【新連載】 サードアイ 【ミステリー小説】 (118レス)
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1: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)19:43 AAS
人間は2つの眼を持っている。
1つは現実を曇りなきままに見据える眼。
もう1つは心の中で過去や未来を懐古したり予測したりする眼。
この2つ眼光が、たえず人間社会を照らし続けている。
現実と理想――――。
人々はこの2つのスクリーンが映し出す葛藤に日々苛まれている。
しかし、その2つの眼が1つになった眼がもし存在したらどうなるか。
過去に起こった全て歴史や、未来に起こる森羅万象の物事を
すべて的確に見ることができる眼。
それを人はサードアイと呼んだ。
省16
2: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)19:46 AAS
※この物語はフィクションです。 実際の事象・人物・団体名等とは一切関係ありません。
※この物語は性的描写を含んでいます。18歳未満の方の閲覧は好ましくありません。
※この物語には多少グロテスクな表現を扱っています。閲覧に関しては完全に自己責任で。
※この物語が原因でその後起こった事象についての一切の責任を執筆者は負いません。
3: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:10 AAS
第1話
「はじまりのINTER−PHONE」

「ハァハァ…んぐ…あ…ハァーーッハァァー
 ぐっ…ぐぐ…あぁ…ん…も…もう……………」
沈黙に包まれた暗いアパート。とある一室の昼下がり。
俺は近日覚えた『コタツオナニー』に耽っていた。
内容はご想像にお任せだが、いわゆるフランクフルトを焼いていると思ってくれればいい。
調味料としてロウソクの蝋を使ったりしている。
コツを覚えるまで数日かかったぜ。
このプレイを簡単に言えば熱さを快感に変化させるわけだが
省13
4: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:11 AAS
この時間帯に鳴るチャイム。
住民票も無い誰も知らぬ家に来るような輩は
キャッチセールスか宗教と相場が決まっている。
在宅は神聖にして犯すべからず。訪問商売は犯罪じゃないのか。
…足音、雰囲気からして1人。
宗教は最近数人で来るパターンが多いからおそらく前者だろう。
俺はコタツから身を抜け出し、全裸の上にコートを羽織った。
一般的な場合は覗き穴から外を見るもんだが、最近のキャッチは手ごわい。
覗き穴を封じて、資料を構え、こちらの出方を伺ってくる。
俺はエアーガンを装備し、ここは1階なので庭から外に出る事にした。
省4
5: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:11 AAS
保険屋―――。それは人を恐怖に陥れておいて、
安全の保証を盾に金を捲し上げる阿漕な商売。
奴の目的はきっとノルマだ。種類にもよるが1ヶ月に10件程度の契約ッ!
だが俺は誰とも契約を結ばない孤高の男。
それを知っての狼藉か。早々に始末せねばならん。
さて何処を狙って撃ち抜こう。自由か名誉か昇進意欲か。
保険屋ならば信頼だ。信頼無くして人々は安心して保障を受け入れない。
俺はヤツの「信頼」目掛けて渾身の一撃を放った!
「損害賠償ォォォォ!!!!!!」
閑静な住宅街に鳴り響く乾ききった銃声。
省2
6: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:12 AAS
女「なにやってんの変態」
突然背中にあてられた鋭利な突起物。
この感触…近くの百円ショップの穴あき包丁だ。
「希代子か」
隣の部屋の住人、春日希代子。
どういうヤツかは見ての通り。精神がイっちゃってる女。
学校帰りに制服姿で白昼堂々ナイフを握る。
「俺の後ろに立つな」
そうはき捨てて、屈んだまま玄関先を伺う。
保険屋に変化は無い。どうやら外したようだ。
省9
7: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:12 AAS
春日希代子。黒髪ロングに凛々しい顔立ち、整った眉に切れ長の眼。
スタイルはモデル型でやや身長は高め。一見みればごく普通、
いやそれ以上の女子高生だが、趣味がイっちゃってる。
その趣味を一言でいえば『絶望感』
何かが恐怖にまみれ、もがき苦しみ、この世の果てとなる状態を好む。
ドSなんて、そんな生易しいものでは形容できない。
あるとき、コイツの部屋の庭先にミミズがたくさんウヨウヨいた。
気持ち悪いと思ってよくみたら、それは全部羽根の削がれたトンボだった。
何かが堕ちていく、希望を失っていくその状態と過程。
それを観るのが奴の悦楽の極み。手段も選ばない恐ろしい女。
省2
8: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:13 AAS
変態。確かにコートの下は全裸の俺だが、そう呼ばれるのには他に理由がある。
この現代社会。名前一つで何でも調べられる。汚い世の中だ。
それゆえ簡単に隣人などに名を名乗る事はできない。
俺は少年Aだとか、あの部屋の人だとか、適当な人称代名詞などで呼ばれている。
変態はそのうちの一つであると憶えておいてくれればいい。
そうだ名前なんて要らないのだ。自分は自分、他人は他人。
他人の記憶の中に自分の名前を残した時点で、果たして何になる?
