[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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669: 機械じかけのルルル 1/3 [sage saga] 2013/06/13(木)07:48 ID:0NXzV/1z0(1/8) AAS
俺の仕事は殺し屋だ。
組織にとって邪魔だが正々堂々排除できないフリーの契約者を始末することで日々糊口を凌いでいる。
フリーの契約者といっても色々居る。

「あんたがマキア…マキ……マキアマ? まあ良い、牧天喜かな?」

俺の目の前に居る男。
牧天喜、この男は正義感が度を過ぎている。
こういう手合いはどんな組織にとっても煙たいものだ。
こういう手合いはどこかの組織に飼われでもしなければ俺のような人間に殺される。

「誰だお前?」

「否定から入らないなら本人だな」

男の瞳を覗き込む。
俺の契約した「錬金術」の効果は至ってシンプルで、俺の知る限りの化学物質を素材さえ有れば合成させられるというものだ。
目に刻印された魔法陣を相手の脳内に作用させることでそこに神経伝達に用いる化学物質を錬成して相手の思考を変性させる。
理屈にすればそれだけの至ってシンプルな能力だ。
俺の指示をどう解釈したのか男はキッチンのコンロに火をつけてそこに顔面を突っ込む。
データによればこいつは火が弱点の都市伝説と契約しているらしいので、こうすればオシマイの筈だ。
少々焦げ臭くてかなわないが、ここから早々に退散すれば構わないだろう。
俺はそそくさと部屋を出て、そのまま用意してあった車に乗り込む。

「お疲れ様です」

黒服の少女が無機質な表情で車を走らせる。
彼女の名前は天城真希。
俺は彼女の所属する部署を知らないし彼女がどの程度偉いのかも知らない。
ただ俺も彼女も間違いなく、秩序を守るための影に徹している存在だ。

「仕事だしね、気にしないでよマキちゃん」

流れる車外の風景を見てため息をつく。

「憂鬱なのですか?」

「いいや、ただ少し飽きただけだ」

「そうですか……ところで聞きたいのですが貴方は今の仕事に満足していますか?
 僕は組織の汚れ役なんてもうそろそろ勘弁願いたいのですが
 善良な市民も、糞みたいな悪党も、一切の区別なく差別なく殺すなんて僕はやってられません
 自分が組織の道具になっているみたいで、第一私も今誰の指示を聞いて動いているんだか分からないっていうんですからお笑いです」

「俺は気にしてない。俺の興味対象はむしろ今の君の発言かな」

「仕事の愚痴くらい別に構わないでしょうに」

「俺は善人を殺した。悪人も殺した
 能力だけあって権力の無い奴を
 組織のトップとコネを作れなかった運の悪いやつを
 制御しきれない奴らをこれでもかと殺してきた 
 それは俺の殺人であって、君の殺人ではない
 君が気に病む必要はない」

不味い煙草を吸って吐き出す。
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