架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2 (588レス)
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583: カレアントの異世界戦争 [sage] 行き過ぎた自由主義経済によって貧富の差がシャレにならないくらい拡大したセフンテでは国民の九割以上を占める貧乏人の不満度が高まり、国内は気化したガソリンが艦内に充満した珊瑚海海戦のレキシントンみたいな状況になっていた。 そこに首都マプチークで失業者のデモに軍隊が発砲するという特大の火花が投じられたのである。 暴動は瞬く間にセフンテ十六州に拡大、事実上の内戦状態に陥ってしまった。 泡を喰ったのがルケン民国である。 一応自前の軍隊を持ってはいたものの、その実態は張り子の虎であった。 機甲兵力としてはセフンテから輸入したヘリック・ダーリ社製T03戦車があるが、これは我々の世界でも第二次大戦前に流行した二人乗りの豆戦車で、武装は機関銃と対戦車ライフルが一丁ずつ、装甲は当たり所によってはライフル弾にも貫通されるというシロモノである。 航空戦力としてはやはりセフンテのメダコリヤ社から購入した単発複座の多用途機Dk42を保有していた。 これは「一機で戦闘機と軽爆撃機を兼ねるうえ財布にも優しい優秀機」という触れ込みだが、しょせん二流メーカーが小国向けに開発した機体であり、その性能は練習機に毛が生えた程度のものでしかない。 そのうえ軍も役所も汚職の巣窟なので、せっかく買った重装備も中抜き&共食い整備によってあっという間に使い物にならなくなってしまう。 シーポ連邦から優良装備を潤沢に供給されたうえ、スターリンと毛沢東が超神合体したような恐怖政治によって練度はともかく鉄の規律と旺盛な戦意―その原動力は自分たちより“いい暮らし”をしている者に対する怒りである―を持った人民軍を作り上げたドルカヴ共和国とは実に対照的である。 ドルカヴ軍が国境を突破して南下してきたとき、ルケン軍装甲車両の稼働率は四割以下、空軍機の稼働率に至っては二割以下という数字を上げればその情けなさがお分かりいただけるだろう。 セフンテの内乱によって同盟国の援軍を当てにできなくなったルケン民国は大いに焦った。 ルネリア半島統一の野望に燃えるドルカヴ共和国の独裁者クマンタがこの機に乗じて軍を動かすであろうことは確定的に明らかである。 このピンチにルケン民国が取った手段は「頼れる味方がいないなら他所の世界から引っ張ってこよう」というものであった。 どこまでも他力本願な連中である。 かくしてカレアント公国はある日突然ルネリア半島東方海上に転移させられた。 地理的にはルネリア半島が朝鮮半島で、日本列島の位置にカレアントがあるとイメージしていただきたい。 これらの情報は主に陸軍情報部第5課の工作員たちがルケン国内における立ち読みや古紙回収などの危険な諜報活動によって収集したものである。 これまでカレアント首脳部が交渉相手としてきたルケン民国の行政官たちは要求だけは多いが情報は出し惜しみするわ約束ははぐらかすわと、誠意の欠片も見せない態度を貫いていた。 そこで女王の下知を受けた陸軍情報部第五課は特命調査班をルネリア半島派遣軍に紛れ込ませ、独自の情報収集を始めたのである。 「なるほど厄介な状況ですなあ」 そう発言した出席者中唯一のアメリカ人に、ミレナは殊勝な顔で頭を下げた。 「申し訳ありませんディヨー提督、わが国の面倒ごとに巻き込んでしまって」 「お気になさらず、こうなったら一蓮托生ですよ」 モートン・ディヨー中将は鷹揚に頷いた。 アメリカ・カレアント相互防衛協定に基づく軍事援助の一環としてカレアント海軍に譲渡される戦艦サウスダコタと随伴の小艦隊を率いるディヨーがクズツォネフに到着したのはカレアントが転移するちょうど前日だった。 艦隊は転移直後に起こった潮位の急激な変化によって岸壁に激突したサウスダコタが船体を損傷、駆逐艦三隻が陸(おか)に乗り上げるといった被害を受けている。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1172666195/583
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