王立図書館 (1775レス)
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(1): [としょかんおばけ] 2013/11/08(金)21:29 ID:bjtD/eOA(1/13) AAS
ひら、ひら、と。
そんな青年の前を不思議な物が飛んでいく。

黄金に輝く、大きな蝶だ。
それが視界を横切り――A路の方へと、ふわりと飛んで行く……。
1427
(1): [としょかんおばけ] 2013/11/08(金)21:38 ID:bjtD/eOA(2/13) AAS
ひらひら、と蝶は図書館の奥へ、奥へと飛んで行く。
後に続いて路を進んでも不思議と魔物は出る事なく。

5Fまで降りた、と言う所で。
ディフの目の前で蝶がはじけて消えてしまう。
1429
(1): [おちゃかいにごしょうたい] 2013/11/08(金)21:48 ID:bjtD/eOA(3/13) AAS
――ふと気が付くと不気味な程に何の音もしない。
はて、A路の浅い層とはいえ下級の爬虫類魔物やぷにぷには居る筈だし、

時計の音もする筈であろうに、全くの無音だ。
"まるで時間でも止まってしまっているか、自分だけ別の場所に居るかのように"。

【ちかっ】

――と、強く、何か目の前で輝く。
その光が収まり眼を開けた時には、ディフの眼に映る世界は「色」を失っていた。
1431
(1): [おちゃかいにごしょうたい] 2013/11/08(金)21:56 ID:bjtD/eOA(4/13) AAS
>>1430
『――貴方の世界も、私の物。』
『いらっしゃい、宿題は出来たかしら?』

ふわり、と色の無くなった世界で際立つ黄金色の美しく長い髪を揺らして。
周囲から浮かび上がる様な真白の法衣を纏って、

少し離れた椅子に『魔女』を名乗る童女の姿が顕れる。

『……聞いといてなんだけど、見れば解るんだけどね。ふふ』
『まぁ満点では無いにしろ、及第点かしら?』
1433
(1): [おちゃかいにごしょうたい] 2013/11/08(金)22:03 ID:bjtD/eOA(5/13) AAS
>>1432
『別に、どうこうしようって訳じゃないから安心なさい。』
『ただ教えるのに最適な場所にした、だ、け。』

口元を抑え童女が悪戯っぽく嗤う。
色のない世界では全てが"止まって"いる。

――燭台の焔のゆらめきさえも。

『身体の中の魔力の流れなんかを見れば、習熟度ぐらいは解るものよ?』
1435
(1): [おちゃかいにごしょうたい] 2013/11/08(金)22:17 ID:bjtD/eOA(6/13) AAS
>>1434
『あら、そう?』
『前会った時よりは余程落ち着いた流れになっていると思うけれど。』

手に持っていた本を机に置いて、椅子からふわりと降り立ち、
何時の間にかディフの目の前に現れる。

……魔力の流れに落ち着いた、や激しい、なんてあるのだろうか。
彼女が言うのならば、そうなのかもしれないが。

『さて。 それでそろそろこう想ってる頃かしら。
 考えるのは良いけれど実戦で使えるのか――とか。』
『やるのは良いけど、イメージしている間に攻撃されるんじゃないか――と、か。』
1437
(1): [おちゃかいにごしょうたい] 2013/11/08(金)22:33 ID:bjtD/eOA(7/13) AAS
>>1436
『でしょうね。』
『往々にして自分じゃ気付かない物だもの。』

くす、とまた悪戯っぽく笑い本棚の方に歩いて行って、寄り掛かる。
彼女は見れば解る、と言っていた。 ……自分で解らない物が解る物だろうか?

『それはそうよ。 魔術の鍛錬、だなんて一朝一夕で上手く行くような物じゃないもの。』
『だから貴方の考えは正しいし、貴方にそれを指摘した異界の獣も正しいわ。』

……と、肯定する彼女だったが。
では今までやらされた事は何だったのだろうか、時間を単純に無駄にしたのだろうか?

