[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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670: 機械じかけのルルル 2/3 [sage saga] 2013/06/13(木)07:51 ID:0NXzV/1z0(2/8) AAS
「そもそもだ」
「そもそも?」
「俺は人を殺したのかな」
「何を馬鹿なことを言っているのですか
貴方もついにガタが来てしまったみたいですね
僕としてはとってもとっても残念ですよ
貴方にもそろそろ愛着が沸いてきたころだったんですがねえ
貴方も処分されちゃうんですか?」
「いいや違うよ、考えても見ろ
俺は確かにあの男の脳内に化学物質を錬成した
だが奴が死を選んだのは俺の言葉のせいじゃあない
自らの内部に発生した化学物質と、それによって引き起こされる電流の作用で奴は死を選んだんだ
俺が関わったことは確かだが、奴の死は奴の脳が決定したことの筈なんだよ」
「いやいや、彼に死の命令を与えたのは貴方でしょう」
「フロイトはタナトスという概念について言及している
これは誰ものうちに眠る死への願望だ
俺は結局それを後押ししているに過ぎない
日常に眠る僅かな不満、不平、怒り、そういったものは攻撃衝動へと繋がり、抑制を失えば自らすら破壊する
俺がしているのはあくまでタガを外す行いだけ
タガが最初から外れている人間は相手しきれない
俺とおまえの仕事が糞みたいな悪党や善良な市民や「行き過ぎた奴ら」ばっかり殺すことになるのも宜なるかなって奴だ
そもそも俺が操っていたとして他人の心は他人の心だ。それは決して俺のものではない、そいつだけのものだ」
「それは言い訳ですね。人間の生命や意思の尊厳を踏みにじっています」
「そうかな?
人間の生命とはすなわち機械的な有機構造群同士の連鎖的な反応であって
人間の意志とは超膨大なアルゴリズムの集積だ
自律的に情報同士を連結して新しいアルゴリズムを形成する点は見事だがそれとて多くは誰かの模倣
すごい人間は居ても、人間がすごいわけじゃない。戯言だけどね」
「戯言であって欲しいと願います」
「そうか、君はやっぱり良い子だな」
「僕が、ですか?」
「ああ、その通り。ちょっと車を停めて。煙草を買いたいから」
「いいですけど……」
「良い子で待っててくれよ」
と言って俺は彼女の脳を少しだけ操る。
そして車の背後に立つ何人かの黒服と対峙した。
「俺の制御から抜けてくる奴がまだ居たなんてね
確かあの子に頼んで組織の情報も改ざんしてある筈なんだが」
現在車中で俺の帰りを待つ少女はスーパーハカーと契約している。
彼女の「俺に協力したい気持ち」を少し開放してあげた後に「自らの行いを忘れたい気持ち」を刺激することで俺は組織に別の人間として所属していた。
「都市伝説に対するずば抜けた応用力、冷徹に決断を続ける判断力、戦況を見極めて強者に擦り寄る観察眼
どれをとってもお前は準一流で、一山いくらの我々のような只の黒服では敵わんよ
だが組織の情報源が単一だと思うなよ、マキアマキ
お前のことについてはこちらでも独自に調べている」
黒服達は俺の能力の対策のつもりか、なにか特殊なサングラスをかけているようだ。
だがそんなものは何ら意味を持たない。
「やめてくれ。その名前は嫌いなんだ。勝手に覚えられやすい名前だからね
そしてまあそのなんだ……お前ら、もう詰みなんだ」
黒服達の顔が真っ赤になっていく。
それぞれ都市伝説持ちらしく何やら頑張っているみたいだがまあ無駄だ。
この辺りには既に高密度の光化学スモッグを合成している。
オゾンでも良かったのだが匂いが気に入らないのでやめた。
「ば、馬鹿な……お前の魔眼の対策はこれで……」
勘違いだよ、馬鹿。
魔眼なんてたいそうなもんじゃあない。
そしてこの後は放っておけば毒殺済みの死体が一丁上がりになる。
だが、それでは面白くない。俺は動けない黒服達と目を合わせて一人一人の神経を変性させていく。
これでまた便利な駒ができた。
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