[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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(1): 機械仕掛けのルルル 第四話 2/3 [sage saga] 2013/06/19(水)00:15 ID:MVgIRfta0(4/6) AAS
「貴様! い、い、一体何を……」

気が動転している男に胸元から取り出した拳銃から弾丸を数発叩きこむ。

「人の話を聞け!」

撃たれながらも男は元気そうだ。弾丸を柔らかい体で受け止めたらしい。

「うわっ、死なねえのか。やっぱり化け物だな」

「まさかお前、組織の……」

まあ組織の殺し屋だが名乗る訳にはいかない。
返事代わりにありったけの弾丸を放り込む。
弾倉が空になったらホルスターに閉まって男の目を見つめる。
男の身体はすぐに動かなくなり、何やらわけのわからないことを喚きながら地面に頭を打ち付け始める。
しばらくすると男は動かなくなり、周囲に静寂が訪れる。

「終わりましたか?」

マキちゃんが車から顔を出す。

「来るな!」

俺がそう叫んだ次の瞬間、男の遺骸の中からタコのような気持ち悪い生き物が現れて俺に向けて飛びかかってくる。
紙一重で俺は飛んできたそれを躱すが、そいつはアホ面ぶら下げたマキちゃんに向けてそのまま襲い掛かる。
少女の悲鳴。
マキちゃんの顔にタコが張り付いている。

「くっくっく、驚いただろう!」

タコの頭に人の顔が浮かぶ。

「これが本当のタコ妊娠
 この都市伝説の能力の秘奥とは……俺自身が妊娠することだ
 予想もつかなかっただろう!」

はい、すごいきもいです。
でもその能力については予想がついていました。

「本田さん! 助けて……」

「おぉっと動くなよ本田とやら! お前が下手なことをすればこいつもママになってもらうぜ!」

セリフが一々卑猥なのはもう突っ込むまい。

「待て、少し話をしよう」

「話? 貴様とする話などない! 貴様を孕ませてから次はこの女だああああああ!」

そう叫びながらタコ人間は人の顔の部分から派手に喀血する。
マキちゃんはとっさにタコを振り払って地面に叩きつける。

「な、なんだこれは……身体がおかしい
 ええい、次の身体に……」

タコ人間の身体から新しいタコ人間が生まれる。
だがそいつの身体もまた、明らかにおかしい。
足の数は欠け、色も真っ白だ。

「な、なんだこれは……!」

劣化ウラン弾だ。
微量な放射性しか持たないが、それでも身体の小さな胎児には深刻な致命傷となっただろう。
しかもあれだけの速度で細胞の分裂などを行なっていたのだから、そのぶん傷ついた遺伝子も滅茶苦茶に複製された筈。

「呪いだよ、俺の瞳からは逃れられない」

そう、これはいわば人の生み出した呪いだ。
そして俺に狙われて生き残った者も居ない。
嘘は吐いてない。
マキちゃんの運転する車がゆっくりとタコ人間を踏み潰す。

「俺の仕事とるなよ」

そう言いながら車に乗り込み、とりあえず彼女のベトベトになってた顔を拭いてあげた。
さすがのマキちゃんもちょっと泣きそうになってた。可愛い。
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