好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ (4168レス)
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(1): V3 2015/05/12(火)09:33 ID:GO60ug8o(1/701) AAS
2014/10/09(木) 20:34:42 ID:a1f1bb1b9
タイトル通り、好きな小説をじゃんじゃんバリバリ語りましょう!
4149: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)13:48 ID:LNssCYN6(146/164) AAS
ヴィルフォールは落ち着き払った目であたりを見回していた
父親としての悲しみがいささかも平静さを失わせていないこの男の姿に、
聴衆は驚嘆し、恐怖すら覚えた

やがて被告が入廷してきた
ベネデットは居並ぶ判事たちを眺めまわし、裁判長と、特に検事をじっと眺めた
裁判長が起訴状の朗読を求める
ヴィルフォールの手になる起訴状である
その明晰かつ雄弁な文章は犯罪を色鮮やかに描き出した
これを聞けば、ベネデットは世論から見放されたといえよう
アンドレア(=ベネデット)はまったく関心を示さない様子である
省64
4150: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)13:49 ID:LNssCYN6(147/164) AAS
この瞬間、鋭い悲鳴が聞こえ、むせび泣きに変わった
その婦人は倒れて法廷から運び出されていった
運ばれる途中でヴェールが落ちた
ダングラール夫人であった
ヴィルフォールの頭は気も狂わんばかりであったが、夫人であるとわかると、思わず立ち上がっていた
裁判長は言った
「証拠は?証拠はあるか?」
「証拠を見せろと?
では、ヴィルフォール氏をご覧ください
そのあとで証拠をお求めになってください」
省17
4151: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)13:52 ID:LNssCYN6(148/164) AAS
ヴィルフォールは今や重荷となり果てた法官服を脱ぎ、自分の馬車へ乗り込んだ
神よ、ああ、神よ
この運命の崩壊のかげに、彼は神の姿しか見ていなかった
彼の背に何か固い物があった
取り出してみるとそれは、彼の妻の扇であった

あの女が罪を犯すに至ったのは、この私に触れたからなのだ
それなのに私はあれを罰した
『恥を知れ、死ね』と言ってのけた
この私が・・・!
あれを死なせてはならない
省35
4152: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)13:53 ID:LNssCYN6(149/164) AAS
ヴィルフォールは髪を振り乱し、父親の部屋へと向かった
ノワルチエはブゾニ神父の言葉に熱心に耳を傾けているようであった

「あなたがここにおいでとは!
いつも死神のお伴をして姿を現すものとみえますな」

ブゾニは立ち上がった
重要裁判はその結末を迎えたものと思った
それ以外のことは知らなかった
「この前はお嬢さまのために祈りをささげるためにまいったのですよ」
「では、今日は何をしに来られたのです」
「あなたが十分に借りを返したことを告げに来たのです」
省45
4153: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)13:53 ID:LNssCYN6(150/164) AAS
マクシミリヤン、ジュリー、エマニュエルは、このところ立て続けに起こった
モルセール、ダングラール、ヴィルフォールの悲劇について語り合っていた
とはいえ、マクシミリヤンは、ただ無感動にそこにいるというだけの様子であった

