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F世界との交流その6

14reden:2013/01/28(月) 17:08:46 ID:0JUd.wh.0

 更には召喚魔術による物質の瞬間転移など。
 魔道技術のなかには、ソ連邦の科学技術では現在どころか将来に渡ってさえ実現できる目処の立ちそうもない技術が多数存在する。
 そして、現在のソ連邦がそれらに対抗しようと思えば、必然、魔術を頼らざるえないのだ。
 こうした事情から、モラヴィア人魔術師のうち、かなりの数がソ連への半ば強制的な移住を余儀なくされ、以後、将来長くに渡って国内各地に造られた秘密都市―――地図上にも記載されず、内外の出入りを厳しく制限された閉鎖行政地域―――において、ソ連の国益のために魔術研究に従事させられることとなる。
 もっとも、現段階では魔術師を囲いこむための都市というほどに大規模なものはなく、クラウスが赴こうとしているのもNKVD軍が警備しているスターリングラード郊外に新設された研究施設である。
 
(ここに通えなくなるのは、少し残念かな)

 少しばかり名残惜しむように、クラウスは周囲を見渡し、次いで雑談相手となってくれた男を見た。

「そろそろ、出ることにしますよ。また、機会があればお会いしましょう」

「ええ。お元気で、同志」

 最後にそれだけ言葉を交わすと、クラウスは椅子から立ち上がり、来る前より幾分軽くなった身体でサウナをあとにした。 
 7年後、二人はカザフスタンの閉鎖都市レニンスクで再開を果たすことになる。

 一方は鉄類金属人民委員部における魔鉱石の権威として。

 一方はロケットエンジン設計の権威として。


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