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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5 (1002レス)
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332: 女と男とエトセトラ ◆W5H6Y5Rl3M [sage] 2012/01/08(日) 20:56:40.50 ID:c58ZfJOHo 真っ暗な部屋にカーテン越しに浮かぶ街灯の明かり 僅かにカーテンが揺れる度に、そこに何かが居るように感じる 冷蔵庫やエアコンの待機駆動音 僅かにその音がぶれる度に、それが何かの唸り声のように感じる 「う……ぅ……」 ベッドの上で布団を頭まで被り、目をぎゅっと瞑り耳を塞いでいても 今度は己の呼吸や心臓の鼓動が、恐ろしい程に響いてくる そんな様子で一睡もできず朝まで過ごし 窓の外が明るくなり、雀の鳴き声が聞こえ始めた頃 「繰ちゃん、朝だよ?」 遠慮がちなノックと共に扉を開いて顔を覗かせたディランの姿に、繰は安堵したようにくたりと枕に倒れこんでいた ――― 「いや、私はもう担当を外れているんですが」 「解任じゃなくて転属なら、引き継ぎをちゃんとしてくれないと困るって言伝されてきましたので」 ディランと繰が学校へと行っている時間、サキュバスは『組織』の施設でA-No.18782の後ろをついて歩き回っていた 「ディランさんと私は部署も違うわけで。色々と部署や派閥のしがらみがありますから、ずっとついてこられると色々困るんですが」 「じゃあ、繰さんについて知ってる事を全部話して下さい」 「本人に聞いて下さいよ」 「あの子、自分の事についてほとんど何も理解してないんです」 A-No.18782の服の袖をぎゅっと掴み、サキュバスは上目遣いにサングラスの下にある瞳を見詰める 「あの子、もう三日もまともに寝てないんです。卒業するのに学校も休みたくないからって、無理してふらふらのまま学校に行くし」 「あー、なるほど」 何か事情を察したように、A-No.18782が唸る 「宮定さんって、私や前任者が担当してた頃は、そりゃあもう毎晩のように敵を求めて夜の町を彷徨ってたんですがね」 「毎晩……ですか?」 「ほぼ毎晩です。今思えば、ずっと不安だったんでしょうね。寝ている間に何かあったらどうしよう、って」 「寝なくても平気……ってわけじゃないですよね?」 「学校で寝てたそうですよ。授業中の居眠りだったり、保健室や屋上だったり」 「何で、家で寝ないで学校で」 「都市伝説が騒ぎを起こさないような、昼間で人が居るところなら安心して眠れたという事でしょう。お友達も同じ学校に居ますしね」 「菊花ちゃんが居ても、そこまで……」 「ディランさんと会ってからは、随分と落ち着いていたんですがね」 その口振りから、二人の仲は充分に理解している雰囲気だ 「ディランさんに、さっさと本契約をしてもらうべきじゃないですかね?」 「あの方と本契約をするには、圧倒的に性知識と恋愛度胸が足りません。後者についてはディランさんもですが」 「……難儀な方々ですね」 「まったくです」 サキュバスとA-No.18782は、お互い肩を落として軽く溜息を吐く 「ともあれ、誰か居ないと寝られないんですから解決策は簡単じゃないですか」 「簡単?」 「あなたなりディランさんなりが、添い寝でもしてあげて下さい。手を握るとか抱き締めるとかすれば効果は充分でしょう」 「すいません、あたしは無理です」 「ふむ、そりゃまたどうして」 「今、あたしって普通の食事でお腹を満たしてるんです」 「それが何か?」 「サキュバスの本来の食事が何だと思ってるんですか! 繰さんを抱っこして寝るなんて、粗食でダイエットしてる食べ盛り女子高生の目の前にカレー皿を置くようなもんですよ!?」 「なら残る手は一つでしょう」 A-No.18782はサキュバスが掴む袖をやんわりと振り解いて、作り笑いを浮かべた 「ディランさんにお伝え下さい。頑張って下さいね、と」 ――― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/332
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