[過去ログ] 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】 (1002レス)
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299: tell you that I love ... (2) [saga] 2012/08/26(日)16:32 ID:/HMmGune0(4/5) AAS
いろんな人に聞いて、美術部にたどり着いたのはあれから40分以上かかってしまった
この学校、生徒が多いのは分かるけど広すぎる・・・
「失礼します」
ノックして中に入ると、一人が椅子にぽけーっと座っていて、それを取り囲むように4人がスケッチをしてした
その4人の中に、姉帯さんと臼沢さんがいた
「デッサン中だから静かにっ」
「あ、ごめんなさい」
姉帯さんの隣に座る、ひときわ小さな子に注意された
姉帯さんは2mくらいだけど、この子は130センチくらいしかないんじゃないだろうか。とても同じ高校生には見えなかった
「ダルい・・・・休憩しよう」
真ん中に座っていた子が、そう言って姿勢を崩した
「シロ、勝手に休憩しないでよっ」
「お客さん来たし、いいでしょ?」
崩した態勢を変えようとしないので、小さな子もため息をついて鉛筆を置いた
「いいよ、10分休憩。で、用件は何、チャンピオン」
「ああ、クラスのことで姉帯さんと臼沢さんに話したいことがあって」
「・・・なら、隣で話して、ダルいから」
ダルいという理由はよく分からなかったが、3人で話せるならその方がいい
「ありがとう。いいかな、姉帯さん、臼沢さん」
「いいよー」
「っていうか、私は必要なの?」
姉帯さんは気楽に返事をしてくれているが、臼沢さんは戸惑いを隠せていない
圧力でなければ、何を思っているのかは思い当たるけれど・・・
「うん、お願い」
そして3人で、隣の準備室に入った
「まあ、分かってるとは思うけど、クラス対抗戦の話。2人に出てほしいと思ってる」
「塞と一緒にー、やったー。もちろんいいよー」
姉帯さんはあっさりそう答えてくれる
「ちょっと豊音、勝手に決めないでよ」
「どうしてー、ちょー楽しみだよー」
「だって私は・・・」
「もう塞げない、から?」
彼女が、特定の相手の手を塞ぐ力を持っているのは、いや、持っていたのは分かっていた
そしてそれが、冬の個人戦を境に使えなくなってしまっていることも
「知っているのね・・・いや、見抜いちゃうんだっけ」
「え、塞げないってなに?」
転校してきたばかりの姉帯さんにはよく分からない話なのだろう
「ちょっと調子に乗りすぎてたのよね。冬の個人戦、いいところまで行けて。とんでもない卓に入ってしまったのに、いけるんじゃないかと思ってしまった・・・」
天江衣・石戸霞・辻垣内智葉と同卓して、1人を塞いだところで誰かが上がる
2人同時、3人同時に塞ぐしかないと無理をした結果、塞ぐ力をそのものを失ってしまった
臼沢さんの説明を、姉帯さんは真剣に聞いていた
「塞ー。じゃあ、もう麻雀も打てないのー?」
「いや、昨日も打ったでしょうに・・・でも、塞ぐことに慣れてしまった私は、塞げなくなって目に見えて成績が落ちてる。だからクラスを代表する力なんて、私にはない」
私は、大きく首を振った
「力は、完全になくなったわけじゃない。眠ってるだけだよ」
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