[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/04/21(日)02:57 ID:T8PhIOdVo(1/2) AAS
東区の路地から三丁目へと突き切るようにして進み橋を渡る
男は小さな食堂に入ると店員である中年の女の冷めたまなざしを直視する
雑音にまみれたアナログ波のテレビは凶悪犯が脱走したという臨時ニュースを告げていた
麺を啜る作業服のひとりが物騒な世の中になったもんだとぼやく声がまざる
男は店員にカレーライスを頼むと中年の女は目を逸らし厨房へと入っていく
店の片隅の薄汚れたテーブルに身を縮めるようにして座ると棚に飾られた文化人形が視線に入る
あれは確かに死んでいた少女の躯であり男にはそれをどうすることもできなかったという呵責がある
あの少女は男達の欲望を一身に受け
と言ってしまえばまるであの少女が自ら望んで精液を浴びることを甘んじたと取られてしまう
否、あの少女は状況に追い込まれてしまったのであり誰もそれに目を向けようとしなかっただけだ
省19
508
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/04/21(日)02:57 ID:T8PhIOdVo(2/2) AAS
食堂から更に北へ進むと叫び声が響いた
この叫び声に聞き覚えがある、速足がさらに速足になる
再び叫び声が上がる、男は誰かが殺されたことを直感する
恐らく今回は正しいだろう、その前はそうだった、その前の前はそうだった
これは類推ではない、受け取れるか、取れないか、勝負師の感覚に近いのだろうか
確かに受け取れなければその時の危険性は否が応にも高まる、そしてそれは男に死ねと告げるのだろう
角を曲がると制服の女子学生が泣き喚きながら血に濡れて動かない女子学生を引きずっていた
道の前には子どもが座り込んでおりその子どもはアスファルトの一点を凝視して震えていた
ああ、あの子は花子さんか、なぜここにいる
子どもは地を見たまま動かなくなっていたがそれは男が知らない数分前に都市伝説かさもなくば黒服が子どもの目の前で殺され
省29
509: とあるナニカ(代理) ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)11:57 ID:hftoZMDp0(1/4) AAS
【掛相 調のスタイリッシュ調査書】

音声回線、モニターの接続は良好、記録装置オン、付近に組織の影なし。
対象とオマケの姿を再確認…室内状況、バイタルに異常なし!

「じゃっ、きちんと留守番してるんだぞー」
「きゅ!」

あっくんが私にはあまり見せないにへらとした表情で家から出ていく。
幼馴染みとして、そういう所はナニカちゃんに嫉妬(?)しちゃってるかもしれないなぁ…
さて、気持ちを切り替えて

――「あっくんが買い物に出掛けたので……これより機密実験を開始します」
省15
510: とあるナニカ(代理) ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)11:57 ID:hftoZMDp0(2/4) AAS
―――おや、ナニカのry

ピカピカと輝きだしたナニカちゃんのシルエットがだんだんと人型へと変わっていく。
光りが収まり現れた姿は男の子のようだ。

〈記述〉
特出した外見は茶色の尾や獣の耳が揺れている事ぐらいだ。
前回の例も踏まえて推測すると、不定である姿には性別の縛りはないが完全なる変化は難しいようだ。

「わー、見て見て…また契約者と一緒の形!」

うん、知性や声帯の方も問題なく稼働しているみたいだ。
そして実験には関係ないが男の子も男の子でなかなか…良いわね!
省22
511: とあるナニカ(代理) ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)11:58 ID:hftoZMDp0(3/4) AAS
――おや、ナry

