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照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】 (1002レス)
照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/
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793: ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/02(日) 21:14:44.00 ID:rQFYGGkq0 県名が表示されなくなったようなので、酉テスト http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/793
799: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/02(日) 21:32:23.37 ID:rQFYGGkq0 今日はここまでです 再び酉テスト、タイトルの後ろにつけるのはこんな感じでいいのかな? このペースだと年内完結は厳しそうかな・・・ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/799
802: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/05(水) 00:48:08.18 ID:UKvbLhLz0 -side 智葉- -南1局2本場 -親 天江衣 -ドラ 中 -7巡目 「ここまで重たい空気が漂ってるね。ほとんどの生徒がツモ切りを繰り返している!」 「手が進んでいるのは、一発目に赤ドラを切った姉帯さんの国士だね。でも残りの牌が少ないから厳しいかも☆」 先ほど、姉帯が挑発して天江が速攻高打点にスタイルを切り替えると思いきや、まだ海底支配のままということだろうか? 私なりに海底支配を研究するに、手なりでは無理だが国士を狙えばテンパイはできたという局面は何度かあった 姉帯の一打目の赤ドラ切りも、その決意の現れということだろう 逆に赤を抱えたままの3人ともが手が進んでいないというのはなかなか皮肉なものだ だが、海底支配が続行しているというなら、天江の手まで進まないというのはいささか理解に苦しむが・・・ 「さあ、ここで石戸霞が南をツモってきてダブ南を暗刻にした!」 「姉帯さんはまだ南を引いてないから、これでちょっと苦しくなったかな。あと南と一萬がほしいんだけど・・・」 ここでようやく石戸が有効牌を引いたか そして次の、大星のツモ 「ああっと、そして最後の南が大星淡に渡ってしまったー!」 「うーん、これで姉帯さんの上がりは消えたかな・・・」 生牌だが、大星はノータイムでツモ切りした 『ポン』 ・・・は? モニターの向こうから、意味のわからない発声がする 「ええっと、なぜか石戸霞が南をポンした!」 「これはちょっと解説不能かなー☆彡」 霞 手牌:一一五(赤)EF3356東南 南-南南 打:東 ・・・なんだこれは 思考をフル回転させる オカルトに対応するために、デジタルに対抗できるのはとにかく考えることしかない 「さって、はやりんがさじを投げちゃったので、ここは智葉っちに重厚な解説をお願いしよう!」 「私にも理解は出来ていませんが・・・」 それでも、なんとかバラバラの思考をつなげて言葉に置き換えていく 「天江の海底支配への警戒、というのは考えられます」 「というと?」 「ポンやチーは、誰がか鳴ける牌を切ってくれた時にしか鳴けません。けれど、加カンに限っては自分の好きなタイミングでカンすることができ、なおかつ海底をずらすことができる」 そこまでする必要があるのかどうか、正直よく分からないが・・・ 「そしてカンが必要なければ、ほぼ安牌として切ってしまえばいい。そういう対応が考えられるかと」 「おお、さすが智葉っち。もう解説は智葉っちで十分だから、はやりん帰ってもいいよ」 「さすがに泣いちゃうぞ☆」 まったく、久もよくこのいい加減な空気に長々耐えられたものだな 「ただ・・・」 そう、その対応には問題がある 「あの姉帯の国士気配は石戸も感じているはず。加カンをすれば槍槓がありえる、そのリスクを背負ってまでカンする権利を保有しておくべきなのかどうかは疑問ですね」 そう、もし石戸が普通に上がりを目指すなら、あんなポンは手の中にリスクを抱えるだけで意味がない ・・・・石戸、お前はもしかして 勝つ気が、ないのか? http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/802
