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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/
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629: ソウルメイト [sage saga] 2013/05/24(金) 23:27:39.97 ID:QMEyXNSHo 皆さん、語り口が軽妙洒脱で読みやすい、続きが気になるところ にしても毎度のエキセントリックな情景描写が笑える 隙間女(?)に狙われる(?)山田の運命や如何に?! 殺人ネットの詳細求む! 残りは4人で、フード少女と鬼さんで2人、他の2人は何者か!? そして鬼さんからそこはかとなく醸し出される、4人中最弱の雰囲気(イヤ、まだ判らんだろうが) 頑張れ鬼さん!! さて、自分の方はというと 湿気た文章でジメジメと陰気に進めて行きます http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/629
630: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:30:52.43 ID:QMEyXNSHo 「聞かせてくれてありがとう……大変だったね」 少年から掛けられた言葉が嬉しかった。 会話が通じるという安心感だけではなく この少年の持つ、柔らかくも澄んだ雰囲気が、自分を落ち着かせてくれる。 「まあ……そうね、大変だったわね」 体が震えるほど怯えていた自分は消え 今では、自分で話した内容が他人事のように感じていた。 「今の話で、何か……分かるかしら?」 「そうだね……まず」 3歳程度の男の子が、口元に拳を引き寄せて真面目に考える姿は微笑ましく感じられる。 「ロッカーと赤ん坊の組み合わせなら、偽装していない限りはコインロッカーベイビーだとは思う」 「コインロッカーベイビー?」 「うん、コインロッカーベイビーというのはね、たぶんすごく昔の事になるのだと思うけれど……」 それは数千年……もしかしたら数万年前に起きた事件の話。 それを元に語られたコインロッカーベイビーという都市伝説があったという。 何となくだが、聞いたことがあった。 自分がはっきりとは知らないだけで、こうやって存在しているのだから 今でもどこかで、誰かに語られているのだろう。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/630
631: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:34:02.89 ID:QMEyXNSHo 「偽装というのは?」 「うん、例えばロッカーと赤ん坊は、それぞれ別の都市伝説により形成されている……とか」 「2種類の都市伝説が協力しているということ?」 「そういうこと、例えばの話だけれどね」 「それは厄介な事になりそうな話だけど、何でそんな事をする必要があるの?」 「なんの都市伝説かがはっきりしてしまうと、弱点が分かる場合もあるからね」 弱点が分かれば、解決も近付く。 だが、これが偽装であればミスリードされ、解決は遠ざかるかもしれない。 「弱点……なるほど……」 「そう、弱点……また例えの話になってしまうけれど……」 「いいわ、聞かせて」 少年の話を聞いていると、朧気ではあるが都市伝説という存在が 自分の心の中に形作られていくのを感じる。 この現実に、実体……いや、実態をもった都市伝説も、都市伝説で語られている通りの弱点を持ってしまう。 実に単純な話だ。 「分かったわ、ありがとう」 「うん」 「それで、コインロッカーベイビーだった場合、弱点は?」 「特に無いね」 肩をすくめて言う少年の、愛らしくも滑稽な仕草に思わず微笑が漏れる。 「ん?……なに?」 「いいえ、何でもないわ」 怪訝な顔もまた、年に不相応な表情であったが、それはそれで可愛らしかった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/631
632: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:37:12.42 ID:QMEyXNSHo 「少し話を変えるけれど、お姉さんはこの都市伝説をどう思う?」 「どう思うと言われても……」 「そうだね……じゃあ、この都市伝説はコインロッカーベイビーだと思う?」 「……アタシは都市伝説の事は分からないわよ?……でも、そうね……」 考える自分に、彼は時間をくれる。 間を作るのが上手い、相手の表情を読むのが上手いからだろう。 やはり、ただの人間ではない。 彼の言う通り、彼は何かの都市伝説なのだろうか。 「コインロッカーベイビーだと、アタシは思う」 理由は特にない。 「理由は?」 「特に無いわ」 「そう……うん、でもボクもそう思うよ」 彼にはそう思う理由があるのだろうか? 「何故?」 「なんとなくだよ」 言って、はにかむ顔もまた愛らしい。 いつの間にか、彼の好ましい部分を探している自分に気付き、頭を冷やす。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/632
633: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:38:47.31 ID:QMEyXNSHo 「そうね、考えても分からなそうだし、まずはコインロッカーベイビーだという前提で進めましょう」 「うん」 「それで、アタシ達がやるべき事は何?」 単刀直入に聞く。 「コインロッカーベイビーの本体は、必ずこのロッカーの何処かに居ると思う」 「そうね、アタシも同意見よ……そして、この幾つもあるロッカーの中の、たった一つが正解」 「うん」 ───かくれんぼ。 これは最初に感じた事でもある。 「でも、探すにしても多過ぎるわ……外れた場合のリスクも有るのよ」 「そうだね……何かヒントになるものがあれば……」 「ヒント……ねえ……」 皆目見当もつかない。 「ひとつ……考えていたことがあるんだけれど……」 「何?」 「ロッカーの番号なんだ」 「番号?」 改めてロッカーを見てみると、確かにそれぞれ違う番号が振り分けられている。 だが、コインロッカーであれば当然の事であり、全くヒントになりそうにない。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/633
