[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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860: コドクノオリ「説教受けるよ! 犬に」 2013/09/12(木)02:20 ID:9Hv9BnD2o(2/7) AAS
 学校町を歩き回ってこの町の異常性を肌で感じ取った久信は、肉体的というよりも精神的な疲れを感じつつ、隠れ家を目指していた。
 今日はシャワーだけではなく、ゆっくりと風呂にでも浸かろうかと考えていると、隠れ家の敷地内に犬が一匹いるのを見つけた。
 久信たちが隠れているこのボロアパートには他の住人はいない。他の住人のペットという線は無いだろう。
かといって、行儀よくお座りして、まるで誰かを待っているかのように佇んでいる犬の態度はとても野良のそれではない。
 だとしたら……。
「昌夫くんにばれちゃってる……よね?」
「だろうな」
 誰の遣いであるのか察して、姉弟は気まずそうに言葉を交わす。
 犬は二人に気付いたようで、顔を向け、二人が近づいてくるのをじっと見つめて待っている。
「諦めて小言を聞くしかないか」
「うん……そうだね」
 犬からの視線を感じながら、久信たちはいたずらがバレた子供のような心境で隠れ家の敷地内に入る。
 久信の体が敷地の中へと入るのを確認して、犬がおもむろに口を開いた。
「きのう の きょう で がいしゅつ とは いいどきょうだ」
 わざわざ二人が敷地内に入るまで待っていたということは、
この建物の敷地内には犬がしゃべっても周りには気づかれないような、幽霊アパートらしい結界の類でも張ってあるのだろう。
久信と修実が察してそれぞれ隠形や蛇の縄を露わにする。
 そんな二人に対して犬は真面目くさった顔で説教を垂れる。
「あまり はで な こうどう は ひかえろ と いった はずだが」
「分かってる。ごめん」
「ごめんね、昌夫くん」
 第一声としては二人共比較的に殊勝な態度を見せるが、それだけでは止まらず、言葉を繋げる。
「でもね昌夫くん。私たちにはあんまり時間がないの」
「郭正吾に完全に逃げられたら、俺と修実姉は詰む」
「たしかに くるわ に にげられたら おまえたち の しゃくめい は むずかしい
 しかし おまえたち なんで こう いつも とっぴなことを するのだ」
 眉間に皺を寄せる犬に見せつけるように、久信は手に持ったビニール袋を揺らして見せた。
「まあそう言うな。外を歩き回るのは今日だけだ。何となくこの町が人外魔境ってことが分かったからな。
あんまり歩き回って下手なトラブルを拾いたくもない」
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