんて言っても……だめだよな。
「ねーそこのお兄さーん」
 やけに馴れ馴れしい態度で1人の男が方を掴もうとするように両手を伸ばしてくる。
 相手をするのも面倒くさい。蛇でも使って追っ払おうかと久信が考えていると、久信に触ろうとしていた男の動きが止まった。
「?」
 足元にいた蛇に指示を出そうとしていた久信は、動きを止めた男の顔が引きつるのを見た。
 他の四人の男たちも次々に顔が引きつっていく。彼らの目が久信の肩のあたりに向けられているのを見て、久信は事態を察した。
 あー……。
 内心で納得の声を漏らす。同時に、久信の肩でくすくすという笑い声が聞こえた。
省16
848: コドクノオリ 「学校町縦断紀行」 2013/09/05(木)20:50 ID:T2P0IS85o(7/9) AAS
   @

 夕方。人通りの多い往来を歩きながら、久信は内心穏やかではなかった。
 もちろん郭正吾の足取りが掴めなかったことに対する焦りのようなものもあるにはあるが、それ以上に、久信の目と気を惹くものが通りのあちらこちらでみられるのが原因だ。
 まただ……。
 たった今すれ違った高校生くらいの詰襟の学生と、その横にいる存在に今日何度目になるか分からない鳥肌を立てる。
 また都市伝説か……。いくらなんでも多すぎじゃないか?
 朝からずっと縦断する形でこの町を歩いてきたが、その間に久信が蛇の狩猟本能にも似た直感で感じ取れた都市伝説の数は両手の指ではとうに足りない。
 この町は、学校町は驚くほど都市伝説の気配が多かった。
「すごいね。私が居た町はあの組織のお膝元という事情があったから、組織所属の契約者がけっこういたんだけれど
省18
849: コドクノオリ 「学校町縦断紀行」 2013/09/05(木)20:51 ID:T2P0IS85o(8/9) AAS
 人波の奥に女の子の姿が消えるのを見送って、久信は呟く。
「こんな状況を皆が知ってたらこんなのんきな逢う魔が時にはならないか」
 あるいは、この町の人間は異常に対して麻痺しているのかもしれない。
 つくづく特殊な土地だ。こういう土地だからこそ、郭正吾はこの町を隠れ場所に選んだのだろう。
 木を隠すなら森の中ってわけだ。だけど、蛇の執念はそんなものでは止められないって分からせてやる。
 物思いを町の様子から自分のことに引き戻す。そろそろ隠れ家だ。一日歩き回って疲れた体をようやく休めることができる。
 少し速足になった久信の耳に姉の声が届いた。
「久くん、今日の晩御飯は買わなくていいの?」
「あ」
 久信の足が止まった。そして手にしたビニール袋の中には朝方から数匹とってきた蛇たちしか入っていないのを確認して、
省16
850: コドクノオリ 2013/09/05(木)20:58 ID:T2P0IS85o(9/9) AAS
 彼らの立ち位置は町のよそ者ですよっというわけで、よそ者が見た学校町的な感じです
 都市伝説契約者たちからも都市伝説扱いされるような事件が頻発する中、この町の一般人全員護身完成してるんじゃないかとたまに思うんだ……。
 事件の側面からみると紛争地帯だけど、それ以外にも特殊なコミュニティーがあったりして一般人を守る力もそれなりにある……よね? この町
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