モンテ・クリストがたずねてきた
「マクシミリヤン、君を迎えにきたよ」
「どこへいらっしゃいますの?伯爵さま」ジュリーが言った
「まずはマルセイユへ」
「まあ、兄を元気にして返してくださいませ」
「君たちはお兄さんが苦しんでいるのに気が付いていたのかね」
「ええ、私たちと暮らしていたんじゃつらいんじゃないかと」
省38
4154
(1): うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)14:57 ID:LNssCYN6(151/164) AAS
活気にあふれる港町マルセイユ
モンテ・クリストにとってもマクシミリヤンにとっても懐かしい
「伯爵、ここですよ
あなたが父にファラオン号を贈ってくださったときに、父が立っていた場所です」
「わたしはそのとき、あの丘から見ていたんだよ」
モンテ・クリストはそう言って丘のほうへ目を向けると、そこにヴェールをかぶった一人の婦人の姿を見た
モレルが、あっと声を上げた
「あの船から手をふっている軍服の青年は・・・アルベール・ド・モルセールだ!」
「そう、わたしにはわかっていた」
ふたたびモンテ・クリストが丘のほうへ目を向けると、もうそこの婦人はいなかった
省58
4155
(1): うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)14:59 ID:LNssCYN6(152/164) AAS
活気にあふれる港町マルセイユ
モンテ・クリストにとってもマクシミリヤンにとっても懐かしい
「伯爵、ここですよ
あなたが父にファラオン号を贈ってくださったときに、父が立っていた場所です」
「わたしはそのとき、あの丘から見ていたんだよ」
モンテ・クリストはそう言って丘のほうへ目を向けると、そこにヴェールをかぶった一人の婦人の姿を見た
モレルが、あっと声を上げた
「あの船から手をふっている軍服の青年は・・・アルベール・ド・モルセールだ!」
「そう、わたしにはわかっていた」
ふたたびモンテ・クリストが丘のほうへ目を向けると、もうそこの婦人はいなかった
省58
4156: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:01 ID:LNssCYN6(153/164) AAS
>>4154
>>4155
だぶりました、すみません<m(__)m>
4157: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:03 ID:LNssCYN6(154/164) AAS
メルセデスを残し、モンテ・クリストは胸ふさぐ思いでその家を後にした
エドワールの死以来、彼の心の中には大きな変化が生じていた
「このように自分を責める破目に陥ったのは、俺の計算に何か過ちがあったからだ
俺の目的がばかげていたというのか?
まちがいだったというのか?
そんな考えは到底受け入れることはできぬ」

モンテ・クリストは過去をもとめ、マルセイユをさ迷い歩く
24年間のあの日、夜の闇のなか、衛兵に連行されていった波止場
シャトー・ディフへの舟に乗せられた場所
遊覧船を雇い、再びかの場所へ
省50
4158: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:04 ID:LNssCYN6(155/164) AAS
モンテ・クリストはマクシミリヤンに会うため墓地へと向かった
「マクシミリヤン、君にはマルセイユに何日か滞在してもらう
私は君と別れねばならないが、君との約束は忘れないよ」
「僕のほうはきっと忘れてしまいますよ」
「いや、君はそんなことはしない
名誉を重んずる男だからね
モレル、私は君よりも不幸な男を知っている」

伯爵はエドモン・ダンテスの不幸を話す
もちろん、名前は伏せて

マクシミリヤン・モレルはその話に衝撃を受ける
省11
4159: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:05 ID:LNssCYN6(156/164) AAS
同じ頃、一人のフランス人の男がフィレンツェからローマへ馬車を走らせていた
男は紙入れから四つ折りにしたものをとりだして言った
「よし、わしにはまだこれがあるぞ!」

フランス人は馬車を降り、スペインホテルへ入った
(^^)/ 物語の初め、アルベールとフランツとモンテ・クリスト伯爵が出会ったホテル

フランス人はトムソン・アンド・フレンチ商会の場所を聞き、再び出かけて行った
その様子を観察する男がひとり、後をつけ始める

フランス人はトムソン・アンド・フレンチ商会へ到着
「どちらさまで?」
「ダングラール男爵だ」
省28
4160: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:08 ID:LNssCYN6(157/164) AAS
ルイジ・ヴァンパはダングラールの顔をみて言った
「この男は疲れているな
寝かせておけ」
ダングラールはアルベールの身代金の金額を思い出していた
たしか4万8千くらいだったはず
それを差し引いてもわしにはまだ505万くらいはある
なんとか切り抜けられるだろう
そう考え、安らかに眠り込んだのだった