803: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/05(水) 00:49:28.11 ID:UKvbLhLz0 -side 洋榎- 「絹ー、おるんかー、返事せー」 絹恵の部屋までやってきたうちは、ドンドンとノックをする しばらくして、絹が部屋から出てきた すでにパジャマに着替えて、コートを羽織って出てきた ふむ、なかなかに芸が細かいな・・・ でもな、顔色まではごまかせてへんで 「お姉ちゃん、どないしたん・・・」 「副将戦を病欠やって、電話にもでんから心配したんやで」 「あ、ごめんなさい。寝たくて電源切ってたわ」 「まあとりあえず無事ならええんや、あがるで」 絹に文句を言われる前に、うちはさっと部屋にあがってしまう 「ちょ、お姉ちゃん。部屋散らかってるから堪忍してや」 「知らん、普段から片付けしとけ」 適当に転がっていたクッションの上に陣取る 座ってしまったうちを見て、絹はため息をついた 「まあええけど・・・。なんか飲む?」 「病人がいらん気遣いすな。とりあえず寝とり」 そう言われて、絹はしぶしぶコートを脱いでベッドに横たわった 「なー、絹。ひとつだけ確認させてくれ」 「・・・なに?」 「逃げたんか、宮永から?」 「・・え?」 ポカンとした表情を浮かべて、視線をあちこちにさまよわせる絹 はぁ、もう。言い訳考えようとしてるのバレバレやで 「いや、だから体調が悪くて仕方なしに・・・」 「良子ちゃんから聞いた。仮病なんやろ?」 「な、誰にも言わへん言うてたのに」 そこまで言って、絹がしまったと目を見開く。まあ、そこに至る以前にバレバレやったけども・・・ 「良子ちゃんに殴りかかる勢いで迫ったら自白してくれたんや、良子ちゃんは悪ないで」 一応フォローはしておこう あっさり教えてくれたこと自体、訳があるのかもしれんし。実際、体調を崩しましたって言われてもその場では納得できなかっただろうし 「そうなん・・・そうなんやね・・・・」 深くため息をつく絹 「昨日な、赤阪先生に放課後呼び出されてん。そしたら、戒能先生に頼んで病気扱いにしてもらえるけどどうするって聞かれて・・・」 「それで、OKしたんか?」 絹はベッドから起き上がり、小さくうなづいた 「だって、私が出てもチャンピオンには敵わへん・・・・。先生も、漫ちゃんを打たせてあげたいって言うたし。クラスに迷惑かけられへんやん、2年の強い人ばっかり集まってるクラスで、私のせいで負けたって言われるのが・・・・怖かった」 はあ、まったく 豆腐メンタル極まれり、やな・・・ 同じ血を引いとるとは思えんわ。性格といい、その、胸といい・・・ 「ええか絹、うちは卓につく前に負けるかもなんて考えることなんてない。そりゃうちかて宮永にはそうそう勝てへん。それでも、絶対に次は勝っちゃるって向かっていくんや」 「それはお姉ちゃんが強いからや。私なんて全然やもん・・・」 「そんなこと言っとるうちは強くなられへんで」 「・・・・せやけど」 うつむいてしまった絹 しょうがない、我が身を切るか・・・ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/803
804: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/05(水) 00:50:03.04 ID:UKvbLhLz0 「なら言うとくけどな。今日のうちは、ボロクソに負けたんやで」 「・・・え、お姉ちゃんが? 小蒔ちゃん?」 試合内容知らんかったら、そう思うのも仕方あらへんか あの寝とるときの神代はすさまじかったけども、基本的に怜が勝手に振り込みしとるだけで、負けたっていうよりは蚊帳の外って感じやった 「ちゃう。由子や」 「え、真瀬先輩・・・・。なんで、真瀬先輩出てないはずやん」 「怜が倒れて、途中交代で由子が出てきたんや」 普段なら由子に負けるなんてことあらへん でも、あのときだけは違った 「由子の方が、クラス対抗戦に賭ける思いが強かった・・・。感情論なんかで麻雀の強さなんて語られへんのかもしれんけど、今日ばかりは痛感した。うちのクラスは心がバラバラやったし、由子のクラスはまとまってた。その差が出たんや」 絹は黙って聞いている 試合を見とらんかったら伝わらへんかもしれんけど、それでもこれだけは伝えたい うちはお姉ちゃんやからな 落ち込んどる妹を、ほっとくなんてできへんのや。こんなん、柄やないとは我ながら思うけどな 「だからな、絹。クラスに迷惑かかるって考えるよりも、クラスのためにやったるって考えんとあかんのやで。それがひいては、自分の強さになるんや」 「でも、怖かってん・・・」 絹は俯いて、肩を震わせる うちは絹の隣に腰掛けると、肩に手を回した 「誰も見てへん。泣くだけ泣いて、全部はきだしや」 「う、ううっ。お姉ちゃん・・・・」 そうや。それでええ 全部涙で流し出して、もっと強くなるんやで、絹 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/804
