( ^ω^)戦国を歩くギタリストのようです (544レス)
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1: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:10 ID:xjlGxIHwO携(1/45) AAS
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この作品はフィクションです
作品の団体名、人名、地名などは一切関係ございません
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2: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:12 ID:xjlGxIHwO携(2/45) AAS
アルバイトから帰宅すると、ブーンはいつものように自室でギターを弾き始めた。
一枚のルーズリーフとボールペンを用意し、頭の中に浮かぶイメージを音として感覚的に作り上げ、楽譜として具現化していく。
内藤ホライゾン、通称ブーン。現在20歳のフリーター。
将来の夢は「音楽界で生きていくこと」だ。
省7
3: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:13 ID:xjlGxIHwO携(3/45) AAS
ブーンはこの調子で作曲するのが趣味であり、生きがいであった。
音楽というものはいつも純粋に、しかし厭らしく、全てを表現することができる。
20年間生きてきて、ブーンが心から信じているのはただ一つ、「音楽」──ギターだけだった。
( ^ω^)「もっと優しくならないもんかお…ちょっとテンポ落としてみるかお」
だから、自分の持つ夢には確信があった。
省2
4: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:14 ID:xjlGxIHwO携(4/45) AAS
( ^ω^)「…お、良い感じだお!最初から流してみるお!」
( ^ω^)「♪ふふんふんふんふんふふーん」ジャンジャラランジャンジャラン
(*^ω^)「こいつぁ…来てるで…ワシの時代や……!」
(*^ω^)「…ん?」
ふと、足元に目が行った。
省7
5: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:15 ID:xjlGxIHwO携(5/45) AAS
( ^ω^)「見たことあるようなないような…」
何だかよくわからないが、とりあえずギターのピックに形は近い。
なんとなく、ただなんとなく、ブーンはそれでギターを鳴らしてみた。
その直後。
( ゚ω゚)
省3
6: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:15 ID:xjlGxIHwO携(6/45) AAS
( ^ω^)戦国を歩くギタリストのようです
7: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:18 ID:xjlGxIHwO携(7/45) AAS
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第一話 「時間越え」
***
( ゚ω゚)
気がつくと、ブーンは青空の下、森の中に腰を下ろしていた。
積もった枯れ葉の上には先ほどのルーズリーフとペン、膝の上にはギター、そしてピックと先ほどの変な物体。
省14
8: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:19 ID:xjlGxIHwO携(8/45) AAS
(;゚ω゚)「いやいやいやいや!!!え、え!?え???」
(;゚ω゚)「え!ちょ、え、は!!?マジねーから!!ねーからこれマジでちょっと!!!!」
(´・ω・`)「おい、煩わしいぞ。何を喚いているのだ」
(;゚ω゚)「いやだって考えてみてくださいよ!!さっき私はバイト上がって夜に帰って自室でギター弾いてました!!!それが何!?何この青空!!わあ綺麗!!ここどこ!?」
(;゚ω゚)「てかお前誰!!!??何だよその剣豪みたいな格好!!今時アキバにもいねーよ!!」
(´・ω・`)(こいつ何を言ってるんだ?南蛮の言葉では無さそうだが…いや南蛮人がこんな所にいるはずないか…)
省8
9: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:20 ID:xjlGxIHwO携(9/45) AAS
(;゚ω゚)「…………!!」
(´・ω・`)「首が愛おしければ、まずはその煩い口を閉じろ」
(;゚ω゚)「……は、ははは、は、は、はい」
なんだこれは。本物か?本物なのか?
外国人達が大好きな、本物の、日本刀というやつですか?
