[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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215(2): はがけない 第十話「僕には小説を書く時間がない」 [saga] 2013/03/16(土)22:13 ID:O/RLSwaB0(4/6) AAS
僕は小説が書けない。
面白い小説が書けない。
何時も自己満足の鬱展開とかやって一味違う話書いちゃう俺KOOOOOOOOOOOL!とかやってなんか残念なことになる。
ちなみに今回のKOOLはわざとKOOLにしただけなので気にしないように。
まあそんな感じで只でさえ小説が書けなかった僕なのだがジルりんと出会った一昨日から更に書けなくなってる。
純粋に忙しいのだ。
これでは彼女をネタに何か書くというのは無理なのではないだろうか?
まあマスをかくことなら……ああ、安易な下ねたは駄目ですかそうですか。
ところで最近行きつけのコーヒー屋さんが扉のところにセール中の豆の銘柄を書くようになったんだけどさ。
そこのセールって文字がsaleじゃなくてseleになってるんだよね。
これ言うべきか言わざるべきかすごい迷っちゃって丁度ジルりんと遭う直前もそのことをずっと考えてたんですよ。
これ下手に言うと厭味な感じがするし、かといって知っていて言わないのもまた意地が悪いじゃあないですか。
こうやって細々考えて何もしないってのが結局一番駄目なんじゃあないかなって自己嫌悪とかしてみたり。
面倒くさい系男子っていうんですか?
まあこれだもの女性人気もありませんよねえ。
男性人気も無いんじゃないですかねえ。
しかしいつだって考え悩み矛盾し惑うことが、生きることなんじゃないかとも思ってしまったり。
どうでもいいけどこんなふうに「●●ってのが生きることだよね」って言うと格好いいよね。
それにしてもこんなことを考えながら現実の僕がやっていることと言えば……
「ツインテールぐりぐりー、ライドザウインドー」
「やめろよけっこう痛いんだぞそれ」
「あっ、ごめん……」
「わかればいいぞ」
これである。
見た目年下の少女相手に小学生男子みたいなちょっかいをかけているのだ。
あの忌まわしい事件の翌日、ジルりんと僕はわりと呑気な昼の時間を過ごしていた。
ジルりんのツインテをハンドル代わりにしてバイクに乗るごっこをしているくらい呑気なお昼だ。
決して小説が書けないから現実逃避をしていたのではない。
「だが昨日から始めようとおもっただけの習慣だったりする」
「迷惑極まりないぞ」
「そっか……」
「それでこれからどうするんだ?」
「どうするんだって?」
「これから何かをする予定は有るの?」
「予定ね、特に無いんだよな
分からないことばかりで動きようが無いんだよ
僕の腕、組織、僕は何も知らない」
ピンポン。
チャイムの音が鳴り響く。
「ジルりん行ける?」
「味噌汁作るからちょっと行ってきてよ」
「はーい」
僕はドアを開ける。
「こんにちわー」
ドアの隙間からこちらを伺う美女の姿。
不思議なことに僕はこの美女に見覚えがある。
人の心を腐らすようなこの美貌の持ち主を僕は知っている。
「さようならー」
僕はそっとドアを閉じた。
鍵を閉める。
もう一つ鍵を閉める。
よし。
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