805: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/05(水) 00:51:13.10 ID:UKvbLhLz0 -side 霞- -南1局2本場 -親 天江衣 -ドラ 中 -17巡目 さて、そろそろ頃合かしら 衣 副露:白-白白 A-AA 霞 手牌:一一五(赤)EFG456南 南-南南 ツモ:H 結局この赤ドラはまったくくっつかなかったわね・・・ そして天江さんが2鳴きして今は海底コース これが私のラスヅモ 残る牌はあと3つ。でも、この南をカンすれば海底牌がずれて姉帯さんが海底になり天江さんにまでは回らない だからここで私がカンするのは、多少リスクがあれど仕方ないこと もちろん姉帯さんに国士の可能性があるのは見えている 場に見えている牌からも、国士の可能性は消えていない、それでもやはり天江衣の方が怖かった そういうことにしておけばいい 普通に南の暗刻落としの方がよかったかしら? でももう仕方ない、開き直ろう 「カン」 そういえばこういう時の格言があったかしら 「南槓に上がり目なしだよー」 姉帯さんの手牌が倒れる ふふ、そうでなくては困るわ 「ロン、国士無双。32600」 「あらあら」 「わーお、トヨネやるぅ」 「くっ、衣の親が・・・」 姉帯さんに点棒を出す これでまた姉帯さんのトップ 巴ちゃんはおそらく私が姫様のいる2−10を勝たせようとしているのではないかと誤解していたようだけど・・・ 私は確かにクラスの勝利なんて目指していない ただ、こんな風にクラスをバラバラにされてしまって、私も黙ってはいられない だから・・・3−1を勝たせてあげるのよ 多少、強引にでもね それが、私にできるせめてもの抵抗 南2局は自分の親だけど、当然上がる気はない そのつもりだったけど、上がる気がないときに限って手が入るもので、一応1000オールのツモ まあ、完全に上がらないのも不自然かもしれないから、安手であがって良かったのかもしれない 南2局1本場 今度は天江さんに3100、6100でツモ上がりされる http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/805
806: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/05(水) 00:51:43.49 ID:UKvbLhLz0 そして南3局 そろそろ、様子見は終わりかしら? 「ふふふ・・・」 大星さんが不敵な笑みを浮かべる 「10局も様子見しちゃったよ」 ぐーっと両腕を伸ばし背伸びをする大星さん あら、経過した局数を数えてるなんて意外と几帳面なのかしら 「テルが1局様子見してあの強さならさ・・・10局様子見した私は、テルの10倍強い!」 ・・・・その理論はどうなのかしら 「教えてあげる。海の底なんかより、星の海の方が遥かに広くて美しいってことをね!」 さて、それじゃあお手並み拝見と行きましょうか 大将戦前半戦 南3局開始時点 天江衣(2−10) 137600 石戸霞(3−2) 50500 大星淡(1−5) 66000 姉帯豊音(3−1) 145900 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/806
807: ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/05(水) 01:00:00.40 ID:UKvbLhLz0 今日はここまで とりあえずガンガン発売前までになんとか淡の能力発動まで持っていかねば・・・ 流石に今月号ではお披露目になると思うので まあ、もっとも「次号、大星淡がその実力を魅せる」って感じで終わるかもしれませんが 今回のあわあわ理論は、1円に笑うものは100円で100倍笑える理論を採用しています 一応スレタイのSSの大七星とは違う感じにしてみました http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/807
811: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/07(金) 00:48:56.87 ID:lKLUF5XA0 -side 憧- -南3局 -親 大星淡 -ドラ 五萬 「まったく、ようやく本気出したか・・・」 淡が強いのはわかってるけど、流石にこの点差じゃいささか不安になる 淡 配牌:ABCD89白白白発発中中中 「いつもいつも、ほんとに偶然が続きますね・・・」 そうは言っているものの、和も内心ではもうそういうものだと思っているんじゃないだろうか 10局様子を見たから、ストックは20飜か で、この局は小三元で4飜。まあ4飜で役満狙えるからお得よね ――淡の能力、ビッグバン 様子見の局数×2飜をストックできる。ただし、様子見する局はテンパイの機会を得てはダメ。だから基本的には二向聴以下に抑えておかないといけない そして様子見から、一気に爆発する。何もなかった空間から、突如宇宙が誕生したかのように 淡は配牌にストックした飜数以内の役を仕込むことができる 例えば小三元なら4飜(厳密には、小三元・白・中、の4飜だけど) だから配牌は確定小三元がすでにセットされて聴牌している でも制約もあって、同じストック内で同じ役は使えない だから一度混一を指定したら、もう混一は指定できない あと役満は指定できない。