再び光が瞬き、シルエットが今度は心なしか大きくなっている。

〈記述〉
体格や体の凹凸からみて女性体であろう。
それにしても質量の保存法則はどうなっているのだろうか。
現場に立って詳しく測量調査が出来ないのが悔やまれる。

「むぅ、体が重たいよ…調ちゃん」
――「いやはや圧巻たるセクスィーボディ、見てるこっちが哀しくなるほどの大迫力の胸だね…」

今回は口裂け女を念じていたのだが、口裂けてないお姉さんが現れてしまった。
しかも、私のデモンズウォールを遥かに超える胸や抜群のプロポーション……ナニカちゃん恐ろしい子っ!!
省18
512: とあるナニカ(代理) ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)11:58 ID:hftoZMDp0(4/4) AAS
�・�・�・�・�・�・�・�・�・�・�・�・�・�・

今日は血気盛んなオバサン達に負けずに特売品を多く買えた。
ナニカの食費もあるから特売品を手に入れることは俺にとってかなり重要なのだ。

「留守番してるナニカの為にフルーツの詰め合わせを奮発して買ったが…ナニカ喜ぶかなー……っ!?」

ルンルン気分な俺の目に映るのは、黒い触手のような物があちこちから突き出た我が家

「いやいやいや…意味が分からなすぎるぞっ!?」
省14
513: 夢幻泡影Re: † 虹と烏 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)18:19 ID:vMeOEuqa0(1/4) AAS
「かはっ……」

男が血を吐きながら、呻き声をあげて倒れ伏す
震える腕で己の身を起こそうとするが、目の前に漆黒の刃が向けられた
目を見開き、諦めたように男は俯く

「……ま、まいった…」
「フン、面白味の無い」

黒い鎌を下げ、彼は――顔の無い仮面を被った少年は男を背に立ち去った
そして、湧き起こる歓声
観客席にある巨大モニターには、“SEMIFINAL Winner Noface”と表示されていた

《決まったぁ!!
省18
514: 夢幻泡影Re: † 虹と烏 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)18:20 ID:vMeOEuqa0(2/4) AAS
     †     †     †     †     †     †     †

それは昨日の事だった

「“闇のコロシアム”だと?」
「ええ、どうやらそういった催し物が存在するそうですの」

ノートパソコンのディスプレイに映し出されたのは、
件の“闇のコロシアム”についての詳しい情報
場所や日程、参加資格などが細かく記されていた
省56
515: 夢幻泡影Re: † 虹と烏 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)18:21 ID:vMeOEuqa0(3/4) AAS
《お待たせ致しました! 決・勝・戦です!
 遂に『エフェクター』に相応しい最強の契約者が決まります!》

熱い歓声の中、武舞台にスポットライトが照らされる
輝く鮮血の痕が、ここで繰り広げられた数多の戦いを物語っているようだった

《まずはAブロック代表! 貌の無い仮面を被りながらもたった5分で、それも殺人OKのこの大会で1人の死者も出さなかった強者!
 謎多き無貌の少年、ノーフェイス!!》

紹介が終わると、彼は―――裂邪は通路から出て、スポットライトと歓声を浴びる武舞台に上がる
「だっせぇ前振りだな」という呟きは、巻き起こる声に飲まれて消えた

「……ま、今までの連中は寒気がする程弱い奴等ばかりだったからな
 俺に半殺しにされる為にここまで勝ち上がってきた雑魚か、俺と対等に渡り合えるようなそこそこ出来た馬鹿か……
省47
516: ┌(┌○w○)┐シャドォ… ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/04/21(日)18:28 ID:vMeOEuqa0(4/4) AAS
(やっべー、まーた『前編』って書くの忘れてた……まいっか)

紅グレンは安直過ぎるって? ハハッ、偽名に決まってんじゃないすか(ぁ
都市伝説は、とりあえず“烏”がヒントになるでしょう
イメージCVは関智一
ぶっちゃけるとウルトラゼロファイトのグレンファイヤー見て思いついた
でもキャラ的には、遊戯王ZEXALUのアリトみたいな、
自分の使命とか関係なく、ただ純粋に、強い奴と戦いたいっていう信念の下に動いてるような、そんなキャラ
詳細の半分は後半で発表、かな?