(;゚ω゚)「あ、ああ、あの…」
(´・ω・`)「なんだ」
省6
10: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:22 ID:xjlGxIHwO携(10/45) AAS
ブーンに敵意が無いことを察し、男は刀を戻した。
涙目のブーンに少し笑いかけながら「悪かったな」と呟く。
(´・ω・`)「幾らか聞きたいことがある。答えられるな?」
顔を真っ青にしたまま、ブーンがコクコクと頷いた。
その様子を確認し、男が続ける。
(´・ω・`)「うむ。では、お前の名前はなんだ」
省3
11: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:23 ID:xjlGxIHwO携(11/45) AAS
まったく状況が読めていないのは確かだが、とりあえずこの男の質問に正直に答えようと、まずは頭を落ち着かせた。
何か変なことをすると、今度こそ殺される気がしたからだ。
(;^ω^)「えっと、このデカいのはギターという楽器です。このピックで弾くんですお」
(´・ω・`)「楽器?…やはりただの農民では無さそうだな。お前ほどの身分の奴が、どうして刀も持たずにこんなところを出歩いてるんだ」
(;^ω^)「へ、身分?」
(´・ω・`)「信じられんほどの無知無学だな…この時代にそこらの農民が琴を弾いてみろ、即晒し首だ」
(;^ω^)「な、なんでですかお!?そんな話どこの世界でも聞いたことないお!」
省7
12: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:24 ID:xjlGxIHwO携(12/45) AAS
(;^ω^)「そんなの絶対に間違ってますお!音楽や芸能というものは人間すべてが楽しめるもので、愛すべきものなんですお!その自由が身分ごときに縛られるなんて意味がわかりませんお!」
(´・ω・`)「ふむ…」
この男からみれば、わけのわからない格好をした男が自分に対してまくし立てているような状態だ。
しかし男は嫌な顔一つせず、ブーンの話を最後まで静かに聞いた。
(;^ω^)「はぁ…はぁ…」
省6
13: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:26 ID:xjlGxIHwO携(13/45) AAS
(;^ω^)「えっ…」
男の提案は、あれほど熱弁したブーンの楽器の腕前を確かめたかったのもあるが、まずはブーンの愛する音楽で本人に落ち着いてもらおうと思ったからだ。
ブーンの真正面にしゃがみこんで、男は完全に聴き手の側に回った。
(;^ω^)「えっと、何を弾けばいいのかな…」
(´・ω・`)「お前の好きにしてくれ」
(;^ω^)「わ、わかりましたお。じゃあさっき作曲したやつを」
省6
14: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:27 ID:xjlGxIHwO携(14/45) AAS
( ^ω^)♪〜♪♪〜
(´・ω・`)「……」
落ち着いたテンポの、優しい音色が森中に響いていく。
今回作った曲のイメージはこうだ。孤独な男が街の中をひたすら歩いている。その景色の一つ一つの優しさと、孤独な自分への嫌悪感で、男は悲しいような切ないような、胸が締め付けられるような想いに駆られていく。
孤独で、優しくて、切ない音色が、森の中に鳴り響いていく。
最後のゆっくりとしたF♯のアルペジオで、曲は終わった。
省7
15: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:28 ID:xjlGxIHwO携(15/45) AAS
男は勢いよく立ち上がり、ブーン背中や肩をバシバシと叩いた。
(;^ω^)「ちょww痛いですお!」
(´゚ω゚`)「素晴らしい!素晴らしいじゃないかブーン!!まさか曲一つにここまで聴き入るとは…!」
(´゚ω゚`)「おい、今日は同じ宿に泊まってくれ!お前の演奏をもっと聴きたい!!」
(*^ω^)「えへへ、恐縮ですお…」
省8
16: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:29 ID:xjlGxIHwO携(16/45) AAS
二人の間に、妙な空気が流れる。
( ^ω^)「えっ、と…ここは日本ですおね」
(´・ω・`)「もちろんだ」
( ^ω^)「…この森はどこですかお?」
(´・ω・`)「どこって、二子堂城近郊の弧面十山だ」
( ^ω^)「二子堂城…」
省8
17: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:30 ID:xjlGxIHwO携(17/45) AAS
ブーンは紙とペンをジーンズのポケットにしまい、先ほどの変な物体とピックをギターに挟んだ。
ギターのストラップを肩にかけていざ立ち上がろうと前を見ると、男が手を差し伸ばしていた。
(´・ω・`)「俺は太田渚本介(しょぼんのすけ)だ。宜しくな」
( ^ω^)「…よろしくですお」
手を握り返し、勢いよく立ち上がる。
省2
18: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:32 ID:xjlGxIHwO携(18/45) AAS
そして、歩くこと約30分。
森がだいぶ開けてきた頃、渚本介が前を指差した。
(´・ω・`)「見えてきたぞ、あれが二子堂城の城下町だ」
( ^ω^)「へーあれが……」
( ^ω^)「……え?」
省7
19: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:34 ID:xjlGxIHwO携(19/45) AAS
ここが赤坂?いやいやいやそんなわけがない。
ほら、だってこの町の向こうにはビルが……
( ゚ω゚)「無い」
(´・ω・`)「え?」
無い。何も無い。
見渡す限り、森と山しかない。
省16
20: ◆vVv3HGufzo 2011/02/20(日)20:36 ID:xjlGxIHwO携(20/45) AAS
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第二話 「二子厨の庄と銭」
***
またも取り乱し始めたブーンを、渚本介が落ち着かせた。
とりあえずは宿だ、宿を探して話を整理しよう。ということで、二人は城下町に降りた。
渚本介の話によると、この町は二子厨の庄と呼ばれており、二子堂城にはその二子厨一族の頭(かしら)が住んでいるらしい。
小さな庄で人は少ないが、景気のいい町としてこの近辺では有名な土地らしい。
省7
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