ストックが13飜以上あっても、あくまで数え役満になるように役を指定するしかない いつもならダブルリーチでド派手に決めたいところなんだろうけど、姉帯さんがいるから流石に自重したかな? リーチの必要のない小三元をセットしてきた。発がすぐ鳴けるかどうか、か 淡の第一打は、8ソウ 手広く受けれるピンズを残して、発の鳴きを待つつもりだろう まだ発は他の誰の手牌にも無い。早いところツモれればそれが一番いいんだろうけど 「残り2枚の発のありかが問題だね・・・」 「あ、でも張り返した」 咲が心配そうに呟く しずはそれほど心配はしてなさそうだった なんだかんだいって、こういう逆境のときのしずは頼りになるんだな 淡の次のツモはAだった。これで発とAのシャボ待ち。A出上がりでも混一小三元で親っパネにはなる。ツモなら三暗刻が付いて倍満 ま、当然ダマだわよね・・・ そう思っていた でも淡は点棒を取り出す 「ちょ、淡、まさかリーチするの!?」 「追っかけられるんじゃ・・・」 そんな咲の心配なんてお構いなしに、淡は9ソウを横にした 『さって、お試しリーチ!』 お試しじゃないわよっ。点差どれだけあると思ってんの!? その手潰されたらどうすんのよ!! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/811
812: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/07(金) 00:50:13.09 ID:lKLUF5XA0 -side 豊音- うう、2巡目リーチかー 豊音 手牌:五七BCEF13889南西 ツモ:D(赤) まだこっちの体勢が整ってないんだけどー リーチしてくれたから先負が発動する だから有効牌が来やすくなるけど、それでもまだ少なくとも2巡はかかる すぐには追いかけられない・・・ とりあえず字牌も危なさそうだから現物 打:9 「あれー、追いかけてこないのー」 何も答えられない さすがに2巡目リーチに対応できるほどのスピードはないよー 「ふふ、流石にこれだけ早いとすぐには追っかけリーチできないってことだね」 続く天江さんも、石戸さんも静かな打牌 「あはは、もたもたしてるとツモっちゃうよ」 そして大星さんがツモってきたのは、Aピン 「ツモ。リーチ一発ツモ、混一小三元三暗刻。ちぇ、裏は乗らないか、三倍満で12000オール」 ドラが1つでも乗れば数え役満だった・・・・ たった3巡でこの高打点、ちょーこわいんですけどー うーん、これどうやって対応しようか・・・ 大安を使っても、大星さんの親が続くだけで根本的な対策にならない 赤口かなぁ・・・ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/812
813: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/07(金) 00:51:08.60 ID:lKLUF5XA0 -side 淡- -南3局1本場 -親 大星淡 -ドラ 九萬 あはっ、どんどん行くよー 久々に20飜もストックしちゃったから、役の組み合わせをうまく考えないとね 淡 配牌:@ABCDEFGH5(赤)9東東東 今度は一通役牌の3飜。残り13飜 もちろんこの手でいきなりダブリーはかけない ピンズなり字牌なり持ってこればすぐに染まるからね、それで満貫確定。だったら焦る必要なんてない それに今の私なら、星の重量に引かれるようにどんどん牌が集まってくるんだから 打:5(赤) -side 豊音- えー、第一打であっさり赤切られたんですけどー まさかもう見切られたのかな? いや、さっきはちゃんと国士狙いってことで偽装できてたハズだし だからきっと大星さんも国士狙いか、あるいは染手とかで浮いてる赤は完全に不要だったってことかな・・・・ なんにせよ赤口も不発か・・・ あれだけ手が早いと赤が1枚浮いていればさっくり捨てちゃうよね うーん、この局は赤かかえて心中するしかないなぁ・・・ 意味もなく赤を一打目に切るとそれこそ赤口もバレちゃうかもだし 「リーチ」 また大星さんが2巡目リーチ 赤口は完全に失敗だったかなー。大星さん以外誰も赤切ってないからみんな手が遅いだろう。かえって大星さんをアシストする形になっちゃったよー 一発はなかったけど、4巡目 「ツモ。リーヅモ混一東。親っパネで6100オール」 うーん、これは私じゃちょっと止めるの無理かなー 早すぎて追いかけられないよー ポン材集めて、できるだけ大星さんにツモを回さないようにするくらいしかできないかなー うまいこと友引であがれればいいけど・・・ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/813
