『荒野の悪魔』 (364ﾚｽ)
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1(1): → 2010/04/20(火)04:19 AAS
『ワイルドロウ』の出来事から､数ヵ月後｡
『狩野 比丘太』は､西海岸最大の都市ロサンゼルスに程近い『サンバーナディーノ』に滞在していた｡
安モーテルの一室で過ごす『狩野』に封書が届いたのは､町に着いて２日目の昼だった｡
『サンバーナディーノ』━━━━━━━━━━━━
近年､ロサンゼルスの住宅都市として成長する砂漠地帯の町｡
東京都の立川市は､姉妹都市の１つである｡
１９４０年５月１５日､『マクドナルド』の第一号店がオープンした記念すべき都市｡
2(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/21(水)18:24 AAS
>>1
「なんだこりゃ、ロッドってアドルフォって男が探してた奴か？
たまたま同じ名前なだけかもしれんが」
二ヶ月前から現在に到るまでの経過を思い出しながら封書の中身を確認する。
3(1): → 2010/04/22(木)01:05 AAS
>>2
封書の中には､銀色に光る５センチ程の小さな『鍵』が１つだけ入っていた｡
『ワイルドロウ』を出発したのは､約３ヶ月前｡
『狩野』は､砂漠地帯を通り､ハイウェイ沿いに北上を続けた｡
途中の町々で滞在を重ね､旅費を稼ぎ､『サンバーナディーノ』に着いた頃には､
懐も幾分か潤っていた････････････｡
4(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/22(木)22:12 AAS
>>3
「こんな何に使うかもわからん鍵だけよこしてどうしようというんだ・・・。
俺が使い方がわからずに捨てちまったらアウトじゃねーか。実際わかんねーし」
差出人以外に封筒から何か情報は読み取れないだろうか。
郵送で来たなら消印くらいありそうだが。
5(1): → 2010/04/22(木)23:29 AAS
>>4
封書に､日付や消印は無い｡
宛名と差出人の名があるだけで､フロントから直接手渡されたものだった｡
フロントマンに尋ねても､引継ぎの不手際なのか､封書を持って来たのが誰か
要領を得ない答えしか返って来ない｡
6(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/23(金)22:12 AAS
>>5
「とりあえず、この封筒をフロントに渡した奴はなぜか俺がここにいることを知っていたわけだ。
そしてロッド・コネリーと言う名前・・・あのクソッタレな街で聞いた名前・・・。
あの街からここまで誰かにずっと監視されてるってことか？」
真っ先に思い出すのはあの泥棒スタンドだが、あいつはあの後姿をあらわしていないのか？
鍵を眺めながら考える。鍵はどんなかたちだろうか？
形状から用途の推測ができるかもしれない。大量生産品か、それともオーダーメイドか、
単に鍵っぽい形をしてるだけのアクセサリーか。
7(1): → 2010/04/24(土)01:15 AAS
>>6
『サンバーナディーノ』までの道程で､『スタンド』に出会う事は無かった｡
『狩野』は､『鍵』を観察する･･････････････｡
『鍵』は､ボールペンの芯程度の太さで､先端の約１センチ幅が複雑な凹凸の形状になっていた｡
持ち手側の先端は､円形に平たく広がっており､絡み合った蔓の様な刻印が確認出来る｡
8(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/24(土)21:42 AAS
>>7
「あんまり見ない感じだな・・・。
かなり小さい鍵だから鍵をかける方もそれに見合った大きさではありそうだが・・・
まあ考えても仕方ないか、とりあえずやることをやらねーと」
自分はこれからどうするつもりだったのか思い出したい。
9(1): → 2010/04/25(日)00:03 AAS
>>8
『狩野』は､トイレに入ろうとしていた事を思い出す･････････｡
10(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/25(日)01:34 AAS
>>9
「そうだった、膀胱破裂警報発令中だぜ、ってちげーよ！」
トイレに行きつつ、『サンバーナディーノ』になんのために来たのか思い出す。
11(1): → 2010/04/25(日)01:57 AAS
>>10