それに名前とは生まれたその時、自分の意思なく誰かが勝手につけた名前。
それを背負って残りの人生を生き抜く義務など俺には無い。
だから、もう既に俺は自分の本当の名前を憶えていない。どうでもいい。
省4
9: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:13 AAS
少女は無表情のまま、舌を唇から僅かに出して、
絆創膏が一枚ほど貼られた綺麗な指先を俺の一物の方に差し伸べた。
だが俺はそれを制止した。
どうせこの女の事だ。俺がいく瞬間にナニをかじり千切るとか
そういうつもりなのだろう。なんとなく想像はつく。
「俺に野外の趣味は無い」
よくみれば片手にアロンアルファを持っているのが見えた。
先端に塗るつもりだったのだろうか。イきたくてもイけないという
とてつもない恐怖を味合わされるところだった。
希代子「じゃあなんでコートの下は裸なの。痴漢でもするの。」
省10
10: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:13 AAS
俺はあわてて庭から自分の部屋に戻ってみると
コタツオナニーの調味料として使用していた蝋燭が
炬燵に引火して燃え上がっていた。これはやばい。
台所から大量の水を吹きかけて鎮火させる。
ゴホッ!ゴホッ!おびただしい煙にむせる。
換気扇をつけて、玄関をあけた。
玄関をあけた。
…あけてしまった。
その刹那、扉の先から手だけが中に入ってきた。
その手には巨大なペンチ。
省7
11: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:14 AAS
メガネをかけたサラリーマン風の保険社員は
不気味な笑みをして俺に近寄る。
俺はコートの下は全身全裸。
特に対抗する武器はなく、しかも背中を負傷している。
奴の得意技は巧みな話術、接近戦は分が悪い。
ある程度距離をおこうとしたとき、男は開口一番こういった。
男「あなたは今、狙われている!」
耳を貸せば負けとわかっていながらも、俺は男の話を聞いていた。
男「この世にはびこる暗黒の組織が
  . 今あなたを殺そうと、機会を十二分にうかがっているんです。
省17
12: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:15 AAS
男「でももう大丈夫、私のチームがなんとかしてみせましょう!
  . あなたはもう安心だ!助かる!きっと!明るい未来へ!!」
…このままではダメだ。奴の思うつぼ。
Noといえる強い大和魂を見せつけねばならん。
青少年に有害なビラやチラシは大歓迎だが
非生産的な保険セールスはお断りだ!