814: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/07(金) 00:53:05.06 ID:lKLUF5XA0 -side 小蒔- -南3局2本場 -親 大星淡 -ドラ 4ソウ 「霞ちゃん、どうして・・・」 あの南ポンからの加カンでの放銃 いつもの霞ちゃんならあんな打ち方は絶対にしない 本気を出したくて、恐ろしいものの許可をもらったんじゃなかったの・・・ 「心配なん、小蒔ちゃん」 憩ちゃんが私の顔を覗き込む 「ご、ごめんなさい。衣ちゃんの応援しないといけないですよね」 「部活の先輩が気になるんは別にええんよ。うちかて、部活の先輩とか出てたら気になると思うし」 モニターを見る。今は1年生の大星さんが、今まではテンパイすらできなかったのが嘘のように凄まじい追い上げを見せている 淡 配牌:一一九九@@HH11北北白中 打:白 「この子、さっきから配牌でずっとテンパイしてるよ・・・・」 玄ちゃんが驚くのも無理はなかった この大星さんの親になってから、これで3回目の配牌でのテンパイ これは、混老頭七対子。でもさっきから配牌での役をさらに伸ばして和了している ならこの手、混老頭のその先へ手を伸ばすはず。清老頭、役満まで・・・・ でも衣ちゃんも負けてはいない ドラの暗刻を抱え、次巡大星さんが切った中をポンして一向聴 3年生の2人はまったく追いつけていないから、実質2人だけの戦い そして6巡目 淡 手牌:一一一@@@HH11 九-九九 ツモ:A 衣 手牌:AAA五五五(赤)4445(赤) 中-中中 大星さんのツモ番 衣ちゃんが暗刻で持っているAピン 『あーあ、これ掴んじゃったかなー』 と言いつつ、あっさりと大星さんはツモ切りした。流石に役満テンパイで降りるという選択肢はなかったのだろう 『カン』 モニターの向こうの衣ちゃんがAの暗刻を倒す 「大明カンか・・・」 「これでツモなら責任払いだよね」 憩ちゃんと玄ちゃんも少し驚いたようだった カンしなければ、5ソウで和了の時に三暗刻が付く。わざわざカンするのは、ドラが乗らない限り手を下げてしまう それに、衣ちゃんの支配は王牌には及ばないはず リンシャンをツモできる保証はない・・・ 「衣ちゃんも必死や。あの大星、それほどにヤバイ」 そう、保証がなくても責任払いを狙った。少しでも点数を減らしておかないとまずいという判断だろう もっとも、それを衣ちゃんに直接聞いても認めないだろうけれど でも、その必死さが功を奏した 『ツモ、リンシャン・中・ドラ5。12600、責任払いだ』 『あーあ、親が流れちゃった』 なんとか大星さんの連荘はストップできた これでまた衣ちゃんが逆転して1位 そして霞ちゃんとの点差はもう10万点近くになってしまった 「霞ちゃん、どうして・・・」 また同じ言葉を呟く だって、こんなに点差が開いてもおそろしいものを降ろさないなんて 全力を出してください、霞ちゃん・・・ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/814
815: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/07(金) 00:54:08.10 ID:lKLUF5XA0 -side 菫- -南4局 -親 姉帯豊音 -ドラ 白 前半戦もオーラスか トップの天江と、石戸の点差は10万点近い なぜだろう 妙に胸の奥がざわざわと、居心地が悪い ふと清水谷を見ると、そわそわと落ち着かない様子だった ・・・もしかして、私と同じ気持ちになっているのだろうか? 「なあ、清水谷」 「ん、どうしたん?」 「どうした、そんなにそわそわして?」 「・・・・弘世さんもそんな感じやで」 指摘されて、私も清水谷と同じようにそわそわしていたのかと驚く 「どうかしたん?」 清水谷の隣にいる園城寺が尋ねる 清水谷は肩をすくめた 「いや、分からへんねんけど、なんか落ち着かないっていうか、胸の奥がざわざわするっていうか・・・」 「あー、そりゃあ自分たちのクラスがこんなに断ラスやったら、そうなるんちゃう?」 そうなのだろうか・・・ いや、そうなのかもしれないな・・・・ 「あー、そんなもんかな」 「なんやかんや言っても、自分のクラスやん」 いまいち腑に落ちない様子の清水谷 まったく、ここまで追い詰められてようやく自分のクラスという自覚が湧いたとでもいうのだろうか・・・ 我ながら現金だな・・・ 決勝に至るまでは、当たり前のように勝ってきた 決勝になっても、副将戦までは最下位になることはなかったはずだ だからこれまで、危機感を抱く場面なんてなかった むしろ望みもしない勝利をこのまま得てしまうんじゃないかくらいのことを、心のどこかで思っていたのだろう けれど、現実としてこの圧倒的な点差 常識的に考えて、残りおおよそ1半荘だけで逆転など無理な話 目の前に敗北を突きつけられて、ようやく・・・ 「・・・そうだな。なんだかんだ言っても、自分のクラスだ」 モニターを見る 相変わらず、淡は配牌でテンパイしている 清一タンヤオ三暗刻。ツモれば三倍満にまで届く さっきは清老頭にまで手を伸ばそうとして天江に阻止されてしまったが、欲張らなければ早々に淡がツモ上がりするだろう http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/815
