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945始末記:2018/03/01(木) 22:10:00 ID:7.L4Yce.O
秋山補佐官の言葉に秋月総督も北村副総督もお手上げのポーズを取る。

「ドワーフとエルフは例によって東京に大使館を設置してもらうが・・・、エルフの方が揉めてるんだって?」

秋月総督の質問に秋山補佐官も眉を潜める。

「大使に相応しいエルフで、性的に倫理観に問題の無いエルフの選定に手間取っているようです。
エルフの社会問題になっている性の乱れが酷いらしくて・・・
どうも我々が考えていたエルフのイメージとは些か違うようです。」

エルフにあった高慢で閉鎖的なイメージは想定していたが、奔放で淫蕩で存外に交渉がうまいとは想定出来なかった。


「我々の幻想を打ち砕かないで欲しいな・・・」

北村副総督も呆れ顔だ。

「それでドワーフ侯国大使館は、旧カナダ大使館が用意してくれるとして・・・エルフ公国大使館はどうなった?」
「旧シンガポール大使館が売却を予定しています。
宝石や宝物を大量に呈示されて担当者はひっくり返ってましたよ。」
「そして、シンガポールはそのまま新香港に合流か・・・
売却利益はそのままエルフ大公国の賠償金も含まれていると・・・」

在日シンガポール人は七割以上が華人であることから、在日シンガポール人約八千人が新香港に合流することになった。
その際の旧シンガポール大使館の膨大な売却利益が、新香港への賠償金になる。
日本が仲介した新香港とエルフの落とし所である。

「よく王国の連中が黙ってるな。」

北村副総督の指摘通り、エルフとドワーフの独立は宗主国であった帝国の後継を名乗るアウストラリス王国の面子も潰す行為である。
最もエルフもドワーフも王国を帝国の後継国家として認めていない。
王国の宗主国となった日本に遠慮して文句を言ってこないだけである。

「文句を言ってしまうと、統治の為に軍を送らないといけないらな。
連中も余裕が無いのだろう。
渋々認めざるを得ないから無視を決め込んでる。」

北村副総督の言葉に二人は頷く。
そこに青塚副総督補佐官が部屋に飛び込んでくる。

「そろそろお時間です。」

言いながらリモコンを操作すると、画面には新香港主席林修光の顔が映し出される。
林主席は壇上で演説をしている。

『我々は今回の自体に独立都市としての権限の弱さを痛感した。
新香港に移民して丸七年。
植民都市も陽城、窮石と建設は順調で、第四都市の建設も来年には始まる。
シンガポールの民が我々に合流するかはすでに皆も知っていると思うが、このほどモンゴルの民八千人も合流することになったことをここに報告させて頂く。
我々は十分に力を付けた。
日本、米国、北サハリン、高麗に続く第5の国家として、我々はここに華西民国の建国を宣言する!!』


秋月総督も北村副総督も新香港政府からの予め通達を聞いてはいたが、面白くなさそうな顔を浮かべている。
予定通りとも言えるので、総督府に動揺している者はいなかった。
問題が無いわけではない。
残っている在日外国人最大多数のモンゴル人を持っていかれたことで、新独立都市の建設が困難になったのだ。

「独立都市は残った在日外国人をまとめて放り込むべきでしたかな?」
「争いの火種を撒くだけですよ。
他の独立都市に草刈りの規制緩和に動くべきでしょう。」

華西にしても第四植民都市の建設には日本の協力が必要なのは理解しているから、停戦に応じたのだ。
しかし、相当な不満を溜め込んだことは間違い無さそうだった。


その日の夜。
総督府幹部職員や自衛隊の将官の邸宅にエルフの女性たちが全裸で現れて騒動となったことは、厳重に箝口令が敷かれて隠蔽された。

ただある写真週刊誌が『秋月総督は、総督府にエルフのハーレムを作る』との見出しの記事を載せて、総督府が数日昨日停止に陥った。
だが世間の反応は、

「また総督がコレクションを増やしたらしい」

と、薄い反応しか示さなかった。


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