[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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(2): はがけない 第十三話「最後の希望」 [saga ] 2013/03/29(金)18:55 ID:VMGquDir0(4/10) AAS
「それでどうするのさ」

 路樹がナージャを連れてどこかに行った後、僕はジルりんにそう言われた。

「うん……まあこの後は本屋でも行こうかと思ってたよ
 これでも大学に通う勤勉な大学生なんでね」

 薬学関係の本を数冊欲しいと思っていたのだ。

「勤勉? お前がか?」
省47
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(2): はがけない 第十三話「最後の希望」 [saga ] 2013/03/29(金)18:55 ID:VMGquDir0(5/10) AAS
「おや……」

「どうした?」

「新しく本屋ができていたみたいだからさ」

 路地裏の狭いスペースに、一件の古本屋がなんとか詰め込まれた引越しの荷物みたいにして建っていた。
 なんとなく不吉な感じがする。
 面白そうだ。

「ちょっと見てみるか」
省46
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(2): はがけない 第十三話「最後の希望」 [saga ] 2013/03/29(金)18:56 ID:VMGquDir0(6/10) AAS
「おばあちゃん? おばあちゃん、どこなの?」

 僕が声もなく足元の目玉を見つめていると奥から愛らしい少女の声が聞こえてくる。 
 ジルりんがそれを聞くと同時に駈け出した。

「待てジルりん!」

 奥から。
 そう、この声は奥から聞こえた。
 路地裏の狭苦しい店に、外から見ればそんな“奥”が存在できる筈が無いのだ。

「そちらへ行くな! 喰われるぞ!」
省30
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(2): はがけない 第十三話「最後の希望」 [saga ] 2013/03/29(金)18:57 ID:VMGquDir0(7/10) AAS
「――――悲喜、もういいよ」

 不意に声がする。
 それと同時にジルりんの絶叫。
 僕はいきなり顔から地面にたたきつけられた。
 誰かが背後から馬乗りになって僕を押さえつける。
 ものすごい力で、抵抗はできない。
 苦しくて必死にもがくが動くことが全くできないのだ。
 背中に冷たいものが当たってもうダメかと思った時、突然僕はなにかに投げ飛ばされた。
 
「……大丈夫か悲喜?」
省18
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