816: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [sage] 2012/12/07(金) 00:55:02.43 ID:lKLUF5XA0 「失礼します」 ご丁寧にドアをノックする、突然の来訪者 「福路・・・」 同じクラスの福路美穂子だった 彼女もやはり落ち着かない様子だった 「福路さん、部活の後輩と試合見るって言ってへんかったけ?」 「いえ、見ていたんですが・・・。どうも落ち着かなくて」 「福路も同じか・・・」 「え、同じって?」 「なんだかんだ言っても、自分のクラスがここまで負けていたら落ち着いてはいられないさ」 ようやく合点がいったという表情を見せる福路 そうだろうな、自分では気づけない。それほどに麻痺してしまっていた、自分たちのクラスという感覚 『大星淡、三倍満ツモー! これで一気に1位浮上だーー!』 『抜きつ抜かれつの攻防が激しくなってきたね☆』 『これで前半戦終了。残るは後半戦の1半荘のみ、最後に栄光をつかむのはどのクラスか!!』 ちょうど前半戦が終わったようだ 「福路、清水谷・・・・。行こうか、石戸のところへ」 「せやな。最後くらい、ちゃんとしよか」 「そうですね」 福路も頷く いまさら行って頑張れというのも、虫のいい話かもしれない それでも、言わずにはいられない・・・ 「そうだ清水谷。愛宕の電話番号は知っているか?」 「知っとるけど」 「まあこちらには来れないだろうが、一応連絡だけはしてみてくれ」 「ああ、わかった。じゃあ怜、ちょっと行ってくるな」 園城寺に手を振って、清水谷も教室を出た 大将戦前半戦終了 天江衣(2−10) 126100 石戸霞(3−2) 26400 大星淡(1−5) 131700 姉帯豊音(3−1) 115800 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/816
817: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/07(金) 00:58:35.50 ID:lKLUF5XA0 あれ、sageになってた・・・ とりあえず最後にあげつつ、今日はここまでです 流石にこのあわあわはチートすぎるとは思いますが、淡ならこのくらい平然とやってのけるはず なにせテルの10倍強いんですから(自称) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/817
824: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/09(日) 22:08:45.77 ID:QTE/C41y0 -side 霞- 残りは26400点 ずいぶん削られたものね でも自分の点棒にはそれほどの意味はない ただ0になってしまえば対局が終わってしまう いや、それさえも、3−1が勝つためなら失ってしまっても構わない 誰も、3−2の勝利など望んでいないのだから 「じゃ、後半もよろしくねっ」 大星さんがそう言って対局室を出ていく それに続いて、姉帯さんと天江さんも出ていった 私には帰る場所はない 本当に、どうしてこんなにバラバラになってしまったんだろう 宮永照を倒すために集められたなんて話を耳にしなければ、普通に接することができていたんだろうか? 今となっては、そんな仮定に意味はないけれど しばらく座っていると対局室の扉が開いた もう誰か戻ってきたのだろうか? 「霞ちゃん」 入ってきたのは小蒔ちゃんだった・・・・ 「あらどうしたの? 天江さんならもう出て行ったわよ」 その瞳を見れば分かる 小蒔ちゃんの目的が天江さんではないことなど 「違います。私は霞ちゃんに会いに来ました」 「あらそうなの?」 言いたいことなんか分かっている 悟られないように支援するなど、この大将戦の面子では至難。結局バレてしまったのだろう、私が勝つ気がないことは 私はこれ以上小蒔ちゃんの瞳を直視できなかった 「どうして本気で、全力で戦ってくれないんですか!」 小蒔ちゃんにしては珍しく語気を荒らげる 「みんな強くてね。これでも頑張ってるんだけど」 それでも、私はとぼけ続ける 分かっている、こんなのはただの現実逃避 でもその退路を、小蒔ちゃんはどんどん塞いでいく 「嘘です。あの南のカン、普段の霞ちゃんなら絶対にしません」 「あれは天江さんの海底を警戒して・・・」 「本当に、国士よりも警戒すべきでしたか?」 国士を狙っているのは分かっていた ほぼ張っているのも分かっていた 国士振り込みと天江さんの海底の両天秤、しかし天江さんはあの時親番だった。連荘警戒はありえない範囲ではないはず そう理論武装するつもりだった でも、小蒔ちゃんの視線はまるで私の心の奥底まで見透かしているような力に溢れていた 私が押し黙ると、小蒔ちゃんは続ける 「答えてください。どうして全力を出さないんですか?」 ここで答えていいのだろうか? 宮永照を倒そうとする大人たちへの、せめてもの当てつけです・・・などと http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/824