人間の生命力なめんなこの野郎。俺は何にも頼らず一人で生きていける。
奥底より燃えあがる血潮、火照る身体、そう…俺は生きてい…イタタタ…
男「おや?あなた早速ですが、背中に傷を負っているようで!」
深手ではない筈だったが背中を触ると、確かに血がまだ流れていた。
省11
13: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:17 AAS
・・・・・・・・

宗教。地球に何故か生まれてしまった謎の道徳。
しかしながら、今の人類の文化を形成してきたのは何を言おう宗教である。
信じる者は救われる。その根拠は各々の心の中に。
では信じない者はどうなるか。
自らを頼り生きていく。所詮世の中は敵だらけ。
殻に閉じこもると言われてもそれでいい。
各々の中に欲望というモノが存在する限り、理はすべて利己に働く。

…まぁどうあれ、炬燵が黒こげになってしまったので
コタツオナニーはしばらく封印せねばならん。
省6
14: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:17 AAS
少女「下のお兄ちゃんこんばんはー」
やや色の染まったゆるふわカールのミディアムヘアーに
くっきり二重の愛らしい少女。
今時の女子高生という感じのその女の子は
なにやら鍋のようなモノを抱えて俺に近寄ってくる。
爆発物か?と瞬間的に俺の危機意識が張り巡らされるが、この子は違う。
隣の希代子とは違いマトモな子だ。家柄を除いて…だかな。
下のお兄ちゃんというのは、ちょうど俺の部屋の上に住んでいるから
そういう呼び名になった。つまり俺から言えば上の少女だな。
『下の』がつくとはいえ、お兄ちゃんと呼ばれるのは悪くない。
省20
15: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:18 AAS
さっそく部屋に戻ると、頂いた土鍋をあける。
中身は美味しそうなインド料理もとい日本家庭の定番料理・カレー。
さて、どうやって自慰にふけるか。
少女が手に持っていた土鍋…それだけで既に下半身は興奮状態である。
もしかしたらこの鍋を洗ったりしてるのも菜穂ちゃんなのかな…。
おーーーっと遺憾遺憾、今は素直に味合わねばなるまい。
汚してはいけない神の領域というものがあるだろう。
アイドルは決してウンコなんてしない。そう、そういうヤツだ。
ってカレー食べる前にそんなウンコの話するんじゃねぇこの野郎。
と、一人で煩悩と戦っているうちに突然インターフォンが鳴った。
省4
16: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:19 AAS
やや危険を感じ、システムキッチンから即時にサバイバルナイフを取り出した俺は
玄関から見えない所で一度構える。先程鍵を閉め忘れたのは不覚であった。
この間合い…鍵を閉めるにはもう遅い…。
居留守は無理と見て、俺は叫んだ。
「誰だ!!」
耳を澄ます。雰囲気からして1人だろうか。
同時に嗅覚を研ぎ澄ます。カレーの臭いしかしねぇ…。
外の声「私よ。開けなさい。」
小さく透き通った声だったが確認できた。希代子だ。
希代子…だが隣人とはいえ安心はできない。
省11
17: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:20 AAS
持久戦には自信がある。なんたってこっちには食糧があるんだ。
カレーを作ったときの事、みんな覚えているだろう。
朝カレー、昼もカレー、夜にカレーで、出るものもカレーだ。
これで一日は確実に生き延び――
そうこう考えてるうちに、既に女は庭の窓から我が家に侵入していた。
「な…!?」
慌てて臨戦態勢に入る。
居間に現れたワイシャツ姿の女。
リストカットが生々しい右腕に抱えているのはナイフではない別の凶器。
希代子「使いなさい変態」
省8
18: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:20 AAS
希代子「じゃあね」
女はこちらの反応を待たずに立ち去ろうとした。
「待て…」
結論がまとまらないままに、俺は呼び止めてしまった。
女は振り向かず、足を止めた。
…よく見るとコイツ土足で上がってきてやがる。
俺の家は洋式じゃねぇんだこの野郎。便器は洋式だけど。
まぁ何のつもりだと理由を詮索するのもなんだか気が引けたので
とりあえず礼だけを言うことにした。
「あ…ありがとな」と小声で。
省10
19: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:22 AAS
第2話
「限りあるNO−FUTURE」

有限会社ノーフューチャー。
このネーミングセンス抜群な企業が今の俺の職場だった。
業務的には小さな派遣会社だと思ってくれればいい。
いわゆる何でも屋だ。基本的には清掃などの雑用が多いが。
しかし小規模だからこそ、時にはとんでもない仕事が
舞い込んでくる場合がある…。
まぁそれはさておき3年前、流行りのダンボールを食すほど
ホームレス状態だったこの俺を、拾ってくれたのがこの会社である。
省6
20: 春日部◆L0XV/MHIIE 2009/02/27(金)20:23 AAS
「うぅうぅ…あぁ…コレ…コレ…あぁ…
 あぅ…ら…らめら…も…も…もぅ………」
先日覚えた土鍋オナニーに夢中の俺。
どういうプレイかはご想像にお任せだが、
いわゆるきりたんぽ鍋だと思ってくれればいい。
土鍋もなかなかいいもんだぜ。これぞ秋の夜鍋ってヤツだ。
はぁーっ…はぁー…ん…眩しいような。
気がつくと既に外は明るくなっていた。
時計を持たない主義の俺は、窓をあけて太陽の位置を確認する。
この時期からして7時半というところか。
省1
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