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長編SS投下用スレッド
107
:
『AM4:00』
:2013/08/24(土) 03:26:32
「そろそろ寝るか…」
これまでサボっていただけに、正直遅れを取り戻すのは大変だ。日々の積み重ねというものの大切さが痛切に身に沁みる。
佐々木の場合だと、小さな事の積み重ねがあいつを形成していっているのだろうな。
佐々木は実はとんでもなく不器用な奴なんだな、と思う。不器用であるのに、器用に振る舞う。だからこそあいつを勘違いする奴も多いんだろうな。
「(器用であれば、もう少し小狡く振る舞うだろうし、俺にしても佐々木と一緒にはいないんだろうが。)」
俺だって不器用だ。
もっと小狡くいけば、恐らくは佐々木を幸せに出来るのかも知れない。…まぁあいつを騙すのは不可能だろうが。多分俺はあいつを騙せない。
それが出来る程に器用であれば、ハルヒなんぞ赤子の手を捻るようなものだ。自分の気持ちすらコントロール出来るなら、それこそ人は救えない位に器用になるのだろう。
全て混ざりあっているからこそ、人は冷たく、そして暖かい。
外は闇が薄っすらと明け、深い群青色となっている。夜は明ける前が一番暗いというが…
明けない夜は無く、日はまた昇り、そして朝が来る。
未来への希望に溢れた言葉だ。意地悪く見れば、それはラットレースのような一日の始まりを示すような言葉だとも言えるんだがな。
辿り着けない日々。いつも漂うままで。佐々木と抱き合う時も、俺達は睦言はあまり口にしない。今は何を言っても嘘になるからだ。
「…………」
夜は白々と明けて行く。明けない夜はない。そして。
時間は誰にも平等に流れていく。
誰が停滞していようが、構いなくな。
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