825: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/09(日) 22:10:42.97 ID:QTE/C41y0 私が逡巡していると、再び対局室の扉が開いた 「先客がいたか」 入ってきたのは、弘世さん、清水谷さん、福路さんの3人。みんな、3−2のクラスメイト 「どうしてここへ?」 そんな言葉が出てくること自体、普通の感覚は麻痺してしまっているのだろうと思う クラスメイトが対局室に来るなんて、本来なら応援くらいしかないのに 「今さら虫のいい話かとは思うが、激励にな」 弘世さんの答えに、私は戸惑う 本当に今さら・・・ でも、どうして今になって・・・ 「これだけの点差をつけられて、ようやくクラスの危機を自覚したというか。吊り橋効果みたいなものなんだろうがな」 弘世さんの後ろにいる2人も小さく頷く でも、いいの? 一番辛いのは、ずっと宮永さんと戦ってきた弘世さん、あなたじゃないの? 「上の思惑など分からない。だがな、石戸・・・お前が手を抜けば仮に3−1が勝っても譲られた勝利と思われても仕方ないだろう」 「せっかくここまで来たんやし、やるからにはやっぱり勝ちたいわ」 「そうですね。少なくとも、できることはすべきです。本当は、もっと早くに気づかないといけなかったんでしょうけど」 3人の言葉が胸に染み渡る 4日間戦ってきて、ここまでみんながまとまっていたことがあっただろうか・・・ 私だって、真剣に戦えるものなら戦いたかった でもクラス編成にまで口を出して宮永さんを倒そうとする何者かの思惑が、そんな思いに水を差す 「あ、せや。洋榎に電話せんと」 清水谷さんが電話をかけ、一言二言話すと携帯電話を私に差し出してきた 「洋榎からやで」 電話を受け取る 「もしもし、石戸ですけど」 『おお、石戸か。なんか派手にやられとるようやん』 「申し訳ないわ」 『謝らんでもええ。むしろ謝りたいのはこっちやわ』 「なんで愛宕さんが・・・」 『余計な茶々入れられたもんも、結局全部お前に押し付けてまうんやからな』 私が二の句を継げないでいるのにお構いなく、愛宕さんは続ける 『今さら勝ってくれとは言わん。ただ、訳のわからん大人達の思惑に潰されんでくれ。うちが今日不甲斐なかったんも、結局ひん曲げられた思いのままで打っとったからや』 「愛宕さん・・・・」 『そっちに直接行けんくて悪かったな』 そう言うと、一方的に電話が切られてしまった はあ、まったくせっかちね・・・ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/825
826: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/09(日) 22:11:21.57 ID:QTE/C41y0 「あの・・・」 ここまで沈黙していた小蒔ちゃんが、ようやく口を開いた 「クラスで何があったのかはよくわかりませんが・・・みなさんも、霞ちゃんに全力で戦ってほしいってことですよね?」 振り返り、弘世さんたちの方を見る小蒔ちゃん 3人も頷いた 「ですから霞ちゃん、全力を出してください。必要なら、全力以上でも構いません」 「・・・・それは」 恐ろしいものを発現させること自体は想定していた ただ、絶一門をすると姉帯さんへのアシストがしにくくなるから自重していた しかし、自分が勝つ方向で戦うなら、アシストという足かせが無くなる でも、全力以上となると話は別だ・・・ 「小蒔ちゃん。気持ちは嬉しいけど、全力以上には踏み込んではいけないわ」 「構いません、許可します」 真剣な表情で私の瞳を見つめる小蒔ちゃん はぁ、普段はぽやぽやしてるけど、こういうときの小蒔ちゃんは言っても聞かないものね・・・ 「分かったわ、必要なら使わせてもらうわ・・・」 「はいっ」 小蒔ちゃんが嬉しそうに大きくうなづく でも、極力使いたくないのだけれどね・・・ 「話はまとまったん?」 「そろそろ時間なので行きましょうか」 「石戸、悪いが後は頼む」 弘世さんたちが出ていくのを、手を振って見送った 「じゃあ私も行きますね」 「ありがとうね、小蒔ちゃん。でも、私なんかより、天江さんを応援するのよ」 今は、私と小蒔ちゃんは敵同士なんだから 「いいえ、私はどっちも応援します」 「・・・・そうね」 まったく迷いなくそう答える小蒔ちゃんに、私もつられて微笑んだ 小蒔ちゃんはそういう子だものね・・・ 分かったわ小蒔ちゃん。必要な場面は必ず来るから、そのときは、全力以上であたらせてもらうわ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/826
