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王立図書館

1755「分岐点1/3」:2017/04/01(土) 21:18:54 ID:WksQa8S2
ゼオ・ウッドフィールドは敵ではない。

 木原の助手であるゼオが敵ならば、真っ先に八卦の使用権限を、停止するだろう。
だが、アルス・ストラグルは、八卦型ゴーレム武装が顕現できている。
したがって、彼が敵ではないと予想するのが、当然の帰結だ。
……もしくは、初めから関わっていないか。
そもそも、木原の助手というだけで、獣狩の騒動に関係している、とは限らないのだ。

 浪費するだけの時間が続く、白亜の混沌達は、まともな干渉を見せないし
吸血王の二人は、笑みこそ浮かべているものの、その視線は、皆を見定めている様だ。
沈黙が、どれほど続いただろうか、根を上げたレイヴンが、一声をあげる。

「――――話を整理しよう
 アルス、君の【八卦】とやらが使えているのなら、ゼオは敵ではない…と、言うことは、奴に協力を仰げる可能性があるって事だな。」

  たとえ"騒動"に関係が無くても、ゼオ自身は、敵ではない。
 ゴシップ等では、気難しい人とされているが、彼は人間。
 協力を仰ぐなら、カオスな人外達よりも、安全で、話も通じるだろう。
レイヴンは、そう考えた。

 『それは、ゼオに会いに行くって事でいいのかな?』

 笑みを浮かべていた、エリザベートが口を開く。
顔に浮かべる表情は、しめしめ、と言わんばかりだ。ようするに予想通り。
黒い手袋の上から、細い手を鳴らす。

『――――語り部君、皆に例のものを』
『はい、かしこまりましタ!!』

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