( ^ω^)はシークレットゲームに挑むようです (597レス)
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1: 2011/03/29(火)03:28 ID:Y1KGf8hw0(1/42) AAS
第一話「覚醒」
天井から、したたり落ちる水の音がした。
僕はその音と同時に意識を取り戻す。
( ^ω^)「どこだお…・・・ここは……」
状況が何も把握できない。
薄暗い証明、ボロボロになった壁、散乱した椅子やパイプ、スプリングが飛び出したベッド。
第一印象としては廃墟、というものに近い。
( ^ω^)「……?? 何でこんなところの床に寝てたんだお?」
省8
2: 2011/03/29(火)03:29 ID:Y1KGf8hw0(2/42) AAS
まわりをよく見回そうと首をひねると、引っ張られるかのような軽い違和感を覚えた
触ってみるとなにやら硬くてなめらかな冷たい金属の感触があった。
どうやら直径は2センチ程の金属が首のまわりを一周しているようで、さながら金属製のチョーカーのようだ
( ^ω^)「どォなってンだこりゃ?」
一方通行の真似をしてみた。意味は特にない。
と、そのときいきなり部屋に電子音が鳴り響いた。
( ;^ω^)「んひゅぅ!」
変な声が出てしまった。恥ずかしい///
電子音は僕のポケットから鳴っているらしい。
省9
3: 2011/03/29(火)03:30 ID:Y1KGf8hw0(3/42) AAS
俗にいうPDA、携帯情報端末というものによく似ている。手にとって見ると思ったより軽い。
ディスプレイがPDAのほぼ全面を埋めており、ボタンが一つしかないところを見るとiph○neに近いかもしれない。大きさもそっくりだ
ディスプレイに大写しになっているトランプのカードが目を引く。
裏側にもトランプを踏襲した模様があり、デザインはかなりこったものである。
PDAの側面と底面に二つ、PDAそのものより厚いコネクターがあり、無骨な印象がPDAの雰囲気を壊している。
( ^ω^)「いいデザインしているのに勿体無いお」
PDAに備え付けられたボタンを押しこむとバックライトが点灯して画面が明るくなる。
次の瞬間画面の表示が移り変わり、『ルール・機能・クリア条件』というタブが出てくる。
( ^ω^)「んー……? タッチパネルかお。まあこの形状だしな」
『ルール』の文字に触れると画面が再び変わり、画面が小さな文字で埋め尽くされた。
省1
4: 2011/03/29(火)03:31 ID:Y1KGf8hw0(4/42) AAS
ゲームのルール
1.プレイヤーには各自固有のPDAが与えられる。PDAに表示された『クリア条件』をゲーム終了までに達成せよ。
なお、ゲーム終了日時については後日通知される。
2.プレイヤーは、装着された『首輪』を外してはならない。
3.ゲームのフィールドは区画わけされた複数のエリアから構成されている。
プレイヤーは、制限されたフィールドから外へ出てはならない。
4.ゲームには複数のプレイヤーが参加している。他者のPDAの所有・使用は自由だが、
クリア条件が成立するのは所期に配布されたPDAのみ限定される。
PDAは本来の所有者がリタイアした場合、その機能の使用は一切使用不可能になる。
5.上記したルールに反しない限り、プレイヤーのあらゆる行動を許可する。
省2
5: 2011/03/29(火)03:34 ID:Y1KGf8hw0(5/42) AAS
(;^ω^)「なんだお……これ……」
ルールを読むかぎり首についている金属性の輪は爆弾、ということになるらしい。
実感がわかない。爆弾? そんなものがもし爆発したら首が吹っ飛んでしまうではないか。
首輪が爆弾、そんなことを考えているうちに首についている金属が重く、冷たくなっていくような感覚に囚われる。
(;^ω^)「ちょwwwシャレになってないおww」
信じられない。現実とは思えない。
何せ自分はついこの前まで普通の生活を送っていたのだ。
何が目的で首を吹っ飛ばすというのだ。わけがわからない。
わけがわからない、が
(;^ω^)「と、とにかく何せよ首輪をはずすのが先決だお! 本当に爆弾だとしたら……」
省9
6: 2011/03/29(火)03:36 ID:Y1KGf8hw0(6/42) AAS
(;^ω^)「クリアすれば首輪はちゃんとはずれるのかお?」
クリアすればはずれる。そう考えるのが普通だ。
頑張ってクリア条件を達成したところで首輪はとれません。爆発しますじゃああまりにも……
それにルール5を見る限りでは少なくともクリア条件を満たせば爆発は回避できそうである。
(;^ω^)「なんにせよ与えられた情報でやりくりしていくしかないお」
その時、部屋の外から音がした。
(;^ω^)「ッ!!」
省4
7: 2011/03/29(火)03:36 ID:Y1KGf8hw0(7/42) AAS
カツカツカツ……カツ
止まった。僕の、部屋の、前で
ガチャッ
ドアノブが音を発した。誰かが確実に僕の部屋のドアノブを回している。
どうする? どうすれば?