827: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/09(日) 22:12:36.86 ID:QTE/C41y0 -side 咲- オーラスで淡ちゃんが逆転した 連荘を止められたときはちょっとヒヤリとしたけど、やっぱり淡ちゃんは強いな 「一時はどうなることかと思いましたが、とりあえずはトップに立ちましたね」 今でこそ落ち着いているけれど、配牌でのテンパイをくずしていく淡ちゃんに和ちゃんはブツブツと文句ばかり言っていた まあ流石に混老頭七対子を清老頭にまで持っていくのは私も無理があるとは思ったけど・・・ 「よしっ、これで行けるね。後半戦はノーテンリーチも必要ないだろしね」 「そう上手くいくかなぁ」 穏乃ちゃんは楽観的に喜んでいるけれど、憧ちゃんは穏乃ちゃんほどには喜べないようだった 「姉帯さんの手の内はだいたい分かってきたけど、まだあの石戸さんって人はハルエが言ってた強制絶一門を使ってないしね。後半戦はもっと動きが激しくなると思うよ」 天江さんの打ち方は、去年担任だった赤土先生のおかげでだいたい分かっている 石戸さんに関しても、これまでの学校で打ってきた配譜なども残っているし、その中で強制絶一門を大きな大会の勝負どころで使っていることも確認できた。問題はいつ使うか、ということだろう そして姉帯さん。リーチに対して支配力を発揮する人なんだろう でも、本当にそれだけでお姉ちゃんが大将に据えるんだろうか・・・・ そこに淡ちゃんが帰ってきた 「ただいまー」 「おかえり、淡っ」 穏乃ちゃんが出迎える 「このまま優勝いけるよ」 「当たり前じゃん、後半もどんどん稼ぐよ」 自信満々の淡ちゃん。私も、淡ちゃんの半分でも自信が持てればいいんだけどな 「まったく、ノーテンリーチとか何を考えているんですかっ。あれがなければもっと稼げてましたよ」 「えー、あれは情報料としての必要経費だよー。あれでだいたいトヨネの特性掴めたんだしさ」 「追っかけたら振り込ませるとか、そんなオカルトありえません」 「ま、後半戦が終わったらノドカは、そんなデジタルありえませんって言うようになるから」 和ちゃんは相変わらずだなぁ・・・・ 私も、むやみに明カンなんてしてはいけませんって言われるし でも、見えるんだからしょうがないよね・・・ 「淡、まだ油断はできないよ。石戸さんはまだ強制絶一門を使ってないし、他の二人だってこのまま終わるわけがない」 「んー、大丈夫だよ、最後に勝つのは私だから」 「でも淡ちゃん、私も3年生の2人はまだ何かあると思うよ」 「サキが言うなら、そうなのかなー」 「ちょっと、私が言っても聞かなくて咲なら聞くとかどういう了見よ」 「あはっ、日ごろの行いの差?」 常に自分が勝つと思って戦う強さと・・・・ 常に自分が負けるかもしれないと思って戦う強さと・・・・ 一体、どちらの方が強いのだろう そこに優劣がなかったとしても、違う強さを持つ人たちが卓を囲めば、勝者は1人だけ そんな強さの激突から、私はずっと逃げてきた でも、今日からはそんな誰かの強さと向き合っていかないといけない、そう決めたから 「淡ちゃん、勝ってね」 「私が負けるわけないじゃん、そんなに心配しなくたって大丈夫だよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/827
828: tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U [saga] 2012/12/09(日) 22:13:43.03 ID:QTE/C41y0 -side 憩- 「すまないな、後れをとった」 「まだ十分巻き返せる点差やから大丈夫やよ」 教室に戻ってきた衣ちゃんは、思っていたよりは落ち着いていた 「あの大星の東場のリーチは、やはりノーテンリーチだったのか?」 「うん、そうだよ。っていうか南場の親になるまで、ずっと意図的に二向聴に抑えてる感じだった」 「そうか、なら大丈夫だ。衣の感覚がおかしくなったのかと、雑念に囚われすぎたようだな」 玄ちゃんが答えると、衣ちゃんは納得したように頷いた 衣ちゃんは感覚で相手が張っているかどうか、手の高さが分かる ノーテンリーチをかけられたら、張っていないのにリーチがかかってきているわけで感覚を疑っても仕方ないことだった 初見の相手ということで、少し慎重になっていたのかもしれんな でも、あの大星ももうノーテンリーチはしてこないだろう あれはあくまで姉帯さんの手筋を探るためのリーチやったろうしな ここからは様子見無しやろ 「そういえば小蒔はいないのか?」 「小蒔ちゃんなら対局室に行ったよ」 「そうか、衣が厠へ向かっている間にすれ違ったか」 衣ちゃんに会いに行ったわけではないけど、ここは黙っておこう 「衣ちゃん」 今までうつむいていた漫ちゃんが顔を上げた また笑ってしまうかと思ったけど、予想以上に真剣な表情でさすがに笑うのはためらわれた 「勝ってな。もし負けたら、私と同じことしてもらうで」 「ふ、そんな憂いは必要ない。全力で行く」 そうや、衣ちゃんが全力やったら負けるはずあらへんよ まだ日が落ちるには早いけど、今日は満月に近い。力が充実しとるはずや http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343752471/828
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