[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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(1): 黄泉帰り ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/03/20(水)23:41 ID:CE4LDbJa0(5/8) AAS
ぽちゃん、と滴の落ちる音が響き渡る闇
陽の光が一切届かぬ洞窟の奥へと、人為的な光がゆっくりと進んでゆく
人間、にしては足音が重々しい
それもその筈、光を灯し暗闇を歩いていたのは人型のロボットだった
2、3m程の高さのそのロボットは、目的地に辿りついたらしく、ようやく歩を止めた

《迎えに来たぞ、嵩久》

女性の声で、ロボットは誰かにそう呼びかけた
ライトに照らされた先には、岩に座っていた半裸の青年が眩しそうに目を覆っていた

「随分早かったじゃないか」

《27回も同じ工程を繰り返したんだ、当然だろう?》

「もうそんなに“死んだ”か。大分期待が出来そうだな」

《早く出るぞ。もうこの景色は見飽きた》

ロボットは早々と今来た道を歩いてゆく
やれやれ、とでも言うように青年――嵩久は立ち上がり、それを追って歩き出した

「次の都市伝説の用意は?」

《既に黒の商人から封印石を55個預かっている》

「流石に鼻が利くな、あの商人……石の中身の詳細は?」

《またしても契約してからのお楽しみだそうだ。あいつは私達を舐めているのか?》

「フフ、まぁいい。強ければそれで良し、だが弱ければそれでも良し
 死ねばまた、俺の心の器が大きくなり、都市伝説の容量も多くなる
 その内、あの「首塚」の平将門や、「組織」の黒服全員とでさえも単独で契約できるようになる…!」

《その度にまた私がこうしてお前を迎えに来なければならない
 私としてはさっさと強力な都市伝説を寄越して1日でも長く生きて欲しいものだが》

「…相変わらず怠惰な奴だな」

《お前の過労ぶりこそ心底呆れるよ
 幾度となく生と死を繰り返して……よく“死”を恐れないな》

「その先の“生”に恐怖を打ち消す程の希望を見出せるからな
 ある意味では、お前が俺の希望なんだ」

《……馬鹿》

ふふっ、とロボットは小さく笑った
その時、嵩久は不意にまたも目を覆う
外の光が、闇を打ち消していた

「…成程、帰りも早いな」
《お帰りなさい、嘉藤嵩久
 28回目の御帰還だ》

そう言って、彼等は洞窟を―――「黄泉比良坂」を出た

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