そんな戯言はさておき皆様乙ですの
後々感想書きます
520: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/24(水)20:17 ID:dKThasDi0(1/9) AAS
投下した皆様お疲れ様です
個別に感想書きたいんだけど忙しい日々の中で言語野が摩耗して何も言えねえ
521: 僕は小説が書けない 第十八話「左手に灯す火」 [saga] 2013/04/24(水)23:26 ID:dKThasDi0(2/9) AAS
前回までのあらすじ
・眼球の遺体をめぐって始まった暗闘は警察署に舞台を移す
・路樹は主人公に有るまじき「俺に構わず先にいけ」をやらかし株を急降下
・果たして主人公の座を奪い返せるのか? 悲喜の戦いはこれから始まる!
522
(1): 僕は小説が書けない 第十八話「左手に灯す火」 [saga] 2013/04/24(水)23:36 ID:dKThasDi0(3/9) AAS
それはそれとしてやっぱり招待を隠して戦うとかロマンですよねれっきゅんのお話
とある人もついに少年の良さに目覚めてくれたみたいですし
>>507->>508の人の重たい文体も味わい深いですし
エンジョイアンドエキサイティング
そろそろ単発書きたくなってきちゃうですぅ
523: 僕は小説が書けない 第十八話「左手に灯す火」 [saga] 2013/04/24(水)23:37 ID:dKThasDi0(4/9) AAS
【僕は小説が書けない 第十八話「左手に灯す火」】

「さて、署長室はこの奥の筈なんだよな……」

 俺は変身を解除したまま非ユークリッド幾何学的にねじれ曲がる廊下を一人歩く。
 普段の俺ならばありえないことだった。
 初めて会った筈の相手に守るべき民間人を任せて一人奥に向かっている。
 こんなめちゃくちゃはまるで……いや、やめておこう。

「しょ、署長……」

「ん?」
省33
524: 僕は小説が書けない 第十八話「左手に灯す火」 [saga] 2013/04/24(水)23:40 ID:dKThasDi0(5/9) AAS
「ああ…………」

 ため息をつく。
 目の前の闇が凝集する。

「なんと……」

 闇が嘆く。

「――――虚しい」
省33
525: 僕は小説が書けない 第十八話「左手に灯す火」 [saga] 2013/04/24(水)23:48 ID:dKThasDi0(6/9) AAS
「聞かせてください。自分の正義の味方としての働きを無意味に思っているならば何故それを続けるんですか」

「目の前に困ってる人が居る」

 善人でも悪人でも、困ってる人が居るならば自分の力の範囲で助ける。
 助けてきた。助けられなかった人も見殺しにせざるを得なかった人もたくさん居たけど。
 でもそれでも。

「俺は最善を尽くしてきた。これからも尽くす。何もしないって選択だけはまっぴらごめんだ」

 死神が背後で笑う。
 俺もまた、奴らと同じ人殺しに過ぎないと、改めて思い知る。
 だがそれでも俺は進む。
省45
526: 僕は小説が書けない 第十八話「左手に灯す火」 [saga] 2013/04/24(水)23:50 ID:dKThasDi0(7/9) AAS
    ※    ※    ※

「お姉さん、道に迷ってらっしゃるようですが宜しければ僕みたいな年下のイケメンと恋の迷宮に迷ってはくれないでしょうか
 とまあこんなこといきなり言っても変な奴にしか思われないかもしれないので自己紹介をしておきますね
 僕の名前は六条悲喜と申します
 飯綱大学の薬学部で普段は世の為人の為に仕事できる人間になる為の勉強をしてるんですが趣味でこういう変な場所を歩き回ってるんですよ
 だから将来性ばっちりですしこういう非常事態にも強い
 もうお買い得、超お買い得
 今のうちに捕まえておけばもーう株価うなぎのぼりですよ
 さあどうでしょうお姉さんよろしければ一緒に……」
省39
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