[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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147: 連載 [sage saga] 2013/03/10(日)16:05 ID:j8R5+wwy0(2/9) AAS
「面倒だ……纏めて消えろ」

さらに動きだそうとする「グール」の群れの足元の影が、ゆらりと蠢いた
小さく波打つ影の表面は、徐々に、徐々に大きくなり、激しさを増す
「グール」達は思わず、その場で立ち止まってしまった

「『欠片蝙蝠-災厄箱(パンドラ・ボックス)』」

ぶわっ!!と「グール」の足元から大量の蝙蝠の刃が溢れ出す
逃げようにも、ここは影の中
影から際限なく溢れる刃から、逃れる事は出来ない
あっという間に、「グール」達は血塗れになり、次々と倒れ伏した
その場に立っていたのは少年と、生須と沢のみとなった

「売人は逃したか……まぁいい、後はお前達だけだ。今なら痛い目を見る事は無いのだが」
「ほう? 我々に勝てると、そう言いたいのか?」
「どちらにせよ、楽にさせるつもりはない」
「随分な自信ね……じゃあ、早速使わせて貰おうかしら?」

沢が取り出したのは、先程売人から受け取った『エフェクター』と呼ばれる代物
にやりと笑って生須もそれに応え、同じく『エフェクター』を取り出した

「なっ……それを使うのか!?」
「見せてやろう、我々の力を……!」

2人は装置についたリングに指をかけ、

「「『エフェクター』、起動!!」」

リコイルスタータを勢い良く引いた
『エフェクター』は激しいエンジン音を轟かせて振動し始める
そして、2人に変化が現れた
生須の身体に包帯が何重にも巻かれ、何処からともなく現れた黄金の棺に収納されて、
黒く禍々しいオーラが棺の手足となって立ち上がる
沢の身体を業火が包み込んだかと思えば、炎が『エフェクター』へと集中し、
炎のチェーンソーを作り上げ、五月蠅く火花を散らした

【ほう……力が漲ってくる……】
「これが『エフェクター』の力……!!」

先に動いたのは沢だった
チェーンソーを振り上げ、炎の斬撃を飛ばす
少年は軽く舌を打ち、鎌を横薙ぎに振るって相殺させた
今度は生須が高く跳び上がり、少年の頭上から落ちて押し潰そうとしたが、
寸でのところで回避され、その策は無意味に終わった
が、落下点には小規模なクレーターが出来ており、その破壊力を物語っていた

【次は貴様がこうなる番だ】
「…都市伝説を歪めて手に入れたような力で…俺は倒せん」

そもそも『エフェクター』とは、原理や製造法が殆ど解明されていない謎の装置であり、
「組織」の間でも、掴んでいるのはその能力くらいのものだ
その能力とは主に2つ
一つは“都市伝説の能力の歪曲”
例えば沢の「パイロキネシス」のように、プラズマ流体である炎を実体化させ、斬撃属性を加える力
一つは“都市伝説の存在の歪曲”
例えば生須の「ツタン・カーメンの呪い」のように、本来姿無き物に形を与える、若しくは本来の姿を変える力
噂に忠実な都市伝説が無理矢理その存在意味を捻じ曲げられれば、どのような危険が及ぶか分からない
生須達のような悪しき心の持ち主が使うとなれば尚更だ
「組織」では、まるで這い寄るが如く静かに増えつつある『エフェクター』による事件にも対応している
それはR-No.においても例外ではない

「『レイヴァテイン・ブレイド』」

少年は黄金の鎌を身の丈の倍以上はあろう巨大な両刃の剣に変化させ、
再び突進してくる黄金の棺に向けて振るった
がきんっ!と火花を散らして、剣と棺がぶつかり合う
棺を纏う邪悪なオーラが無数の腕を形成して少年を捕らえようと伸びてゆく
が、少年の影からも同じく夥しい腕が伸び、それを抑えた

「っ……成程、『エフェクター』も伊達では無いという事か」
【やはりな。貴様、多重契約者か】
「一筋縄では行かずとも、お前等程度なら十分だ」
「あらそう……2対1でも同じことが言えるかしら?」

背後から忍び寄る沢
茫々と燃え盛るチェーンソーを振り上げ、口元を歪めた
その笑みは狂気に満ちているようにも見えた

「これで終わりよ!」
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