ファルコムエロパロ避難所&代行スレッド (70レス)
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9: 共に歩みぬく意志 2011/01/08(土)00:34 AAS
「え、エリィ!?」
「ロイド…結婚って、何の話?」
「いや、違うんだ。今はその、彼女だけに伝える事があって…。」
「あら、わたくしだけに?じゃあ今からお部屋でたっぷりと聞かせて欲しいですわ。」
「たっぷり聞かせるような話じゃないよ!」

アロネは彼の慌てる姿を堪能し、満足したようにその腕から離れると、部屋のほうへと後ずさった。

「ふふ、じゃあ今度是非、お聞かせ願いますわ。わたくし、お先に失礼いたしますわね。ありがとう、ロイド様。」
「ああ、アロネも、いろいろありがとう。」
「エリィさんも、おやすみなさい。」
「おやすみなさい、アロネさん…。」

エリィに挨拶を告げながら、その側を素通りするときに、アロネが小さくつぶやく。

「あくまでフェアに、ですもの。今なら、二人きりになれますわよ?」

彼女はそのまま、自分の部屋の扉を開き、もう一度こちらに手を振ると、その向こうへと姿を納めた。
二人はしばらく黙りこむ。お互いの顔を見るのもためらうように、床や壁に視線を逃がしている。

「なあ、エリィ…。」

ロイドがおそるおそる声をかけると、エリィは返事をする変わりに、彼のほうへと頭を下げる。

「ロイド、ごめんなさい。」
「へ?」
「昨日の、その、デザート…。」

ぽつりとつぶやく言葉に、しかしロイドは顔を緩ませた。

「や、そんなことか。まったく気にしてないよ。結構いけたしね。」
「でも…。」
「俺にも原因があったわけだしな。でもなきゃ、エリィがデザートを失敗するなんて、まず無いよ。」

エリィは今日のロイドの言葉も思い出し、その胸に飛びつきそうになる。だが、何故かそれが出来ない空気が、彼にはあった。
アロネとの会話の事もあったが、何処と無く彼の仕草が自分を避けている気がする。腕を組んだロイドを見るのは、滅多に無いことだった。

「でも今日は大変だったな。あの数もさながら、まさか俺が目撃証言にあがるなんて。」
「そうね…。」

会話が続かない。エリィは言葉を紡ごうとすればするほど、絡まる鎖に心を縛られていき、そのもどかしさに張り裂けそうになった。
だんだんと重い空気を吸うのも辛くなり、涙をうっすらと浮かべてしまう。

「私、そろそろ寝るわね。ロイドも早く休んだほうがいいわ。」

逃げるようにノブに手を掛ける。彼女は今一刻もはやく、この息苦しさから開放されたかった。

「エリィ!」

突然の叫び声に、扉を開く手が止まる。振り向き見た彼の顔も、眉間がしわくちゃになっていた。
エリィは、こちらに手を伸ばしたまま、明らかに豹変した彼の態度に、思わず岩のように動けなくなる。

「どうしたの?」
「エリィ、俺は…」
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