『言ったでしょう? 基礎の基礎から教えてあげる、って。
省3
1439
(1): [万単位生きてる人] 2013/11/08(金)22:49 ID:bjtD/eOA(8/13) AAS
>>1438
『そうね、反復と復習は何においても重要よ。』
『その点で言えば魔法も、剣も、生活に通じる全てだって変わらないわ。』

『――「天才」、だとか呼ばれるようなのは。
 その過程を無視して結果だけを手に入れてしまうんだけれどね。』

暗にディフにはそこまでの才能は無い、と詰る。
表情はからかうような、試すような、意地悪げなものだ。

『何で知ってるか――は、そうね。 ――ふふ、[魔女]だから、かしら。』

魔女。 魔法を操る女。 魔法を統べる女。
魔に至り繋がる全てを、知り尽くした女。
省3
1441
(1): [ロリババアです] 2013/11/08(金)23:03 ID:bjtD/eOA(9/13) AAS
>>1440
『ふふ、そうね。 もう少し高い方が女の子にも好まれるかしら。』
『……――あら? でも、ふふ……そう。』

と、からかう様な言葉を続けていたが、
何を"視"たのか、口元を抑えて酷く意地の悪い笑みを。

『さぁどうかしら。 「ばけもの」って気まぐれだから。』
『えぇ、そうね――ねぇ、坊や?』

と、佇まいを改め。
掌の上にちかちかと輝く光球を生み出しながら。

『”目に焼き付いて離れない光景”――って、ある?』
省1
1443
(1): [いや、死んでます] 2013/11/08(金)23:13 ID:bjtD/eOA(10/13) AAS
>>1442
『ふふ、そう、あるわよね。』
『残酷なまでに目に焼き付いて、何時だって思い出せる。』
『甘いあまぁい幸福に満たされて日溜りに寝転んでいても、暗がりからじぃっとこっちを見てる――。』

歌う様に透き通った、高い声で、童女が言葉を吐き出す。
青年の心を抉る様に、奥深くに押し込んでいたそれを刃物で切り裂いて、引きずりだす様に。

『火、炎、悲鳴、痛み。 ……忘れているなら無理矢理に、とおもったけど。』
『要らなさそうね?』

実に楽しそうな、けれど少女特有の愛らしさを孕んだ笑顔で。
感情を表しているであろう表情の青年に、言葉を投げた。
1445
(1): [まぁこの人達「死」ってあってないみたいなもんだけど!!] 2013/11/08(金)23:28 ID:bjtD/eOA(11/13) AAS
>>1444
『ふふ、……怒った?』

解っているであろうに、それを逆撫でするかの様に嘲笑と共に言葉を紡ぐ。
掌の上に浮かんだ光球はゆらゆら、と黒く揺れる焔に変わっている。

『イメージはね、強ければ強い程良いの。』
『想念は魔力に変わる、記憶は力になる、経験は糧になる。』
『――それはね、思い出したく無い様な事でもそうだし。』
『往々にして、蓋をしたい様な悪夢程、強いの。』

ちりちり、ぱちぱち、と。周囲の風景が音を立てて燃え始める。
幻覚か現実か、保護を掛けられている筈の本棚は燃え尽き始め、図書館の蔵書は焔に巻かれて、
省1
1447
(1): [特定方法で殺さないと、「死なない」!] 2013/11/08(金)23:44 ID:bjtD/eOA(12/13) AAS
>>1446
『――うふふふっ。』

ぱちん、と指を鳴らす音が響く。

ごう、と周囲を取り巻いていた炎が一層強くなって。
放たれた水の魔法諸共、本棚を、本を、床を、天井を。

ディフの視界にある色のない世界を真っ赤に染め上げて何もかもを燃やし尽くして行って――。

『――砕けなさい。』
省3
1449
(1): [いえ、死んでます] 2013/11/08(金)23:56 ID:bjtD/eOA(13/13) AAS
>>1448
――図書館には、音も、色も、何もかもが戻っていた。
時折ぷにぷにや、魔物の鳴き声が聞こえ、時計の針が音を刻み。

上層や下層に耳をすませば、話し声だって聞こえて来る。
今のは幻だったのか、それとも現実だったのか。 確かめるすべは無い。

『最低の気分、かしら?』

そして地に膝を付き、息荒く疲弊した青年の隣に童女が座り込み。
その背中を擦る。 ……気分が楽になってくる。 精神的な疲弊までは消えないが。
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