634: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:43:24.52 ID:QMEyXNSHo 「この番号なんだけれど、“0101”から始まっているんだよ」 「“0101”?……“0000”とか“0001”からじゃなくて?」 「うん、ざっと眺めながらここまで来たんだけれど“0000”や“0001”は無かったんだよ」 「“0101”から始まる……」 「それだけじゃなくて、“1231”で終わっているんだ」 「“1231”で終わり……ん?終わり?」 終りがある? こんなに、数え切れない程のロッカーがあるのに? 終りがある? 「終わりと言って良いか分からないけれど、少なくともそれ以上の番号はないんだ」 「ロッカーがこんなに有るのに?」 「うん、ループしているんだ」 「ループ……え?……じゃあ、番号が同じなら同じロッカーかもしれない?」 「……多分だけどね」 「“0101”から“1231”……どうしてかしら……」 「それの理由も何となく見当がついているんだ」 「理由は?」 「この数字、ずっと連番で続いているわけじゃなくて、途中で途切れて、また連番が続いているんだ」 途切れ途切れの連番という事なのだろうか。 「……どういう事なの?」 言われた事をイメージ出来ずに聞く。 「“0101”から連番で“0131”……次は“0201”から“0229”……」 挙げられた数字を、ゆっくりと頭に浮かべていく。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/634
635: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:46:24.40 ID:QMEyXNSHo 「この数字……ひょっとして……」 「分かる?」 「ええ……“0101”から始まり“1231”で終わるこの数字……暦日……カレンダーと同じだわ!」 「うん」 同じ答えに辿り着いた事に対してか、満足気に頷く少年。 だが、巧みに誘導されている気もして、心の片隅に陰が産まれつつあるのを感じる。 「じゃあ、このロッカーは実質的には365個しかないのね?」 「“0229”があって、閏年も含めるから、正確には366日分だね」 大きく前進した気がするのと同時に、本当に賢い子供だと感心させられた。 少なくとも、片っ端から開けようとしていた自分よりも、スマートな思考で冷静にこの状況に対処できている。 「あら?……でも、ループしているという数字が、それぞれ別の年の日付と捉えた場合……」 無限に続いてしまう。 「それは多分無いよ」 「どうして?」 「“0229”だよ」 「閏年にだけある日?」 「うん“0229”も必ずあるんだよ、ループしていないとしたら“0229”は4年毎にしか出てこないはず」 「……なるほど」 「ボクはループしているカレンダーだと考えているんだけれど……どうかな?」 意見を求められて、もう一度考える。 直感に頼る部分が多い。 それでも、論理自体には筋が通っている様に思う。 だが、心の片隅に産まれた陰が、信じても本当に良いのかと囁いてくる。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/635
636: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:47:32.38 ID:QMEyXNSHo ───感じる ───思う ───信じる どれも根拠が無い事を表しているに過ぎない。 それの何が悪い。 この子の考えを信じたとして、何が悪いというのだ。 再び心が熱くなるのを感じて、頭を冷やそうとする。 どうしてこんなにも強く、彼に心を惹かれるのだろうか。 ───根拠が無い ───可能性がある ───疑いが残る 言葉を変えて、思考がループし始め、息が詰まる。 さん……おねえ……お姉…… 「お姉さん!」 ハッとして顔を上げると、少年が手を握って不安そうに呼びかけていた。 「はぁ……は……あ……あ……」 苦しい、息ができない、どうして? 必死に空気を求めているのに、吸えない。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/636
637: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:55:49.24 ID:QMEyXNSHo 「落ち着いて!聞こえてる?!」 ワケが分からなかったが、頷く。 「息を吐いて!」 息を吐く? こんなにも苦しいのに? 息を吐く?! 「吐いた分だけ、息を吸えるんだよ!」 吐いたら吸える? 「これ以上は吸えないんだ!吐いて!」 そうか……息を吸い続けていたんだ…… 「ふぅぅうぅぅ……すぅぅぅ……ふぅぅうぅ……」 「そう、落ち着いて……ゆっくりでいいよ、ゆっくり息を吐いて……自然に任せて吸うんだ」 「はぁ……すぅ……」 「息を吸えないと思って体に力が入ってしまうから、余計に苦しいんだ。 力を抜いて息を吐けば、自然に吸える……後は静かに繰り返せば良いんだよ」 そんなやり取りが2〜3分も続くと、状況が理解できるまで回復していた。 「過換気、症候群……だったのね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/637
638: ソウルメイト(4) [sage saga] 2013/05/24(金) 23:56:31.84 ID:QMEyXNSHo まだ、脈は早い。 だが、温かいものをギュッと握っていると、それも自然と落ち着いていく。 マジマジと見つめると、握っていたそれは少年の手だった。 「あ……ごめん……」 急に恥ずかしくなって、手を離す。 名残惜しかった。 こんな感覚を以前どこかで……強い既視感が脳を叩く。 「謝られるよりも感謝される方が、ボクは好きだよ」 そう言って、小さく笑う。 ズルい。 「ありがとう」 「うん」 お互いにホッとして、笑う。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361373676/638
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