咄嗟にベッドの裏に隠れようとするが狭くて入れない。
神様……ッ!
省1
8: 2011/03/29(火)03:37 ID:Y1KGf8hw0(8/42) AAS
彼の名はドクオというらしい。僕と同じように家に帰っている途中に誰かに拉致られたのだとか。
職業は自宅警備員。志望者が後を絶たない人気職だ。
そんな自宅警備員が何故外に出ていたかというとエロゲを買いに行っていたらしい。なんともシンパシーである。
ドクオとは話をしているうちにかなり打ち解けた。
( ^ω^)「おっ! やっぱり『ぜったい絶頂☆性器の大発明!! ─処女を狙う学園道具多発エロ─』だお!
あれはいいゲームだお? 初回特典も豪華だし」
(‘A`)「いやいや、やっぱり『昼はアイドル、夜は愛奴隷! 〜今夜のマイクはあなたの性器〜』と
『中出しスパイの挿入捜査 -子宮の平和は俺が守る!-』でしょ。女性店員さんのところに
持っていって題名言わせるだけで満足もんよ。」
なかなかどうして。話がはずむものである。
省1
9: 2011/03/29(火)03:38 ID:Y1KGf8hw0(9/42) AAS
( ^ω^)「ところで、この『ゲーム』のルールは見たかお?」
(‘A`)「んあ? ああ、マジだとすると相当やばそうだな。内藤さんはあれを信じてるのか?」
( ^ω^)「んー……その内藤ってのはな。ネットじゃブーンって名乗ってるからブーンと読んでくれお」
(‘A`)「ああ、わかったブーン。で、どうなんだ?」
( ^ω^)「とりあえず今は半信半疑で保留だお。本当であっても嘘であっても今の僕らは何もできないお」
省8
10: 2011/03/29(火)03:39 ID:Y1KGf8hw0(10/42) AAS
(‘A`)「ああ、そうそう。解放といえば『クリア条件』のことなんだが」
( ^ω^)「お?」
そういえばさっきはドクオの接近に焦っていたせいでクリア条件をまだ見ていない。
(‘A`)「見てないのか? 見とけ見とけ」
クリア条件。いったいどんな要求を呑まされるのか。
省8
11: 2011/03/29(火)03:39 ID:Y1KGf8hw0(11/42) AAS
(;^ω^)「お? ど、どうしたお?」
('A`)「いやいや、こっちのセリフだそれは。クリア条件。なんだった?」
(;^ω^)「……あ、ああ。そっちはどんなのだお?」
(‘A`)「俺の? これこれ。まあ食料さえ確保できればいけそうだな」
ドクオが見せたPDAはクラブの5。条件には『開始から累計48時間以上行動を共にした人間が存在し、
且つその人間が累計48時間行動した条件を満たした後に24時間生存する』と書かれている。
省8
12: 2011/03/29(火)03:41 ID:Y1KGf8hw0(12/42) AAS
(;^ω^)「だって考えてもみるお? クリア条件の『生存』。サバイバルゲームなら確かに楽勝だお。
人間は食料なんてなくてもそこそこの日数を生き抜けるお」
(;^ω^)「でも考えても見るお。ドクオのほうのクリア条件にある『条件を満たした後に24時間生存する』。
このくだりは条件を満たした後に生存できない可能性を示しているお」
(;^ω^)「なにより『開始から累計48時間以上行動を共にした人間が存在』という条件。
本人以外に複数人のプレイヤーがいる以上、地図を見る限りでは誰とも会わずに数週間、
なんてことは流石になさそうだお」
(;^ω^)「つまり、条件達成を邪魔する何らかの阻害要因があると考えられるお。そしてその阻害要因とは……」
(;^ω^)「『プレイヤー』の殺害、だお」
省2
13: 2011/03/29(火)03:41 ID:Y1KGf8hw0(13/42) AAS
(;‘A`)「おいおい……。それは考えすぎじゃないか?」
(;^ω^)「で、でもこんな拉致なんて無茶苦茶なことしでかして、挙句爆弾入りの首輪なんて着けさせた連中が
キャンプごっこをさせるだけなんて考えにくいんだお!」
(;‘A`)「そりゃそうだが……でもここは日本だぜ? 殺人は許されていない」
(;^ω^)「んなの秘密裏に処理しちまえばわからんのかもしれんお。何するかわかったもんじゃないお」
(;‘A`)「確かに、なあ。でも……じゃあどうするってんだ?」
省3
14: 2011/03/29(火)03:42 ID:Y1KGf8hw0(14/42) AAS
(‘A`)「誰もいねえな。……はあ」
日光が眩しい。空は青く広く、雲はまばらにあるばかりだ。
風が少し吹いており、そのたびに木々が音を奏でる。緑の匂いというのだろうか。心地よい匂いがする。