『ガチャリ』
部屋のトイレは､バスルームと兼用━━━━━━━━━━━
白いバスタブの横に､白い洋式便器が無言のまま鎮座していた｡
『狩野』は､思索の中で便意が萎縮しない様に､モチベーションを高めながら､
便座を静かに開く｡
『サンバーナディーノ』は､砂漠から西海岸へ向かう中継地点に過ぎない｡
目的は､『ロサンゼルス』周辺に点在する空港･･････････帰国する事だった｡
省1
12(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/26(月)00:05 AAS
>>11
「あえてこの街で鍵をよこしたってことは、この街になんかあるってことか？
そうでない可能性も当然あるが、とりあえず調べるだけ調べて何もなけりゃおさらばってところだな」
インターネットが使えるなら近くに鍵屋（あるいはそれに類する施設）がないか調べたい。
見つかったらそこに向かう。
13(1): → 2010/04/26(月)01:31 AAS
>>12
客室には､ネットワーク端末も常備されていたが､パソコンは無かった｡
『ﾌﾟｽ･･･』
押し寄せる排泄物の予兆が､ガスとなって肛門から噴き出す｡
便意が急速に腸内を支配し､『狩野』は便座に座り込むしか無かった｡
14(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/26(月)18:48 AAS
>>13
「ドオオオォォォーリャァァァァ！」
気合を入れて短時間で排便をすませる。
済んだらフロントマンにでも鍵屋の所在を尋ねたい。
15(1): → 2010/04/27(火)00:37 AAS
>>14
『ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘｯ』
力を込めた『狩野』の肛門から､子供の腕程の細長い糞塊が搾り出される｡
歪な産声と共に､糞塊は便器の中へと静かに着水した････････････｡
『ﾎﾟﾁｬｯ』
排便を済ませた『狩野』は､便器の中に横たわった糞を見下ろす｡
体内から抜け出した糞に､すでに生気は無い･･･････････｡
省6
16(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/27(火)21:53 AAS
>>15
フロントマンに教えてもらった場所へ向かう。
「自分で言うのもなんだが、あんまり期待はできねーな。
とはいえ、都合よくヒントが転がってくるって幸運以外に頼るものもないから仕方ねーが。
17(1): → 2010/04/28(水)00:31 AAS
>>16
『サンバーナディーノ』の治安は､御世辞にも良いとは言えない｡
白人と黒人､ネイティブ・アメリカンが人口の大半を占めており､アジア系の
割合は全体の５％にも満たなかった･･････････････｡
日本人旅行者にとっては､危険な町である｡
『狩野』が『鍵屋』に辿り着いたのは､モーテルを出てから数十分後だった｡
年季の入ったコンクリート建ての平屋で､出入口の上に大きな看板が掛かっている｡
『ＢＥＮ’Ｓ ＫＥＹ ＳＨＯＰ』
18(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/28(水)00:37 AAS
>>17
「スタンド使いになって良かったと思うことは
こういうヤバ気なところでも不必要にビビる必要がないってことだな
お、ここか」
営業時間なら遠慮なく店の中に入りたい。
19(1): → 2010/04/28(水)02:03 AAS
>>18
ガラス張りの出入口には､内側に『ＯＰＥＮ』と書かれた札が下がっていた｡
『狩野』は､無造作にドアを開けると､店内に足を踏み入れる｡
『ドドドドドドドド』
店内は､幅２〜３メートルで奥行きのある造りだった｡
ドアから入って､すぐ右手に横長いカウンターがあり､小柄な黒人の男性が
１人ポツンと座っている･･･････････｡
顔のシワから､かなりの老齢である事は分かった｡
省1
20(1): 狩野『トゥルース・デアー』 2010/04/28(水)21:48 AAS
>>19
（ここが日本じゃないのはわかってるが、
たまには客に愛想のいい商売人はいないもんかね、やれやれ）
「あーご老体、ちょっと知恵を拝借したいんだがいいかな」
鍵を見せる。
「これがなんの鍵か見当がつきそうなら教えて欲しいんだが」
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