ダングラールは目を覚ました
そうだ、わしは山賊の虜になったのだった
省25
4161: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:09 ID:LNssCYN6(158/164) AAS
ペッピーノはそれを拾い上げ
「ちょっとお待ちを
これでは少し足りませんな
あと足りないのは4,999ルイでございます」
「このやせた雛が10万フランだというのか!?
わかった、わかった、さあ、もう1ルイやろう」
「あと4,998ルイでございます」
「ばかばかしい!そいつは絶対に駄目だぞ!」
ペッピーノはさっとひな鳥を取り上げてしまった
ダングラールはふたたび閉じ込められた
省19
4162: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:10 ID:LNssCYN6(159/164) AAS
翌日、ダングラールはまた腹がへった
彼は、今日は絶対に金を使うまいと思った
しかし、喉が渇いた
「飲み物がほしい」
「閣下、このあたりでは葡萄酒は高いです」
「では、水だ」
「水はもっと高いです」
「やれやれ、では葡萄酒を一杯くれ」
「手前どもでは分け売りはいたしません
一本25,000フランです」
省39
4163: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:12 ID:LNssCYN6(160/164) AAS
いったいこの連中は何者だ
誰でも身代金を払えば自由になれるはずなのに、なぜ自分はできないのか
おお、そうだ
いきなり急死でもすれば、奴らの裏をかくことができる
人生ではじめて、ダングラールは死を考えた
死への欲求と恐怖を抱きながら

署名はせぬという彼の決意は2日間続いた
その後、彼は食べ物を乞い、すばらしい食事に100万とられた
この囚人は絶え間なくうわごとを繰り返すようになった
そしていかなる要求にも応じた
省58
4164: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:14 ID:LNssCYN6(161/164) AAS
優美なヨットがモンテ・クリスト島に向かって疾走していた
舳先に立つ男はマクシミリヤン・モレル

モンテ・クリストが出迎える
「マクシミリヤン、君の悲しみはまだ癒されていないのか」
「僕の悲しみが癒されることもあると、本気で考えていらしたのですか」
「私は人間の心を知り尽くした者として聞いている
君は今でも、墓に入らねば癒されることのない渇きを覚えているのか」
「僕は友のそばに抱かれて死ぬためにあなたのそばに参りました
たどり着くべき場所にたどり着いたと言う気がしています
あなたは『待て、そして希望せよ』と言った
省34
4165: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:17 ID:LNssCYN6(162/164) AAS
激しい苦痛が青年をとらえた
「伯爵、僕には死んでいくのが感じられます・・・ありがとうございました」
視力の薄れた彼の目に、伯爵が微笑したようにみえた
と、同時に伯爵の姿が2倍にふくらんだようにも見えた
モレルはソファの上に身を投げた
麻痺が血管のすみずみに行き渡っていった
伯爵に手をさしのべようとしたが動かない
瞼はとじようとしている
伯爵が扉を開けたように見えた
美しい女性が入ってきたように見えた
省18
4166: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:19 ID:LNssCYN6(163/164) AAS
「なぜですの?!」
うしろで声がした
モンテ・クリストは振り向いた
エデは凍り付いたような瞳をして立っていた
「それはね、エデ
お前は自由の身となるからだよ
お前にふわさしい社会的地位を、お前はふたたび得るのだよ
私の運命がお前の運命を暗いものにしてしまうことを、私は望まない」
エデの声は涙にかすれた
「では殿さまは私と別れようとおっしゃるのですね」
省33
4167: うぉんさんの読み聞かせの会 2017/12/24(日)15:21 ID:LNssCYN6(164/164) AAS
1時間ほどの時が流れた
ヴァランチーヌはついにモレルの心臓が鼓動を打ち始めるのを感じた
ついに彼は両目を見開いた
目の前にはヴァランチーヌがいた
翌日、ヴァランチーヌはモレルに、モンテ・クリスト彼女の部屋へ現れ、一切の秘密を解き明かし、彼女を死んだものと思わせることによって奇跡的に彼女を救った経緯を説明した
「あ、ヤコポだわ、ヨットの船長よ」
「伯爵様からお手紙をあずかっております」

親愛なるマクシミリヤン
ヤコポが君をリヴォルノへ連れて行く
ノワルチエ氏がそこでお待ちだ
省38
4168: 2017/12/28(木)23:03 ID:alxz1x.M(2/2) AAS
乙です
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