[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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862: コドクノオリ「説教受けるよ! 犬に」 2013/09/12(木)02:22 ID:9Hv9BnD2o(4/7) AAS
 姉弟で不思議だ不思議だと言い合いながら靴を脱ぐ。
「ともあれ、これが終わったら、俺はあいつの仕事に協力するよ。
まだ警察内に都市伝説契約者や意を汲んで動いてくれる仲間とかが少ないだろうしさ」
「そうね、そうしましょう」
「修実姉も付きあうことはないよ」
 言うと、修実が首を左右に振ったのか、久信のうなじに髪が擦れる感触がきた。
「私も昌夫くんの手伝いをしたいわ」
「……いい友達もったよな、あいつ」
「ふふ、そうね」
 修実の声を聞きながら、久信は親に半ば厄介払いされ、
人生の大半の時間を費やしてきた組織にも裏切られてあんな姿にされてもまっとうな人間と同じように友人の協力を信じることができたり、
恩義の感情などを持つとことができる姉はやはり尊敬できると思う。
 俺だったらきっとそのまま恨みに呑み込まれて怨念垂れ流すだけの現象になってたな。
 そもそも修実は自我が残っているということ自体が奇跡的なほどに手ひどい仕打ちを受けていたのだ。
 修実姉は強い人だな……。
 羨望交じりの物思いにふけっていると、部屋の奥から甲高い鳴き声が聞こえた。
「ああ、いけない。忘れかけてた」
 鳴き声の方へと行くと、先に部屋に入っていた犬が尻尾を振って久信を見ていた。
昌夫からの干渉が外れたためか、久信を見上げ目には先程までのような険がない。
「久信、この子エサが欲しいって」
「みたいだね、じゃああげようか」
 昌夫の調教のおかげか、犬はエサがもらえることを理解したように嬉しそうに尾を振る。
「よーしよしよし。ちょっと待ってくれよ。俺も自分のエサが欲しいからな」
 久信は、ちゃぶ台の上に置かれているビニール袋を漁って、若鳥の唐翌揚げや焼き鳥を取り出す。
 惣菜のチョイスがおっさん臭いのは、若い身空で警察なんていうおっさん臭いイメージが染みついた組織に所属した弊害だろうか。
 それはそれとして、白い米に即席の味噌汁までついているのは実にサービスがいい。
「こりゃ豪華だ」
「この偏りかたは……」
「まあまあ、そんなに厳しく批評しなくてもいいじゃないか――なあ? ワン公」
 自分の臭いを気にしてか、器用にも自分で開けた窓から外に出てじっとしていた犬は、いきなり振られた話に困惑したように首を傾げた。
 自分が食べるわけでもないんだからいいじゃないかと修実を説得して、久信は修実を布団の上に降ろして夕餉の準備として場を沸かす。
 湯が沸くまでの間、薬缶の前で待ちながら、久信は一息つく。
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