普通は気持ちが清々しくなるような天気なのだろうが、生憎と自宅警備員という職業柄、日光に耐性がない。
職業病ということで申請して治療費を請求することはできないのだろうか? なんてくだらないことを考えながら歩く。
ブーンに誘われて外に出て散策をしてみると、なるほど。地図どおり村であった。
といっても道も満足に整備されてないほどの古びた村。集落といったほうが近いかもしれない。
古い木造家屋が立ち並び、集落の間を抜ける砂利道に並行するように水路が惹かれている。
地図と照らし合わせると村の中央には広場らしき場所もみられ、数百人規模の小さな集落だったことが推察できる。
省11
15: 2011/03/29(火)03:42 ID:Y1KGf8hw0(15/42) AAS
それから今に至るわけだが……
まだ残っている村人がいないかと探し回り、しかしながら人影を見ることなく時間だけが過ぎていった。
ブーンに広場で休むことを提案し、僕らは広場に向かって歩き始めるのであった。
広場の周囲に差し掛かったところで、突然ブーンのPDAが音を発し始めた。
(;^ω^)「お? 突然なんだってんだお?」
ブーンがPDAを慌しくポケットから取り出した。そして画面を覗きこんでしばし間が空く。
(;‘A`)「び、びびった。何だってんだ一体?」
( ^ω^)「んー、なんかヒントみたいなのが出てきたんだお。ほれ」
省7
16: 2011/03/29(火)03:43 ID:Y1KGf8hw0(16/42) AAS
戦慄が走った。確かにブーンが廃病院で言っていたことは一理あるものだった。
だが未だに信じられなかったのである。自分が、命をかけた『ゲーム』に参加させられているということにだ。
(;‘A`)「……みてえだな。マジかよちくしょう」
だが信じるしかなかった。『武器』があるなら何かしらの外敵と戦うことになるのは簡単に予想できる。
もちろんサバイバルナイフや狩猟用の弓矢や罠といったサバイバルに有用なものという可能性もある。
だがそれも『食料』が一緒に隠されていることで可能性が低くなる。
これでは食料が確保されているのに武器が必要、そんな状況に陥ることがあると言っているようなものだ。
(;‘A`)「はあ……とりあえず休もう。どっこいしょうへいへ―い!」
草むらに勢いよく倒れ込んだ。ブーンも少し離れた木の木陰に腰を下ろしている。
寝転がりながらまわりを見回していると木製の桶が目についた。
省5
17: 2011/03/29(火)03:44 ID:Y1KGf8hw0(17/42) AAS
(‘A`)「おい内藤、メモリーチップっぽいの見つけたぞ―」
するとブーンはゆっくりと立ち上がりこちらに寄ってきた。
( ^ω^)「お―、これどうしたんだお?」
(‘A`)「ん、なんかそこの桶の中に入っていた」
メモリーチップを内藤に渡すとブーンは早速自分のPDAに差し込む。
省8
18: 2011/03/29(火)03:45 ID:Y1KGf8hw0(18/42) AAS
( ^ω^)「ここ、かお」
地図に示されたそこは何でもない、ただの砂利道。
しかしながらよくよく見れば一箇所だけ妙に砂利が集まっている場所がある。
( ^ω^)「そこの少し砂利が集まっている場所の下に食料と武器の両方が埋まっているみたいだお」
近くの家屋から畑仕事に使うであろう古びたスコップを使い、ブーンと手分けして掘ってみる。
すると地面の中からスーツケースのようなものが出てきた。
(‘A`)「どれどれ」
省7
19: 2011/03/29(火)03:45 ID:Y1KGf8hw0(19/42) AAS
(;‘A`)「おい……これって」
(;^ω^)「……」
拳銃。型式はベレッタ92FS。
一般的な9mmパラベラム弾を使用する世界で広く使われているハンドガンだ。
だが、これはこと銃の所持が禁止されている日本においては普通に置いてあってはいけないものだ。
(;‘A`)「本物……? こんなのFPSとか映画でしか見たことねえしな」
(;^ω^)「ちょ、ちょっと貸してみるお!」
拳銃をブーンに渡すと、内藤は近くにある木に狙いを定め、引き金を引く。
省4
20: 2011/03/29(火)03:46 ID:Y1KGf8hw0(20/42) AAS
パンッ
乾いた音が響いた。
その拳銃は間違いなく本物、であった。
俺とブーンはまたしてもしばし固まってしまう。
(;^ω^)「どうすんだおこれ」
(;‘A`)「どうするったって、なあ? もっていく?」
(;^ω^)「放置するわけにもいかん、か」
省10
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